ある所に2人の姉妹がいました。
姉妹は両親を早くになくしてしまいましたが、とてもなかのよい姉妹でした。
力を合わせていっしょうけんめい生きていました。
だけどある時、悪いきぞくにお姉さんがさらわれてしまったのです。
残された女の子はなみだを流します。
すると女の子の前に狐の神様があらわれました。
狐の神様は女の子の命をもらえれば、キセキを起こしてお姉さんを助けることができると言いました。
「お前の命を捧げるのならば、姉を助けてやろう」
女の子は迷います。
お姉さんは大切ですが、女の子だって死にたくないのです。
女の子は考えます。
自分が強くなってお姉さんを助けよう。
でも、それだと何年も時間がかかってしまいます。
狐の神様は女の子にお姉さんがどんなひどい目に合うのか教えてあげました。
それを聞いた女の子は死ぬかくごをしました。
「この炉に飛び込むのだ」
狐の神様は魔法を使いました。
その魔法で女の子のすがたは剣に変わりました。
狐の神様が使ったのは、遠い遠い国で何百本もの「強い剣」と一本の「ものすごく強い槍」を作った魔法でした。
「やはりか」
女の子は「強い剣」に変わりました。
狐の神様は約束を守ります。
女の子が変わった剣をにぎって悪いきぞくの所へ行くと、あっという間にきぞくをたいじしてしまいました。
そしてお姉さんを助けたのです。
「お前を救うために、お前の妹は生贄になった」
狐の神様は女の子が剣に変わったことをお姉さんに教えました。
お姉さんは女の子が変わった剣を狐の神様から借りました。
そしてその剣を悪いきぞくにつきさしました。
悪いきぞくはいっぱいいっぱい痛がって死んでしまいました。
「貴族をなめおって!」
きぞくの家族は狐の神様とお姉さんにふくしゅうをしようとしました。
でも狐の神様が全部やっつけてしまいました。
のろいです。
これから先、彼らがお姉さんをいじめることは無いでしょう。
「やはり、この世界でもこの製法だけでは獣の槍は産まれぬか」
狐の神様は女の子が変わった剣を見てつぶやきます。
狐の神様は女の子を剣に変えた魔法をだれにも教えないつもりでした。
どんなに信用する人にも教えないつもりでした。
でもいつかだれかが自分の力で、その魔法を見つけてしまうと思っていたのです。
狐の神様はそれを「こわい」と思っていました。
だから知りたかったのです。
「強い剣」と「ものすごく強い槍」のどっちが作れるのかを。
できたのは「強い剣」です。
狐の神様は安心しました。
「強さを求めるか。ならばこれをくれてやろう。その代わり、そのうち貸しは返してもらうぞ」
狐の神様はやくめが終わった剣を一人の剣士にあげました。
剣士は剣の名前を教えてほしいと言いました。
「この剣の銘か。そうだな、あの槍に比べれば紛い物も良いとこなれど、人間の想念より産まれた武器には違いない。
狐の神様は剣に、「けもののかたな」という名前をつけましたとさ。
めでたしめでたし。
妖怪や法力が実在する世界で一人生贄にするだけで、強い剣が作れるのなら、絶対誰か作ってる(確信)