闇の騎士との激闘が終わり、フムタンたちはようやく一息つくことができた。オルファ・ストラグルの力を引き出し、勝利を収めたものの、心の中には依然として重い不安が残っていた。
「これがエルフェンリートの力なのか……?」
フムタンは闇の騎士が消え去った跡地を見つめながら呟いた。その言葉に、タルちゃんも深く頷いた。
「だが、これで終わりじゃない。奴らはもっと強力な力を持っているはずだ」
タルちゃんは剣を手に再び気を引き締めていた。
その時、ウノーさんが静かに言葉を発した。
「エルフェンリートの本当の力は、まだ明かされていない。彼らは裂空陣の力を完全に手に入れるために、新たな存在を呼び出そうとしている」
「新たな存在……?」
フムタンは不安そうに問いかけた。
「そう、『終極魔精アブラ・カタブラ・サメダシャーク』だ」
ウノーさんの口から出たその名に、場が一気に凍りついた。その名は、古代の伝説に記される、破壊と混沌をもたらす存在――最強の魔精として語り継がれていた。
ウノーさんは静かに語り始めた。
「終極魔精アブラ・カタブラ・サメダシャークは、かつて召喚されかけ、世界を滅亡寸前に追いやった存在だ。その力はあまりに強大で制御ができず、古代の魔法士たちは封印するしかなかった。エルフェンリートはその封印を解き、再び魔精を復活させようとしている」
フムタンはその言葉を聞きながら、深い恐怖を感じていた。もしその魔性が復活すれば、裂空陣の力と組み合わさり、世界は完全に破壊されてしまうだろう。
「それじゃあ、僕たちは……」
フムタンが不安そうに問いかけると、ウノーさんは冷静に答えた。
「そうだ。僕たちはその復活を阻止しなければならない。サメダシャークが復活すれば、すべてが終わる」
彼らはすぐに「終極魔精アブラ・カタブラ・サメダシャーク」が封印されているとされる場所へ向かうことを決意した。その場所は、飛空庭の遥か南に位置する「深淵の海」と呼ばれる場所だった。そこは、かつて大陸が沈んだ時にできた巨大な亀裂があり、現在ではほとんどの人々が近づかない禁断の場所とされていた。
「深淵の海……その名前からして恐ろしい場所だな」
唐揚げボーイはやや怯えた表情でそう呟いたが、タルちゃんはすぐに剣を掲げ、力強く言った。
「だが、それを阻止するのが俺たちの使命だろう。行こう」
フムタンたちは決意を新たにし、深淵の海へと向かった。
深淵の海にたどり着いたフムタンたちの前には、巨大な海底洞窟が広がっていた。波打つ水面は不気味な静寂を漂わせ、奥底には未知の恐怖が待ち構えているように見えた。
「ここが封印の場所だ……」
ウノーさんは神妙な表情で洞窟を見つめていた。
だが、その時、不意に海面が激しく揺れ、巨大な魔法陣が現れた。紫の光が海面を照らし、そこから黒い霧が立ち上り始めた。
「やつらが封印を解こうとしている!」
フムタンはすぐに気づき、杖を構えた。
「間に合わないぞ!」
タルちゃんが叫んだその瞬間、海面が爆発するように割れ、巨大な影が姿を現した。巨大なサメの頭を持ち、無数の触手を持つその姿――それこそが「終極魔精アブラ・カタブラ・サメダシャーク」だった。
「来たか……これが、終極魔精……!」
フムタンは圧倒的な恐怖を感じながらも、ドラゴンの力を引き出そうとした。
「我が復活せり、アブラ・カタブラの名のもとに!」
サメダシャークは低く響く声で呪文を唱え、その力で周囲の海を支配し始めた。巨大な触手が水面を切り裂き、闇が広がる。
「負けられない……僕たちには、まだ戦う力がある!」
フムタンはオルファ・ストラグルを呼び出し、その力でサメダシャークに立ち向かおうとした。
「オルファ・ストラグル、行け!」
フムタンはドラゴンに命令し、紫の炎をサメダシャークに向かって放った。だが、その炎はサメダシャークの巨大な体に当たっても、すぐに霧散してしまう。終極魔精の力は圧倒的だった。
「くそっ、効かない!」
フムタンは焦りを感じたが、タルちゃんが前に出て、剣を構えた。
「俺たちも力を合わせるんだ!」
タルちゃんの声に全員が反応し、唐揚げボーイも大きく拳を振り上げ、サメダシャークに向かって突進した。
「終極魔精なんかに負けてたまるか!」
唐揚げボーイの力強い声と共に、仲間たちは全力でサメダシャークに立ち向かった。