白面inオーバーロード   作:史上最弱の弟子

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※ちょっと設定修正。六大神のレベル80NPCの数を6体に増やしました。設定をちょっと記憶違いしていて、ナザリックのNPCレベル合計が思ったより多かったので、それに対して80×4体では流石に少ないかなと思ったので。

ワールドアイテムについては効果不明なものは独自解釈もしています。


13話 開戦

「先ずはナザリックに存在する全召喚魔物の内、15%を投入し、相手の出方を伺います。戦力の逐次投入は本来愚策ですが、相手に広範囲攻撃のワールドアイテムがある可能性が高い以上、それが堅実かと」

 

「うむ、そうだな。デミウルゴスよ、指揮系統が2つあると混乱を招く。部隊の指揮はお前に全権を委託しよう」

 

「!ありがとうございます」

 

 下手に口を出せばボロが出ると丸投げをするアインズ。そうとは知らず、歓喜に溢れるデミウルゴス。

 とは言え、そもそもスレイン法国との戦争、初戦では戦線にアインズは出ないことが決まっていた。大将としては彼に変身したNBCのパンドラズ・アクターが影武者として、務めることになる。

 そしてその初戦には、数で言えばナザリックの戦力の8割を投入し、オーレオール・オメガとガルガンチュア、ニグレドを除くレベル100のNPCを全員参加させることになっている。ワールドアイテムも階層守護者とセバス・チャンには装備させた。更にその上で奥の手まで用意し、それでも尚、不測の危機的自体があった場合には一時撤退することを方針としてアインズは指示している。

 

(最悪勝てなくても、この戦いで相手の情報を引き出して次で勝つ!若しくは相手をおびき寄せ、防衛戦で勝つ!)

 

 PvPでもアインズ、いやモモンガは1戦目で相手を研究し、2戦目以降の勝率を大きく高めるタイプであった。そのため、彼は今回の戦争でも意識せずに2戦目のことをを考えていた。

 これはこれで才能であり、長所であろう。1度の勝ち負けに拘らず、大局を観るということは、多くの人にとって、なかなか出来ないことだ。競技者としては優秀な考え方であるし、あるいは投資家にでもなっていれば大成していたかもしれない。

 しかしその長所が裏目に出ることもある。世の中にはあるのだ。一度の戦いに、全身全霊を注ぎ込まなければいけないという時が。

 

「行くがいい。アインズ・ウール・ゴウンの名声をこの地に轟かせよ!」

 

 それに気づかず、いや知らぬままに、アインズは出撃を命じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全権を任されたデミウルゴスは敵の探り針として使い捨てる予定の先発部隊。主戦力たる第2部隊。左翼部隊、右翼部隊、本隊に戦力を分ける。

 そして左翼にはコキュートス、右翼にはアルベド、第2部隊には自分とアウラ、マーレ。本隊には影武者としてアインズに変身したパンドラとセバスを配置した。

 

(さて、相手はどのような手を打ってきますかね? 予想されるのはあちらも召喚魔物を出してくる、超位魔法の使用、ワールドアイテムのいずれかですが)

 

 スレイン法国内でも、重要施設は召喚魔物によって守られていた。しかし、数は然程多くなかったのである。侵入が出来なかったエリアに詰め込まれていたとしても、その総量はナザリックの2割以下と予想されていた。

 

(最初に召喚魔物を出して来た場合、それで相手の予備戦力は尽きる。超位魔法で先発部隊を全滅させようとするのならば、1日の使用限度である4回全てを使う必要があるでしょう。ワールドアイテムにしても、無制限の連発は出来ない上、その効果の情報がこちらに渡る。いずれにしても敵の手札を1枚減らせますね)

 

 無論ナザリック側も損耗はするが、相手も雑魚では無い、ある程度は必用経費と割り切る必要があると考えていた。とはいえ、ナザリックの貴重な資産をすり減らすことに不満が無いわけでは無い。

 

(やれやれ、この代償は奴等に支払ってもらわなくてはいけませんね。どういった方法で取り立てましょうか?)

 

 戦いが始まる前から勝ったあとの皮算用をし始めるデミウルゴス。

 彼がそんなことを考えていると、前方にあるものが見えてきた。それは千を超える黒い影。

 

「これは!!」

 

 その黒い影に、先発部隊でも最前線に並ぶデス・ナイトが狩られて行く。

 黒い影の正体は『黒炎』と呼ばれる白面が生み出した妖怪であった。

 

「この数と強さ!!なるほど、これが敵のワールドアイテムの一つですか」

 

 デミウルゴスはその光景を見て、創造主であるウルベルトから聞いた、世界を覆い尽くす程の悪魔を召喚するというワールドアイテムを思い出す。目の前のそれは世界を覆い尽くすというのには物足りない。しかし件のワールドアイテムは、至高の41人ですら手に入れられなかった。目の前の光景を同種でランクの低いワールドアイテムと考えれば、寧ろ彼にとっては納得出来ることだったのである。

 

(いやここは最悪の場合を想定し、リキャストタイムを置けば再使用出来るタイプだと考えておきましょう。だとしても、この戦闘中の再使用は不可能。これで相手の切り札は1枚、消費させた)

 

 都合の良い希望的観測を半分だけ消し、目の前の状況に対処をするため、デミウルゴスは通信魔法で指示を出す。

 

「コキュートス、ワールドアイテムを使用し、敵を一掃してください」

 

「イイノカ?」

 

「ええ。先発部隊を巻き込んでしまいますが、彼等もアインズ様のために死ねるのなら本望でしょう」

 

「分カッタ」

 

 この場の居るものが所有するワールドアイテムの中で、広範囲攻撃の効果を持つものは真なる無(ギンヌンガガプ)とコキュートスの持つ幾億の刃の2つである。

 乱戦になれば、これ等は味方を巻き込む恐れが大きくなるため使用できなくなる。しかし今のタイミングで使えば、最小限の被害で最大限の効果を出せる。

 

真なる無(ギンヌンガガプ)は対物専用。地面を崩壊させて巻き込む手もありますが、相手は空を飛べるようですし、効果は薄いでしょう)

 

 指示を受けたコキュートスだが、直ぐにはワールドアイテムを使用しない。

 幾億の刃は無数の刃を空中に発生させて、発射させるものだ。シンプルにして強力なワールドアイテムであるが、弱点もある。それは射程の短さだった。MMORPGで地球の裏側まで飛ばせる大陸弾道ミサイルのようなものがあったら、それはもうクソゲーとすら言えない。少なくとも前衛という概念があるゲームでは実装など出来ない。

 だからワールドアイテムとて、射程が壊れているものは少ない。まあ、少ないだけで使い捨て等で一部例外が存在する辺りが本当に狂っているのだが。

 しかし幾億の刃はその例外では無く、使用するには敵を引きつけるか、近づくかする必要があった。

 そしてコキュートスは前者を選ぶ。

 

(召喚魔物トハ言エ、無為二散ラサレテ行クノハ見テオレン)

 

 先発部隊だけでは、黒炎の数の暴力に対抗することが出来ない。このままでは全滅は時間の問題だ。ワールドアイテムで攻撃されれば、いずれにしろ消し飛ばされるが、運が良ければ生き残りが出るかもしない。

 

(見殺シヨリハマシダロウ)

 

 そう思い、任された左翼部隊の先陣をきって進軍するコキュートス。

 しかし、そこで空に影が浮かび、それを見上げて叫ぶ。

 

「クラギ!」

 

「まあ、そう、来るわよね」

 

 驚きの声をあげるコキュートスと離れた場所で納得するアルベド。

 大規模攻撃は放たれる前に潰すのが基本戦術。コキュートスに真っ直ぐ向かうくらぎに対し、この状況を事前に予測していたアルベドは対処のために動いた。

 

「あなた達、お行きなさい」

 

 レベル70代で飛行能力を備えた魔物を5体迎撃に向かわせる。

 足止めには十分な戦力だ。これでくらぎを止めている間に、コキュートスを進軍させようとする。だがその時、地面が揺れた。

 

「何!? 地震!?」

 

 間が悪いと思うアルベド。しかしそれは地震では無かった。地面が割れ、そこから全長500メートルを超える巨大ミミズ『かふらたい』が現れたのだ。

 かふらたいは海よりも地上での戦闘確率が高いことに合わせ、あやかしの代わりに白面が新たに産み出した分身だった。その能力はあやかしに近いが、海を泳ぎシケを起こす代わりに、地中を動いて地震を起こすという違いがある。

 その強さはレベルにすれば90程度と他の分身よりも弱いが、代わりに耐久力に限って、レイドボスに匹敵するという怪物だった。

 

「ナッ!?」

 

 かふらたいが出撃したのはコキュートスの足元。そのままコキュートスを飲み込もうとするが、すんでのところで回避する。

 そしてコキュートスはワールドアイテムの使用を停止し、代わりに剣を抜いてかふらたいに挑みかかる。

 その光景を見て、アルベドは歯噛みをした。この状態になってしまっては、最早、範囲攻撃系のワールドアイテムは使えない。

 

(私とコキュートスの位置を逆にしていれば……違う!!)

 

 そこでアルベドは気づく。伏兵は中央の本体を挟んで反対側の自分の近くにも潜伏させられている可能性が高いことを。

 そして彼女がそれに気づいた数秒後、周囲に霧が立ち込めた。

 

「これは!? あの時と同じ......」

 

 白面(くずは)と初めて遭遇した時のことを思い出すアルベド。しかし今度はその時と異なり、霧の中に顔が浮かび上がるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「やってくれましたね」

 

 敵に上手くやられたことに対する怒りを抑え、リカバリーのために動くデミウルゴス。第10位階魔法最終戦争・悪(アーマゲドン・イビル)で、悪魔の軍勢を召喚する。捨て駒だった先発部隊だが、この状況では残存勢力を第2部隊に吸収させて、戦力にしたほうが得策と考える。そこで部隊が追いつくまで、全滅をしないよう、召喚した悪魔を先行させて戦力を補給する。

 同時に並行して相手の行動を予測した。

 

(敵はこれまで隠して来た切り札を出してまで、こちらを妨害に来た。ならば……)

 

 かふらたいとシュムナをスレイン法国側の虎の子の切り札と考え、それを切った以上、相手は一気に決めるつもりなのだと判断する。

 そして彼の頭脳は、そのための手段を見抜いてみせた。

 

「くらぎの上方にまで飛行し、攻撃を!」

 

 ナザリックでも希少なレベル80代の魔物を3体向かわせる。

 魔物たちはくらぎよりも高い位置まで飛び上がり、上空からくらぎを見下ろす。そこで魔物たちが見たものはデミウルゴスの予想通りのもの。白面(くずは)を筆頭に斗和子、アンティリーネ、漆黒聖典隊長、ティーナといったスレイン法国主戦力がくらぎの背中に陣取る光景であった。




原作者が「何これ」って言ってるダヴはオリーブの葉を運ぶ辺りが魔法版使い捨ての大陸弾道ミサイル的なものではないかと疑っています。
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