遊戯王 ネガ×ポジ=ワイゼル∞   作:T3PO

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第四話 vs №s39希望皇ホープ

デュエルをしていてると、いつも「運命」を考させられる。

 

 

別にそんな高尚な話ではではない。「もしも、あの時ああしていれば」って醜い言い訳のレベルの事だ。

 

 

もしも、ライラが破壊したカードが大竜巻の方なら。もしも最初に捨てられたカードがジェインの方なら。もしもオネストを引かれるのがあと1ターン早ければ。

 

藍「ダイレクトアタック!」

 

 

もしも、俺がこのカードを彼に貰ってデッキに入れてなければ!

 

 

ユウキ「ダイレクトアタックに対し手札より特殊召喚!バトル・フェーダー!」

ユウキ「このカードはダイレクトアタックを無効にして、強制的にバトルフェイズを終了させる!」

 

藍「!」

 

まぁどうせ散々「もしも」を考えてみても、限りはないんだけど。

 

ユウキ「感謝するよ、周磨。」

 

 

 

バトル・フェーダー 効果モンスター

星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動する事ができる。このカードを手札から特殊召喚し、バトルフェイズを終了する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。

 

カーン カーンと振り子の様な姿の悪魔が鐘を鳴らすと、纏っていた光が消え去り、龍は嘶きながら天野さんの横へと戻って行った。

 

ふー、どうにかしのぎ切れたか。少し安堵する。

 

五条「ヒュー、熱いねー。」

 

藍「…まさかこれまでガードされるとは思わなかったよ。「あたしの勝ちだよ。」なんて恥ずかしい事言っちゃった。」

 

ユウキ「あー本当こればかりは運が良かったというしか無いわ。」

 

藍「でも運も実力の内って言うよ。本当に首吊る木君と闘えて嬉しいよ。」

 

ニコッ

 

この勝負が始まってから初めて彼女が笑った。それも今までの笑顔のどれよりも嬉しそうに。

 

闘えて嬉しい?それはこっちのセリフだ。こんなに心躍る勝負は初めてだ。

 

だからこそ、俺は勝ちたい!

 

 

 

藍「スタンバイフェイズ2に入るよ。裁きの龍の効果発動。」

 

ユウキ「なっ!」

 

ユウキ(バトルフェーダーしか破壊出来ない状況で、それでも発動した!?)

 

藍「再び煌めけ。ラスト・ジャッジメント。」

 

藍L2100→1100

バトルフェーダー→除外(自身の効果により)

 

ユウキ(俺もあまりライフを大事にしない方だけど、ここまでじゃない・・・!)

 

藍「更にあたしはライトロード・パラディン・ジェインを召喚。ターンエンドと同時に裁きの龍とジェインの効果でデッキから6枚墓地へカードを送る。」

 

デッキから6枚のカードが落とされる。

 

藍「さぁ、首吊る木君のターンだよ。」

 

 

ユウキ「ドロー!」

ユウキH2→3

 

…ここからは、ギリギリの余裕のない泥試合になる。

だからこそ、ネガティブ野郎なりの見苦しい意地を見せつけてやる!

 

ユウキ「俺は手札から魔法カード「ポンコツの意地」を発動!」

 

ポンコツの意地通常魔法

自分の墓地に存在する「スクラップ」と名のついたモンスター3体を選択して発動する。相手はその中から1体選択する。

その後、相手が選択したモンスターを自分または相手フィールド上に特殊召喚し、残りのカードをゲームから除外する。

 

藍「さっきも破壊されてたカードだよね?」

 

ユウキ「そう!俺は、スクラップ・デス・デーモン スクラップ・キマイラ スクラップゴブリンを選択。天野さん、どれか選んで。」

 

藍「…、キマイラで。」

 

ユウキ「了解。」

 

スクラップ・キマイラ蘇生

スクラップ・デス・デーモン&スクラップ・ゴブリン→除外

 

 

藍「それで、ここからどうするの?スクラップ・ドラゴンを呼び出すの?」

 

ユウキ「ううん、その必要はない!これから1枚のカードで逆転してみせる!」

 

藍「1枚で!凄い!どんな方法なのか見せてよ。」ニコニコ

 

ユウキ「さあ、見せつけてやる!俺はスクラップ・キマイラを生け贄に、スクラップ・ゴーレムをアドバンス召喚する!」

 

カードをかざすと、まるで粗大ごみの塊の様なモンスターが蠢きだす!その体は良く見ると、冷蔵庫や扇風機が凝固してできており、敵陣の美しき裁きの龍と比べるとより一層空しく思えた。

 

 

スクラップ・ゴーレム  効果モンスター

星5/地属性/岩石族/攻2300/守1400

1ターンに1度、自分の墓地に存在するレベル4以下の「スクラップ」と名のついたモンスター1体を選択し、自分または相手フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

藍「首吊り木君がアドバンス召喚なんて珍しいね。そのモンスターの効果は確か…味方の蘇生!」

 

ユウキ「そう、リリースしたモンスターもすぐに蘇生できるから、そこまで損失も少ないし、シンクロ召喚の補助にもなる。ついでに言うと、スクラップは意外と場持ちするモンスターや蘇生するモンスターもいるからそんなにリリースも難しくないんだよ。」

 

藍「でも、肝心のチューナーモンスターが除外されちゃってるよ。墓地にはキマイラとサーチャーしかいないよ?」

 

ユウキ「だから言ったでしょ。スクラップ・ドラゴンは必要ないって。ゴーレムの効果発動!スクラップ・サーチャーを相手の場に攻撃表示で特殊召喚!」

 

藍「!?あたしの場に!?」

 

 

 

スクラップ・サーチャー→藍の場に特殊召喚

 

藍「っ、送りつけて攻撃対象を増やした!?」

 

ユウキ「それだけじゃない!サーチャーの効果発動!このモンスターが特殊召喚された時、その場にあるスクラップ以外の表側表示のモンスターを破壊する!」

 

スクラップ・サーチャー 効果モンスター

星1/地属性/鳥獣族/攻 100/守 300

このカードが墓地に存在し、自分フィールド上に存在する

「スクラップ・サーチャー」以外の「スクラップ」と名のついたモンスターが破壊され、墓地へ送られた時、このカードを墓地から特殊召喚する事ができる。このカードが特殊召喚に成功した時、「スクラップ」と名のついたモンスター以外の自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する。

 

藍「え、そんな!」

 

ユウキ「舞え!リペア・フェザー!」

 

 

藍「裁きの龍もジェインも!」

 

正直、ここまで来れたことが奇跡の連続としか言えない。幸運なしではたどり着けなかった。

 

「運命」なんて言うと中二っぽいが、例えそれがカードだとしてもそれには変わりないハズだ。

 

ユウキ「おおおおおおおお!スクラップ・ゴーレムでスクラップ・サーチャーを攻撃!」

 

いけええええええええええええ!!!

 

 

藍「まだまだだよ!墓地より発動!ネクロ・ガードナー!このカードを除外し、戦闘を無効にする!」

 

ユウキ「な!」

 

ネクロ・ガードナー効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻 600/守1300

自分の墓地に存在するこのカードをゲームから除外して発動する。相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。

 

しまった!熱くなりすぎて、さっきの墓地落としのカードを見てなかった!恥ずかしい!

 

 

ユウキ(…うわああああああ!!何が「1枚で終わらせる!(キリッ)」だよ!死にたい死にたい恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしい!)

 

藍「まあまあユウキ君。さっきあたしも同じ事したし、これでお互い様のお揃い様って事で♪」ニッコリ

 

ユウキ「あー、え、お揃い///」

 

状況 

ユウキ 

L1900

H1 

Fスクラップゴーレム

 

VS

 

藍

L1100

H2

Fスクラップ・サーチャー

 

 

藍「あたしのターン!ドロー!」

藍H2→3

 

 

藍「首吊る木君!あたしは正直ここまで、楽しくてハラハラするデュエルが出来るとは思ってなかったよ。全力で闘ってくれてありがとう!」

 

藍「だからこそ、あたしの本当の切り札を使わせてもらうよ!」

 

ちょ、裁きの龍じゃないのかよ!これ以上どんなモンスターが飛び出てくるんだよ!

 

藍「あたしは、ライトロード・マジシャン・ライラを召喚!次にマジックカード、愚かな埋葬を発動!デッキからウォルフを墓地へ落とし、ウォルフの効果で、特殊召喚される!」

 

おろかな埋葬 通常魔法

自分のデッキからモンスター1体を選択して墓地へ送る。

 

ユウキ「☆4のモンスターを2体並べた!?」

 

藍「そう、同じレベルのモンスターを複数用意する事で召喚する、エクシーズモンスター!」

 

 

藍「あたしは、レベル4のライラとウォルフでオーバーレイネットワークを構築!」

 

藍「凜として、熱くて、輝いていて、希望に満ち溢れる者、ここに剣を構えよ!」

 

☆4ライトロード・マジシャン・ライラ

☆4ライトロード・ビースト・ウォルフ

→ランク4!

 

藍「これがあたしの世界!No.39 希望皇ホープ!!!」

 

 

No.39 希望皇ホープ  エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/戦士族/攻2500/守2000

レベル4モンスター×2

自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。そのモンスターの攻撃を無効にする。このカードがエクシーズ素材の無い状態で攻撃対象に選択された時、このカードを破壊する。

 

それは、彼女の言うとおり、凜として、熱くて、輝いていた。

どうしてこんなにも正のエネルギーを出すのだろう。

+の力が俺を飲み込む。

 

藍「バトル!ホープでゴーレムを攻撃!ホープ剣/!」

 

その戦士は剣を抜くと、ぼろぼろのゴーレムへ向かい、快刀乱麻・二刀両断!ゴーレムは文字通り元のスクラップへとなった。

 

 

ユウキ「くう!クソおおお!」

スクラップ・ゴーレム→墓地 200ダメージ

ユウキL1900→1700

 

藍「サーチャーを守備表示にしてターンエンド!どう、これがあたしのエースモンスター!今度はどう乗り越えてくれる!?首吊る木君!」

 

どうって、どうって。どうすればいいんだよ!

どうせ、輝いてるものの前には勝てない。

どうせ無理、どうせ、俺は+の前には勝てない。

どうせ負ける!どうせ勝てない!どうせ、どうせ、

 

 

 

 

 

 

どうせもう今更勝てないのなら、何をやっても恥ずかしくないよね?

 

 

どうせ勝てないなら…最後まで恥を撒き散らかして、ポンコツの意地を通す!

 

 

遊気「ドロー!」H1→H2

 

 

遊気(このカードは、スクラップ・スコール!)

 

遊気(今手札には、2枚目のスクラップ・サーチャーがある…)

 

どうせ意味ない。どうせもう無駄。どうせただの茶番で終わる。どうせ失笑。どうせ、

 

遊気「あー、もう!知った事かあああああああああ!!!」

 

藍「!?」

 

遊気「俺はスクラップ・サーチャーを召喚!」

 

遊気「そして速攻魔法、スクラップ・スコールを発動!」

 

藍「!?サーチャーにはサルベージ能力はない 遊気「知ってる!」

 

遊気「スクラップスコールは、ドローの後に、破壊する効果、つまり!」

 

藍「っ!まさか!」

 

スクラップ・スコール  速攻魔法

自分フィールド上に表側表示で存在する「スクラップ」と名のついたモンスター1体を選択して発動する。自分のデッキから「スクラップ」と名のついたモンスター1体を墓地へ送り、カードを1枚ドローする。その後、選択したモンスターを破壊する。

 

 

遊気「スクラップ・ソルジャーを墓地に送り、第2の効果発動!」

 

 

祈る様に

願う様に

信じる様に

 

俺はそのカードを引く!

 

遊気「ドロー!!」

 

そのカードが来ることは必然だった。

奥底から流れる力が、俺の前に形どられる。

 

 

???「おはようございます。」

 

 

遊気「スコールの効果でサーチャーを破壊!そして破壊と同時に手札より機動!」

 

 

???「戦闘プログラムを開始しますか?」

 

 

 

遊気「動けええええええええええええええええ!!!機皇帝ワイゼル∞!!!!!」

 

 

ワイゼル「了解しました!」

 

闇が弾け、未来の技術が余すことなく駆使された俺のエースが推参!

 

その身体はいつも以上に力強く感じる。

 

藍「ワイゼル・・・!」

 

遊気「そうだ!これが俺の信じるカード!機皇帝ワイゼル∞だ!」

 

遊気(・・・って、またさっき女の子の声が聞こえた気がしたけど、幻聴だよな)

 

ワイゼル(幻聴ではありません。)

 

遊気(!?)

 

頭の中に直接、無機質な女の子の声が入ってくる!

 

よく見ると、目の前のヴィジョンのハズのワイゼルが、その声に合わせるかのように頷き、こちらを向いている。

 

遊気「え、ちょ、な!」

 

藍「?」

 

五条「何だアイツww」

 

遊気(ちょ、誰だよ!アンタ!)

 

ワイゼル(失礼な。あなたの最も信頼するエースカード、機皇帝ワイゼルです。)

 

遊気(嘘だ!何だ!どうせアレだ!集中し過ぎて頭がおかしくなったのか。)

 

 

するとソイツは心の声を読んだかのように続けた。

 

ワイゼル(失礼な。先程お伝えしたどおり私は確かに存在します。

この場においてはマスターのみ感じられているのでしょうが。

 

紹介遅れましたが、私はマスターの戦闘補助及び機体の統括を行うAI、Wide(ワイド)です。)

 

 

 

つまり、あれか、かの有名な。

 

 

遊気「カードの精霊?」

 

 

ワイゼル改めワイド「はい、その通りでございます。」

 

 

もう何なの!?理解不能理解不能理解不能。

 

 

カードの精霊。それは強き決闘者に連れ添う、超自然的存在。

 

 

噂は聞いたことはあったが、本当にいたのか…

疑問、混乱、驚き。感情の嵐が吹き溢れる、けど、

 

遊気(…何でおれの下にいるのかとか、そもそも本当に精霊なのかなんて聞いてたらどうせ説明長くなるよな?)

 

ワイド(そうですね。)

 

遊気(ならば、今は聞かない!なんでもいいから一緒に闘ってくれ!ホープを倒す!)

 

 

ワイド(了解しました。)

 

 

自称カードの精霊は機械的に応えた。

 

 

とは言えだ。こちらはワイゼル1枚。対し相手にはホープとサーチャー、手札が1枚がある。だけど、それでも可能性はある!

 

 

遊気「バトルフェイズ!ワイゼルでサーチャーを攻撃!」

 

遊気「行けえ!クォーク・ハルバード!」

 

ワイド(行きます)

 

青白い光と共にブレードを突出す!

 

スクラップ・サーチャー→遊気の墓地

 

遊気「ターンエンド!」

 

 

藍「いくよ!ドロー!…うーん。」

 

藍H1→2

 

ワイゼルもホープも同じ攻撃力2500。それならば相打ちにして、新たなモンスターで攻撃するのが順当な戦略。ましてや俺は手札も伏せ札もなくワイゼル1枚。有利なのは手札のある天野さんだ。

 

だけど、悪い運っていうのもある。

 

藍「モンスターは出さずに、カードを1枚セット!ターンエンド!」

 

ふー。どうにか事故ってくれたみたい。つまりは召喚できるモンスターが存在せず、ホープを残した方が得と考えた行動。

恐らく、通常召喚できない3枚目のウォルフ、ライトロードをリリースしなければ真価を出せないケルビム辺りか…。もしくは今使っても無効にされるだけの魔法カードか。

 

 

何にせよ、ラッキーによって今俺は生きながらえた。

 

遊気「本当、悪運だけはいいんだよな…俺のターン!」

 

 

 

遊気「ドロー!」にやり

 

遊気 H 0→1

 

藍「何かいいカードを引いたの?」

 

遊気「まあね。ワイゼルでホープを攻撃!」

 

藍「!?」

 

遊気(頼んだ!)

 

ワイド(了解です。)

 

再びワイゼルへエネルギーが循環される!

 

かつて絶望の象徴として君臨した帝と、希望そのものと詠われた皇が対峙する!

 

遊気「いけえ!希望を壊せ!」

 

 

藍「させないよ!ホープの効果発動!オーバーレイ・ユニットとなったウォルフを墓地へ送り、攻撃を無効にする!」

 

藍「C-MoonーBarrier!」

 

ホープが剣をかざすと、迫る力を否定するかのように斥力を起こし、ワイゼルを吹っ飛ばした。

 

ワイド(ミッション失敗。どうされますか?)

 

遊気(いや、これで良い。これだからいいんだよ。)

 

遊気「カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

頼む、上手に騙されてくれよ…

 

 

のどが渇く、手が震えそうになる。

多分、このターンを耐えたら俺の勝ち、そうでなければ彼女の…

 

藍「ドロー!」H1→2

 

藍「…ガロスを召喚するよ!」

 

ライトロード・ウォリアー ガロス 効果モンスター

星4/光属性/戦士族/攻1850/守1300

自分フィールド上に表側表示で存在する「ライトロード・ウォリアー ガロス」以外の「ライトロード」と名のついたモンスターの効果によって自分のデッキからカードが墓地に送られる度に、自分のデッキの上からカードを2枚墓地に送る。

このカードの効果で墓地に送られた「ライトロード」と名のついたモンスター1体につき、自分のデッキからカードを1枚ドローする

 

 

遂にモンスターを引いたか。

 

だが、彼女は攻撃が出来ない。出来ない様にした。

 

さっきのターン俺はモンスターも召喚せずにワイゼルでホープを攻撃した。

 

みすみすフィールドをがら空きにするような自殺行為だけど、天野さんからしてみればワザワザ攻撃してきた=ホープを倒せると確信していたからと攻撃したと考えるハズ。しかも俺と周磨のデュエルで「突進」が決め手になったのも天野さんは見ている。

 

 

彼女は俺の伏せ札を警戒する。戸惑う。悩む。

 

 

さあ、どうする?天野さん!?

 

 

天野さんは、悩んでる様子でいたが、ふとこっちを見ると一瞬の間をおいて何故かニコリと笑った。

 

藍「ねえ、あたし今、スゴイ緊張してるよ。でも楽しいんだー。」

 

遊気「俺もだよ、でもここからが勝負だ。」

 

藍「そうだね。」ニッコリ

 

 

・

・・

・・・

・・・・

・・・・・・

 

 

静寂を破ったのは彼女だった。

 

 

藍「ホープでワイゼルを攻撃!何者も切り開く希望の剣!ホープ剣スラッシュ!」

 

遊気「迎え撃てワイゼル!全てを貫く絶望の一撃!クォーク・ハルバード!」

 

 

ワイド「行きます」

 

超出力と共に加速、空中にて二体は接近!

対極するその意義を剣に込め、同時に敵へと振るう!

剣は交え、ギリギリの鍔迫り合いへ!

 

遊気「貫けえええええ!」

 

藍「いけええええええええ!」

 

やがて均衡は崩れ、一閃!

力を使い果たしたかの様に二体は崩れてゆく…

 

遊気「ワイゼル!!」

藍「ホープ!!」

 

 

希望皇ホープ→墓地へ

機皇帝ワイゼル∞→墓地へ

…

 

藍「…、いくよ、これで終わるよ。」

 

遊気「うん。また、ここに来れるといいな。」

 

藍「うん♪ガロスでダイレクトアタック!」

 

輝きが目を眩ます。

あー。何というか。

満足だ。

 

遊気 L 1700→0

 

WIN 藍-遊気 LOSE

 

 

ワイド(戦闘を終了します。申し訳ございませんでした。お疲れ様です)

 

ユウキ(いやーあの状態ならしょうがないし、気にしないで。後でゆっくり話そう。)

 

ワイド(了解しました。では失礼します。)ブーン

 

自称カードの精霊は通信機の周波数が合わなくなったかのように、その存在を消した。

あー、どうせ、色々めんどくさい状況になるんだろうなー。

なんて見せかけて、結構ワクワクしてる。

まあ今はとりあえず。

 

五条「お疲れ。いい勝負だったよ。」

 

藍「うん。勝負して良かったー。でも最後の伏せカードは何だったの?」

 

ユウキ「これ?」

 

「荒野の大竜巻」

 

 

藍「やっぱり、ブラフだったのかー。良かったー。」

 

ユウキ「あー、何でわかったの?結構上手くいけたと思ってたんだけど?」

 

 

藍「うーん、「突進」なら首吊る木君は多分攻撃なんかしないで、あたしの攻めを待つと思ったから、ってのもあるけど一番は、首吊る木君、悪い事考える時、汗ダラダラかくから。何か企んでいてるんだろうなってー。」

 

 

 

 

ユウキ「…はははははは。」

 

藍「?」

 

五条「どうしたんだよww」

 

ユウキ「あー、ごめん、きにしないで//」

 

彼女はこの俺の癖を知っていて、分かっていたからこそ、俺は敗北した。

彼女は俺を見ていてくれていた。それで負けるなら上等の上出来だ。

ああ、何か笑ったらどっと疲れが出てきた。

 

 

五条「ライトロードは昔から使ってるの?」

 

藍「ううん、家を出てからだから。今日の勝負がお披露目だったの♪」

 

五条「初めてだったのかよww怖wwホープもかい?」

 

藍「うん、この前にカードショップ連れて行ってもらった時に、このカードがパッケージのパックを見て、スゴく使いたいなーって。それで、上手く当てれたんだ♪」ニコッ

 

五条「へー。さっきのワイゼルとのタイマンは良かったぜw」

 

藍「そうだね。首吊る木君のワイゼルもかっこいいし…ってあれ、首吊る木君?」

 

ユウキ「…zzz」

 

五条「こいつww寝てるよww」

 

藍「どうしよっか。もう外も暗くなってきたし…二人とも家に泊まってく?」

 

五条「その必要はないわwwwコイツ引きずって帰るww」

 

藍「大丈夫?」

 

五条「なんくるないさーwwうん、お邪魔した。今日は楽しかったぜ。また来るよ。」

 

藍「あたしも楽しかった。首吊る木君にも起きたら伝えておいて。」

 

五条「はいはいwじゃあねーw」

 

藍「ばいばいー」ニコッ

 

 

 

…

ん、あー寝てたか

ここは天野さんの家じゃない?

どこだ…ってか痛!

 

五条「おっ、起きたかいw。」

 

河原の土手道に俺は横たわり、辺りは既に夜。夜空を真っ直ぐ見上げる。

っていうか引きずれらているから仰いでいるだけだけど。

 

ユウキ「あーすまん。でも引きずるなアホ。」

 

五条「サーセンwwいやーでも流石に君背負うのは無理だしwwそれてもやっぱあの子の家においてきた方が良かったかwww」

 

ユウキ「…緊張で死ぬからいい。ってかもう今日は全力出し尽くしたからもう色々無理。」

 

五条「ですよねーwwww」

 

五条「まっ、今日の君はそこそこかっこよかったぜw彼女も良く思ってくれたんじゃないかww」

 

ユウキ「/// …あ、あーーーーーーー、やばい!」

 

 

五条「どうしたww」

 

ユウキ「渡そうとしていたスリーブが無い!多分彼女の家に置き忘れた…」

 

五条「ちょうどいいじゃんwどうせ渡そうとしてたんだろ。」

 

ユウキ「あーでも、どうせ「あいつ何もって来てんのwwプwレwゼwンwトwとwか」とか笑われているかも」

 

五条「君ねwwそれは比較的漏れの仕事wwwいい加減そのしょうもない考え辞めろよww分かるけどさww大体、デュエルしたんだから少しは分かったんじゃないのか?彼女の事もwww」

 

ユウキ「うん、まあ。」

 

五条「だったら彼女がそういう事思うかどうかも分かるだろ?ってか分かれ。」

 

ユウキ「…おう。分かったよ。」

 

五条「なら良しwwじゃあ帰るからなww」

 

ユウキ「じゃあな。」

 

五条「乙wwwww」

 

 

20時 吊木邸 遊気の部屋

 

晩御飯も食べ終わり、少し気を落ち着いてきた。

さあ…やるか。深呼吸からの…よっしゃ!

 

 

ユウキ「機皇帝ワイゼル!いるならここに出てこい!!!」

 

ワイド「別に叫ぶ必要はありません」

 

ユウキ「!?」

 

静かにその精霊は立っていた。

大きさは俺より少し大きいくらい。

いつも見ていた白いボディ。

中心には青いコアが無限の力を宿す。

 

 

ユウキ「驚かせるなよ。」

 

ワイド「失礼しました。」

 

ユウキ「ってか、今はテレパシーじゃなくていいのかよ。」

 

ワイド「どちらでも構いません。マスターのご要望に従います。」

 

ユウキ「じゃあ直接で。テレパシーは思考ダダ漏れみたいでいやだ。」

 

ワイド「了解です。」

 

ユウキ「うーんと、まずは…本当にお前はカードの精霊なんだよね?ここまで来て実はTVのドッキリでしたとかなら怒るし、凹むぞ。」

 

ワイド「失礼な。私は正真正銘カードの精霊です。」

 

ユウキ「精霊ねえ…。普通なら精霊使いみたいなカワイイ女の子魔法使い族か、天使族とかのマスコットじゃないか?」

 

ワイド「失礼な。私も女性にカテゴライズされます。」

 

ユウキ「いやAIの声が女の子なだけだろ!機械族の精霊なんて初めて聞くわ!」

 

ワイド「私の声は変更可能ですが?」

 

ユウキ「例えば?」

 

ワイド「小○ゆう風、野中○風、新○良子風、沢○み○き風などがございます。」

 

ユウキ「マジで!?未来の技術馬鹿だろ!」

 

ワイド「当初は水○か○りの声で「ヘイ!」や「リッスン!」とナビらせる予定だったそうですが、著作権の関係で出来なかったそうです。」

 

ユウキ「任○堂強え!」

 

 

ユウキ「まあ、今の声でいいよ。」

 

何というか、抑揚も感情もないけど、今の女の子の声は落ち着かせる。

 

ワイド「了解です。では、本題へと入りますか?」

 

ユウキ「ああ。とりあえず、なぜおまえはこの世界にいるんだ?それが知りたい。」

 

ワイド「かしこまりました。」

 

 

 

 

 

 

同時刻。原家。

 

連弾の魔術師「む、どうやら私と同じ気配がする。」

 

原「カードの精霊?」

 

連弾「しかも私と境遇は同じかもしれない。明日は休日だな。」

 

原「そうですが、探しに行くのですか?」

 

連弾「そうだ。ひとまずどんな精霊か、敵か味方か、マスターはどんな者か。それを見極める必要がある。この反応だと近いハズだ。この街を徹底的に探すぞ。」

 

原「…明日は課題をやり、読書をする予定だったのですが。」

 

連弾「知るか。万が一危険な精霊の場合、それを止めるのは貴女になるんだぞ。情報は先に先に得るべきだ。書などいつでも読める。」

 

原「分かりました。」はあー

 

 

場面は戻り、吊木邸

 

ユウキ「つまり、お前にもこの世界に来た理由は分からないんだな。」

 

ワイド「はい。全くです。」

 

ユウキ「まじかよ…普通なら、「精霊世界を救って下さい!特別な魔力を持つ貴方しか出来ないの!」みたいな感じだろ。」

 

ワイド「勘違いされてますが、マスターには一切魔力はございません。一切です。」

 

ユウキ「ちょっ!じゃあお前はどうやってこの世界に存在しているんだよ!魔力もなしに。」

 

ワイド「カードの精霊には大きく分けて3種類存在します。

 

1つ目はマスターの言うとおり、精霊がマスターを訪れ、マスターの魔力を生み出す力を増幅。それを糧に現界されるタイプ。この場合、精霊界からある程度適正のある者が選ばれます。

 

2つ目は、先天的に精霊が視れるマスターに寄り添うタイプです。その様なマスターは何らかの因果、例えば前世の繋がりなどによって幼いうちに覚醒、それが視れます。高名なデュエリストはこのタイプが多いです。」

 

チーム5D'sに属したシグナ―龍可や、名デュエリスト、万丈目サンダー、デュエル世界のKING OF HERO 遊城十代がそうだったと聞いたことがある。

 

 

ワイド「そして3つ目は全く魔力を持ちいらないタイプです。これはマスターの精神に依存するタイプです。」

 

ユウキ「精神?」

 

ワイド「はい。一般的に魔力は強大な力と思われていますが、実際はこの世界では強いものではありません。何故なら、魔力は精霊世界で生まれる力であり、精霊世界でこそ発揮される力です。この世界では魔力が収束し難く、散ってしまいます。対して、精神の力はこの世界でこそ生まれ、この世界の為に使われます。」

 

ワイド「だから、単純に存在するにはそちらの方がその方が単純に強力であり、マスターの魔力には左右されないんですよ。その代わり、ある程度精神力に左右されますが。」

 

ユウキ「つまり、俺は魔法使いになる必要はないんだな。けど、だからと言って強い精神力があるとも思えないんだが。」

 

ワイド「肯定です。」

 

ユウキ「認めるのかよ!」

 

ワイド「失礼しました。マスターは精神的に弱くありません。しかし、だからと言って無意識に精霊を引き寄せる程でもありません。そんな人は、よっぽどの想い、執念や怨念といったレベルに達していない限りあり得ません。」

 

 

 

ユウキ「じゃあ、タイプ的には3だけど、現界した理由そのものは別に理由がある。そしてそれが、お前の存在理由が分からないのにも繋がっているって可能性は?」

 

ワイド「あり得ます。非常にその可能性が高いです。」

 

ユウキ「なるほどね。お前がいる事で俺に何か嫌な事は起きる?例えば危険な精霊に襲われるとか、異常にドロー運がなくなるとか。」

 

ワイド「後者は無いとして、前者はあり得ます。精霊は他の精霊へ近づきたがる性質があります。」

 

ユウキ「うう、どうせ「闇のゲームだ、お前の魂、頂くよ」みたいになって精神崩壊するんだ。」

 

ワイド「肯定です。」

 

ユウキ「あり得るのかよ!うわああ死にたくない!」

 

 

ユウキ「あー、後は逆はある?」

 

ワイド「?おっしゃっている事がよく分かりません。」

 

ユウキ「あー、俺がマスターであることで、お前が被害ってか、デメリット受けたりしないかって事だよ。」

 

ワイド「否定です。精神の力は非常に強大です。マスターが意識を持ってさえいれば、精霊は存在できます。ただし、私の力は制限されています。」

 

ユウキ「制限?」

 

ワイド「本来の力が封印されているという事です。これは召喚方法ではなく、機皇帝ワイゼル∞だからこその問題ですが。説明いたしますか?」

 

ユウキ「うーん。今日はもう勘弁してくれ。色々混乱しているし、明日は休日だ。明日ゆっくり話さないか?」

 

ワイド「了解です。では失礼します」ブーン

 

…気配が俺の中へ帰って行った。

精霊か。うん。なんだかわけが分からないけど、とりあえず、寝よう。

まだまださっきの睡眠では足りない!

 

 

23時 五条家離れ リビングにて

 

五条「ふーん、いい湯だった♪」

 

五条の祖父「静我、今日は夜更かしすんじゃないぞ。」

 

五条「爺ちゃんこそ、いい加減ニコ生撮影で夜更かしてんじゃねえよww」

 

祖父「ちょwなぜばれたしww見たのかよww」

 

五条「何が「現役の神移師(かみうつし)のエロライフチャンネル」だwwじじい無理すんじゃねえwww」

 

祖父「うるせえゲイル投げるぞww視聴者5万人が待ってるんだww」

 

五条「多過ぎワロタwww」

 

 

祖父「今日JKの家行ったんだろww何かパンツ盗って来いよww視聴者にプレゼントするからwww」

 

五条「おまわりさんコイツですwww最低だなwww」

 

祖父「どんな娘だしww教えろよww」

 

五条「魔轟神グリムロみたいな美人な娘だぞww名前は天野、名は」

 

 

祖父「天野だと!!」

 

j

 

五条「!?なんだよ急に草取るなよ!?」

 

祖父「まさかお前、あの家に行ったのか!?ハッキリ言え!」

 

五条「はあ?いや最近駅前のアパートにひとり暮らしし始めた子だし、外の県から来たって言ってたよ。爺ちゃんの知ってる人ではないハズだよ。」

 

 

祖父「…そうだよなwww誤爆wwww」

 

五条「ちょ、じじいボケじゃねえかwww」

 

祖父「それを言うなww介護は頼んだww」

 

五条「知るかwww寝るわwwお休みww」

 

祖父「おうよwww」

 

自分の部屋へ

五条「…なんだったんだ?」

 

 

同時刻 天野藍のアパート

 

 

少しだけ電燈のついた部屋で、藍は実家から送られてきた段ボールinの食品の整理をしていた。

ころりと落ちたリンゴを拾おうとした時、それに気が付く。

 

?

 

ソファーの下に、リボンのつけられた袋が落ちてある。

 

中にはハネクリボーのかわいらしいイラストの載せてあるスリーブが数枚入っている。

 

藍「ふふ」ニッコリ

 

今日は、楽しかったなー。明日も明後日も楽しみだなー。休日なんてなくて早く学校だといいのになー。

 

 

 

それぞれの想いを胸に、休日はやってくる。

 




どん。
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