-第3.3回ー【言われないとわかんない】
土曜日、おやつ時、原宿
蓬「さっきは散々だったね。ほんとに質問責めだったし」
夢芽「うん」
蓬「でも安心してよ。南さんはあんま関わりないかもだけど、いい奴らだから」
夢芽「そうだね」
蓬「……南さん、怒ってる?」
夢芽「なんで」
蓬「なんでって、なんか口数少ないし」
夢芽「なんで口数が少なくなったと思ってるのって聞いてるんですけど」
蓬「あー、いや、バレたのはしょうがないって。あいつらも変にクラスで言いふらしたりしないから」
夢芽「しょうがないって何?」
蓬「いや、ちゃんと二人で決めたこと守ってたでしょ? 朝は人がいる時は一緒に登校しなかったし、デートも遠出してたし。
それでバレたんだからどうしようもないじゃん」
夢芽「そうじゃないって……。ほんと蓬って鈍いよね。先週髪切った時も気づかなかったし」
蓬「えっ、今その話関係なくない?」
夢芽「関係あるから言ってんのっ! 何なら今朝もだからね? 今日の服かわいいねって何? 前も言ってたよね? 蓬どんな服でもかわいいしか言わないじゃんっ!」
蓬「いや、本当にかわいいって思ってるんだって!」
夢芽「他の褒め言葉くらいあるでしょ!? 今日爪にラメ入れてるのに気付かないし!」
蓬「気づいてたからっ。手繋いでて気付かないはずないじゃん」
夢芽「じゃあ言ってよっ! 言われないとわかんないじゃん!」
蓬「そっ、れはごめんなさい。見てるだけで満足してました」
夢芽「……うん」
蓬「いつもより小さめだからネイルしてないのかなって思ったらキラキラしてたし、正直ドキッとした」
夢芽「……まあ、それはいいや」
夢芽「で、わかった? なんで今怒ったか」
蓬「……ごめん、わかんない」
夢芽「とりあえずで謝んないでよ……。今日は帰る」
蓬「えっ」
夢芽「わかるまで連絡してこなくていいから」
蓬「いや、南さんちょっと!?」
蓬「行っちゃった……。俺だって言われないとわかんないって」
-第4.4回ー【そうだと言うなら、そうなのだろう】
日曜日、昼、喫茶店
二代目「珍しいですね! 蓬君が改まって呼び出しって」
ナイト「二代目は暇な訳ではない。この世界の異変は解決したが、次の世界に向けての準備もある。手短に済ませろ」
蓬「あっはい。二代目さんもナイトさんも、わざわざありがとうございます。
……実はですね、南さんとのことで、ちょっと悩みっていうか相談事が」
二代目「恋愛相談ってことですか!? いーですねいーですね!」
蓬「いつにも増してテンション高いなこの人」
ナイト「口を慎め、麻中蓬」
蓬「あっはいすいません。……実は南さんを怒らせちゃって、全然理由わからなくて。
なんで、自分が知ってる中で一番人ができてそうな二代目さんに相談できたらなと」
二代目「えぇ、蓬さんにそんな風に思っていただいてたんですかぁ!? いやー、照れちゃいますねー!」
ナイト「恋愛相談なら他にも相手はいるだろう。山中暦はどうした」
蓬「いや、暦さんは、どーなんでしょうか、ねぇ?」
ナイト「……そうか」
二代目「で、次は誰とお付き合いしたいんですか?」
蓬「え、次は?」
二代目「南さんと別れそうなんですよね? 次の準備とか気になる人とかあるんじゃないですか?」
蓬「いや、別れたくないですよ!別れそうなら普通どうにか仲直りしようとしません!?」
二代目「そうなんですか?」
蓬「そうですって! ナイトさんもそう思いますよね!?」
ナイト「二代目がそうだと言うなら、そうなのだろう」
蓬「……もう怖いこの人たち」
二代目「なるほど、別れそうだと仲直りしようとするものなんですね、わかりました! で、南さんが怒りそうなことって何をしたんですか?」
蓬「いや、やっぱ相談はいいかなって……」
ナイト「つまり、呼び出すだけ呼び出しておいて何も相談することはないと?」
蓬「えっいやそんなことはないです構えないで下さいすいませんでした!」
二代目「日曜はまだまだ時間ありますよ! 恋愛相談、たっくさん聞かせて下さいね!」
蓬「……やってしまったかもしれない」