ドラゴンだけど人類が弱すぎて草   作:三笠木

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昨日は初めてのライブに行って書く体力が尽きてました。V.W.Pはいいぞ。

前回はぶっ飛んだ世界観が受け入れてもらえるか心配だったけど思ったより好評で嬉しいです。
でもそれ以上に大量に感想が来て困惑しています。感想80個って何……?
あとローじゃなくてハイファンタジーじゃない?って書かれてたのを読んで、改めて考えると世界観的にはハイファンタジーですねこの作品。
主人公が基本的に地球の価値観で話すのでうっかりしてました。修正しておきます。


ドラゴン昔話、あるいは人類の神話

 うんうん、みんな予想通り困惑してるねぇ。そりゃそうだよね、今までやって来た事ってほぼほぼ全部創造神じみたのばっかだったし。それが実は死と消滅の神がやってましたー、なんて言われても簡単には受け入れられないわな。

 さてこからが正念場だ。混乱が収まる前に、情報の洪水と勢いで押し切る!

 

 そもそもこの世界は原初の二頭である俺と、命と創造を司る白いドラゴンである〈かがやくいのち〉が生まれた命を見守るために始めたものだ。

 俺たちが生まれたばかりの原初の世界、星のない宇宙空間みたいな何も無い空間が広がっているだけだったこの世界では、〈かがやくいのち〉から自然と生まれる生命のほとんどは生きられなかった。この時はまだ魔法の開発とかもしてなくて、やることと言ったら死体の片づけくらいなものだったからだいぶ虚無だったね。世界じゃなくて俺の心が。

 で、このままだと俺の心が保たないので、〈かがやくいのち〉に生命が生きやすい場所を創ろうと提案したんだよ。

 前世の知識がある俺と違って、生まれたばかりの〈かがやくいのち〉は赤ん坊同然で、ある程度意思の疎通ができるようになるまでずいぶん時間がかかった。言語とかじゃなくて意識とか理性の方面で。恐らくだが俺たちドラゴンは本来、世界のルールとかシステムに近い存在だから感情が無いに等しいんだと思う。転生なんぞを経験している俺が異常なんだ。

 そこからもいろいろ苦労したよ。〈かがやくいのち〉に大気や土、水や火の概念を教えたり、力に任せて命を創るんじゃなくて、本人……というか本竜の意思で命を創れるようになるまで手伝ったり。俺が自分の力は全然融通が利かないって分かって魔法の開発を始めたのもこの時期だったな。

 だが苦労した甲斐あって、現在の四体のドラゴンによって自動で広がるこの世界が生まれ、多くの命が空に、大地に、海に生きている。文字通り何もなかった初期の世界と比べると雲泥の差だ。

 今の世界ができてからは、〈かがやくいのち〉は生きている命を見るのが楽しいのか、ずっと世界中を飛び回っている。俺だったらとっくに飽きているだろうけど、本来ドラゴンという存在はああいうちょっとした刺激だけでも長い時間を過ごせる精神構造をしているんだよね。俺もそうだったら良かったんだけどなぁ……。

 とまあ、この世界の成り立ちというか誕生秘話はこんな感じだ。長々とゴメンネ!

 

 で、以上の話から俺の事情を抜いたのと前回の天変地異の話を、"ドラゴン"の部分を"神"に置き換えて人類に話しました。

 

 忘れてたかもしれないけど、今人類の仲裁というか丸め込んでる途中だからね。大丈夫?思い出してくれた?

 俺の話を聞いてる人類の反応を見る限り、このまま結束を呼びかけるだけでも大丈夫そうではある。あるのだが……まだ少し不安なのよねー。

 これからの人類のピンチを考えると、もうちょっとやる気を引き出すような言葉を掛けといた方がいい気がする。モチベーションは高くて困らないしね。

 それじゃあ最後に、今までやってこれたんだから今回も行けるよ!頑張ってね!みたいな感じで締めよっかな!えー、ゴホン。

 

 人よ。この世界を懸命に生きる、弱く儚き命たちよ。

 我は死そのもの。我は終わりを(もたら)すもの。(あまね)く全てはいずれ消え逝くが(ことわり)なれば、汝ら死を奪うことも、迫る滅びを掃うこともできぬ。

 されど、死を前にして命を繋ぎ、命を燃やして滅びに抗うも命の宿命。この千年余り、汝らは(おの)が意思で、(おの)が力で幾多の滅びに抗い、命を繋いで来た。ならば此度の災禍も抗うがよい。小さき命の輝きを、我は終わりより見守ろう。

 (さか)しく生き、無様に逝け。信仰を捨てようとも、世の摂理を知らずとも、我は全ての魂を受け入れよう。

 

 よし、こんなもんでいいだろ!人類も盛り上がってくれてるし、これにて仲裁は完了だな!

 とはいえ、ここからが本番だ。天変地異に備えてやるべきことは山ほどある。忙しくなるぞー!

 まずは人類を一か所に集めないとだ。山崩れの危険がある山の国と、津波の被害が予想される海の国、嵐で冠水する可能性がある砂漠の国の住人には移住してもらわないといかん。移住先の土地も天変地異に耐えられるように整える必要があるし、魔物たちの襲撃に備えた防衛力の強化も必要になる。やることが、やることが多い……!

 とりあえず、人類が独力でやると一番時間がかかりそうな移住先の整備をしてしまおう。ここを終わらせれば人類のリソースを移動と戦力強化に集中させられる。

 

 というわけで作りました。こちらが対天変地異防衛用要塞都市〈アーク〉でございます。

 

 全人類を収容し、都市内で必要になる最低限の食糧や物資を生産できる設備を完備!災害対策に水路を整備し地面を固め、火山と海から離れた位置に建築した、人類が終末を乗り越えるための箱舟!作ってるうちに楽しくなっちゃって人類に任せる予定だった外壁まで作っちゃったよ。まあ人類に余裕ができたからヨシ!

 戦力増強のプランも用意してある!この人類最大の危機、頼むから生き残ってもらうぞ!




基本的に人類の発展はサクサク進めていきます。
文明の発達とかの流れはノリと勢いで決めているので真面目に考察とかしないでください。作者にそんな知識は無いです。
でもコメントはそう言った考察も含め、どれも楽しく読ませて頂いております。感謝!

前回前々回に味をしめ、今回もちょっと設定公開
・この世界に月と星はある。月は世界の中央の上に浮いていて、地上からは見えないが上部が凹んでいる。星は実体を持たず、おおよそ千年に一度、一部が地上に墜ちてくる。

月の凹みと星が降る理由は次回に書けると思います。お楽しみに!
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