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問、貴方は悲しそうな母を見て、一緒の風呂を断り続けることが出来ますか?
答、僕には出来ませんでした。
「きもちいい?オーガポン」
「ぽにおー!」
白雪家自慢の広い風呂、玲はバスチェアに座っていた。目の前には可愛いあの子、プリティキュートなオーガポン。彼女は楽しそうに笑っている、主人に背中を洗ってもらうのが嬉しいのだろう。その笑顔を見ていると心が癒される、この後の事を思うと頭が痛いが。
そんな風に楽しそうなオーガポンを洗っていると、背後から扉を開く音がする。どうやら母が妹と一緒に入って来たようだ。そう、玲は再び母とお風呂に入ることになってしまったのだ。
玲は姫光が生まれてからは、母とは風呂に入っていなかった。母を説得したのだ、自分は一人で入ることが出来ると。娘をお風呂を入れている間、自分の面倒まで見るのは大変だと。母も生まれたばかりの娘で不安だったのだろう、その言葉に頷いてくれたのだ。
玲は母の事が大好きだ、微笑んでもらえると嬉しくなる。おっぱいも素晴らしい、胸に抱かれたときのあの感触は天にも昇る心地よさだ。頭を撫でられるのもとても嬉しい、何時までも甘えていたくなる。
だがこの年まで母とお風呂というのは、さすがに心が落ち着かない。昔は小さかったからよかったが、これでも成長してきている、見られるのが恥ずかしくなってきたのだ。いろいろ見えてしまうのはとっても嬉しいのだが。
今まではとても安らげる日々だった、大好きなポケモン達とのお風呂を楽しいんでいた。彼女達を洗ったり、逆に洗ってもらったり。一緒に歌ったりして、心も体も温かくなっていたのだ。
だが母とのお風呂は帰って来た、姫光が成長したからだ。ある程度自分で洗えるようになり、母がずっと見ていなくてもよくなった。もちろん一人で入らせることはない、だが他のことをする余裕は出てきたのだ。
母はずっと気にしていたのだろう、息子の面倒を見れていないと。その反動が来たようで、前にも増して一緒に入りたがったのだ。
もちろん最初は断った、心落ち着ける時間を手放したくなかったからだ。しかしそんな答えを聞いた母の顔を見て、一緒に入りたくないと言われた母の顔を見て、断り続けることが出来なかったのだ。
そして現在、一緒に風呂場にいるのである。オーガポンに癒されて現実逃避していたが、それも限界のようだ。後ろを見れば母が嬉しそうに微笑んでいる、覚悟を決めるとしよう。
洗い終えたオーガポンを湯船に入れる。とても気持ちよさそうだ、キラキラおめめを細めている。一緒に入って癒されたい、だがまだ体を洗っていないのだ。
「レーくん、背中洗ってあげるわね」
「ありがとう、お母さん。ヒカリちゃんは僕が洗ってあげるね」
「おねがいね。ヒーちゃん、よかったねー、おにいちゃんが洗ってくれるって」
玲は母を『お母さん』と呼んでいる。今は『ママ』でもおかしくはないが、成長してからもそう呼びたくはなかった。三、四十代の自分を想像してしまったのだ。今の内から慣れていこうと、こう呼ぶことにしている。
最初は悲しそうにしていたが、どうやら受け入れてくれたようだ。
母の悲しそうな顔をみて、これはいけないといっぱい甘えたのだ。今ではお母さんと呼ぶと、とても嬉しそうにしてくれる。これはこれで好きなようだ。
ちなみに父も『お父さん』を受け入れてくれている。たまに目が潤んでいるので、パパ呼びの方がよかったらしい。ごめんなさいお父さん、思春期ということで許してね。
「おめめギュッとしてね、ヒカリちゃん」
「うん、おにーちゃ」
「いい子だよ、ワシャワシャしようね」
バスチェアに座りながら姫光の髪を洗う、初めてで不安だったが問題ないようだ。妹はとてもいい子で、大人しく洗われてくれている。オーガポン達を洗っていた経験も生きているのだろう。
頑張って目を瞑っている姿がとても可愛い。母が洗ってくれる背中の感触もとても気持ちいい。なんだ、家族と一緒のお風呂も癒されるではないか。過剰反応していたようだ、見られるのもそんなに気にならない。
「ヒカリちゃん、お母さんも洗ってあげようね」
「うん、あらうー」
「ありがとう、レーくん、ヒーちゃん」
一生懸命ウデを動かし、母の背中を洗う姫光。そんな妹の小さな手を、やさしくつかみ一緒に動かす。穏やかな時間だ、心が洗われる。
「ママ、まえー」
「いいの?ヒーちゃん」
「うん、おにーちゃ、いっしょ」
無邪気な姫光のその言葉に、こちらに振り向く母の胸で、二つのメロンが揺れている。目を逸らすのは難しい、許してほしい男の子なのだから。
妹と一緒にスポンジを持ち、彼女と一緒にハイキング。二つの山に挑む妹、頑張る姿がとても可愛い。玲の心は今、晴れた日の山の空のようにとても澄み切っていた。
体を洗えば次は湯船、全員で入り重なり合う。後ろには母がいて、おっぱいが背中でつぶれている。腕の中にはオーガポンがいて、そんな彼女も妹を抱える。妹は腹に回る兄の指を握って嬉しそうに笑っている。
「レーくん、ごめんね。はずかしいわよね」
「お母さん?」
「どうしてもイヤならいいの。でもそうじゃないなら、もう少しだけでいいから、一緒に入っていたいの」
母は息子が一緒に風呂に入りたがっていないと分かっていたようだ。それはそうだろう、あんなに断っていたのだから。だがそれでも我慢できなかったのだろう、息子の面倒を見ることを。
眠ったままだった、一年起きなかった。不安を抱えて育ててきた最初の子供だ、それだけ大事に思ってくれているのだ。
「…いやじゃないよ」
「ほんとう?いいのよ?おかあさんのことは」
「ほんとうだよ。嫌じゃないよ、お母さん大好きだから」
「ありがとう、レーくん。わたしも大好きよ」
あと何年かくらいは一緒に入ってもいいだろう、年齢的に少し遅いくらいで済む。母もきっとそれくらいで満足してくれるだろう。
中学生になってまで入りはしないが、さすがにそれは恥ずかしい。しかしそれ位までは母に親孝行をしよう、自分ももう少し母に甘えていたいのだ。
風呂から出たらリビングでまったり、それがいつものお約束だ。ソファーに座りポケモン達を眺めて癒されるのだ。
隣には母がいて、玲の体を抱きよせている。どうやら風呂での言葉が嬉しかったようで、出てからずっとこのままだ。少し熱いが嫌なわけではない、おっぱいの感触が気持ちがいいので問題はない。
そんな風に母に甘えていると、目の前ではポケモン達が戯れていた。体を洗ってもらったオーガポンが、ユキメノコに自慢している。クルクル回って自分の体を見せびらかし、渾身の鳴き声。ぽにおーん!
こちらを見てくるユキメノコには悪いが、彼女には明日にしてもらいたい。彼女は温かいお風呂に入れない、水風呂になってしまう。せっかく温まったのに、体を冷やしたくないのだ。
「ユキィ…」
「ごめんねユキメノコ、明日一緒に入ろうね。エースバーンも洗ってあげるからね」
「ユーキィ!」
「エバース!」
目の前に来て催促するユキメノコ、そんな彼女に明日だと言うと、クルクル回って喜びだした。一緒に入れると知ったエースバーンも、嬉しそうにガッツポーズする。
ユキメノコと一緒に風呂に入って冷えた体を、エースバーンに温めてもらう。その後に母が入ってくる、明日からはきっとそうなるだろう。
そんな玲たちにマスカーニャ近づいてくる、風呂の話が気になるようだ。彼女は母と反対の場所に座ると、玲に向かって体を倒してきた。
「どうしたの、マスカーニャ?」
「カニャ…」
「マスカーニャちゃんも一緒に入りたいのよね?」
「…」
「だいじょうぶだよ、ふたりだけで入ろうね」
「カニャン!」
マスカーニャも入りたかったが、みんなと一緒は嫌なのだろう。濡れて毛が肌に張り付く姿を見せたくないらしい、彼女はオシャレさんなのだ。いつもの事なので問題ない、もう慣れてしまった。ふわっふわにしてくれるわ。
微笑んでいる母から離れて、隣に座るマスカーニャに抱きつく。頬を擦り合わせ頭を撫でると、気持ちよさそうに鳴いてくれた。
いいこだ、いいこだよ。かわいいね、マスカーニャ。あれ、なんか強くない?少し緩めてくれると嬉しいな。
彼女の頭を撫で続けていたら、離してくれなくなった。暖かくて気持ちがいいので、甘えてくれるのは嬉しいのだが。
何やらバウちゃんが話しがあるようで、こちらを見ているのだ。時おり床に置いたボールに鼻を付け、ポニータに向かって鳴いている。
玲は気付く、彼女達も体を洗ってほしいのだと。
「バウちゃん、大丈夫だよ!洗ってあげるから心配しないで!」
「わんお!」
「次の休みにポニータと一緒に洗ってあげるからね!」
彼女達を洗うのは一日がかりになってしまう、学校のある日では厳しい、次の休みまで待ってもらうことになるのだ。どうやらそれでいいらしい、彼女達は喜んでくれている。鳴き声は聞こえないが、ポニータも嬉しそうに震えている。
バウちゃんはいつも母に洗ってもらっている、彼女は母の手持ちなのだ。母が子供の頃から大事にしてもらっているらしい。
しかし時々こちらにお願いしてくる、喜んでもらえてとても嬉しいので何も問題はない。彼女も大事な家族なのだ、可愛がってあげたい。
おっと、マスカーニャが甘えだした。バウちゃんとの話が終わるのを待ってくれていたのだが、終わった瞬間抱き着く力が増した。これは離れそうにない、仕方ない今日はこのままでいよう。都合のいい事に今日はマスカーニャと一緒にベットで寝る日だ。寝るまで彼女を可愛がるか。
玲は今日一日、マスカーニャを甘やかすことにした。