昆虫採集してたら虫じゃなくてクラスメイト拾いました   作:明太ご飯

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1話 夏といえば

 

 

 

 

ㅤ夏といえばなんだろうか?

ㅤ海だろうか?プールだろうか?夏祭りだろうか?

ㅤ──いや違う、夏といえば…

 

「虫取りだー!」

 

ㅤ世間一般的に考えると、夏といえば海やらプールやらになるんだと思う。

ㅤ確かに海とプールはいいものだし、別に嫌い訳じゃない。

ㅤだが俺こと涼にとっての夏とは、虫取りのことを指すのだ。

 

ㅤ虫取りは男だったら誰しもが1度は通る道だろう。

ㅤみんなもカブトムシが戦うdvdレンタルして見たりしたよね!?しなかったとは言わせない。

 

ㅤだが基本的に虫好きってのは小学生までで終わるらしい。

ㅤ小学生の頃は一緒に虫取りをしに行っていた友達も、中学生になると「もう虫はいいよ…」と虫取りに付き合ってくれなくなった。

 

ㅤ周りがそうやって変わっていく中、今現在高一の俺は未だに虫好きのままだ。

ㅤそしてみんながやらないならと、1人で虫取りをし続けた結果、気づいたらぼっちになっていた…

 

ㅤ確かに虫は好きだが中学三年間の夏を全て虫取りに費やしたのはやりすぎたと思った。

ㅤだから高校生になったら友達を作って俺も青春するぞ!と意気込んでいたんだが…中学生三年間虫ばっかであんまり人と関わらなかったし、元々人見知り気味なのもあって友達作りに失敗した。

 

ㅤ唯一できた友達も「今年の夏はバイト入れすぎてちょっと忙しくて…」ということで遊ぶ予定は入れれなかった。

 

ㅤそうしてやることがなくなった俺がたどり着いた道は、やはり虫取りだった。

 

「はぁ…別にいいけどさぁ…俺も少しぐらい友達と海行ったりしてみたいよ…」

 

「まぁ嘆いてても仕方ないし、罠仕掛けに行くかぁ」

 

ㅤうちの近くの公園には雑木林ゾーンといった所がある。

ㅤそこの木に罠をしかけに行く。今回仕掛ける罠はシンプルなバナナトラップだ。

ㅤ他に有名な罠だとライトトラップとかもあるけど、それは禁止してる自治体とかも多いからおすすめしない、普通のバナナトラップでいいと思う。

 

ㅤちなみに時間帯はと言うと、現在の時刻23時。

ㅤ俺は明け方に取りにいく派なのでトラップは寝る前に設置しておく。

 

「よし、準備できたし出発〜」

 

 

 

 

ㅤㅤㅤ◇ㅤㅤㅤ◇ㅤㅤㅤ◇ㅤㅤㅤ◇ㅤㅤㅤ◇

 

︎︎

 

 

「何回来ても暗い林の中ってのは怖いなぁ…」

 

ㅤ昔は回数を重ねれば自然と慣れるだろうとか思ってたが、そんなことはなかった。

ㅤ怖いものは怖い。

 

「じゃあそろそろ帰ろ──」

 

ㅤ罠も粗方設置し終えたので、そろそろ帰ろうかと思った時、ブランコの揺れる音が耳に入る。

 

「え?…」

 

ㅤ今日は風もないし、誰かがブランコに乗っていないと揺れることはないだろう。

 

ㅤ正直、こう何十回も夜遅くに森やら林の中にいくと、これ絶対に幽霊だろって思うような音がなったりする経験が数回はあるんだが、その度に俺は全速力でその場から逃走していた。

ㅤまぁ誰でもそうすると思う。

 

ㅤ──だが何故だろう。今回だけは、音の原因を確かめなきゃ行けない気がした。

ㅤただの好奇心なのかもしれないし、なにかに導かれたのかもしれない。

ㅤ理由は分からないけれど、俺は音が鳴っている方へと近づいていく。

 

「頼むから幽霊じゃなくあってくれよ…」

 

ㅤそして、そんなことを言いながらブランコを確認すると…

 

ㅤ──そこにはよく知るクラスメイトの姿があった。

 

 

 

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