白面inオーバーロード   作:史上最弱の弟子

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キリの良い所できった関係で、またちょっと短いです。
おまけとして白面の各国に対する好感度をつけました。


14話 神話

「やはり、敵の目論見は電撃作戦! 最速でアインズ様を討ち取るつもりか!!」

 

 デミウルゴスが軽く声を荒げる。

 召喚系のワールドアイテムでナザリック側の部隊を足止めし、隠し玉の戦力を投入することで部隊を分断する。

 そしてナザリック側が混乱している間に、精鋭部隊で大将を討ち取る。

 そこまで予測したデミウルゴスは一旦、クールダウンする。

 

「なるほど。相手のワールドアイテムが対個人用に偏っていることを考えても、消耗戦では分が悪い。ならば初手から全力でトップを狙うのは、悪く無い策ですね」

 

 アインズを前線に参加させず、影武者を立てておいて良かったと胸を撫で下ろす。

 しかし影武者を務めるパンドラもアインズとは比べられないとは言え、仲間としても駒としても、召喚魔物とは違って替えの効かない重要な存在である。

 これを放置しておく訳にはいかないとデミウルゴスは直ぐ様、状況を整理し、対策を練り上げる。

 

(レベル80代の魔物では足止めにしかならない。しかし気になるのはあの2色の髪の女……。このタイミングで出てくる辺り、雑魚ということは流石にありえないでしょうね)

 

 事前にした調査では、存在が掴めなかったアンティリーネをかふらたいとシュムナに続く、第3の切り札と予想する。

 そこから彼女をレベル100に近い戦力か、ヴィクティムのような特殊な役割を持つ相手のどちらかであると、アタリをつけた。

 

(そうなると、流石に私一人では無理ですね)

 

「アウラ、マーレ。くらぎの上に敵の主戦力が集結しています。私達3人で仕留めますよ」

 

 マーレの所有するワールドアイテムはパーティー単位の相手に最も効果を発揮する。

 法国側もワールドアイテムを持っているとはいえ、おそらくは全員では無い。聖者殺しの槍(ロンギヌス)が見当たらないことから、それは姿の見えないスルシャーナか彼の盾となる側近が装備していると推測する。

 

(そうなるとあの集団が装備しているワールドアイテムは傾城傾国(けいせいけいこく)と石化の武具の2つ。敵の数は2にまで減らせる可能性が高いでしょう。最悪、もう一つワールドアイテムを隠し持っていたとしても、魔物と連携すれば数で押し込める)

 

 デミウルゴスは頭の中で計算を立てる。仮に4人以上が残った場合は、別の対策が必要だが、その場合の算段も彼の中では既に練られていた。

 

(アインズ様は常に撤退を視野に入れろと仰っていましたが、緊急用の転移アイテムでは私達はともかく召喚魔物は戻せない。部隊が分断されている現状では得策ではありませんね)

 

 今は撤退のタイミングでは無いと判断したデミウルゴスは、アウラとマーレに通信を入れて白面(くずは)のもとへと飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「流石にすんなり行かせてくれるほど、阿呆ではないか」

 

 レベル80代の魔物の相手をしながら白面(くずは)は呟く。

 彼女の狙いはデミウルゴスの予想通り、大将首を一気に取ること。

 スルシャーナの周りを固めたのは単なる過保護ではなく、敵も同じ戦術を取ってくる可能性を想定に入れてのことである。

 

「落ちなさい!」

 

 斗和子が魔物に対して、深々と鎌を突き刺す。すると魔物は徐々に石化していき、そのまま墜落していった。

 

「御方様、こちらは片付きました」

 

「こっちも片付いたわよ」

 

 斗和子、ついでアンティリーネが声をあげる。白面(くずは)も一体を始末し、これで足止めの魔物は全て撃墜した。

 しかしそこで敵の本命が到着する。

 

「貴方が白面(くずは)ですね?」

 

「そういう貴様は小悪魔か?」

 

 白面(くずは)の挑発にデミウルゴスは額に青筋を立てる。自身の存在に対する侮辱は、創造主への侮辱。そう考えるNPCの習性を知る彼女は、内心で嘲笑いながらも、敵のワールドアイテムには警戒する。

 

「斗和子よ。こいつらの相手は我がする。お前達は予定通り、プレイヤーの所へ行くがいい」

 

「はい。御方様、お任せします」

 

 くらぎから降りて、自身で宙に浮かぶ白面(くずは)と残る斗和子。

 スレイン法国の弱みは、実際にはワールドアイテムを”3個”しか持っていないことだ。しかも白面(くずは)にとっても危険で扱いづらいものが多いため、この場でワールドアイテムを装備しているのは彼女だけだった。

 

(こちらのハッタリが効いて、エレザールの鎌・石をワールドアイテムと誤認してくれれば良いがな)

 

 プレイヤーにとって未知の能力を持つエレザールの鎌・石は他のシリーズとわざと大きくデザインを変えている。相手がワールドアイテムと誤認してくれることを期待してだが、当然偽物のワールドアイテムに、ワールドアイテムを防ぐ力は無い。

 そのため少しでもリスクの低い、強者の人数が少ない本隊の方に、自分以外を向かわせるという戦術を選択する。

 

「それを黙って見過ごすとお思いですか? アウラ、頼みましたよ」

 

「分かった!」

 

 それに対し、デミウルゴス達は当然妨害をする。

 使用するのは、アウラが所有するワールドアイテム『山河社稷図』。このワールドアイテムは現実のフィールドと絵画の世界を入れ替えることによって、絵画の世界に人や物を閉じ込めることが出来るという代物だ。

 フィールドごと入れ替えることが出来るので、敵が密集していれば、一度に複数を閉じ込められる極めて使い勝手のいいワールドアイテムである。

 ただ欠点として、絵画の中にある出口から脱出されると、ワールドアイテムの所有権が奪われるというものがあった。

 

白面(くずは)がワールドアイテムを装備しているのは、寧ろ好都合。アインズ様すら警戒する奴ならば、戦闘が終わるまでに脱出されてしまう可能性が僅かとはいえある。しかし他の相手ならば、時間内に脱出されるということはまずありえないでしょう)

 

 所有権が奪われてしまったとしても、戦闘が終わった後ならば、集団で囲んで直ぐに奪い返せばいい。リスクよりも一時的に難敵を戦場から排除出来ることのほうが価値が大きい、そう判断を下しての行動だった。

 そしてアウラが、山河社稷図を使おうとしたする。

 そこで白面(くずは)は大きく息を吸った。

 

「いくわよ」「オギャああああああああ」

 

 響き渡る胸声。使用される寸前に白面(くずは)が絶叫と共に、口から直径50メートルを超える巨大火球を、アウラに向かって吐きだしたのだ。

 硬直し、動けないアウラ。それに代わって、マーレが動く。

 

「お姉ちゃん!!」

 

 巨大植物を操る魔法で、瞬時に植物を生やしアウラを守る。しかし、火球は一瞬で植物を焼き尽くし、更に一体の魔物を巻き込んだ。それで多少威力が減衰したもののアウラを弾き飛ばした。

 それによって生まれた包囲網の穴からくらぎが飛び出す。

 

(なんと強烈なスキル!!)

 

 飛び散った余熱に顔をしかめながらも、逃すまいと動くデミウルゴス。それに対し、白面(くずは)がエレザールの鎌をブーメランのように回転させて投げつけた。

 

「くっ」

 

 デミウルゴスはそれを弾いて防ぐ。しかしその間に逃亡を許してしまう。

 弾かれた鎌をキャッチする白面(くずは)

 

「貴様等には、我と踊ってもらうぞ」

 

 両手に鎌を握り、余裕を見せるように腕を広げる。空中で傾城傾国を風になびかせるその姿はまるで一枚の絵画のようであった。

 

「ど、どうするのよ。デミウルゴス!!」

 

 そんな白面(くずは)の姿に目を取られてしまいそうになるが、それよりも行ってしまった斗和子達が問題だとアウラが叫ぶ。

 相手の戦力はレベル100級が3人とレベル80と70。召喚魔物が居るとはいえ、パンドラとセバスだけ、それを乗り切るのは困難と考える。

 

「心配要りません。伏兵を用意しているのはあちらだけではありませんからね。それよりも我々は目の前の相手に集中しましょう」

 

 スレイン法国の大将は白面(くずは)とスルシャーナの二人。そのうちの一人を仕留められればその戦果は限りなく大きい。この状況はチャンスと考える。

 

「我の首を取れると思うてか?」

 

「ええ、やってみせますよ」

 

 睨み合う両者。

 そして白面は不敵な笑みを浮かべる。

 

「ならば、やってみるがいい」

 

 レベル100の階層守護者3人と白面(くずは)、十三英雄の最後の戦いを超える、すなわち神話レベルの戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ここからはおまけです

 

白面(くずは)の国に対する好感度>

 

 

スレイン法国

好感度:大好き

・スルシャーナと協力して作り上げた国。我が子。

 

リ・エスティーゼ王国

好感度:普通

・特に好きになる要素も嫌いになる要素も無い。原作通りに腐っているので、いい餌場。個人単位でそこそこ目をかけてる奴は多い。

 

バハルス帝国

好感度:無関心

・面白味が無いと全く関心が無い

 

竜王国

好感度:やや嫌い

・竜王が嫌いなので、竜王の子孫が治める国である竜王国もやや嫌い。

 

ローブル聖王国

好感度:嫌い

・八欲王に殺されまくってスルシャーナがレベル一桁にまでダウン。白面(くずは)も転生したばかりで評議国に睨みを効かせるので精一杯という時期に建国。闇の神の威光が最も落ちたこの時期に、原作同様の理由で、闇の神を信仰対象から外すというやらかしをしてしまう。

 

アーグランド評議国

好感度:嫌い

・仮想敵国。過去にはスレイン法国に圧力をかけようとしてきた。

 

番外ー八欲王

好感度:大嫌い

・交渉に訪れたスルシャーナをリンチした。当然、白面(くずは)からの好感度は最低。彼女の裏工作で原作より早く内輪揉めを起こし、竜王達に負けて滅ぼされた。

 

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