伝説オーラ制御不能垂れ流し転生者 VS 興味はあるけど手持ちになるのは嫌な伝説のポケモン   作:ユフたんマン

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VSライコウ

皆はポケモンの世界に転生したら何になりたい?

 

ポケモントレーナーになってチャンピオンを目指す?

 

「ごめんね…この子達、どうやら君に凄く怯えているみたいだ…」

 

それともブリーダーになって好きなポケモンたちのお世話をする?

 

「君、ポケモン達に何をした!?こんなに怯えるなんて普通じゃない…!」

 

それとも元の世界にもあった職種でポケモンたちと一緒に働きたい?

 

「ごめんなさい、貴方が来ると他の方のポケモンが怯えてしまうんです…だから用事がない時は極力ここに近付かないで欲しいの…」

 

 

 

 

現実は非情である。

 

 

 

 

 

 

俺は転生者だ。意識が覚醒したのは4歳頃。親の手持ちのポケモンと遊んでいた時に転んで頭を打って…というありふれた思い出し方であった。

 

目を覚ますと心配そうに俺を見つめる両親とポケモン達。意識が戻ってからの初ポケモンだ!と内心ウキウキでポケモンを見つめていると、その目に映る感情が段々と変化していき、心配から恐怖になった。

 

まるで得体の知れない何かを見るかのような目で俺を見る。ブルブルと身体を震わせ怯える。

ポケモンは機敏だ。大方、俺の意識が覚醒したことにより、雰囲気が別物になって困惑し、怯えてしまったのだろう。

これでも4年、同じ家で過ごしたポケモンだ。悲しいがまぁ時間が解決してくれるだろう、そう楽観視していた。外に出るまでは…

 

 

外に出れば、本来であれば多種多様なポケモンたちが人と共に共存し、その姿を見せてくれるだろう。

だがその時、その日からは違った。

 

俺の存在を認識した瞬間、ポケモン達はその姿を消す。まるで逃げるように、怯えて姿を隠す。

親のポケモンのように長い期間付き合ってきたポケモンならわかる。だが初めて会うポケモンですら俺を恐れ怯える。

 

明らかに異常だ。直ぐ様親に報告し、何かの病である可能性から病院へ。

 

異常なし。

 

ならばポケモン博士の所に行けば何かわかるかも。

 

原因不明。

 

そこから各地を転々とし、辿り着いたのはカントー地方のヤマブキシティ。科学的に分からないのならオカルトにと藁にもすがる思いでジムリーダーのナツメちゃんに会いに行く。

うっひょー!黒髪ロング美少女は最高だぜ!なんて思っていた当時の俺をぶん殴りたい。だってまぁ原作のジムリーダーに会える(それも美少女)となれば興奮しない人間がいるだろうか、いやいない。

 

「……ッッ!!?」

 

俺を見た時のナツメちゃんの顔は、それはもう凄かった。髪を逆立たせ、サイコパワーで宙を飛び戦闘態勢に入る。俺を見た瞬間、反射的に脅威に備えるように動いた。

 

原作と違いまだジムリーダーになったばかりの美少女のそんな姿に流石の二週目俺もショックを受けた。

俺に向けられたあの恐怖に染まった瞳はトラウマものである。多分泣いてた。

 

話を聞くにどうやら俺は無意識に凄まじいオーラを放っているらしく、それが原因でポケモン達が怯えているのだと発覚した。

話を聞くまでナツメちゃんprprハァハァ...///なんて思っていた俺はなんて馬鹿だったのだろうか。

 

なぜポケモン世界で人間がそんな馬鹿みたいなオーラ放ってるんですか?阿呆なのか?

ナツメちゃん曰く、オーラを抑える方法はあるが、その膨大さだと焼け石に水だろうとのこと。

 

あれ?このままだとポケモンを手持ちに入れれない?俺これ詰んだ?

 

 

 

 

 

 

 

詰みました。

 

 

 

 

 

 

 

 

回想は終わり時は現代へ。10歳になった俺は色々と詰め込んだ明らかに内容量がおかしいリュックを背負い旅に出た。

 

こんな体質になっても俺はポケモンが好きだ。この世界に来てまでポケモンと仲良く出来ないなんて嫌だ。

 

俺の事を恐れない、怯えない、そんなポケモンを世界から探し出して手持ちにしよう!

 

それが俺の旅の目標であった。

 

俺は最初の一歩を踏み出した。

 

 

 

 

 

デレレー⤵︎デレレー⤵︎デレレー⤵︎

 

 

 

「は?」

 

稲妻がバチバチと大地を駆け抜ける。

それと同時にかき鳴らされるエレキギター。

 

「ららいー!!」

 

なんとも巫山戯た鳴き声をあげるそれは…

ジョウト地方を駆け回る伝説のポケモンが一匹、ライコウ。

 

俺の旅は一歩目で終わりそうであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

 

ライコウは俺と目を合わせながら、ゆっくりと近づいてくる。

終わった…俺には手持ちのポケモンが居ない。というよりも手持ちを探す旅なのだから当然である。

つまりポケモンと遭遇したら常時目の前真っ暗状態、財布を手にジリジリと後退する。金を落として済むなら安いものだがこの世界は現実。最悪死ぬ可能性がある。

 

熊と遭遇した時のように目をじっと合わせ、逸らさないように心掛ける。

 

 

…ここで疑問が残る。何故このライコウは俺に怯えないのだろうか。それどころかライコウの瞳からは敵意を感じない。

ライコウが俺へと何か語り掛けている気がする。何となくだが、このライコウの意思が脳に直接伝わってくるかのような感覚…

不思議と不快感は感じない。

 

 

 

おまえの苦労をずっと見てたぞ

本当によく頑張ったな?

遂に我慢が報われ願いが叶う

この場から逃げ出してしまえばこれまでの苦労は全て水の泡だ

その溢れ出る膨大なオーラのせいで大好きなポケモンとの接触を控える生活

一向に消えるどころか逆に増大していくオーラ

将来に希望を持てず疲弊する日々

そんな現実から抜け出す時が来た

散らかり倒した狭い部屋を飛び出し今日俺の元へ現れた

世界中がお前を否定しても、俺だけはお前を認めてやる

散々苦しんだのだ もう楽になれ

この俺の頭を撫でるのだ

 

 

 

そのライコウの瞳は慈愛に満ちていた。

ゆっくりとライコウは近付いてくる。

恐る恐る導かれるように手を差し出してみるとスリスリと頭を押し付けてきた。

 

「はわわわわわっ!」

 

ポケモンに触れるなんて何年ぶりだろうか、白い毛はフワフワでまるで綿菓子のようなさわり心地。思わず顎を撫でると気持ちよさそうに喉をゴロゴロと鳴らす。

 

「おかわわわわっ!!猫じゃん!完全に猫じゃん!」

 

思わず抱きつきながら身体を撫で回す。その感触はまるで空を飛ぶ天女のような…

 

そこで先程脳内に伝わったライコウの意志を思い出す。

我慢は報われ願いが叶う…

 

「もしかしてお前は俺の手持ちに…」

「…ッ!!」

 

ゆっくりとボールをリュックから取り出すと同時にバッとライコウは飛び跳ね俺との距離をとる。

 

「え!?」

「ららい!」

 

ライコウから放たれたチャージビームが俺の持つボールをデストロイ、グルルルと威嚇され、そのまま俺に襲いかかってきた。

 

ドガッと身体に衝撃、ライコウは倒れた俺に跨り、その前足で押さえ付けて身動きが取れないようにマウンティングをとる。

 

「願いを叶えるって…仲間になってくれるんじゃ…」

 

鼻と鼻が触れ合う距離でライコウはグルグルと喉を鳴らす。

 

それはそれ、これはこれ

 

は?

 

 

ライコウが大きく口を開ける。終わった…思わず目を閉じてしまうが、次に襲ったのは暖かくベタっとしていて異様にザラザラしているものだった。ライコウのぶっとい舌であった。

 

1度目は味見か…?とも思ったが違う。何度も何度も執拗に顔を舐めてくる。

 

「は?え?」

 

困惑する俺を無視してベロンベロンと舐め続ける。主に口や鼻を重点的に舐め上げ、時折鼻の穴の中に舌が入り異様な不快感が湧き上がる。

 

「わぷっ!や、やめろー!」

 

ライコウは舐めるのを辞めない。フンッと舐められて濡れた顔に鼻息が掛かると妙にこそばゆい。

 

静止を促す声は虚しくも届かず、逆に激しい舌技となって俺の顔を蹂躙する。

 

それはライコウが満足するまで続き、開放されたのは1時間後であった。

 

「ぐわーーーッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

顔面ヨダレでベタベタの状態でヤムチャっている俺の傍で満足そうに凛々しい面持ちになった野生のライコウはスタタッとその場から逃げ出して行った。

 

「お前何なんだよ!!」

 

 




主人公
アルセウスの戯れにより転生させられた被害者。伝説の超ジョウト人。
その強大すぎるオーラ故に通常のポケモンから恐れられる。ポケモンが大好きだが意識が覚醒して以来ライコウを触るまでポケモンに一切触れてこなかった。




ライコウ
同格かそれ以上の興味深い人間を見つけつい駆け寄った。一応ポケモンと仲良くなりたい、怯えないポケモンを触りたいという願いは叶えてやったつもり。
仲間には伝説のポケモンとしてのプライドがあるので主人公の力を認めない限りならない。
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