暗黒錬金術師伝説8 暗黒!リディー&スールのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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アダレットの王室に区切りが来ます。

それを誰もが安堵していました。

ミレイユ王女が苛烈な女傑である事は誰もが知っていましたが。それを差し引いても、無能な先代の治世が完璧に終わる方が遙かに良かったからです。


光と影の王冠
序、国家としての区切り


イルメリアから上がって来た先代王関連の報告書を読んだミレイユ王女が苛立っているのを見て、側近達は冷や冷やしていた。最近は騎士一位に昇格し、更に難しい仕事にも連れて行かれるようになったアンパサンドは、会議の護衛をしながらそれを敏感に察知していた。

 

順番に議題が上げられ、それをミレイユ王女が捌いて行く。

 

書記のホムが忙しくメモを取り。そして、可決の印が押されると、書類を持っていく。

 

問題は三傑が持ってくるようなものを除くと、大きなものから小さなものまで様々。

 

普段に比べて、ミレイユ王女の頭のキレが少し鈍い様子で。それが怒りから来るのは明白だった。

 

ヒト族の心はホムに比べて兎に角巨大だ。

 

感情が薄いホムは、心も蛋白。

 

例えばホム以外の人間にとっては、子供が出来ると言う事は、それなりに大きな話らしいのだけれども。

 

そもそもホムは男女ともに同じような消耗をする上、そもそも他の人間ほど子供は未熟な状態で生まれない。

 

そも生活が安定した状態になると子孫を増やす。相手は安定した利害があればそれで良い。

 

そう考えるので。そもそも種としての違いが大きいのだ。

 

違いが大きいからこそ、感情の差も敏感に感じ取ることが出来る。ミレイユ王女は普段から冷静なリアリストだが。

 

それでも苛立っていることが、よく分かった。

 

確かに先代王が完璧な状況で崩御してくれたのは事実だけれども。そのアドバンテージを握られたのが気に入らないのだろう。そう、誰もが思っている様子だ。そのような話を、アンパサンドは何度も聞いた。

 

そもそも先代王はいるだけで社会の害になる男だった。あのようなヒト族がどうして王位に就けるのか、アンパサンドの理解はどうしても及ばない。そも権力など、適切な人間が握れば良いだけのこと。

 

血統だので決める事の意味が分からない。

 

能力で純粋に選べばいいのにと、アンパサンドは思うのだが。

 

社会の安定を考えると、血統による統治。

 

それも、権力に興味が強いヒト族による統治が好ましい。

 

そういう理由であるらしい。

 

魔族は個体能力が高いが権力に興味が無いし。獣人族はヒト族より若干知能が劣っている。

 

それを考えると、やはり現状はそのままで良いのだろう。

 

事実ホムが玉座についても、ヒト族は従うまい。

 

この国では、役人にようやくホムを採用し。権力闘争をせず黙々と仕事をこなすホムの有能さで、かなり政務の動きが良くなってきている。それも深淵の者の後押しが無ければ出来なかったらしく。

 

正直、国としてのアダレットはどうしようもないなと。

 

仕えている騎士でありながら、アンパサンドは思うのだった。

 

アンパサンドは、国家としてのアダレットに対する忠義は持っていない。

 

単純に生きるのに最適で。何よりこの世の理不尽と戦うのに一番都合が良い仕事が騎士だったから、此処にいる。

 

邪悪から弱者を守り。弱者の盾になれる仕事だから騎士をしている。

 

利害が一致しているならば裏切る気は一切無い。

 

少なくとも、ミレイユ王女は有能だ。

 

もっとも、ヒト族は年齢による頭脳の劣化が激しいとも聞く。

 

今は輝くような有能な指導者であるミレイユ王女も。

 

いつまで有能であるかは分からないが。

 

いずれにしても、深淵の者に声を掛けられた今。今後、移籍するか、それとも騎士との兼業を続けるかは少し悩ましい所である。

 

実の所、この世の理不尽と戦うつもりなら、深淵の者に所属するのは悪くない考えではある。

 

ただ、アンパサンドは、どちらかというとミレイユ王女や、マティアス王子の事は嫌いでは無い。

 

深淵の者は、所属すれば恐らく場合によっては、即時で殺せという命令を出してくることもあるだろう。ちなみにミレイユ王女はどのような言葉を使ってでもマティアス王子の愚行を止めろとは命令したが、本当に殺せとは言っていない。マティアス王子は本気でミレイユ王女を怖れているので、場合によっては殺せと言われたと告げるのが、最適だと判断しただけである。

 

それにマティアス王子はミレイユ王女と違って頂点に立つ器では無いが、悪辣では無い。殺そうとは思わない。

 

だから現時点では、深淵の者に所属はするつもりはない。

 

なお、調べて見た所、深淵の者に所属している騎士は相当数がいるらしく。なんと騎士団長からしてその可能性が高い。

 

まああのソフィー=ノイエンミュラーと様々な冒険をしたらしいし。

 

無理からぬ話ではあるのだろうが。

 

だいたいヒト族で、魔族の中でも屈指の力を持つ巨人族の先代騎士団長に匹敵するとまで言われる実力者なのだ。

 

生半可な存在ではないのは確実である。

 

ミレイユ王女の言葉は、会議だから荒々しい。武門の国だし、それで良いのだ。最近は、前よりも更に荒々しくなってきている。

 

「次の議題は」

 

「騎士団の追加要員についてです。 三部隊を追加し、副団長を新たに追加で一名任命できる状況が整いました。 追加部隊の騎士達と騎士隊長は既に選出済みです。 この機に、従騎士も更に人数を採用します。 傭兵などに現在スカウトを掛けており、相当数の応募が上がって来ているので、その中から選出します。 流石に流れでいつ死ぬか分からぬ傭兵よりも騎士への昇格可能性がある従騎士に魅力を感じる者は多いようです」

 

「ふむ」

 

「問題は追加の副団長です。 ミレイユ王女、此方が候補になりますが」

 

ヒト族の太った役人が候補リストを出す。

 

部隊が増えると副団長の負担が増えるという事で、副団長を二人置く体勢が組まれたのだが。

 

正直これは、単に組織拡大においてポストを増やしただけにも思える。

 

いずれにしても、勿論ミレイユ王女とは、何度か話し合いをしている筈。これは最終決定の認可を求めている行動である。

 

しらける話だ。

 

無駄に儀式的である。

 

無意味に時間ばかり掛かるし。処理に幾度も手間が入る。もっと簡略化すればいいものを。

 

野心というものはどうしてもアンパサンドには理解出来ない。

 

この過酷な世界で、協力しなければ生きていけないのは自明の理だ。それなのに、どうしてエゴで財や権力を独占しようとする。

 

そんなものがあるから、ネージュを迫害するような愚行にこの国は走った。

 

何故、直そうとしない。

 

「立候補している者は」

 

「現時点ではおりません。 副団長であるシャノンどのが余りにも傑出しているため、どうも尻込みしている様子もありますが」

 

「騎士隊長は魔族が殆どなのです。 皆、権力を好む者はおりますまい」

 

率直に言ったのは、ホムの役人である。現時点で、アダレットにおける最高位のホムである。

 

ホムらしいしゃべり方をするが、年齢は130歳を超えている。250年生きるホムとしても、壮年に相当する。アンパサンドから見てもかなり老けていると感じるが、ヒト族にはあまり見分けはつかない様子だ

 

苦虫を噛み潰しているヒト族の役人に。ミレイユ王女は、苛立ちを出来るだけ丁寧に隠しながら言う。

 

「その通り。 現状副騎士団長には有能なシャノンがいる。 騎士隊長の魔族達は皆横並び、唯一のヒト族騎士隊長のキホーティスはそろそろ引退の年齢。 かといって、マティアスはそもそも副騎士団長には向かない」

 

あっさりと牽制を入れる。まあそうだろうとはアンパサンドも思うが。

 

そもそもマティアス王子はかなり難しい立場に置かれている。

 

下手に高い地位をくれてやると、先代王のシンパがまたすり寄る可能性もある。

 

無意味な派閥闘争は、人材の消耗と対立の元だ。

 

ミレイユ王女の豪腕でも、取りこぼしは出てくる。

 

だから無駄な事は避けたいのだろう。

 

ただでさえ、この世界。

 

人材は幾らでも必要なのだから。

 

周囲からの風よけを買って出ているマティアス王子は、このままの地位で良い。或いは、捨て扶持では無く、そもそももっと別の、アホ共が寄ってこないような地位に据え置くべきか。

 

「アンパサンド」

 

「はっ」

 

ミレイユ王女の言葉に跪く。まさか呼ばれるとは思ってはいなかったが。アンパサンドは、ここのところ双子について相応の戦歴を上げている。騎士隊長候補に、という話はあったと聞く。だが、そもそも部隊指揮には向いていないという理由で固辞してきた。

 

だいたいホムが騎士をやっているというだけで、色眼鏡つきで見てくる輩は珍しくないのである。

 

下手な地位につくと、まずは部下を叩きのめして、実力を見せつけるような事から始めなければならない。

 

非合理的だ。

 

「副団長の内、一人はシャノンが務めている。 シャノンはどちらかというと武勇にて騎士団の二位を確立している者だ。 そなたはむしろ知にて騎士団の二位についてもらえないだろうか」

 

「それは、強制なのです?」

 

「……!」

 

ざわめきが起こる。

 

流石にミレイユ王女直々に、二段階昇進の話が出ているのに。しかもこんな重要な会議で。

 

断る流れは誰も想定していなかったのだろう。

 

といっても、ざわめいているのはヒト族の役人や騎士ばかりだが。

 

まずはそれを指摘すると。

 

皆、黙り込む。

 

「元々我等ホムには野心は無く、そして魔族は極めて能力が高い反面己の内にて自己を磨く傾向があるのです。 横並びの実力である現在の魔族の隊長達の中から選びづらいというのであれば、誰かヒト族を抜擢するべきではないのかと思うのです。 戦略級の傭兵に、適任者が何名か思い当たりますが」

 

「いや、副騎士団長ともなると、裏切らない人員を据え置きたい。 金に目が眩んで派閥闘争に荷担したり、利に釣られて裏切るような人間を置くのは困る。 傭兵の中には確かに優れた腕の者もいるが、彼らはあくまで利で動く。 故に騎士団長や、副団長には向いていない。 更に言うと、騎士団の上層部がヒト族で占められるのも好ましくない」

 

ミレイユ王女の言葉ももっともか。

 

もう一度、ミレイユ王女は言う。

 

「準備期間を設けよう。 どうせしばらくは騎士団に追加する人員の訓練や、戦力の調整などで時間が掛かる。 半年ほど後に、副団長に就任して貰えないだろうか。 余としてもそなたの実力を買っている」

 

「……分かりましたのです。 ただ、此方はご理解いただきたいのです。 ヒト族と違って、ホムは不正はしない一方、野心はないのです。 それについては自分も同じ。 自分にも、この理不尽な世界と戦いたいと言う願望はあるのですけれども。 しかしヒト族が大好きな政治闘争に巻き込まれるのはまっぴらごめんなのです」

 

はっきりいうと、ミレイユ王女は思っているだろうか。

 

だが、此処まで言っておかないと。

 

絶対にすり寄って来る輩が大勢出てくる。

 

だから、早い内に釘を刺しておく。

 

「現在の騎士団長はヒト族で、寿命や全盛期の実力を維持できる時間についても問題があるのです。 これらに関してはヒト族の二倍半の寿命を持つ自分が副団長につくことで、長期的な視野での安定にはつながると思うのです。 余計な政治的な横やりが入らないのであれば。 自分は副団長としての任を受けさせていただくのです」

 

「……その分騎士団長の負担が増えもするが、仕方が無い。 それに、正直な話、騎士団にホムをもう少し採用したいと思っていた所だ」

 

またざわめきが起きるが。

 

咳払いしたのは、当の騎士団長だった。

 

勿論こんな重要会議である。

 

参加しているに決まっている。

 

「ミレイユ殿下の言葉を捕捉するようだが、騎士団としても賛成だ。 戦いは強い戦士だけを集めれば出来る訳では無い。 文官との役割分担は必要だが、騎士団内部にも不正をしない数字を管理できる人間が欲しい。 ヒト族ではどうしても数字管理に不正が出てくる可能性があるし、数字管理に関してホムはヒト族を遙かに凌ぐし野心が無いと言う点での信頼性も高い。 ましてやアンパサンドは、騎士一位として、現在躍進中の「雷神殺し」と一緒に戦い、確実な戦歴を積み重ねている。 ドラゴン二体の抹殺、ファルギオル撃破のアシスト、邪神一体の撃破と、その戦歴は既に騎士隊長各位と並ぶかそれ以上だ。 私からも彼女を推薦したい所だ」

 

そうか、外堀を埋めてくるか。

 

しばし跪いたまま、話の推移を見守る。

 

やがて、騎士団長が、余計な横やりを入れてきた場合は女王に即時通報すると牽制を入れ。

 

剛直さで知られる騎士団長がそう口にしたからには、文官達も黙らざるを得ない。

 

最初の頃は、まだ若いヒト族の騎士団長と言うことで、あの手この手で籠絡しようというヒト族の文官もいたらしいのだが。

 

その全てをはねのけて、「堅物」と言われている現在の騎士団長である。

 

その言葉には、重みがある。

 

「ふむ、問題は無さそうだな。 それでは、半年後の副騎士団長の叙任、受けてくれるかアンパサンド」

 

「分かりました。 其所までのお計らい、光栄至極に存じますのです。 半年後の副騎士団長叙任、謹んで承らせていただくのです」

 

「うむ」

 

ミレイユ王女も或いは女王になった後の事を意識して喋っているのかなとアンパサンドはちょっと思ったが。

 

そのまま元の位置に戻る。

 

苦虫を噛み潰すような視線が飛んでくるが。

 

そもそもホムが不正をしない面倒な種族である事は、ヒト族ですら認めている。「何が楽しくて生きているのやら」とかいう悪口も聞くことがある。まあ快楽主義の傾向があるヒト族には、確かにそう見えるかも知れない。

 

だが悪いが、アンパサンドは今ある程度充実している。

 

高く天を目指す双子と共に、この世の理不尽と戦える力を手に入れつつあるからだ。

 

副団長になれば収入も増える。

 

シスターグレースに仕送りも増やせるし。

 

何より、不正の類を騎士団内から一掃できるはず。

 

そもそも、騎士団の予算には文官が噛んでいて、かなり風通しが悪い状態だった。

 

今後ホムであるアンパサンドが此処に食い込めば。

 

複雑だった金の流れを一本化し。

 

不正の余地がない体勢を作れる。

 

後は後継者のホムの騎士が必要になってくるが。

 

この辺りは、ミレイユ王女の仕事だろう。軍属文官とかの新しい地位を作るとか。まあ、いずれにしてもアンパサンドには関係無い話である。

 

恐らく、変な部分で文官が予算などに噛んできていた今までの状況よりも、風通しは良く出来る。

 

勿論監査機能は必要になるが、ホムが数字管理をするならば、不正は疑わなくても良いと言う利点もある。

 

勿論甘い汁を吸う者はいなくなるが。

 

不正に甘い汁を吸う輩がいる時点で、それは組織として駄目だし。

 

そんな輩がのさばれる組織は、いずれ腐って枯れ果てるのである。

 

その後、幾つかの話を終えた後、会議を終える。

 

いずれにしても、先代王が死んで良かったという事には、此処にいる全員が異論ない様子だ。

 

有能なミレイユ王女が、女王に即位することで。

 

アダレットは更に安定する。

 

三傑が現在かなり強烈に国政に圧力を掛けてきているが。

 

その結果、アダレットを覆っていた弊風は吹き払われた。

 

これは三傑を快く思っていない文官ですら認めている。

 

匪賊は消し飛ばされ。問題を起こしていた邪神は打ち払われ。人里に近付くドラゴンも、被害を出す前に処理され。

 

そしてインフラの整備も、ここ一年で百年分以上は進展した。

 

会議の場から出ていく者を見ながら、ラスティンでもこんな感じだったのだろうかと思うが。

 

まあそれは、実際に行ってみないと分からないか。

 

騎士団長に呼ばれたので、私室に出向く。

 

此方も用事があったので丁度良い。

 

以前貰い。そしてずっと愛刀にしていた短剣を返す。

 

これも愛着がある剣だが。騎士団には装備が足りていない。必要がなくなったのなら、返すのが妥当だ。

 

そして、双子に用意して貰ったハルモニウムの短剣を、騎士団長に見せた。騎士団長ジュリオは、ハルモニウム剣に触って良いかと聞いてくる。それほど、ハルモニウムは貴重なのだ。

 

頷く。

 

騎士団長は短剣を受け取ると。しばし目を細めて眺めた後、返してくれた。

 

「私の剣もかなりの業物だが、これもなかなかの品だ。 大事に扱って欲しい」

 

「分かりましたのです。 必ずやこの剣にて、双子を守りきるのです」

 

「うむ……」

 

それで、用事は。

 

しばし待つと、騎士団長は引き出しから何かを出す。

 

小さな細工物のようだが。

 

見て、正体を理解して、嗚呼と納得した。

 

最初から、アンパサンドの副騎士団長就任は決まっていたのか。

 

副騎士団長は勲章をつけるのだが。

 

ホム用に小さくしている勲章だ。

 

多分特注品だろう。

 

「半年後に、これをつけて貰う。 ミレイユ王女も、騎士団の風通しを良くするために、高位の人材に騎士団が納得出来る実力のホムが欲しいと思っていたのだ。 魔族も不正をしないという観点では信頼出来るのだが、魔族に書類仕事をさせるのはあまりにも人材の無駄だという声が大きくてな」

 

「分かりました。 自分の全力を尽くさせていただくのです」

 

「君は少しばかり双子に厳しすぎる教育をしたようだが、その代わりに双子は稲妻のような勢いでAランクまで駆け上がった。 今後も期待している」

 

「はっ」

 

敬礼をかわすと、騎士団長の部屋を出る。

 

シャノン副騎士団長に敬礼して、そのまま騎士団の寮を出る。あまり好意的では無い視線を向けているヒト族の騎士が何人かいたが。視線を向け返すと、慌てて視線をそらす。

 

それはそうだ。

 

ミレイユ王女が直々にああいうことを言ったのだ。

 

もし面と向かってアンパサンドに不満を零したら、それこそミレイユ王女に対して不満を零すのと同じである。

 

これだからヒト族は。

 

ため息をつく。

 

どうしてこう、野心という余計なもので、世界をかき乱すのか。ただでさえ過酷な世界なのだ。

 

それこそそれぞれの長所を生かして生きていけばいいのに。ヒト族の野心は、悉くそれを阻害している。

 

王城を出て、寮に戻るまで、あまり気分が良くない視線は断続的に飛んできた。

 

副騎士団長になれば、もっとこの視線は増えるだろう。

 

半年で慣れろという意味もあるに違いない。

 

嘆息すると、アンパサンドは。

 

さっさと眠る事にした。

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