-第5.5回ー【夢芽さんが正しいよ】
月曜日、放課後、屋上前の踊り場
夢芽「普通彼女が帰ったら追いかけてくるでしょ!」
鳴衣「うんうん、そうだね夢芽さん」
夢芽「100歩譲ってその日のうちに電話じゃん! なんで今日も話しかけてこないわけ!?」
鳴衣「うんうん、夢芽さんが正しいよ。話しかけないでって言ったの夢芽さんだと思うけど、夢芽さんが正しいよ」
夢芽「蓬はにぶいにもほどがあるっていうか恋人がいるのにLINEの背景に女がいるのあり得なくない!?」
鳴衣「ユメサンクチワルイヨー」
夢芽「いや付き合ってるの隠してるんだからツーショット使えないのはわかるよ? でも女子がいるのは違うじゃん!!! 遠足だかなんだか知らないけどさぁ!」
鳴衣「キュウニカエタラウタガワレルンジャナイカナー」
夢芽「だいたい蓬は……ごめん、通話かかってきた」
鳴衣「キュウニレイセイダナー」
夢芽「……なに。……学校だけど。え、蓬はどこにいるの? ……え、もう外? ……ああ、もう帰ってるかとね、だったら聞けば……LINE来てたんだ、ごめん。
……いや、私がいく。水門で、待ってて。……うん、じゃあ」
鳴衣「…………」
夢芽「ごめん、用事できた」
鳴衣「あっうん行ってらっしゃい」
夢芽「行ってくる」
鳴衣「…………交子、夢芽さんも夢芽さんで、大概だわぁ……」
-第6.6回ー【ハート山ほどあるし】
月曜日、放課後、校舎裏階段
淡木「おい、リュック! ……行っちゃった」
なずみ「足速いな、さすが元女バス」
淡木「男バスの方ももう見えないし。ドラマとかでも思うんだけどさ、あんなに走ったら汗臭くなんない?」
なずみ「あー、場面転換中に汗拭きシート使ってるとか」
淡木「めっちゃシュールじゃん」
らんか「女子の汗の話とかキモいからやめな?」
淡木・なずみ「すいません……」
淡木「……蓬君気づいてないっぽいけど金石って多分……」
なずみ「まあ、だろうね」
淡木「じゃあ今金石ってかなり傷ついてるんじゃ……それとなく注意した方がいい?」
なずみ「いや、やめとこ。蓬は何も気づかない方がいいでしょ」
淡木「わかった……。友情って大変だな」
なずみ「だな」
淡木「金石のリュックどうしよ」
なずみ「追いかけて渡すのも気まずいし……。教室に置いてく?」
らんか「わたしが荷物番しておくから、二人は先帰っていいよ」
淡木「え、たぶん帰り遅いよ? 部活らしいし」
らんか「いいっていいって。ハート山ほどあるし」
淡木「ずっとツムツムしかしないのは時間の浪費すぎない? おっけ、わかった」
なずみ「じゃあらんか、任せた」
らんか「ん」
らんか「金石も生きづらそうだよねぇ。……うっし、一肌脱いであげますか」