特に六大神のNPCについては完全に捏造です。
「あら、久しぶりですわね。
「ああ、久しいな」
リ・エスティーゼ王国で黄金の姫と言われるラナーは、
あまりに優秀過ぎる頭脳を持つが故に他の人間を同種と思えず、孤独を感じていたラナー。そんな彼女に対し、王国にも婢妖を張り巡らせていた
そして本日のゲームとして選ばれたのは将棋である。砂時計を使って、1分指しのルールで勝負する。
しばらくは無言で指し続け、終局に近づいた所で、ラナーが口を開いた。
「最近は尋ねて来ていただけなくて、寂しかったですわ」
拗ねたような口調で言うラナー。彼女の美貌でこんなことを言われれば、並の男が相手ならそれだけで何でも言う事を聞いてしまうかもしれない。しかし当然ではあるが、
ドライな口調で答える。
「少々面倒なことになっていてな」
「あら、
ラナーの言葉に対し、
「新たなプレイヤーが現れた。こちらとしては警告し、二度目のチャンスまで与えてやったのだがな。結局、敵対することになった」
そして彼女はそれを敵対宣言と受け取っていた。
「手ごわいのですか?」
「今までのプレイヤー以上に厄介な相手である可能性は高いな」
「ふむ力があるのですか? それとも知恵が?」
「力は確定だな。それと”知能”に関してもお前と同等程度の者がいると思っている」
スルシャーナから聞いたギルド『アインズ・ウール・ゴウン』の在り方や、彼以外にもリク等からも聞いたリアルの情報から推測し、件のギルドには『設定厨』なる人種が所属している可能性が高いと
そしてそうであるなら『人知を超えた頭脳の持ち主』だとか『IQ2000』とかに設定されたNPCが居る可能性は高い。
その上でそのNPCの知能をラナーと同等としたのには理由がある。
「あら、私を『上限』と設定していただけたのですね。光栄ですわ」
「500年の間、この世界を隅々まで調べたが、お前を超える知能を持つ者は見かけなかったからな。とはいえ、同等の者や近いレベルの者ならば、何人か目にした」
「その方達にもお会いしたかったですわ」
NPCや位階魔法は、ユグドラシルでフレーバーテキストに書かれた内容が具現化した存在だ。しかし所詮は、竜帝の
そして
「スレイン法国に居るNPCの中にも一人、賢い者が居た。しかし創造主を失った今はその知恵は使えなくなっているな」
「残念ですわ」
スルシャーナの仲間であった輝煌天使ねこにゃんは『厨二病』を患っていた時期があり、彼の作ったNPCは『普段はその力を抑えているが、輝煌天使ねこにゃんが解放を命令した時には、全知全能に限りなく近い状態になる』という設定がされていた。
しかしねこにゃんが命令しても力は変わらず、知能もラナーよりやや劣るレベルにまで上昇しなかったことを
「我の知るお前と同等の知能の者は、人間に限っていない。恐らくはこの世界の生物全体の知能の限界がお前レベルなのだろう」
「なるほど。しかし私と同等いうことでしたら、今回の戦いは
ラナーが『王手』を仕掛けながらそう呟く。
「ほう、何故そう思う?」
「だって
「たった今、お前は我に勝ったばかりだろう?」
それに対しラナーは頷いて答えた。
「そうですわね。知能ならば負けていないと思っていますわ。ですが”知識”の量において、私と
頭の良さ、知力とは知識と知能の合算だ。知能があっても、土台となる知識がなければその能力は十分な力を発揮しない。
そして知識の量において、この世界に
そして数千年生きた経験、これもまた知識だ。
例えば
だから
「喰えぬことを言うようになったな。まあ、いい。いずれにせよ我に敵対する者は、全力を持って叩き潰すだけのことよ」
ラナーを軽く睨むと、そう言って
そして去っていく彼女をラナーは見送った。
「人前に出る際、
「はい、このようなデザインのものです」
アルベドが、絵を見せる。潜入させた魔物には何人かスレイン法国の国民を連れ変えさせようとしたが、その方法は全て失敗した。代わりに国内で書かれた
アインズは机に置かれたその絵を覗きみる。彼にはその書かれた姿に見覚えがあった。
「私が初めて奴と会った時に来ていたものと同じデザインだな」
「スルシャーナの方は時折、衣装を変えるそうです。ただその代わり、古めかしい槍を必ず携えたNPCを必ず脇に置いているとか。敵がワールドアイテムを所有しているとしたら、別のワールドアイテムでの襲撃に備え、特に人前では何時でも備えていることでしょう。しかし不甲斐ないことに、我々はワールドアイテムには詳しくありません。アインズ様の知る中に、このような見た目のワールドアイテムはないでしょうか?」
デミウルゴスの言う事はつまり、
それを聞いて少しアインズは考え込む。
そして思い出したように叫んだ。
「
ワールドアイテムの中でも、上位に位置する厄ネタとして有名なワールドアイテムに思い至る。実際の映像は出回っていなかったために、直ぐには分からなかったが、神話の元ネタや断片的な情報から推測された見た目と、特徴が一致していることに気づいたのだ。
「特に
「どういった効果を持つワールドアイテムなのですか?」
ワールドアイテムとほぼ確定されるアイテムが確認されたことで、仮説が正しいことを前提に話をすすめるアインズ達。デミウルゴスの質問に答える。
「
「「!!!!」」
アインズの言葉に二人は顔を青くする。それはあまりに恐ろしい話、後半の
その槍を使われ、アインズが完全消滅する、それを想像するだけで彼等は身が凍る以上の恐怖を味わっていた。
「これが奴等の自信の源のようね。他にシャルティアを石化させたのも、恐らくはワールドアイテムでしょう」
「アインズ様ですら未知の現象ということはその可能性が高いね。他にプレイヤー以外で我々に匹敵する力を持つ竜王達が持つ力である可能性も無くはないが……。スレイン法国と評議国は険悪で国交が無いことが確認されている。可能性は低いだろう」
「国民の大多数が、評議国のことを嫌っているみたいですしね。国内の教育もその方向性のものが多いわ」
裏で繋がるにしても国民感情が反対方向を向いていれば、いざという時に障害になる。仮に偽装だとしても、教育までして反評議国感情を国民に根付かせるのは悪手だ。
そのため、両国の不仲は真実だと判断を下す。
そしてアルベドはある可能性について確認するために、アインズに問いかけをした。
「アインズ様、その
「いや確か一度に洗脳できるのは、一体のみだった筈だ」
「でしたら多数の敵に対応したワールドアイテムも所持している可能性が高いですね。シャルティアを石化させたワールドアイテムも、解除できないという性質を考えれば対個人用である可能性が高い」
アインズの答えを聞いてデミウルゴスが判断する。
運営が狂っていると言われるユグドラシルだが、一応ゲームである。如何にぶっ壊れと言われるワールドアイテムとて、最低限、本当に最低限のゲームバランスはとられているのだ。
例えばこの世界の
故に、効果の永続と広範囲はどちらかに制限されている、もしくは相応のデメリットが設定されている可能性が高いのだ。ワールドアイテムには詳しくないとはいえ、他の魔法やアイテムの常識、聞いた範囲のワールドアイテムの効果からデミウルゴスはそう推測した。
「こちらの召喚魔物に対抗するにはスレイン法国の人間達では力不足。対軍用に召喚系か広範囲攻撃、どちらかは持っていると考えるべきでしょう」
「そうすると数は全部で4つ。事前の予測では3つ以上だったから、予想通りね」
自分達が的確だったと思い、ニヤリと笑うアルベド。
そこでアインズが立ち上がった。
「なるほど。基本戦力と合わせ強敵だ。我々としても中途半端に戦力を投資していては、勝てないだろう。だが、我々が本気を出せば決して破れない相手では無い」(正直不安はある。だけどこれ以上、奴等の手の中にシャルティアの首を置いておきたくない)
そしてこれまで聞いた話をもとに、アインズが結論を下す。相手も警戒しているため、これ以上は情報を得ることは難しいだろう。ワールドアイテムの壊れ具合を知っているアインズとしては、単に数で勝っているからといって楽観できない部分もあった。しかしワールドアイテムにはワールドアイテムを装備しておけば、その特殊効果を無効化できるという特性がある。そのため少なくとも、階層守護者たちがいきなりやられるということは無いという安心感もあった。
「開戦だ。お前たちは戦いの準備をせよ!!」
「「はっ!!」」
そして最後の境界線が破られるのであった。
「まず奴らが侵攻をしかけて来た場合、我とその配下、そして漆黒聖典の内の3人が打って出る」
「それと俺の配下も2名と、それに加えて召喚した魔物も同行させる」
アインズ達が戦争の最終決断をしていた頃、
「わかりました。しかし我等の代で神の同胞を相手にした戦いが起こるとは……。覚悟はしていたつもりですが、いざとなると震えてきますな」
それを聞いて神官の一人から漏れる言葉。
不謹慎ではあるが、咎めるものは居ない。プレイヤーの集団との戦争ということで面々には緊張感もあるし、厭戦感情だって無い訳でも無い。多かれ少なかれ、同じ気持ちはこの場のほとんどの者が抱いていた。
「しかしやるしかあるまい。奴らはこちらに一方的に攻撃を仕掛けてくるような奴等なのだ」
「八欲王の同類。ならば逃げ場は無い、そう覚悟を決めるしか他ないだろう」
しかし前向きな言葉を発言した者が現れたのをきっかけに、それに同調して彼等は気力を高めていく。
そしてそんな中、不満を口にするものが一名。
「えーっ、3名ってことは、
声を漏らしたのはクレマンティーヌ。
この場にはアンティリーネも居る。唯一の魔法詠唱者のティーナは外せないし、隊長とティーナは基本セットだ。そうなると上位4名の中で外されるのは自分だと判断し、そのことに不満を覚えたのである。
「控えよ!! クレマンティーヌ」
許可を得ずに発言したクレマンティーヌを自身も神人であり、引退したとはいえ実力者な評議長が叱責する。
そこで
「よい。クレマンティーヌよ、お前は未だ本調子ではあるまい」
子供に言い聞かせるように言う
紅煉と似た姿への変身を限界近くまで使った上に、蘇生により1だけではあるがレベルダウンしたクレマンティーヌ。そういった背景があるが故、彼女は戦線から外されていた。
自身が力を分け与えた経緯もあり、我が子の中でも比較的可愛がっている対象であるというのも関係しているが。
「お前にはスルシャーナの護衛を任せる。頼んだぞ」
「はーい。まあ、しゃーないか」
護衛とか退屈だとは思いつつ、
「他の漆黒聖典も同様だ。NPC二人と共に護衛せよ」
守りのメンバーを選出する
「他の六色聖典は国の防衛だ。まあ、街に被害が出る所まで侵攻させる気は無いがな。それでも完璧な防衛は難しいやもしれん。漏れが出た時は任せるぞ」
「はっ、お任せください!!」
隊長陣の中で代表してニグンが敬礼し、答える。彼の手には六大神が残した秘蔵切り札として、
プレイヤーに対抗するための切り札として一時的にそれを与えられた彼は、その責任感を深く噛み締め、重圧を感じながらも信頼に応えられるよう決意をしていた。
「後は敵がひきこもることを選んだ場合だが……」
想定される色々なケースについて話し合う。
そしてそれから数日後、ついに戦端が開かれたのであった。
製作者が異なり、表現を合わせた訳でも無い、デミウルゴス、アルベド、パンドラ。更に自然発生のラナーの知能が全員知能1位という不自然さからしても上限は設定されてるんじゃないかと考えました。