白面inオーバーロード   作:史上最弱の弟子

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おかげで今週は筆がノッてどんどん更新が出来ました。


15話 予測内と予測外

 デミウルゴスの包囲網を突破した斗和子達。しかし当然、他の飛行魔物たちが次の妨害をかけてくる。

 しかしスレイン法国側にも援軍が存在した。

 

「援護する」

 

「あら、ようやく追いついて来たのね」

 

 その援軍とはスルシャーナのNPCが指揮する精鋭魔物部隊だった。彼等はレベル70以上の不死者竜(アンデッド・ドラゴン)に乗ってくらぎと並走し、前方の敵を撃退していく。

 そして援軍はここだけでない。スルシャーナやNPCが用意していた召喚魔物、スレイン法国が抱える内の半数が黒炎に加わり、ナザリックを相手取って戦い始めたのだ。

 そのおかげで精鋭組への圧力が軽減される。

 

「我らはスルシャーナ様の命通り、ここで足止めをする」

 

「ええ、しっかりやってちょうだい」

 

「スルシャーナ様に、あなた達の頑張り伝えておくわ」

 

 そして敵の本陣、アインズに化けたパンドラが見えた所でNPC達は敵の引き付けを担い、くらぎは急降下した。

 それを迎えるように立ち上がるアインズ(パンドラ)

 脇に控えていたセバスが彼を庇う姿勢を取るが、アインズ(パンドラ)はそれを押しのけ、両手を広げた大仰なポーズを取った。

 

「このわたーし、いや、我の首を取ろうとするか。ならばその愚かさ、その身で理解させてやろう」

 

 アインズ(パンドラ)が指を鳴らす。すると周囲の魔物6体が巨大ゴーレムへと変わった。

 ガゼフにも使われた入れ替えアイテムである。それは本来ナザリックの10階層を守護する超希少金属製で、るし★ふぁーが作った物であった。

 その中の2体が同階層の別魔物と合わせて使うように与えられた魔法爆撃を放ってくる。

 

「キィィィィ」

 

 それに対し盾になるくらぎ。白面(くずは)の分身には皆、特殊能力が有り、くらぎのそれは攻撃を吸収し跳ね返すというもの。

 その能力を使い、ゴーレムの攻撃を跳ね返す。

 

「ウォォォォ」

 

 跳ね返された攻撃に対し、防御力が高いゴーレムが前に出て、盾になる。

 

「<心臓掌握(グラスプ・ハート)>」

 

 そこでアインズ(パンドラ)が即死魔法をくらぎに仕掛ける。その攻撃は反射できなかったが、それで即死することも無かった。一瞬だけ、動きを止めるくらぎ。

 そしてその動きを止めた瞬間に、セバスが飛び込んできた。

 

「はあっ!」

 

 拳をくらぎに叩き込む。スタン状態では流石に反射出来ないようでダメージを受けるくらぎ。

 それを見て漆黒聖典隊長が援護に動く。

 

「喰らえ!」

 

 槍から雷を放つ。セバスはそれを片手で弾いてみせた。しかしそこで今度はアンティリーネが突撃し、エレザールの鎌・極を振るった。

 それに対しセバスはカウンターで手刀を穿つ。

 

「はっ!」

 

「ふん!」

 

 セバスの頬から一筋の血が流れ、アンティリーネの服の一部が破れ、肌が露出する。

 

「やりますね」

 

「貴方もね」

 

 互いの実力を評価するセバスとアンティリーネ。

 そのやり取りを確認し、ゴーレムをくらぎに、セバスを漆黒聖典の3人に任せ、斗和子はアインズの前に降り立つ。

 

「どうやら貴方の相手は私のようね」

 

「そのよーだな」

 

 白面(くずは)の分身とアインズの産み出したNPC、最後に決まったカードは奇しくも因縁めいたものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ」

 

 憤怒の魔将がデミウルゴス”に”殴りかかってくる。その攻撃をデミウルゴスはスキルで巨大化させた右腕で弾く。

 そこに追撃、白面(くずは)が切りかかる。

 

「デミウルゴス!」

 

 アウラが魔獣を操ってカバーする。魔獣を強化し操れる、アウラはそれが強みのテイマーだ。

 集団で動きながら互いを邪魔することなく、一斉に襲いかかる魔獣達。それに対し憤怒の魔将が

白面(くずは)を庇う。しかしレベル80を超える魔将も高レベルの魔獣の集団には敵わず、あっさりと粉砕された。

 

「ふん」

 

 しかしそこで、白面(くずは)傾城傾国(けいせいけいこく)を振るい、死亡により解放された魔将に代わって魔獣の一体を支配してみせる。

 

「お姉ちゃんの魔獣を使わせない! <小災厄(ぷちカタストロフ)>」

 

 姉の魔獣が使われる前にと、支配された魔獣が居るのと反対方向からマーレがエネルギーの塊を放つ。その一撃は直撃し、大爆発を起こした。

 

「やった!!」

 

 その攻撃で少なくとも大ダメージを与えた、そう思った三人が見たのは巨大な尻尾に包まれ、無傷な白面(くずは)の姿だった。

 しかも彼女の尾が動き、マーレが従える森林竜(ウッドランドドラゴン)を貫いたのである。

 

「ああっ!」

 

 叫びをあげるマーレ。

 更に2本の尾が追加される。マーレは助けようとするが、そこで支配された魔物が妨害に入り、攻めあぐねる。

 

「<悪魔の諸相:触腕の翼>」

 

 デミウルゴスが翼を変形させて攻撃。それに対しては鎌で切り裂く。切られた翼は直ぐに再生するが、そうしている間にレベル90超えの魔物である森林竜(ウッドランドドラゴン)は絶命した。

 

「そんなぶくぶく茶釜様にいただいた魔物が……」

 

 森林竜(ウッドランドドラゴン)は課金でのみ手に入るレアモンスターであり、失われればこの世界では二度と取り戻せない。

 そしてマーレにとっては創造主から与えられた大切なものだ。二体居るとはいえ、その内の一体が失われたことにショックを受ける。

 

「マーレ、ショックなのは分かるけど、今は集中しなさい」

 

「姉の方が賢明だな」

 

 弟に叱咤をかけながら、白面(くずは)に影縫いの矢を放つアウラ。しかしそれも掴まれ、砕かれる。一方、デミウルゴスは戦いながら戦況を分析していた。

 

(私やアウラはもとより単独ではなく、召喚した魔将や魔獣と連携して戦うタイプ。傾城傾国(けいせいけいこく)を扱う白面(くずは)と相性が悪いことは分かっていましたが、3対1でここまで苦戦させられるとは……)

 

 一度に一体までしか操れない傾城傾国(けいせいけいこく)なら波状攻撃で対処出来ると考えたのだが、白面(くずは)が使役した相手を上手く使い捨てることで、ナザリック側は何体も魔物消費させられてしまっていた。

 しかしこれも手痛い要因ではあるものの、苦戦の主な原因はそこでは無かったのである。

 一番の理由、それは単純なスペック差。

 

(この強さ、通常のレベル100の枠を明らかに超えていますね。ウルベルト様やたっち・みー様のようなワールド職保有者か、若しくはプレイヤーというのが欺瞞情報だったか……)

 

 白面(くずは)の強さと異質さに気付き始めるデミウルゴス。しかし彼は、己の予測を外したにも関わらず、未だ笑みを浮かべる余裕があった。

 

(単純な戦闘力ならばアインズ様すら上回っていると認めざるを得ない。しかしあの方はやはり我らの遥か先を、そして勿論、白面(くずは)の先も行っている。あの方はこの状況を視野に入れていた!! だからこそ、あの存在を私に託したのだ!)

 

 アインズに託された奥の手。それがあれば白面(くずは)に勝てる、そう確信してほくそ笑むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなた、思ったよりも大した事ないのね」

 

 斗和子とアインズ(パンドラ)の戦いは、斗和子優勢で進んでいた。

 パンドラは至高の41人の全員に変身出来、その能力までも模倣出来るが、基本スペックは80%にまで低下する。しかもワールド職などは模倣出来ない。

 そのため、この世界の基準であれば万能ともいえる能力であるが、同格を相手にする場合は器用貧乏となってしまう。ユグドラシルの基準では、彼は通常強い存在では無い。それが影響して、アインズに変身しているパンドラはレベル100にも関わらず、レベル90相当の強さの斗和子にすら苦戦してしまっていたのだ。

 

「わーれが大した事ないだと? ならば見るがいい。我がワールドアイテムの力を!」

 

 しかしこのままただ負けるつもりは無いと、ワールドアイテムを使用すると宣言したアインズ(パンドラ)は身体強化のバフ魔法と攻撃魔法を使用する。

 

「<コール・グレーター・サンダー(万雷の撃滅)>」

 

「何がワールドアイテムよ。今までと……」

 

 放たれた雷魔法を、呆れた顔で防ごうとする斗和子。しかしそこで、アインズ(パンドラ)は接近すると同時に自らの特殊能力と”課金アイテム”を使用する。武人武御雷へと変身。本来は装備までは変えられないが、課金アイテムの力で装備もオリジナルのものへと変えたパンドラ、先に放った電撃に追撃を重ねる斬撃を重ねるように斬撃を見舞った。

 スキルを使用した強烈な斬撃は、斗和子の防御をかいくぐる。

 

「ぐっ、見た目だけでなく、能力まで変わった。なるほど、これがあなたのワールドアイテムの力なのね」

 

(どうやら欺けたようですね)

 

 胸に一撃を受けて、驚愕を表情に浮かべる斗和子。それに対しパンドラは、目論見が上手く嵌ったことに無表情のまま、内心でガッツポーズを取る。自身の能力と課金アイテムを併用しそれをワールドアイテムと偽ることで、影武者だとバレないままに自身の能力を解放し、更にワールドアイテムの性能を隠すという策略であったのだ。

 

(相手がアインズ様のようなプレイヤーではなく、我々と同じNPCなら誤魔化せるかもしれないと期待しましたが、上手く行きましたね。我々はユグドラシルのことであっても、自分の専門分野以外には無知な部分が多い。しかし、彼女は本当にNPCなのでしょうか?)

 

 戦いながら、パンドラは違和感を覚えていた。主への忠誠心こそ自分達にひけを取らないものの、スキルに依存しない戦い方など、NPCいやユグドラシルの存在とは根本的な異質さを斗和子からは感じていたのだ。

 

「なら、こちらも本気を見せるしかないみたいね」

 

 そんな風に思考をめぐらすパンドラに対して、斗和子が口を開いて、本気を出すという宣言をする。

 そして彼女の姿が、異業の怪物へと変わったのだった

 




ちなみに影武者だとばれた時には「ブゥわれてしまいましたカー。貴方がたは私が影武者とは知らず、まんまぅわーと、踊らされていたーのですよお」(口調表現難しい)とか言うつもりでした。
ばれないことによるメリットはあっても、ばれたところでデメリットはそんなに無いですし。
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