呪いの方陣は透き通る世界でも循環する   作:Another2

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ドラクエ3が面白すぎる


【Vol.1 対策委員会編】
廃校対策委員会


 シャーレに就任してから早くも数日が経過した、人間慣れれば早い物でここでの仕事()比較的早めに慣れることが出来た、しかし仕事とは別の問題が俺の肉体にて発生している。

 

「くっくっくっ、それにしても随分と愉快な体になったもんだ」

 

“笑い事じゃないでしょ、どうすんのこれ”

 

 俺は今マコラから手渡された手鏡で自分の顔を見ている、勿論俺にそんな趣味はない、ていうかその程度の問題だったならば問題にすらならない、明らかな異常が鏡の中に映っていた、その鏡に映るのはここに来る前にはなかった()()()()()宿()()()自身の顔だ。

 当然の事だがキヴォトスに来る前の俺の眼の色は黒でありこの色になったのはシャーレに就任した際に端末を起動した直後だった、この眼になった瞬間に視界に入ってくる情報の量が多過ぎて意識を手放しかけた、何と言えば良いのか、霧や靄みたいなものが辺り全域に目視できてしまう、具体的に言えばサーモグラフィーみたいな感じ、その事を伝えどうにかならないか相談したところ、真っ黒なカラコンを手渡され一先ずはこれで間に合わせてくれと言われた、それでも大分見えるあたりこの眼は異質なんだろう。

 

「まさかアンタに()()が宿るなんてな、これも()()()の置き土産か或いは単なる呪いか……」

 

“不吉なこと言うなや、というかまだこっちの方は慣れてないよ、頭クラクラする”

 

「それで済んでんのが奇跡だよ、普通は脳みそ焼き切れるからな」

 

“怖い事言うのやめて⁉︎”

 

「因みにその眼で(わたし)を凝視すんなよ〜?セクハラで訴えるからな」

 

 イラッ

 

餓鬼の身体に興味ねえよ

 

 滅茶苦茶裏拳かまされた。

 

『あのう……お二人とも、そろそろお仕事の話に入っても大丈夫でしょうか?』*1

 

“あぁうんごめんね、お願いアロナ”*2

 

 見かねたのかとうとうシッテムの箱を通じて《アロナ》が仕事の話を持ち出してきた。

 

「いよいよ本格的に活動開始か、いやぁここまであっという間だった」*3

 

 あとさりげなくマコラはアロナの存在を認知してるらしい、他の生徒はそうじゃなかったからマコラはそういう物だと思うしかないようだ。

 

『はい‼︎ここ数日間、シャーレに関する噂もたくさん広まっている様で、生徒の皆さんから様々な手紙が多数届いています、その中に一つ……少々不穏な手紙がありまして』

 

“あらやだ脅迫状かしら”

 

「果たし状かもしれんぞ」

 

『お二人共‼︎もっと緊張感を持ってください‼︎』

 

 いやこの世界において俺に差し向けられる手紙と言ったら助けを求める手紙より脅迫状の類の方が信憑性高いでしょ、ただでさえ警戒されてるってのに。

 

『読み上げますね』

 

連邦捜査部の先生へ

こんにちは。私はアビドス高等学校の奥空(おくそら)アヤネと申します。

 

今回どうしても先生にお願いしたいことがありまして、

こうしてお手紙を書きました。

単刀直入に言いますと、今、私たちの学校は追い詰められています。

 

それも、地域の暴力組織によってです。

 

こうなってしまった事情はかなり複雑ですが……。

 

どうやら、私たちの学校の校舎が狙われているようです。

 

今はどうにか食い止めていますが、

 

そろそろ弾薬などの補給が底を突いてしまいます……。

 

このままでは、暴力組織に学校を占領されてしまいそうな状況です。

 

それで、今回先生にお願いできればと思いました。

 

先生、どうか私たちの力になっていただけませんか?

 

 想像してた物ではなかったけどやはりというか何というか、穏やかな物ではないね、しかも暴力組織に占領されそうと来たか、初っ端から随分とヘビィな要件を突きつけてくれるじゃないの。

 

『うーん……アビドス高等学校ですか……』

 

「アビドスからの依頼か……」

 

“どったの二人とも”

 

「いやアビドスの自治区はその昔キヴォトスでもかなりの広さを誇っていてな記録が確かであるならば生徒会長が70人もいたというまさしく群雄割拠の時代があったそうだ」

 

“そんな天下統一みたいなことしてたの?”

 

「まぁ昔の話だろうが……その広さはキヴォトスでも最大級だったんだがな、気候の変化か何かは知らんが急激な砂漠化によって大きく衰退、半ば無法地帯みたいになっていて、何の装備も無しに向かえば文字通り干からびてミイラになる」

 

 この広いキヴォトスの中でも最大級の広さを持つ自治区……つまりは都市が砂漠化によって衰退……ねぇ、なんかきな臭くなってきたけども、今は原因の方はいい、何もわからんし、問題は追い詰められてる生徒の方だね、こっちはかなり急を要するみたいだ。

 

“成程ね、取り敢えず荷物と補給品をまとめて出発しようか”

 

『すぐに出発ですか⁉︎さすが、大人の行動力!かしこまりました!すぐに出発しましょう!』

 

「今からなら電車がいいな、まだインフラが生きてるなら近くまでの本線があったはずだ」

 

“んじゃそれ使おう”

 

 俺達はシッテムの箱をしまい荷物を纏めてアビドス自治区へと向かった、その際にマコラに声をかけられたのだが……

 

「そうだ、ソレ(シッテムの箱)起動した時にアロナと何か話したか?」

 

“話って?”

 

「なんか色々言われなかったかって事だよ、その眼な事もあるしな」

 

“あー……なんか話はした気がするけど、思い出せないんだよね”

 

「……そうか、ならいい」

 


 

 俺達はハイランダー鉄道学園という鉄道経営を旨とする学園の電車を使いアビドス自治区へと向かった、その際に双子の生徒がやけに絡んで来たのが少々気になったが、マコラが言うには。

 

『珍しいから絡んでくるんだろ、シュポガキの戯言なんて放っておいていい』

 

 とかなんとか言って二人から余計に絡まれていてものすごくわちゃわちゃしていた、仲が良いのか悪いのか……

 仕事はいいのかと尋ねた所暇だから大丈夫とのこと、仕事しろよ。

 あまりにも構え構えと絡んでくるので手持ちの菓子で静かにさせた、わたパチが効いたらしい。

 

 アビドスの駅に着いて電車を降りる際にあの二人がまた乗ってくれと頼み込んできた、マコラ曰く気に入られたらしいのだが子供は大人を警戒してるのではないかと尋ねたら

 

『人間にも善人と悪人がいる様に、大人にも良い大人と悪い大人がいる事ぐらいアイツらも分かってる、アイツらから見て良い大人判定されたんだろ、多分な』

 

 というのがついさっきまでのやり取り、あとはここから目的地であるアビドス高等学校に向かうのだが……

 

“なんだか寂しいところだねえ、閑散としているというか”

 

「電車に揺られてる道中であの馬鹿でかい砂漠が見えてただろう、それの影響かどうかは知らんが少なくとも住民が少なくなってる原因の一つであるには間違いない」

 

 確かにあの規模の砂漠はそうそう見れるものではない、よくよく見ればここら近辺にもちらほら砂の山の跡が見える、おそらく風で運ばれた砂が散り積もって山になったのを退かしたのだろう、しかしこれだけの規模の街が砂に沈む程の速さで砂漠化が進行してるのか……?

 自然現象というにはあまりにも不可解な事ばかりだ、そもそも急激に砂漠化が進行するような場所に街を興すか?

 必ず何かしらの土地の検査が入った筈だ、こう言った砂漠が隣接する地域ではでかい水脈……それこそオアシスや川と言った水源の近くに街興しをする筈、その水脈が枯れたにせよ数十年で加速するものだろうか?

 

“ん〜、答えを出すには情報が足りなさすぎるかな”

 

「なにやってんだ、アビドスは広いから迷ったら一巻の終わりだぞ、ちゃっちゃと着いてこい」

 

 先行するマコラから声がかかって思考を強制的に中断する。

 

“そう言えば君はここに来たことあるの?”

 

「何度かな、さっきの鉄道線を通す際にハイランダーとアビドスの間に立って色々交渉したりしたんだよ、土地の使用料とか売り上げの一部の行き先とかな」

 

“上手く行った感じ?”

 

「というよりはお互いの妥協点を設定させた形だ、ハイランダーとしては利用客を増やすのと三大校に効率よく路線を繋げるためにアビドスという土地が、人がいなくなっていくアビドスとしては人が集う様な公共交通機関の敷設は願ってもない申し出だったのだろう、結果としてまだここに住む住民は僅かながらに存在すると言うことさ」

 

“そういうのって普通大人の人間とかがやる物じゃないの?国とか自治体とかさ”

 

「そう言うまともな大人ばかりだったら(わたし)達子供は幾分か楽だったろうよ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、それ以上でもそれ以下でもない、それだけだ」

 

 なんともやるせない話だ、大人より子供の方が立派に大人をやっている、そうせざるを得なかったのだろう、大人が役目を放棄した結果その皺寄せが全て子供達に向かっているというわけだ。

 

「まあこんな事ぼやいても仕方がないよ、そういう世界になってしまったんだから」

 

 そう言って笑う彼女の姿はどこか諦観的で、とても哀しげな雰囲気を醸し出していた、十数年しか生きていないであろう娘が口にするには余りにも過ぎた物、本人は仕方がないと言って割り切ったつもりなんだろうし、特に気にしていないのだろう、だけど──

 

「ほら、もう少しで着くぞ」

 

 ──気にしてないのなら、そんなに泣きそうな顔するなよ。

 


 

“そういえばアビドスにいる子ってのはどう言う子達なの?”

 

「ん?()()だよ、何か特筆して語る特徴とかはない」

 

“いやもっとこう、なんかあるだろ”

 

「まぁ現着したら分かるだろ」

 

 こいつ説明する気ねえな。

 

 とかなんとかやっているうちに学校の校舎と校門が見えてきた、すごくしっかりとした学校でなんて言うか世間一般的にイメージされる学校って感じだ、所々砂が溜まってるけど土嚢とか簡易的ではあるがバリケードが構築されていて即興の要塞の様な形になっていてかなりしっかりしている。

 簡易的にとはいえ結構しっかりと防衛設備が整えられているのに見惚れていると他校だとか関係なくズカズカと我が物顔で校内にマコラが入っていく。

 

“勝手に入っていいの?”

 

「良いわけないでしょ、なんで校門で待てないかな〜」

 

 突如背後から声がして振り返ろうとすると静止させられる、見なくてもわかる、これ銃口突きつけられてんな?

 

「ここはアビドスの生徒の学校だよ、連邦生徒会の会長さんはともかく大人の人が何の用?」

 

「以前から計画されていた連邦捜査部S.C.H.A.L.E(シャーレ)、そこの担当する人物が漸く派遣されたと言うか……まぁそんな感じでシャーレの先生としてここに出向いたのがコイツだ」

 

「……うぇ⁉︎先生だったの⁉︎事前に教えてよ‼︎」

 

“今教えたの⁉︎”

 

「スマンね」

 

 取り敢えず解放されて一安心と言ったところだけどまだそんなに生徒に会えてないがコイツが一番な問題児な気がしてきた。

*1
大丈夫ですか?

*2
なんとか

*3
自業自得だろ




 案内人が居れば真っ直ぐ行けますよ、そりゃあね。

・マコラ
 事前説明を怠った

・先生
 六眼が宿った上に上記のせいで肝を冷やした

・電車双子
 先生を揶揄ってたらわたぱちで撃退された、口がぱちぱちする。

・おじさん
 校門前に見知らぬ大人がいて警戒マックス、大凡主人公のせい

・わたぱち
 まだキヴォトスでは流通しているのを見て先生は感動を覚えた
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