プレジデントウォーズ2016 ━最後の希望━   作:TREBOR SAX!

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自画自賛

シーン7

 

ヒダリーの表情が、硬くこわばったのは一瞬だった

すぐに平常心を回復し、軽い微笑みを取り戻す。

周囲の人間が、突然叫びだしたヤバい人間を取り押さえようとするが、ヒダリーは冷静にそれを制止する

余裕の態度で、ヒダリーは問い返す。

 

ヒダリー「フッ ハンニバルが何? 私には何も聞こえない。あなたは何もわかっていないようね。無知なあなたに、なぜ私が大統領選に勝ったのか、一から教えてあげましょう」

ヒダリーが、人差し指をピンと突き出す

 

ヒダリー「まず1つ目は選挙資金よ。私の陣営には、アメリカ史上最高額の寄付金が集まっている。

そのお金を出しているのは、政治的に正しい人々よ。大企業の役員。ハリウッドスター。各学会の重鎮。そしてこの祝勝会に集められた愛すべき私の支持者たち。彼らリベラリズムの最精鋭たち。まさに【リベラルエリート】と呼ぶべき最高の人々」

ワァ――、と周囲の人々から歓声と拍手が上がる。ヒダリーが声に答える。

「それに比べドランプの元に集まっている者たちはは何?あれは。

まったくもって、具にもつかないプアーホワイト貧乏白人しかいないじゃない。

田舎者 差別主義者 後進的価値観 コミュニティの厄介者が列をなしている。

トランプ支持者の99%は【嘆かわしい人】と評するしかないわね。

こういう輩のなけなしのお金では到底、選挙資金が足りないから、ドランプは個人資産を売り払って選挙を進めている。計画性もない愚かな男」

はぁーとため息をつく

 

ヒダリー「2つ目が、大手マスメディアよ。知っている? あのキョーワ党びいきで有名なテレビ局の狐コンコンニュースがドランプをどう評したのかを。なんとドランプのことをキョーワ党候補者としてふさわしくないと報道したのよ。

これで大手テレビ局五社はすべてミンシュー党支持にまわったと考えてよいでしょう。

ホホホ、討論会でも私の味方をしてくれるに決まっている」

アームは無言。

 

ヒダリー「3つ目は道徳心よ」

アーム 「道徳心、…ですと?」

これまで無表情だったアームが眉をひそめる

ヒダリー「イエス! 社会的正しさと言い換えてもいいわ。話しはお米の国前大統領である【ミスター・小浜】まで遡る。

小浜は大いなる光で、私達に夢を見せてくれた。

お米の国の全国民、いえ全世界が、彼の道徳心に驚嘆し、その素晴らしさを称え、真実に目覚めたのよ!!。

彼の統治の八年間で、お米の国の威信とソフトパワーを大いに高まった。

そして現在の私たちは小浜後の世界を生きている」

ヒダリーの目がキラキラと輝く

ヒダリー 「私なら彼と同じように、いいえ彼よりもっとうまく出来る。

今現在、ミスター小浜が受けた称賛の分だけ、道徳心に欠ける愚かな人間たちへのリベラルエリートの怒りと非難は強まっている。

私達は真実の政治のために悪の差別主義者たちと戦う正義の戦士! この大統領選は、心を闇に飲まれたドランプとその一味との善と悪の戦いとなったわ!」

鼻息を荒くしながら言葉をつづける

ヒダリー 「まともな神経をしている人間なら善と悪どちらに投票するのかは、自明の理でしょう」

 

 

ヒダリーの演説を聞き終えたアームは、苦渋を一気飲みしたような表情でマブタをピクピクさせる

 

 

 

 

次回 シーン8 アームの警告

 

 

 

 

 

 

 

作者メモ

「嘆かわしい人」発言をした本人は、後日それを撤回しました。

しかしこの言葉は、自称リベラルな人々には失言とはされず、賛同されたり共感されたりしました。

現在でも何かあるたびに掘り返され、嘆かわしい〇〇とかいう風に使われます。

こうやってますますアメリカの分断は深まるのでした。

 

 

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