ラブライブリスタートシリーズ エンジェルパーティータイム・デュオ 作:しゅみタロス
東京 秋葉原
カシャッ カシャッ
陸「今日はこのぐらいかな」
海道陸 高校3年生 ディスク・ドール・シンフォニクスへ入所した元黒猫団。報道科所属。ラブライブの大会後、心咲護からオファーを受ける形で東京でスクールアイドル専門のジャーナリストを目指し、日々活動している。
千歌「お疲れ様、陸君」
高海千歌 高校3年生、ディスク・ドール・シンフォニクスのダンス科所属の元アクア。陸の彼女。
二人は今日、活動の一環でスクールアイドルの公式グッズの素材になる写真の撮影を行っていた。周りの衣装科、演出科、メイク科の高校生による合同の活動だ。十分すぎるほどのリソースがつぎ込まれたセットの数々、これらはすべてスクールアイドル系列の海外展開を一手に担うL4クリエイツが資金を出しているというのだからどれも本格的だ。心咲さんには相変わらず頭があがらない。そう思いながら撮影した写真をすべて確認する。すると……
千歌「後で写真、たくさん見せてよ」
陸「ああ、もちろんだ。その前の心咲さんに見せてからな」
千歌「みんなと共有する写真がたくさんあるといいんだけど」
陸「ツイッターで一応共有できる写真は別であるぞ。後で送るよ」
千歌「さすが!!」
そんな中背後から
アラタ「やあ、背後で見させてもらったよ」
巧「悪くなかったぜ、先輩」
善子「少し媚薬に近いものを感じるわ、その美しい罪深さに」
陸たちの前にかつての仲間たちが集っていた。
陸「なんだ、みんな来てたのか」
千歌「見てくれたんだね、ありがとう」
アラタ「同じダンス科の仲間じゃないか」
巧「とはいえ近々海道先輩ともこの仕事でお世話になるんでその挨拶も兼ねてるんだがな」
陸「そっか、次の写真の撮影って巧と善子か」
善子「だーかーらー、そこはヨハネって呼びなさいよ!!」
千歌「その路線2年生でも続けてるんだ」
アラタ「まあ、こっちが基本世間受けが大きいしキャラもたくさんのファンに肯定されてるからね」
陸「ネット配信の歌ってみた動画でもリトルデーモンとか名乗るファンがそこそこいてびっくりしたぜ。まさかあのネタが世間に定着するとは」
巧「やっぱ見ていたか、スマイルチューブに見慣れたユーザーのコメントが結構あったからな。ガジェット好きの宇宙太郎とか」
陸「竜太郎あいつ何やってんだよ」
千歌「みんなバラバラなのになんかの拍子でよく見かけるね」
陸「だよなぁ、みんなそれぞれの道に進んでもこうして会えるのはありがたいよ、いつかまた沼津で集合企画できたらいいな」
千歌「それ面白そうだね!!」
アラタ「僕も賛成だ」
それぞれの道に進みながらもまだまだ続いていくアクアと黒猫団の関係、陸もまたそうした今を噛み締めつつ、今を進んでいる。
その夜のこと
陸と千歌の借りている一軒家。
ザバッ!!
陸「あ~、やっぱ一番風呂は身体に来るぜ~」
風呂に浸かりながら防水性のスマホを手にする陸。ニュースを流し見しながらドクペの缶を開ける。
陸(そう言えば、加賀美定之会長が近年の音楽ジャンルのクラウド化に向けての事業を展開するのに某大手企業と提携していたっけ、倉阪エレクトロニクスだったな。確か。近年だと倉阪の運営する技術高校もあったような話も聞いたがこうして周辺企業がそれぞれスクールアイドルの展開事業に関わるのは少し嬉しく思うな。俺たちのやってきたこと、ここまで大きくなったんだって)
思い返すたびにそう思ってしまう、だがそれだけではない。
ガチャッ
陸「あがったぞ~」
千歌「陸君、遅いよ」
目の前にはきれいにメイクされたベッドや明日の着替え、それ以上に整理された俺の私物ときっちりとなった寝室。これを日々見るたびに思う。
陸(こんな時間までここまでやってくれたのか……)
陸としては若干気にしている。恋人同士とはいえ同じ部屋に住み始めて以降日々の生活は千歌に頼り切っていること、自分の忙しさが回り回ってこうした図式を生み出してしまっている。
自分にとってできることはないのか、そう思わざる終えなかった。
千歌「どうしたの?顔色悪いけど?」
陸「ごめん、ちょっとな。風にあたってくる」
そう言うと陸は外に出ると電話をかけた。
陸「よお、ちょっといいか?」
集「ああ、構わない」
電話の相手は神室集。
集「僕に電話をしたってことは何か話せない事情って解釈でいいのかな」
陸「ああ、千歌のことで。俺、このままでいいのかなって」
集「何を悩んでいる」
陸「俺、今の生活。千歌に家事仕事頼みっぱなしでさ、俺は千歌に好きなことさせてあげたんだ。だから……」
集「なぜそれを恥じる必要がある」
集は陸に伝える。
陸「一生添い遂げると決めたなら、失ったときに自分が呪われる覚悟はしておいて方がいい、自分と彼女を天秤かけるぐらいなら自らの今を変えるよりも彼女のありのままを信じた方がずっといい。
違うか」
その言葉を聞いた陸は……
陸「集、ありがとう。少しだけ考えてみる」
集「お前の幸せだ、自分で決めろ」
そう言うと通話を終えて月を見上げるのだった。