暗黒錬金術師伝説8 暗黒!リディー&スールのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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4、深淵からの目

あたし、ソフィー=ノイエンミュラーは久しぶりに直接双子を視察してきた。勿論気配などは悟らせない。

 

確かにイルメリアちゃんの言う通り、良く育っている。

 

今までに無いほど成長が早い。

 

これならば。もっと厳しい試練をぶつけてしまっても良いだろう。すぐに王宮に出向いて、ミレイユ王女に謁見。

 

なお、あたしが来るとなると。

 

王宮は最優先でねじ込んでくれる。

 

とはいっても、ミレイユ王女は、あまり機嫌が良くなかったが。

 

「貴方が特異点と呼ばれるほどの錬金術師である事は分かっていますが、流石に急に来られると困るわね。 此方も時間が……」

 

「単刀直入にいうけれど、双子を不思議な絵に入れたいと思っているの」

 

「!」

 

それは。

 

本来は、次のランクからの昇格試験の内容だ。本来ならば、試験のもう一つは道具の作成になるのだが。

 

不思議な絵は、内部が現実とは異なる法則で支配されていて。

 

住み着いている生物も、外とは完全に生態が違っている。

 

特にレンプライアと呼ばれるものは。

 

ああ、まあこれについては良いか。

 

ともかく、非常に危険で。最低でも一人前の錬金術師にならないと、入れる訳にはいかないのである。

 

だがあの双子は、今までで最高の成長をしている。

 

それならば、此処で更に強力な圧力を掛けて、成長を伸ばすのが好ましいだろう。

 

「……此方は有能な人材も未来を担う人材も失う訳にはいかないのだけれど」

 

「格上の錬金術師を一緒に入れて護衛をさせるというので妥協」

 

「……」

 

苦虫を噛み潰しているミレイユ王女。

 

血染めの薔薇竜と呼ばれて怖れられる王女だが。それでもあたしの前では小娘に過ぎないのが現実だ。

 

その気になれば王都を一瞬で灰燼にできる怪物と相対していることは。

 

ミレイユ王女も理解しているのである。

 

リスクと利益を天秤に掛けられる人物だ。

 

「分かりました。 一番危険度が低いあの絵にするけれども、それで良いかしら?」

 

「此方もそのつもりです。 ただし、一緒に入れるのはルーシャ=ヴォルテールで」

 

「せめてパイモン辺りをと思ったのだけれども」

 

「あの人は少し強すぎるからダメ」

 

ぐっと、ミレイユ王女は身を乗り出そうとして、何とか自制したようだった。

 

王女というのは所詮この国の支配者。

 

その気になればこの国を一夜で文字通り消滅させられる相手に対しては無力に過ぎない。

 

勿論あたしはそんな事をする気は「今の時点では」ないが。

 

もしも双子をそれで大成させられるのなら、何の躊躇も無くやる。

 

それを理解しているからか。

 

ミレイユ王女は項垂れた。

 

「分かったわ。 手続きはしておく」

 

「それで結構。 それでは」

 

時間を止めて退出。

 

相手には、此方の力をある程度わかり易く見せておく。勿論全力なんて絶対には見せない。

 

底が知れない。

 

そう思わせることが、相手を一番怖れさせる事を、あたしは知っているからだ。

 

勿論あたしにも底はある。

 

体感時間で二十億年以上、経験を積み重ねてきたけれど。

 

端末パルミラ程度なら体も動かさず瞬殺できる力はついたが。

 

それでもまだまだこの世界のどん詰まりは解消できない。

 

どのような手を使って良いと言われても。

 

多分パルミラ本体には、手も足も出ないだろう。

 

だが、だからこそ。

 

後二人は必要なのだ。

 

考え方が決定的に違う超越者が。それを揃えるためには、あらゆる手を尽くす。それだけである。

 

さて、まずは魔界に戻った後。

 

バタフライ効果で変容した世界を観察。

 

手を幾つか打たなければならない。

 

世界は繰り返す度に大きく形を変える。

 

その変化は、あたしでも制御しきれない。

 

この世界は。

 

理不尽の塊なのだから。

 

 

 

(続)




無茶苦茶な領域に到達しているソフィー先生ですが、原作でも結構この人はとんでもないです。

普段の戦闘では無茶苦茶手を抜いていますね。

ソフィー先生の実力の一旦は、終盤の試験でソフィー先生と戦えるので分かるのですが。

「訓練でこれ」なので、普段はフリーザ様くらい戦力を抑えています。

アトリエシリーズの長い歴史でも、恐らくソフィー先生とアストリッドさんが最強の双璧かと思います。
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