サトーとセンパイは怪異対策組織・ムラクモに所属する特殊公務員(非常勤)である   作:不知東西屋

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今日も2人が動き出す。
アクション?
そんなのないよ。


第2話:サトーとセンパイと深き者ども

「なあ、サトー。実は俺、バンクシーなんだ。」

「……、センパイ、疲れてます?」

 サトーは一応尋ねてみたが、答えは最初から分かっていた。

 

 というか、二人とも疲れているのである。

 

「……、給料半分でいいから、仕事も半分にならねーかな。」

「残念ながら。……、でも、言いたいことはわかります。」

「分かってくれるか。」

 

 怪異対策組織・ムラクモは基本給はともかく任務ごとに手当てが出るので、手取り自体は悪くない。(命の危険に対して十分かはともかく)

 

 ただ、忙しいため使う暇がないというのが全職員の共通認識である。

 とはいえ、今の2人は通常の勤務形態の話をしているのではなかった。

 

 もっと差し迫った直近の危機の話をしている。

 

「流石に、三日三晩、魚面の化け物と戦ってればイヤにもなります。いくら危険手当と保障があるって言ってもね。」

「金もらっても、使う時間がないし、たまの休みは疲れて寝てるから趣味をもつ余裕もないわ。」

 ため息をつく先輩。

 

「深く共感してしまう我が身が悲しい。」

 同じくうなだれるサトー。

 

 この2人、今現在も命がけの任務の最中であるのだが、どこかのんきである。

 おそらくどこかがすでに壊れているのだ。

 

「サトー、なんか優しい言葉をかけてくれないか」

「なんですか、気持ち悪い。」

 率直な言葉はたいていの場合、嘘より良い。

 

「うん、迷いのない罵倒ありがとう。俺にだって傷つく心はあるんだよ?」

 あくまで、たいていの場合である。

 

「それで、急に気持ち悪いこと言い出してどうしたんですか?」

 サトーは気にしていなかった。。

 

「あ、うん。ここんところハードな連勤が続いている俺に、なにか今日を乗り切るための言葉をくれ。」

「……、なるほど。言葉の意味は理解しました。」

 サトーはうなずいた。深く、うなずいた。

 

「分かってくれたか。」

 センパイは安堵した。

 

「でも、」

「でも?」

 

「私たちに必要なのは今日を乗り切る言葉っていうか、魚面どもの包囲を突破するための具体的なアイディアだと思うんですが」

 率直な言葉はたいていの場合、嘘より良い。

 

「それは、ホラ、アレだよ」

「あれ?」

 

「強く当たって、後は流れで。それか硬度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に」

 だって、相手は常識外れの魚面どもである。まともにやるなら海兵隊でも連れてきてほしいところだ。

 

「結局ノープランじゃないですか。」

「つまりはいつも通りだよ。」

 肩をすくめるセンパイ。

 

「なんとかなりますかねえ。」

 ため息をつきながら、サトーが立ち上がる。手には特別製の武器。通称・バールのようなものが握られている。

 

「まあ、最悪、死ぬか、魚面が2体増えるくらいだろう。」

 センパイも立ち上がった。こちらは昨日拾ったツルハシを握っている。

 

「はぁ~、最悪だ。何とかするしかないってことか」

「そうだ、覚悟決めていくとしよう。」

 

 深呼吸を1度してから、2人は一斉に魚面の群れに向かって駆け出した。

 

「「うおおおお、俺たちのたたかいはこれからだ!!」」

 

~2人の勇気が明日をつかむと信じて!!~




明日も投稿します。
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