裏切れなかった少女の話   作:息抜きのもなか

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メインストーリー更新記念。即興で書いたので短いです。


おまけ

 ずっと、嘘を吐いていた。

 一番最初に教えられたことは、アリウスで一番の禁止事項(タブー)だった。

 それを破れば、小隊員を皆殺しにすると言われ、私たちは従うほかなかった。

 だからマダムの意図することを理解しようとも思わなかった。けど、(ひとや)ナナカという人間を初めて見たときに理解した。

 いつかこの輝かしい瞳を曇らせることが目的なんだろうと、分かってしまった。

 

 私たちは、自分たちの手を血で汚したことを、牢ナナカに告げることを禁止されていた。

 

 

「なるほど、先生と、スクワッドが」

 

 そう語るナナカ先輩は、珍しく不機嫌そうな感情を隠そうとしなかった。

 私は、ナナカ先輩とスクワッド、そして先生の間に何があったかを知らない。でもナナカ先輩とスクワッドは、少なくとも良好な関係ではなかったように思える。

 スバル先輩とぶつかるときのサオリとも少し違う、徹底的なまでの回避。記憶の中にあるスクワッドの後ろ姿を見るナナカ先輩の表情には、落胆と悲哀の表情が多分に含まれていたように思う。それは今だから言えることで、当時は全くその意味を解すことはできなかったけれど。

 結局、スクワッドが変わったのは、アツコさんのためだった。

 それを束ねたのは、シャーレの先生だった。

 

「そっかぁ……」

 

 どこからか、ハーモニカの音が聞こえてくる。

 また誰かが強請って、彼女がそれに答えてあげたのだろう。その少し暗い短調の音階(しらべ)が、瞼を降ろしたナナカ先輩の心を語っているように思えた。

 

「スバルと? まあ似たような立ち位置だったし、それなりに話はしたよ。でも、彼女は典型的なアリウスの『力こそ正義』の人だったからね。ぶつかることの方が多かったかな」

 

 自責の海に身を投げ出しそうだったナナカ先輩に()()疑問に思っていたことを投げ掛かれば、彼女は何てことも無いようにその回答を返した。

 確かに、記憶の隅に二人が話していた記憶はある。長身の二人。それだけでも彼女たちは目立つのに、二人とも独特の雰囲気を備えていたから、そんな二人が一つ所に居れば嫌でも目に付いた。

 記憶の中の二人は、ぶつかることが多かったような気がする。

 だけど根本的な部分で通じる部分はあったのだろう。スバル先輩は気弱な生徒たちの、ナナカ先輩の方は少し態度の悪い、しかしやはり精神的には脆い生徒たちの精神心的支柱になっていた。

 私みたいにナナカ先輩のあの姿を見てしまった生徒は彼女の庇護対象になったからか幾らか声を掛けられるようになったけれど、スバル先輩の方を頼る子も少なくなかった記憶がある。ほとんどの生徒がスバル先輩とナナカ先輩のどちらかに相談に行っていた記憶がある。

 

「でも、彼女や君みたいな、何が起ころうとアリウスを守ろうとしてくれる人が残っていて良かったよ。知っている人がいなかったら私も動き辛かっただろうし」

 

 そう笑う彼女に、あのことを伝えるのは気が引けて、私は最期まで伝えることができなかった。

 

 結局、誰も彼女に言わなかったらしい。

 らしい、というのは彼女が亡くなった後に話した人が全員、それだけは彼女に話せなかったと言っていただけなのだけど。

 学園都市(キヴォトス)で一番「死」に近い場所だったアリウス。

 その距離をずっと0にならないように維持していたのは、やはり彼女だったのだろうと思う。




以下、メインストーリーの感想。




 マイアのスバルとの会話時の反応的に、恐らく手段だけ学習して実際に手に掛けたことはないのではないか、と思いましたが、どうなんでしょうね。
 序盤のスクワッドの発言的にはクロ、ヒヨリの全部断ってるはシロ寄りのクロ、マイアの反応はシロ、サオリの罪との向き合い方もシロ寄りのクロ。
 個人的な考えではスバルだけクロで他はシロな気がします。理由はそうであった方が二次創作的にやりやすいからです() というのは割と冗談でもなくて最近の運営は小説に限らず二次創作ネタを仕込んだりしてくることが多いので、キャラ付け的にもそうするんじゃないかなと。
 少なくともヒヨリがアリウス生でもヘイローの破壊方法についてのテストが嫌っていたり、マイアが裏稼業でも人殺しを避けたりと最後の一線を引いていたところはあって、加えてエデン条約でのテロ行為が一番大きいやらかしっぽい言及のされ方をしているので、やはり手は下してないんじゃないかなと思いますが、さてどっちなんでしょうね。

 どっちでも面白いなと思って、今回のおまけを書きました。真相が明かされたらこのお話の結末も決定するので、続きが楽しみですね。
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