暗黒錬金術師伝説8 暗黒!リディー&スールのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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ついについに雷神との戦闘を生存して乗り切った双子。

此処で何度繰り返しても止まっていた双子の時が先へと動き出します。

それが例え地獄も生ぬるく思える深淵の道だったとしても。


3、拒絶の絵

まず、最初にしたのは。

 

アルトさんについていって、見聞院に行くことだった。ルーシャも来てくれたので、非常に助かる。

 

アルトさんの指示を受けながら。幾つか難しい魔術の本を探す。

 

斥力を生じさせる魔術。

 

シールドとは似ているが違う。

 

あの絵からは、何というか。

 

そもそも中に入る以前に。

 

絵そのものから、強烈な拒絶を感じた。多分だけれど。ネージュは、アダレット王家の末裔であるマティアスが首を差し出したくらいでは収まらないくらい、ハラワタが煮えくりかえっているのではあるまいか。

 

文字通りアダレット消滅の危機だったのに。

 

それを救った英雄。

 

それなのに、迫害を受け。

 

下手をすれば、暗殺されたかも知れない。

 

追われるように王都を出て。

 

余生を寂しく過ごした。

 

そんな人が、怒っていない筈が無い。

 

あと、色々な考えがこの世にある事を、スールは理解し始めている。そして相容れないように見えても。或いは解決の糸口がある事も。

 

アンフェル大瀑布での出来事で。

 

それをよくよく思い知らされた。

 

ならば、今回だって。

 

何冊かの本を集めた後、皆で目を通す。アルトさんも目を通しているが、動きが凄く的確で早い。

 

本を扱うのになれているというか。

 

熟練の手際だ。

 

「そういえば、プラフタさんは?」

 

「彼女は今、ミレイユ王女に頼まれて、負傷者の手当をしているよ。 騎士団が半壊するほどの被害を受けているからね。 死人は少ないと言っても、動ける人員を可能な限り確保しなければならないのさ」

 

「スーちゃんも、あんな酷い怪我だったのに……」

 

「正確には、今のプラフタには錬金術を使う事は出来ないんだよ」

 

えっと、顔を上げる。

 

あの人、錬金術師ではなかったのか。

 

だが、アルトさんは意地の悪い笑みを浮かべたまま言う。

 

「彼女は世界でも上位に食い込む錬金術師さ。 それも世界の歴史という観点から見て、ね。 それでもある事件のせいで、錬金術が使えなくなった。 しかしながら、錬金術の知識は健在。 だから道具も使いこなせるし、今も最前線で活躍する事が出来るんだよ」

 

「……」

 

「さて、続けようか。 何か見つかったかい?」

 

「これなんて、どうでしょう」

 

ルーシャが本を出してくる。

 

魔術についてのかなり難しい本だ。

 

スールにはまだ理解出来ないが。

 

リディーは、何とか理解出来るようだった。

 

「ええと、嫌いな相手を追い返す魔術……」

 

「ふむ、でもこれは意思を変えさせる魔術だね。 あれは明らかに物理的な斥力を伴っていたけれど」

 

「ううん……だとすると」

 

「これは?」

 

続いてスールが本のページを指し示す。

 

それは、相手を押し返す魔術だ。

 

仕組みは簡単。

 

しかしながら、この二つを組み合わせるのは、とてつもなく難しい。

 

更に言うならば。

 

これをどうやって突破するのか。

 

魔術を中和するのか。

 

魔術の中和は極めて高度な技術だ。

 

せめて、この魔術だけでも無効化できれば。

 

組み合わせている魔術は分かった。

 

リディーは言う。

 

「ねえ、絵の外まで、こんな高度な魔術が飛んでくるんだよ。 それも恐らくは、自動で発動する仕組みだと思う。 こんなの、絵の中に入ったら、どうなるんだろう……」

 

「ファルギオルを倒すためには、やるしかないよ」

 

「そうですわ。 まともに戦っても勝ち目がないのは分かったでしょう。 ネージュだって、同じだった筈です」

 

少し疑問はある。

 

本当にそうだろうか。

 

そもそも、ファルギオルは起きたばかりで、本調子とはとても言えない状態だったはず。それであの強さだったのだ。

 

何か、根本的に。

 

違うというか。

 

皆、勘違いをしているのではないのだろうか。

 

そんな気がしてならない。

 

もしその間違いが早く分からないと。

 

致命的な事になる気がしてならないのだ。

 

ネージュでさえ、200年の時を稼ぐのがやっとだった。

 

自分達に、あんなバケモノを、本当に殺せるのか。

 

「これは……どうですの?」

 

「どれどれ。 おや、面白い発想だね」

 

アルトさんが笑う。

 

ルーシャが出してきたのは、いわゆる魅了の魔術についてだった。危険なので、使用については気を付けるようにとされている。

 

なお、人間の魔力出力だと、人間を完全に魅了するのは無理である。多分魔王と呼ばれる魔族でも無理だろう。

 

錬金術の道具を使って何十倍にも増幅すると、以前匪賊にやったように頭の中を完全に覗いたりすることも出来るのだが。

 

魅了で拒絶を相殺。

 

そうなると、斥力をどう相殺するべきか。

 

いや、拒絶さえ相殺できれば。

 

後は、斥力も働かないのではあるまいか。

 

兎も角、試してみるべきだろう。

 

頷くと、一旦アトリエに皆で戻る。イル師匠は今回はいない。だから、ルーシャのアドバイスを受けながら、一緒に調合する。

 

外の雨はまた激しくなってきている。

 

ぼそりと、リディーが呟いていた。

 

「お父さん、大丈夫かな……」

 

「叔父様も大人ですし、きっと……」

 

「うん……」

 

そんなの、あまり関係無いと思うけれど。ルーシャが気を遣ってくれたのは分かるから、頷く。

 

心が壊れるのに、子供も大人も関係無いと思う。

 

だから、本当にお父さんが無事かどうかは、はっきり言うと分からない。

 

問題は、お父さんが何をしているのか、何をしたいのか、さっぱり分からない事であって。

 

ひょっとすると、リディーとスールの冷たい態度が。

 

更にお父さんを追い詰めたのではないか、と言う事だ。

 

リディーとスールは前科持ちだ。

 

ルーシャがどれだけ良くしてくれていたか、分かっていなかったという。

 

だから、その可能性も充分にある。

 

どうしたらいいのだろう。

 

スールは胸を痛める。

 

リディーもスールも昔お父さんに対して酷い事を言っていたが。

 

今は、それがどれだけ傲慢な言葉だったのか、色々分かる。

 

普通の人間の観点では、「相手が悪い場合は何をしても良い」とか、「相手が自分の価値から見て劣っていたら何をしても良い」とかいうのがまかり通っている。リディーとスールもそんな風に考えていた。

 

だがそれが如何に愚かな事だったかは。

 

ここしばらくの出来事で、徹底的に心身に叩き込まれた。

 

むしろ普通の人間の方が愚かなのであって。

 

一緒になってはいけないのだ。

 

「みんなやっているから」という理由で容認していたら。

 

それこそ、アンフェル大瀑布でのイケニエの儀式を、そのまま全て認めなければならなくなる。

 

自分より立場が低い存在を作って。

 

それを嘲笑いながら、自尊心を守る。

 

そんなくだらない生き物だから。

 

人間はずっと、ロクに進歩も出来ず、インフラも整備できず。

 

荒野の中で、苦しみながら生きているのでは無いのか。

 

そんな風にさえ、スールには思える。

 

自分がそうだったからよく分かる。

 

そして廻りもそうだったから、よりよく分かる。

 

だけれど、立派な人達は。

 

みんな違っていた。

 

負の意味で違っている人だっていたけれど。少なくとも、昔の愚かでどうしようもないリディーとスールに戻ってはならない。

 

その筈だ。

 

「魅了だと弾かれるかも知れないから、敵意を削ぐ魔術を強化してぶつけてみようか」

 

「良いですわね。 ただし、それはもっと高度ですわよ」

 

「バステトさんに相談してくる。 あと、見聞院で資料探しかな……」

 

「とにかく、手札はたくさん用意しておこう」

 

リディーはバステトさんの所に行く。

 

スールは、ルーシャと一緒に見聞院に。

 

やっぱり本は苦手なので。

 

ルーシャに手伝ってもらうしかない。

 

見聞院で精神魔術の本を調べながら、ルーシャと話す。

 

「敵意を削ぐ魔術って、どういうときに使うの?」

 

「高度な使い手だと、例えば外交の時などに使うという話は聞きますけれども。 それでも、やはり魅了同様、人間の出力で相手の精神を完全支配するのは無理だという話ですわね」

 

「そうなると、やっぱり増幅するしかないか……」

 

「あの絵画は他とは別格とみるべきですわ。 雷神を三傑が抑えてくれているとは言え、あまり時間はありませんわよ」

 

頷く。

 

ルーシャの言葉も、今はすっと頭に入ってくる。

 

そのまま作業を続けて。

 

夕方には、アトリエに戻る。リディーも戻っていて、レシピを書き始めていた。

 

写し取ってきた魔法陣などを精査して。

 

リディーが悩んだ後、幾つかの改善点をレシピに加える。

 

いっそのこと、幾つかの精神操作系魔術を切り替えられるようにする仕組みにするのはどうかという話が出たので。

 

それも盛り込んだ。

 

まず、インゴットを用意する。

 

それに溝を幾つか彫り込む。

 

そしてその溝に、魔法陣を彫り込んだ板を差し込む。現在では、溝は八つほどで良いだろう。

 

このうち三つに増幅の魔法陣。魔法陣の出力源は宝石で良い。宝石については、有り余っているからである。

 

続いて防護の魔法陣。これは斥力対策。二つもつければ良いだろう。

 

後は、魅了の魔法陣、敵意喪失の魔法陣、それぞれ二つずつ。様子を見て、付け替えればいい。

 

溝は八つあるので。

 

もし出力が足りないようなら、増幅の魔法陣を増やせば良い。

 

レシピはこんなものでいいだろう。

 

イル師匠のアトリエに行く。

 

いない。

 

プラフタさんの言っていたことを思いだして、アルトさんのアトリエに切り替える。

 

しばらくは、アルトさんに代役を務めてもらうしかないだろう。あの人も三傑とまでは言われていないが、ずっと格上の錬金術師である事は確実。あのファルギオルにも、普通に攻撃を通していた。それもバトルミックスなど一切無しで、である。

 

ドラゴンを倒せる錬金術師は一握り。

 

邪神とやりあえる錬金術師は更に少ないと聞いているが。

 

その例外中の例外に、あの人は多分入るだろう。

 

ちょっと気になるのが、面食いのリディーが興味を持っている様子なのと。どうも得体が知れない事なのだけれども。

 

今は手段を選んではいられない。

 

すぐにレシピを見せに行く。

 

普段、女の子がきゃあきゃあ黄色い声を上げているアルトさんのアトリエだが。

 

今日は流石に静かだ。

 

静かというのは語弊があるかも知れない。

 

大雨で。

 

外は雷がドカンドカン落ちているのだから。

 

アルトさんは何だか体に悪そうな出来合いを口にしながら、何やら本を見ていたが。錬金術の本かと思ったら漫画である。

 

漫画も勿論高級品だ。貧しい人達が読むものではない。

 

意外だなと思うが。

 

アルトさんは気にしていない。

 

勿論、この人が漫画を読んでいるという意外な一面を、馬鹿にするつもりもない。

 

「どうしたんだい」

 

「はい、レシピが出来たので」

 

「まだイル師匠に目は通して貰っているんです。 今日はイル師匠もいないし、みんな格上の錬金術師で知り合いは出払ってしまっているので。 お願いします」

 

二人で頭を下げる。

 

ルーシャはルーシャで、別の作業があるとかで、戻っていった。多分ファルギオル戦のリベンジを見込んでの対策を練っているのだろう。

 

頷くと、アルトさんはレシピを見てくれる。

 

ふうんと感心した様子で、レシピを返してきた。

 

「拡張性に優れた設計だが、構造が脆弱だね。 この基礎部分、インゴットを二段重ねにするといい」

 

「なるほど……」

 

「あと、板も一枚板ではなくて、噛み合うように工夫をするべきだね。 その辺りは鍛冶屋の親父さんと相談すると良いかな。 こう、横からスライドして、組みあわせる方式の方が、頑強さが増すよ」

 

「有難うございます!」

 

リディーが目をきらきら輝かせて頭を下げるので。

 

ああと思ったが。

 

スールも、頭を下げて礼を言う。

 

とにかく、今は急ぎだ。

 

そのまま、レシピを言われるまま修正して、そして許可を貰う。そして、インゴットの在庫を確認。

 

板を作る分。

 

土台にする分。

 

何とか合金はある。

 

ただ、親父さんに作業料金として収めるインゴットが足りない。少し悩んだ後、インゴットを作りながら、その間に爆弾やお薬を補充しておく。インゴットが出来たので、より論理的に説明が出来るリディーが親父さんの所に行く。スールはその間、ルフトを中心に、爆弾とお薬を兎に角作り続けた。

 

材料はある。

 

だが、ファルギオル戦を想定して、最初から火力を極限まで上げ。

 

なおかつ束ねた方が良い。

 

あまりにも大きくしすぎると、投げられなくなってしまうので。

 

それも工夫がいる。

 

身体能力が装備品で跳ね上がっているとは言え。

 

それでも、限界というものがある。

 

更に構造が複雑になりすぎると、迎撃されたり、不発だったときの衝撃が大きい。分かっているのは、普通のルフトを束ねて、レンプライアの欠片を塗りたくっただけでは駄目、と言う事。

 

その程度の火力では。

 

彼奴を殺せない。

 

もっと強い殺意がいる。

 

そう、あのファルギオルが、此方に向けてきたような。

 

気付くと。

 

思った以上にたくさんのルフトを作ってしまっていた。三つずつ組み合わせて、投げるとどんな感じか確認する、

 

これなら充分。

 

とどめの火力にはちょっと物足りないだろうから。

 

それは、更にこの大型ルフト、いうならルフトアイゼンとでもいうべきものを、更に三つ組み合わせて、レンプライアの欠片をたっぷり塗りたくったものを準備する。

 

九つのルフトをまとめたものは、この間使ったものより五割増しの火力になる筈。

 

投げて見るが。

 

どうにか、投げる事自体は出来る。

 

でもこれは、文字通りとどめの火力用だろう。

 

どうにかして、ファルギオルを削る方法を考えなくてはならない。

 

多分だけれど、雷以外の攻撃で攻めていくしか無い。

 

レヘルンで足を止める方法は。

 

レヘルンで足を止め。皆で集中攻撃。ピンポイントフレアつきのフラムを徹底的に投げ込み、相手に打撃を与え。

 

相手の頭に血が上ったところで、ルフトのとどめ。

 

足を止めるのは、イル師匠やフィリスさんにやってもらうしかない。

 

最初にレヘルンで足を止めても。

 

それがどれだけもつかもわからない。

 

リディーが、全力を使い果たす魔術で、一瞬動きを止めるのが精一杯だったのだ。

 

何より、あの超回復力。

 

ちょっとやそっと傷をつけたくらいで、どうにかなるとは、とても思えない。

 

考え込みながら、ルフトを束ねていると。

 

リディーが帰ってきた。

 

「スーちゃん、親父さん、一晩でやってくれるって」

 

「ありがとう。 ちょっとスーちゃんさ、戦術考えてるから、しばらく放っておいてくれる?」

 

「珍しいね」

 

「うん……彼奴、絶対殺さなきゃいけないから」

 

リディーが息を呑むのが分かった。

 

怖がられるのは仕方が無い。

 

どの道、作業が出来るのは明日以降。その間、戦術を少しでも考えて。今までの情報から、ファルギオルを殺す事をどうにか模索しなければならない。

 

ソフィーさんが戦えば良い気がするのだが。

 

いや、あの人は。

 

多分何か思惑があって動いている。

 

或いはファルギオルより遙かに危険な存在かも知れない。

 

あんたが戦え、何て口が裂けてもいえない。

 

そんな事言ったら、その場で殺される。

 

その確信はあった。

 

「そ、それとさ……リディー」

 

「どうしたの?」

 

「あの、マティアスが……ネージュが本当に、マティアスの首を寄越せって言ったら、どうする」

 

「……っ」

 

口をつぐむしかない。

 

アダレット王家の歴史上、最大の失態。

 

ファルギオル撃退の最大功労者に対する、最悪の待遇。

 

そして追放し、死なせたも同然の行為。

 

確かに王族の首を要求してくる可能性はある。

 

そして王位継承権を持っているマティアスである。事実上の王はミレイユ王女だが。だからこそ、こんな時にスペアでしかないマティアスが役に立てる。

 

だけれど、それは。

 

あのアンフェル大瀑布で起きた事と同じ。

 

きっと誰かが、200年の罪に対して、責任をとらなければならないのだろうけれども。それは死という形でなければならないのだろうか。

 

ネージュを迫害した連中は、悉く墓の下。

 

多分その子孫も、もう今はみんな散逸しているだろう。

 

アダレットは貴族制のようなものが殆ど無くて。

 

役人は大体、能力で抜擢されると聞いている。特にミレイユ王女の代からは、その傾向が強いという。

 

勿論ネージュに対する蛮行の責任はアダレットの王族にある。

 

だけれども。

 

「フラン=プファイルはそもそも人間に対して中立の立場だったから、何とか懐柔は出来たんだと思う。 でもネージュは、多分本気で心の底からアダレットの人間を憎んでいるよ。 どう説得したらいいのか、分からないよ……」

 

「マティアスの事だから、多分首を寄越せって言われたら、そのまま首をあげちゃうと思うし」

 

言葉が見つからない。

 

どうすれば良いのだろう。

 

ネージュ自身に会わなければならない、というのは余りにも楽観的だ。

 

どうにか、事前に対策を練っておかなければならない。

 

楽観がロクな結果を招かないのは。

 

今までの失敗の数々で、散々スールも学んだ。リディーだって、学んでいるはずだ。

 

足りないものを調合で増やしながら、二人で話をする。

 

絵に入るための道具を作るのには、どうせ二人がかりで手分けしても二日三日は掛かるはず。

 

その間に。

 

対ファルギオルの戦術と。

 

ネージュをどう説得して、ファルギオルとどう戦ったのかを聞き出す。

 

これを確認しなければならない。

 

もう分かっている。

 

多分あのソフィーさんが中心になって、この巨大な何かとてつもなく恐ろしい事が主導されていると言う事は。

 

だけれども。

 

それでも、やらなければならないのだ。

 

大事なものがたくさん出来た。

 

「普通の人間」がどれだけ愚かだったか。

 

「普通の人間」を気取っていた自分達がどれだけどうしようもなかったのか。

 

よく分かった。

 

そして、愚かな自分に戻らないためにも。

 

できる事を、出来る範囲で、全力でやらなければならない。

 

ふと、気付く。

 

スールの心の奥に、何か黒いものが蠢いていないだろうか。

 

気にするほどの違和感ではないけれど。

 

それは、確実に。

 

スールを、蝕んでいる気がした。




双子も順調に壊れています。

良い傾向ですね。
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