コターロンと唐揚げボーイの激しい戦いは、筋肉と剣のせめぎ合いの末、広場の中央で膠着状態に至っていた。二人とも疲労を隠せず、互いに呼吸を整えながら相手を見つめていた。
「まったく……お前、やるじゃないか!」
唐揚げボーイは太い腕を伸ばして、汗だくの額を拭いながらコターロンに向かって大声で笑った。対するコターロンも、緊張感を保ちながらも一瞬だけ口元を緩めた。
「君もね。だが、これ以上は無意味な争いだろう。僕たちは仲間になるべきだ」
コターロンの声は冷静だったが、その背中からは疲れが見え隠れしていた。
その時、フムタンが二人の間に割って入るようにして歩み寄った。彼は胸を張って深呼吸し、場を和ませるような軽い調子で話し始めた。
「ふむ、二人ともよく頑張ったね! でも、そろそろ休憩してもいいんじゃないか?」
フムタンの言葉に、唐揚げボーイはやや困惑しながらも頷き、コターロンも剣を収めた。
「それにしても、コターロン・タルテューヌ……って名前、ちょっと長いよなあ」
フムタンは少し考え込むような仕草をしながら、コターロンをじっと見つめた。コターロンは不思議そうに彼を見返した。
「なんだと?」
コターロンは少し驚いたような表情を見せたが、フムタンは笑いながら肩をすくめた。
「いや、君の名前って威厳があってかっこいいけど、なんかこう……もう少し親しみやすいあだ名とかないかなと思ってさ」
フムタンはにやりと笑いながら続けた。
「だから、今日から君は……『タルちゃん』って呼ぶことにする!」
彼は誇らしげに宣言した。
「タ、タルちゃん?」
コターロンは一瞬戸惑ったが、すぐに笑みを浮かべた。
「なんだその軽いあだ名は……まあ、悪くはないか」
その返答に、フムタンは満足げに頷いた。
「よし、これからはみんなもタルちゃんって呼んでやってくれ。仲間なんだし、少しは柔らかい名前の方がいいだろ?」
フムタンの陽気な調子に、唐揚げボーイも頷きながら大声で笑った。
「おお、タルちゃんか! 面白いな!」
唐揚げボーイのその一言に、場の緊張が完全に解け、広場には和やかな雰囲気が戻ってきた。
その時、広場の片隅から新たな人物が現れた。彼は控えめな笑顔を浮かべ、優雅な身のこなしで歩いてくる。その男はシンプルな装いをしていたが、その風格には何か特別なものを感じさせる。
「おや、これは興味深い場面に出くわしましたね」
彼の声は柔らかく、落ち着いていた。その男性こそ、コターロン・タルテューヌの旧友であり、知恵と魔法に長けた人物――「ウノーさん」だった。
ウノーさんは場の空気を察しながら、笑みを絶やさずに言葉を続けた。
「それにしても、タルちゃんとは面白いあだ名をつけましたね、フムタンさん」
「ウノーさん!」
タルちゃん(コターロン)は驚いた表情で彼を見つめた。
「お前、まだこの辺りをうろついていたのか?」
ウノーさんは優雅に肩をすくめてみせた。
「ええ、少々面白いことを探していたところで。どうやら、面白い仲間たちが揃っているようですし、私も参加させてもらえませんか?」
彼の言葉に、フムタンは興味深そうにウノーさんを見つめた。ウノーさんはすでにフムタンと一度出会っているが、その全貌はいまだ謎に包まれていた。
一方、唐揚げボーイはその場で腕を組み、真剣な表情でフムタンたちに話しかけた。
「俺はこの街をうろついていたが、目的があったんだ。エルフェンリートがまた動き出したらしい。奴らが狙っているのは、お前のドラゴンだけじゃない。俺たち全員を巻き込むような、大きな計画を進めている」
彼の言葉に、場の空気が再び引き締まる。
「エルフェンリートが……?」
フムタンは驚きの表情で問いかけた。オルファ・ストラグルを召喚した後、彼らの動きには常に警戒をしていたが、唐揚げボーイの言葉でその危険性が増していることを感じた。
「奴らは、裂空陣を使って何か恐ろしいことを企んでいる」
唐揚げボーイの言葉に、ウノーさんも表情を引き締めた。
「エルフェンリートは古代の禁断魔法を扱う集団。彼らが裂空陣を完全に再現できれば、世界そのものを崩壊させる力を得ることになります」
ウノーさんの言葉に、フムタンは再び拳を強く握りしめた。オルファ・ストラグルとの契約は果たしたが、まだ戦いは終わっていなかった。むしろ、これからが本当の試練だということを悟った。
「というわけで、タルちゃん、唐揚げボーイ、ウノーさん……僕たちはこれから一緒に戦わないといけない」
フムタンは仲間たちに向かって力強く言い放った。
「エルフェンリートの計画を止めるために、僕たちが力を合わせるんだ」
タルちゃんは軽く頷き、唐揚げボーイは誇らしげに胸を張り、ウノーさんは穏やかな微笑を浮かべていた。こうして、フムタンを中心に新たな仲間たちが集まり、彼らの冒険はさらに激しいものになっていく予感が広がっていた。
「行こう、仲間たちよ。世界を救うために」
フムタンは決意を胸に、オルファ・ストラグルと共に次なる戦いへと足を進めた。