ポケモンが現れた世界に生まれて   作:ダダダッダ

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十四話

 とある日の夜のリビング、玲はポケモン達とソファーの上で寛いでいた。

 玲はエースバーンと抱き合って、おでこを合わせながらマスカーニャの膝枕。ソファの反対側ではバウちゃんが丸まって寝ている。

 暖かな体とバウちゃんの寝息が、玲の眠気を誘う。だがしかし、玲はそれを堪えていた。

 寝るわけにはいかなかった、意識を落とすわけにはいかなかった。今この瞬間を、脳裏に焼き付けておきたかったのだ。

 

 そんな風に耐え続けている玲の耳が、両親の会話とらえる。どうやら玲の小学校入学について話しているようで、どこに入れるか相談しているようだ。眠気が一気に吹き飛んだ。

 

「レーくんはポケモンが大すきだから、こっちがいいんじゃないかしら?」

「ポケモンの知識は家で教えればいいよ。玲くんにはこの学校がいいんじゃない?」

 

 ちょっと待ってほしい。ポケモンの事を学べる学校があるのだろうか、それなら行ってみたい。

 原作知識はあるが、それは万能ではないのだ。現実になったことで、様々な変化が起こっている。それらの変化を学べる学校なら行くべきだ。

 それにポケモンの学校というくらいだ、おそらくポケモンを自由に出し入れ出来る。授業中もポケモンと一緒の可能性もある。何で思いつかなかったのか、ポケモンのいる世界なのだからあっても不思議はないのに。

 そんな夢のような施設に行く機会、絶対に逃してなるものか。

 

「パパ!ボク、ポケモンのおべんきょうしたいっ」

「いっぱいお勉強しないといけないんだよ?大変だよ?」

「みんなでいっしょにでしょ?がんばるからっ」

 

 玲だって分かっている、大変なことくらい。ポケモンの授業とは別に、普通の学校のカリキュラムもあるのだ。簡単なわけがない。

 それでも玲は自分の妄想のため、この学校以外の選択肢を取ることはない。ポケモンと一緒に学校生活を過ごせるのだ、ここしかないのだ。

 

「レーくんが好きな所がいいわ。そうでしょ、あきらさん」

「そうだね、ここにしようか。玲くん、お勉強頑張るんだよ」

「うんっ!ありがとう、パパ、ママ」

 

 母が援護射撃をしてくれ、それにより父も受け入れてくれる。

 ポケモンの学校に通わせてもらえる事になり玲は歓喜した。

 マスカーニャとエースバーン、まだ出していないあの子達。彼女達との学校生活を想像する。きっと楽しい、絶対に楽しい。今夜は眠れそうにない。

 

 玲の嬉しそうな姿に、みんなも喜ぶ。みんな、玲の笑顔が大好きなようだ。

 残念ながらバウちゃんは連れていけない、彼女は母の手持ちなのだ。バウちゃんと学校生活も楽しそうだが仕方がないのだ。玲は悲しそうにするバウちゃんを撫でる。

 

「パパ、これちょうだいっ」

「うん?いいよ、持っていきなさい」 

 

 父から学校案内のパンフレットをもらう。不思議そうだが、すぐに納得した。写真を見て楽しむのだと思ったのだろう。

 まだ五歳児、漢字を読めるわけがない。しかし玲の中身は成人男性、パンフレットを読むなんて訳はない。

 

 パンフレットを開き、読んでいく玲。ポケモン達も一緒に見ている。

 彼女たちも楽しそうだ。何が書かれているかは分からなくても、玲の楽しそうな様子が嬉しいのだ。一緒に行けないバウちゃんもそれは変わらない。

 

 そこで玲の視線がとある文字で止まる。

 『お子さんと一緒にパートナーを選んであげましょう』

 ちょっと待ってくれ。玲はその内容を読み込んでいく。想像が正しければ、このままでは不味いことになると気づいたのだ。

 どうやら入学前に学校生活用にポケモンを一匹貰えるようだ。それ自体はいい、ポケモンをもらえる事は嬉しい。しかしその順番に問題があるのだ。

 

 玲は今、手持ちが二匹いる。

 この世界でも原作と同じように、手持ちは最大六匹だ。しかし、大抵の人は三匹で抑えている、

 

 この世界では認定試験というものがある。原作でいうとジム戦だ。試験に合格することで最大八個の合格印をもらえるのだが、大抵の者は三個で諦める。多くても六個だ。八個持っている人はそうとうなエリートなのだ。

 

 一個で公園などの決められた場所でのみ、ポケモンを出すことが出来る。

 

 三個で初級大会に出場出来るようになる。だがそこで自分の実力を知り、先に行くことを諦める人が出てくるらしい。

 初級大会は三匹編成だ。そしてここまでの認定試験も、最大三匹のポケモンで乗り越えるらしい。

 一般家庭では、多くのポケモンを育てることが出来ない。それらの理由が合わさって、大抵の人は三匹までしか手持ちを育てないのだ。

 ちなみに自分の生命が危険な時は、印を持っていなくてもポケモンを出すことが出来る。

 

 手持ちが三匹になる、その事に玲は焦ってしまう。

 両親もしばらくは、他の家庭と同じ三匹でいいと考えるだろう。多すぎるとポケモンへの愛情が分散することも考えられるし、それはどちらにも悪影響が出る。

 育ててもらっているのだ、両親の教育方針には従う。いずれ全てのポケモンを出すと決めているので、何とか説得するつもりではいるが。

 

 だが、三匹目の子は決めていたのだ。その子の背景を考えると、これ以上遅くなるわけにはいかない。何とかしないといけないと、玲は深く考え込むのだった。

 

 

 

 

 

 

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「おねがいね」

 

 何日かたったある日、玲は作戦を開始した。

 両親の想いを考えると罪悪感がわく、騙す形になるのだから。上手くいく保障もない、無理やりな作戦なので不安がある。

 しかし玲は、これらを分かった上でやることに決めたのだ。

 

「ママー、きてぇー」

「どうしたの?レーくん」

「おにわにポケモンがいるのー」

 

 作戦はこうだ。母と一緒に庭で日向ぼっこを開始、その後隙を見て決めていた子をボールから出す。

 この子は事前に庭で出して、話し合って手持ちに加えている。渡邊さんに見つかりそうになったが、何とか上手くいった。

 そして、この子に演技をしてもらう。

 

「れっレーくんっ!ちょっと離れてっ!」

「だいじょうぶだよママ、とってもいいこだよ」

「―――ほんとう、おとなしい子みたいね」

 

 子供に攻撃なんてしませんよ、仲良くなりたいだけなんです。そんな考えが見えるかのように、母に向かって満開の笑顔。

 ごめんね、初めて見る人で怖いよね。でも大丈夫だよとっても優しいから。玲はその子に、思いが伝わるように笑顔を向ける。

 

「かわいいよねっ、ママッ」

「ぽにっ」

 

 オーガポン、この子は早く出してあげたかったのだ。

 遅くなってしまった事に、罪悪感が湧く。この子の境遇を考えると涙が出そうになる。それでも順番は譲れなかったのだ。

 

 再会したときは泣いた、オーガポンも泣いていた。強く抱きしめた、抱きしめ返してくれた。謝った、想いを込めて。

 もう絶対離れたりしない、ずっと一緒にいて欲しい。そう伝えたら、オーガポンは受け入れてくれて。そこでまたしても泣いてしまった。

 

「ママァ…」

「うーん、マスカーニャちゃんたちもいるのよ?」

「みんなだいじにするっ、かわいがるからっ」

「いいわ、ちゃんと遊んであげるのよ?」

「うんっ、ありがとうママッ」

「ぽにおーっ」

 

 母は許してくれた。少し悩んでいたようだが、受け入れてくれた。今も父になんて言うか考えているようだが、微笑んでくれていた。

 オーガポンと喜び、抱きしめあう。

 やったよオーガポン、これからずっと一緒だよ。

 

「ママ、オーガポンといっしょにあそんでていい?」

「もう名前をきめたのね。いいわよ、あそんでらっしゃい」

「ありがとうママッ!いこうオーガポンッ」

「ぽにおっ」

 

 玲は母に遊んでいていいか聞く、やらなくてはいけない事があるのだ。許しを得たのでオーガポンと一緒に建物の裏に走っていく。

 そう、オーガポンをボールに入れなくてはいけないのだ。事前に手持ちに加わってもらっていたので、そのまま戻したらボールの挙動の違いに気付かれてしまう。

 ちなみに生身のままタブレットには入らなかった。不安だが試しておきたかった、前の二匹の時は慌てていて試せなかったのだ。もし上手くいけば、皆に一度出てもらい、話すことが出来たのだが。

 

「いっかい戻ってねオーガポン」

「ぽ、ぽに…」

「だいじょうぶ、すぐに出すから。いっぱい遊ぼうね」

 

 庭の裏でオーガポンにお願いする。少し悲しそうだ、もう遊べないと思ったのだろう。

 心配することないよ、少しの間だけだからね。これからもいっぱい遊べるよ。

 ボールに入ってもらい母の元に戻る。

 

「あら?もういいのレーくん?」

「みんないっしょがいいの!つれてきていい?」

「いいわよ、ママといっしょにいきましょ」

「うんっ」

 

 みんなを連れてくるために一回家に戻る、庭には他の子を連れてきていなかったのだ。

 母と一緒にリビングに入り、オーガポンを家族に紹介する。マスカーニャは久しぶりの再会に、オーガポンの頭を撫でて喜んでいた。他のみんなも新しい家族に笑顔で挨拶をしている。

 どうやらオーガポンは上手くやっていけそうだ、そのことに玲は胸を撫で下ろす。

 

 みんなと一緒に庭に出る、その日は暗くなるまでポケモン達と遊んた。

 

 




原作の手持ちは、少しの間この三匹でいきます

もっと出して!という方は、玲君の年齢がもう少し上がるまで少々お待ちください

学校で貰える子は出てきますが
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