現代で目を引く様な容姿に変わったら色々悪化したから僕はネットに逃げる事にした。 作:枝豆
『どーも八百万朋友です』
いつもは部屋で寝起きのまま、適当な格好で動画を回しているんだけれど今日は違う。目新しいエプロンを身に付けて、頭には三角巾を付け。長い髪は団子にして纏めている。そして場所はキッチンと来たら、何をやるかは言うまでも無い。
『見ての通り!今回は料理配信ですね、正直料理には苦い思い出しかないのですが男子三日会わざれば……』
と言いかけて途中で自分がもう男子では無い事に気づいた。今の無し、何とか誤魔化そう。
『何とかなる筈です。なんせ、私にはネットの皆がいるから!』
《コメント欄》
・ヒト ダヨリカーイΣ('◉⌓◉’)
・初見です
『作っていく前に、何でこうなったかを説明しますか。簡単に言うと、母親に「美味しい物、何でも良いから作って」って言われたんです。だから、何か作ろうかなって思って。何作れば良いんですかね』
親は肉が好きだから肉料理を作れば、外しはしないとは思うけど。因みに僕は、ハンバーグが食べたい。あ、たまたま偶然肉料理だ。
『コメントが無いので、ハンバーグにします。私が食べたいので』
《コメント欄》
・初見です。無茶苦茶で草。お母さんに何か作ってあげるのなら本人に何食べたいか聞けよwwww
・何故そうなった
『聞いたら何でも良いって言われたんですよ。それは、もうどうする事も出来ないじゃないですか?後は想像力で補うしか無い訳です。で、頭を使ったらお腹が空きます。私はハンバーグが食べたいです、肉料理作らなきゃ。丁度良いねって話です』
話をしながらも作業は、ちゃんと進めている。配信をする前に、ご飯は先に炊飯器にセットしておいて、親が帰ってくる一時間ぐらい前を目安にしてある。親がやってた様にしたけど、出来てるかどうかは分からない。
『さて、茶番は置いておいて、いよいよ調理に取り掛かりますか』
冷蔵庫には驚くほど何も無かったので、スーパーにひとっ走りして材料を買って来た。これを後はレシピ通りの分量で、間違えずにやれば簡単に出来る筈だ。それが簡単に出来ないから初心者なんだけど。
まずはタマネギをみじん切りに──。
『あぁ、目が痛い!』
確か目にしみない玉葱の切り方とかがあったと思うけど、正直それどころじゃない。そんなのが分かっていたら最初からやってると、逆ギレしそうだ。
『人間様に逆らうとこう言う目に遭うのだと、同胞に伝えておきなさい。伝えられるのならね』
何とか玉葱をみじん切りでやっつけた後、煽りながら、フライパンで火炙りにする。さて、肉を用意しようか。
『ボールに塩とひき肉を混ぜまーす。お腹空いたぁ』
愛情と言うより、目の前のお前を食べちゃうぞと言う食欲を入れ込み、良く混ぜるらしい。レシピ通り、レシピ通りに。
そうこうしている内に、玉葱が色を変えたので火を止める。ってあ。
玉葱入れてなかったわ。
急いでタマネギを追加して再び混ぜる。ほら、料理初心者には難しいんだって!いや、配信しながら料理してレシピ見てるからだねこれ。
『自業自得って奴ですね』
ま、失敗してもこれは僕の分で、次作るときに失敗しなければ良いって事にしよう。そうしよう。