プレジデントウォーズ2016 ━最後の希望━   作:TREBOR SAX!

4 / 10
ヒダリー登場

シーン5 

 

アームの眼の前に、白人女性が腰掛けている

ミンシュー党候補者【ヒダリー】だ。

カメラがゆっくりとヒダリーの上半身をズームする

年は70近いが、その顔のおかげでもっと若々しく見える

自信にあふれた表情。才気と思慮に富んだ眼光 見る者に強い印象をあたえる

貫禄があった。まるで女帝か、もしくは学校の先生のようであった

反対に首から下はひどく痩せている。ゆったりとした服装からのぞく首や手足は棒のようにか細い。

彼女の人生は完璧だ。弁護士から、政治家に転身。

着々とキャリアを積みあげてきた

国務長官もつとめた政治的エリートだ。

彼女は明日何もなければ、次期お米の国初の女性大統領となる。

 

 

 

シーン6 

 

ヒダリーが軽く笑って、アームに語りかける

ヒダリー「ご機嫌いかがかしら。アーム監督。直接会うのは初めてだったかしら……」

アーム 「……」

アームは返事をしない。下を向いている。ヒダリーは気にしない様子で話を再開

ヒダリー「あなたは確かカミナリーズを支持していたはずね。招待を受けてくれたということは、私の陣営に鞍替えしたと考えて――」

 

ビシッ! 

突然アームが手のひらを突き出し、ヒダリーを制止する。

アーム「ミス・ヒダリー、挨拶の方はもうよろしいでしょう。本題に入る前にお聞きしたいことがあります」

アームが、手を横に振り、周りを示す

アーム 「この馬鹿騒ぎは一体何なのです。酒を浴びるように飲み、舞台の上で芸能人が歌っている。招待客の中に良からぬ者がいるのか大麻の臭いまで漂っている。我々は、ミンシュー党はこの国の命運をかけて戦っているのではなかったのですか!?」

ヒダリーはため息をつき、失望したような感じで喋る

ヒダリー「わからない? 前祝いよ。私達はもう勝っているのだから。これまで戦ってくれた恩人たちに慰労が必要でしょう」

そういってヒダリーは手近にあった酒の入ったグラスを指で軽くつつく。不敵な笑みで。

 

アームが、ングフゥと強い鼻息を噴出する。堪忍袋の緒がプッツンする音が聞こえる。

カメラがアームの口元を映す。大きく息を吸い込み、

会話をぶったぎって興奮しながら声高に叫び始める。両腕をファイテングポーズにして拳をゆらしながら。

 

アーム「あなたは崖の上に立っている!!。破滅的な未来が降りかかり、あなたは地に叩き落されドランプが勝利をつかむ!!」

と真っ向から言われ、ヒダリー はぁ?意味がわからない、というほうけた顔

ムーア 「どうか私の言葉を信じて下さい! 私には聞こえるのです。ハンニバルが門を叩く音が! 今も絶え間なく聞こえる!」

ヒダリーの余裕があった微笑みが消え、目尻と口のはしに力が歪む。

アームは関係ないとばかりに言葉をまくし立てる

アーム 「このまま何もせず明日を迎えれば、あのノンデリ男を大統領と呼ぶことになってしまうでしょう。どうか私の進言を受け入れ、行いを改めるのですっ!!」

突然の発狂に、周囲は静になる。客の談笑、歌声、環境音が全て止む。

ヒダリーのうっとりとしたいい気分は、空気を読まない太った男によって台無しになりつつある。  

ヒダリーの顔はこわばり、鋭く敵をにらみつけた

 

 

次回 シーン7 自画自賛

 

 

 

 

 

作者メモ

ここからずっとアーム・ヒダリーの対話が続きます。作品中でここが一番長くなりそう

寓話的な感じで、登場人物のリアリティはほとんど放り投げられてます。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。