金石が脳を破壊される話   作:淵岳 月夫

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-第7.7,7.77回ー

-第7.7回ー【たくさん作ってこうね】

 

月曜日、放課後、水門近く

 

夢芽「おまたせ」

蓬「ううん、全然待ってない」

夢芽「そっか。なら、いいや……」

 

蓬「南さん。俺、謝りたいことがあるんだ」

夢芽「……どうぞ」

蓬「南さんの気持ちに勝手にレッテル付けてた。

 言われないとわからないくせに、南さんの気持ちに寄り添ったつもりになってた。

 そのせいで南さんを怒らせた。だから、ごめんなさい」

 

夢芽「おそい」

蓬「それも、ごめん。すごい待たせた」

夢芽「……く、ふふ……っ」

蓬「南さん……?」

夢芽「私から遅いって、なんかおかしくって。今日、ここで蓬を待たせたのは私なのに」

蓬「えっいや、今日はほんと待ってないって! 気持ちの整理とかしたかったし!」

夢芽「ふふっ、そうなんだ」

 

夢芽「……付き合ってるの隠してたのがバレたときさ、ちょっと悲しかった」

蓬「うん」

夢芽「蓬が引き止めてくれなくて怒ったし、もう連絡が来ないかもって思うと心細かった」

蓬「……そっか」

夢芽「でも、蓬は今日もあの日もここで待っててくれたって思うと、嬉しかった。

 ……蓬もあの時、心細かったよね」

蓬「うん。あの日もさっきまでも、心細かった」

夢芽「じゃあ、おあいこってことで」

 

蓬「……はぁーっ、よかったぁ」

夢芽「めっちゃ息吐くね」

蓬「そりゃ息も吐くって! 南さんの考える言全然わっかんないし!

 二代目さんとか相談に乗るっていうか生態観察みたいだったし!」

夢芽「えっ、めっちゃ話してるじゃん。変なとこまで広まってないよね?」

蓬「あ、それは大丈夫。二代目さんたちにも口止めしたし」

 

夢芽「なら、まあいいや。金石さんとかにも、相談したの?」

蓬「え、うん。南さんの気持ちに気づけたのは金石のおかげかな。みんな色々考えてくれたけどね」

 

夢芽「………………うっわぁ」

蓬「え、なに?」

夢芽「ううん。……スマホ貸して。LINE背景、私たちのに変えるから」

蓬「え、いいけど。いろんな人に付き合ってるってバレちゃわない?」

夢芽「もっと大事なことができたので。勝手に変えちゃダメだよ、蓬」

蓬「わかった、変えない」

夢芽「ありがと。……約束がなくなってもさ、新しい約束、たくさん作ってこうね」

 


 

-第7.77回ー【くそダサい】

 

文化祭当日、夜、踊り場

 

蓬「あっ、うっす」

金石「うっす。南さんはいないんだね」

蓬「うん、はぐれちゃって今探してるとこ」

 

金石「……彼氏に探して欲しい的な、あれですか」

蓬「あー、やっぱそうなんすかね」

金石「そういうもんでしょ。文化祭の夜だよ? はい、ちょっと一服してきな。未開封だから」

蓬「ありがと」

 

金石「蓬くんと2人っきりって、何気にはじめてじゃない?」

蓬「いや、遠足の時とかあるでしょ。春の方」

金石「……そーだっけ、ごめんごめん。よく覚えてるよね」

蓬「あれから半年くらいでしょ? 結構経ったなぁ」

金石「ほんと、そうだね」

 

金石「あ、今南さんのこと考えてたでしょ」

蓬「あー、はい……」

金石「……蓬くん、やっぱ黄色似合うよ」

蓬「えー、ほんとにそう思ってる?」

金石「うん、ほんと。私、蓬くんに嘘ついたことないもん」

 

蓬「そうなんだ。じゃあさ、嘘をついたことない金石に聞きたいんだけど……付き合ってずいぶん経つのにキスできない男って、どう思う?」

金石「くそダサい」

蓬「ですよね……。わかった、ちょっと行ってくる」

金石「そっか。今考えてることやったら、私なら落とせるよ」

蓬「ははっ。ありがとう、自信ついたわ。じゃっ」

金石「じゃあね」

 

金石「ははっ、ダセーっ! かーえろっ」




おまけ含めてこれで完結です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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