呪いの方陣は透き通る世界でも循環する   作:Another2

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 もはや旧作君も原作君も息してない、蘇生間に合いませんでした。


廃校対策委員会─弐─

 事前に説明してなかったらしいマコラに非難的な目を向けながら彼女達の紹介を聞くことにする、尤もマコラ本人からの紹介だと碌な紹介にならないから本人達から聞くことになるのだが。

 

「それじゃ“先生”、サクッと紹介して行くね〜、一年生のセリカちゃんとアヤネちゃん、二年生のシロコちゃんとノノミちゃん、おじさんはおじさんだよぉ〜」

 

“おじ……え?よろ、しく?でいいの?これ?”

 

「分かるわよ先生……先輩のこのテンションは最初戸惑うわよね、だけどこの人基本こんなんだからあんまり間に受けないで」

 

 猫耳の子が溜め息混じりに促してくる、先輩って事は年長者なんだろうけど下の子の方がしっかりしとる。

 

“こっちじゃ下の子方がしっかりしてんのがデフォなん?”

 

「真面目な後輩を持つと先輩の身としては気が楽だよな」

 

「本当にねぇ」

 

 自由かコイツら。

 

“……取り敢えず、注文通りに補給物資を持ってきたけども弾薬とか種類分からなかったから取り敢えず色々持ってきたけど……”

 

「ん、とても助かる、これでまだ戦える、けどスナイパーライフルの弾はあんまり要らなかった、使える人がいない」

 

「束ねりゃノノミのガトリング弾に使えるだろ、その為に7.62mmにしたんだから」

 

「それなら安心」

 

 ミリオタじゃねえからその辺よくわかんねえんだよな……

 

 とかなんとか考えてたら威勢良く銃声が鳴り響いた、音源に視線をやれば結構の数のヘルメットをつけた生徒達が、そういえば就任の時にもヘルメット付けてた子が多かったが、流行ってんのかな。

 

「おお、タイミングが良いのか悪いのか、襲撃とはな……丁度いい、先生、アンタが指揮して撃退してみせろ、(わたし)は見てる」

 

“働けよ”

 

(わたし)が動いたら一瞬だ、それじゃあ後進が育たんだろう」

 

 自分この子の強さ一切知らねえんだけどな、かなり強いらしいんだけど……まぁその件はまた何れ問いただすとして、今は目の前の問題を片付けるとしようか。

 

「あ、ホシノはこっちで観戦な、危なくなったら出ていいけど」

 

 その子此処の主力じゃねえのかよ、難易度上がったなぁ。

 


 

 さてさて、敢えてホシノを差し引いた4人での戦闘をさせてみたが、存外動けてるな、常日頃から実戦で鍛え上げられてるのもあって個人個人の実力が備わってるのもあるんだろうが、そこにあの男の指揮が加わる事で相乗作用が働き生半可な奴じゃ手がつけられん、というよりはあの男の指揮能力が卓越し過ぎてアイツらがついていけてない部分がチラホラ見えるな、ホシノが化物を見る目になってるぜ、ウケる。

 無自覚なんだろうが広すぎる視野と高すぎる指揮能力が今は裏目に出てるってとこか、これは早めに次の段階に繰り上げても良さそうだな。

 

「……ねえ、何者?あの人」

 

「何って……キヴォトスの外から来た大人だよ、んでもって先生」

 

「それだけじゃないでしょ、あの指揮能力もそうだけどなんで当然の様に戦線に立てるのさ」

 

「あぁ、そういう……先生はな、イカレてんだよ、生徒の為とか言って掠っただけで重症になるような戦場に、下手すりゃ1秒後には死んでもおかしくないような戦場に一切の躊躇なく立ちに行く、(わたし)達みたいに武器を持って戦場に立ってた訳じゃない、普通の社会人としての生活をしてた人間がだ、面談で聞いたんだがあいつはマジに他人の為に命を賭けれる大馬鹿でな、お前の疑念も分かるが少なくともあの男はお前が考えてる様な大人じゃない、これは保証する」

 

「……そう」

 

 お、終わったな、結構早く片付いたじゃねえの、それにしてもやっぱりあの男の指揮能力はイカれてるな、動きやすさの違いにアイツら自身が困惑してんじゃねーか。

 


 

 存外早く片付いてしまった……というよりもこの子達其々がかなり良い動きをしてくれる、お陰で指揮が取りやすかった、逃げようとしてたので拘束を指示して事情を聴くことにした、この子達も何かしらの理由があるだろうし。

 

“それで?なんで此処を襲って来たの?”

 

 聞けばこの子達は一応ここからそう遠くない場所……今では半ばゴーストタウンと化したらしい街の廃墟にアジトを構えててそこで物資のやり取りをしてたらしいが、それが最近事情が変わったんだと。

 

「砂漠化が急激に進行しだしたんだ、お陰でウチのアジトはお釈迦になった、ウチのグループは結構大規模だからさ、ここ学校をそのままアジトに転用すればと思ったんだよ」

 

 砂漠……ここに来るまでに見たあの広大な物だろう、それが急激に進行しだしている……?

 砂嵐等で砂が積もり積もって進行して行くのとでは訳が違う、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()文字通り“砂漠化”して行っているらしい。

 

「その話本当か?」

 

 この話を聞いて反応したのは我関せずを貫いてたマコラだ、マコラの姿を認識したこの子達がざわざわしてたがリーダー格の子はそれでも冷静になって応答していた。

 

「急激な砂漠化の進行……間違いなく奴等の仕業と見ていい、しかもこの規模なら間違いなく特級、しかも上澄みも上澄みだ、こりゃマジに大至急強化を入れていく必要があるな……例の条約も控えてるってのに……」

 

“大丈夫か?”

 

「あぁ、まぁ大丈夫だ、なんとか」

 

 何やらぶつぶつ呟いていたが大丈夫だろうか、いや大丈夫じゃねえよな、ついさっきまで物見遊山気分だった奴がこの子達の話を聞いた瞬間仕事をする奴の表情に変わった、つまりはそういう事なのだろう。

 

「それで?そいつら捕えてどうすんだ、一応コイツらが依頼の暴力組織……なんだよな?」

 

「あ、はい、そうですけど……そんな事情があったとはこちらも知らず……」

 

「それでも今の今まで迷惑をかけられてるのはこっちなんだけど⁉︎他にも抱えてる問題は山積みなのに……‼︎」

 

「まぁまぁセリカちゃん落ち着いてくださいね〜⭐︎可愛い顔が台無しですよ?」

 

“問題って?”

 

「借金だろ?アホみたいに膨れ上がってるっていう、それの解決の火種は送りつけてるし返済は時間の問題の筈だ」

 

「それだけじゃない、在校生徒の数も少ない」

 

「此処に居るじゃねえか、行き場に困った何処の学校にも所属してない生徒が大量に」

 

「「「……え?」」」

 

「うえぇ⁉︎ちょっと待って⁉︎私それ聞いてないんだけどぉ⁉︎」

 

“マコラ、説明”

 

「扱いが慣れてきた感じするな、説明も何も言葉通りだが」

 

“説・明‼︎”

 

 曰く、この学校は膨大に膨れ上がった借金があってそれを返済する為に四苦八苦してたのがこの五人らしい、その弱みを突くようにヘルメット団たちやらが攻め込んでた訳なのだがその攻め込んでた理由はさっきの通り。

 誰かに雇われてたとかそんなんじゃなく、ただ必死に生きようとしてそうなっただけとの事、手段についてはそれしか知らなかったからというあんまりにもあんまりな理由だった。

 そして、在校する生徒の人数が五人……これもやはり非常に少ないらしく学校の規模と自治区の広さを考えるなら現在の100倍ほどは居て然るべきらしい、実際過去のアビドスはそれくらい居たとかなんとか。

 

 借金を返す為に資金のやりくりが困窮する中その資金を調達する為の人材も不足していたのも事実、しかし今ここにはその片方を一気に解決できるだけの人数がいる、つまりはそういうことだろう。

 

「あ、後序でにこれも渡しに来たんだった」

 

 そう言ってマコラはホシノと呼ばれていた子に一枚の書類を手渡した、それは廃校対策委員会の正式な組織として受理する書類。

 つまりついさっきまで廃校対策委員会という組織は公式の組織ではなくアビドス高等学校の公式組織はアビドス生徒会ただ一つ、しかも所属してる生徒はホシノ1人、これが非常に不味かったらしく、何かしらの手段でホシノが学校から退席処分を喰らった場合この学校を畳む事になってたんだとか、だから出発前に書類に俺のサインを求めてきたのか。

 

「つまりこれでこの五人を中心とした公式組織が今この瞬間設立されたわけだ、これで外野からとやかく言われる事はないし、人材不足を補う為の人間もここに居る」

 

「そんな横暴が……通るんだったね、君一応連邦生徒会長だし」

 

「権力ってのはこういう時に使わねえとな、勿体ねえだろ?」

 

“事前に説明してくれる?無理矢理署名を迫られた時の何事かと思ったよ”

 

「でも即行で書いたじゃねーか」

 

“詐欺の類とか一番やらんでしょ、君”

 

「……」

 

 面食らった顔してら、ウケる。

 

「んん……とにかく、これで現アビドス生徒会の副会長と、連邦生徒会の会長、んでその二種を結ぶ第三者のサインが記された契約書がここに出来たわけなんで、今この時刻を待ってアビドス高等学校は連邦生徒会での発言権が認められる事になった、これでいいな?」

 

「なんかとんとん拍子で進んだけど……要はこれで正当性が認められたって事でいいのよね?」

 

「そうだな、これで外野がちょっかい出すのは不可能になった、後は借金返すなり生徒増やすなり自由にやればいい、そこから先まで(わたし)が口出しする義務は無いからな」

 

「あの……私達はこれからどうすれば……」

 

「知らん、さっき述べたここに所属するってのは一つの手段でしかない、別に蹴っても文句は言わんさ、まぁ個人的にはその辺で野垂れ死なれるよりはここに一纏めになってくれるとありがたい、生徒名簿作んのも楽じゃねーんだわ」

 

 なんていうか……社畜適性高いのな、マコラって。

 

“社畜適性高いのな、マコラって”

 

「思ったことが口に出てるぞ……んじゃちょっと急用が出来たんでちょっと席外すぜ、あとは任せる」

 

 とかなんとか言って、文字通り翼を生やして飛んで行った、もうなんでもありだなアイツ。

 

“それで……これからどうする?”

 

「その子達次第じゃな〜い?おじさんはそういうの向いてないからさ、アヤネちゃんとかノノミちゃんとかがやっといてよ」

 

「先輩も働くの‼︎人数多いんだから‼︎」

 

「皆さんの分の制服も発注しないといけませんね、届くのは結構後になると思いますが……」

 

「いや、その……居てもいいのか⁉︎つい先日まで襲撃してた相手だぞ⁉︎」

 

「事情が事情だから仕方がない、襲ってきた事に関しては許さないけどそれはそれ、その分バシバシ働いてもらう」

 

「あ、先生、人手が足りませんので、お手伝いの方よろしくお願いしますね⭐︎名簿も作らないといけませんので♧」

 

 元よりそのつもりだったけども、それにしても就任してからアビドスに来てやる事が生徒の名簿作りかぁ……なんかスッゲェ先生らしいことやってる気がする‼︎

 


 

「よぉ、便利屋68の現事務所はここであってるか?」

 

「あら……これはとんでもない大物が来てくれた物ね、一体何の用かしら?」

 




 書いてて思ったけど初手から連邦生徒会長の役職持ちが先生側の持ち駒にあるの最高にインチキ。

・マコラ
 実は裏側で色々仕込んでた人、出立前に先生にアビドスに関する様々な書類のサインを迫った、結果アビドス学校が抱えてた公式組織の不在と生徒の不足を一気に解消した。

・先生
 指揮能力が高すぎて逆に生徒側が着いてこれてない、因みに先生の指揮能力の効果は黒閃後のゾーン状態を強制させる物、そりゃ生徒達も戸惑うし本格的な戦闘ポジじゃないユウカとチナツとかが異様に強化される、だってこのバフ指揮を受けてる間常に流れてるから。

・ホシノ及びアビドス高等学校
 マコラへの信頼は一応してるし借金返済の当てに関してもハイランダー鉄道学園の鉄道開発の為に土地貸しをしてその利益の一部を貰う事で原作よりスムーズに進んでる。
 この度大量の生徒と廃校対策委員会の正式性を獲得、というやらそういう契約だった。

・ヘルメット団たち
 原作と襲撃理由が違う、急激に進行した砂漠化でアジトがダメになったので藁にもすがる勢いでアビドスを襲撃した、結果的に居場所を確保して学籍も貰っちゃった、生徒達の人の良さにかなり申し訳なさを感じている。
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