大人になったら何になりたい?
その言葉が自分の心を突き刺す。高三の春、18歳成人が近づきつつあっても未だに自分が何者で、何をすればいいかわからない。勉強もいまいち進まない。友達は居てもいつも孤独を感じる。隣の席の優等生は旧帝に行きたいとか言って勉強を我武者羅に頑張っていた。落ちてしまえばいいという心と受かったらすごいなと言う心が同時に存在している。とても、不気味だ。彼は旧帝にいかなくとも成功しそうだなとなんとなく感じる。自分とは決定的になにか違う。俺は勉強やそれ以外のなにかで成功することはないって俺が一番わかっている。それが優等生と比べてしまいますます惨めな気分だ。
志望校を書いてくれ
なんとなく優等生と同じ大学を書いてしまった。ああ、自分の意思は弱いんだな。受ければ何か変わるかもって気持ちだけで書いてしまった。志望書を見た担任の顔が頭に浮かんでくる。だけど、危険を冒すしかない。いや、もう負け犬になることはわかっている。それでも、ナニかに押されてしまったんだ。そして、人生を棒に振ってしまうのかもしれない。その夜、夢を見た。みんなと同じように借金を作ってよくわかるない大学に進んで大して給料の上がらない夢だ。夢の中の自分はファストフード店でハッピーセットを作っていた。ハンバーグを鉄板で焼くんだ。そして、ばかみたいな顔した子どもにそれを渡す。子どもはこれじゃないと親に駄々をこねる。お前が頼んだんだろ?
大人になったら何になりたい?ーなにもわからない
自分で稼いだ金で生活費を払う、それで満足? −ノー
都市圏の一等地に住む? -ノー
恋人を作ってこの孤独感を無くす? -ノー
年をとれば全て諦めて孤独も消えるか −ノー
違う、俺はただみんなより優れていたいだけなんだ。
数十億円稼いでそれを見せびらかしたい。ー障害かけても二億しかお前は稼げない
アイドル並みに可愛い彼女を作ってインスタのストーリーで自慢したい。ーお前みたいなコミュ障が彼女なんか作れるか
首都圏の一等地でバカでかい庭付きの家を買いたいだけなんだ。ーどうせ首都から離れたボロいアパート暮らしだよ
ネットで書いた小説で金を得たいだけなんだ。ーれは中学生が休み時間に想像する妄想だろ。ハタチ超えてそんなこと言ってたらただの頭がイカれた
全部、難しい。
朝の満員電車に空から突っ込むほうが楽かもね。
でも、約束するよ。お前はみんなと同じくらい優れていないさ。