西エウロペ戦役―砂塵の中の虐殺竜―   作:Ocean501

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恥ずかしなが(超収速荷電粒子砲直撃

ガンブレ4をやっていたら無性にゾイド小説が書きたくなったので出力してしまいました

そもそも続けるかも未定なので嘘次回予告的に「あーなんかアホなの書いてるわw」ぐらいにご笑覧ください

それはそうとゾイドの原作タグ消えてません……?


1st Sortie 砂塵の中の虐殺竜

 発 ガイロス帝国国防省大臣官房

   ガイロス帝国陸軍総司令部人事局

 

 宛 ガイロス帝国陸軍中尉 帝国騎士

   フリードリヒ・フォン・ハイゼンベルク

 

 転属辞令

 

 ガイロス帝国陸軍中尉 フリードリヒ・フォン・ハイゼンベルク殿

 

 皇帝陛下より御預かりせし権限を以て、ガイロス帝国国防大臣は貴官に以下の如く命令する。

 ZAC2131年3月末日を以て、貴官の

 

 カイザー・ルドルフ先進技術研究所第08実験小隊小隊長

 

 の任を解く

 

 これに代わり、同4月初日付で貴官を

 

 ガイロス帝国陸軍独立混成第605装甲擲弾兵大隊

 第1装甲中隊第2小隊長に任ずる。本令到着後、貴官は可及的速やかに着任準備を整え、これを遂行すべし。

 

 ガイロス帝国国防大臣 伯爵 ハンネマン・フォン・シューマッハー(印)

 ガイロス帝国陸軍総司令部人事局局長 中将 カール・リヒテン・シュバルツ(印)

 

(辞令の端の殴り書き)武運を祈る

 

 焼けた風が砂丘の上を撫でると、連続する稜線から薄いヴェールが引きはがされ宙を踊りくすんだ空へと溶けて消えていく。

 凡そ20年前、3つの大国が相争った第二次中央大陸戦争は、辛うじて痛み分けという形で一応の幕を下ろした。とはいえ、後に結ばれたアルメーヘンの和睦と通称されるネオゼネバス=ヘリック=ガイロス停戦協定に対し、不平不満を持つ者は未だ数多く、結局のところ「誰が勝ったのか?」との問いに最終的な回答を齎した者は終ぞ現れていない。

 あるいは、調印の席上で今となっては人事局を預かる軍高官がぼやいた言葉の通りなのかもしれない。

 

 ──終戦だって? ばかばかしい。せいぜい20年の停戦だろう

 

 ZAC2131年。西方大陸戦争でも大規模な戦地とならなかった西エウロペ大陸の砂漠の上に、黒い影が落ちた。砂塵のヴェールに突っ込んだマグネッサーウィングを煩わしそうに一振りし、物騒な荷物を抱えた鋼鉄の蛾が太陽光線にジリジリと焼かれる大地の上を滑るように飛んでいく。

 見る角度を工夫すれば、愛嬌と共に幾らかの納得を覚えるだろう。帝国軍共通コクピットを収めた丸っこい頭部には、原型機には無かった大振りなフェーズドアレイレーダー(複眼)が一対収まり、焼けた砂の大洋を電子の眼で見渡している。かつて土を掘り返していた額部にはレーザーカッターの代わりに単装40㎜自動擲弾砲が居心地悪そうに突き出していた。歩兵、弾薬、燃料や医薬品さらには嗜好品など、ありとあらゆるものを輸送した腹部は半分以下にまで短縮され、所属を示す宝剣を抱える龍の紋章が描かれている。最後尾には後方警戒用と割り切られて小型化されたレーダーアンテナがピンと立ち、その下部にはお守り以上の意味を持たないAZ20㎜機関砲がやる気無さそうに垂れ下がっているのが悪対象だった。

 そのような全体的に野暮ったい印象を纏わせる機体の中で一際目を引く大小二対の巨大な主翼は、最大積載量150tを絞り出すのも納得の力強さで砂漠の空を渡っていた。

 EZ-106Dモルガ・イメイゴ。

 ガイロス帝国軍では遥か昔から愛されてきたモルガの系譜に連なる、最新にして(図体は)最大の新参者。

 度重なる研究により3年ほど前にロールアウトにこぎつけた鋼鉄の蛾は、幼虫時代に見られた直接的な戦闘能力をすべて失っていたものの、短・中距離戦術輸送機として類まれな能力を発揮し、原型由来の量産性も相まって急速に軍内に広がり始めていた。

 中でもD型は、最前線への単独の輸送任務に耐えられるように重武装を施した新鋭機であり、歩行脚よりも吊り下げフックとしての性能を重視された足にぶら下がっている貨物と相まって、西エウロペの現状を象徴しているようだった。

 

『中尉殿、少々問題が発生しました』

「ああ、見えてるよ」

 

 インカムに伝わってきた操縦士の面倒臭そうな声に、“貨物”の胸部に位置するコクピットに収まっていた青年も、同じく面倒臭そうな声を返した。

 深紫を金縁で彩ったガイロス帝国陸軍第二種軍装の襟元(第二次中央大陸戦争時から数度のマイナーチェンジを経ていた)に中尉の階級章が縫い付けた青年。顔立ち自体はあまり印象に残るタイプではないが、それ故に、目深に被った官帽の下から覗く赤黒い双眸が、酷く印象にこびり付く容姿と言えた。

 赤黒い目の青年将校──フリードリヒ・ハイゼンベルク中尉は、愛機の長距離射撃用FCSに映り込んだ十数Km先の砂漠上のドンチャン騒ぎを半目で見つめていた。

 

『定刻より少々遅れますが、迂回してもよろしいでしょうか? 正直なところ、貴官をぶら提げていなくとも碌な戦力には成りませんので』

 

 恐る恐ると言った風に意見具申を送ってくるイメイゴを操る曹長に「だろうね」と言葉を返した。

 モニターに映るのは灰色の砂漠(グレイラスト)ではおあつらえ向きのパールホワイトに塗装された2機のライガーゼロ(タイプ・ゼロ)と、新獣王に追い立てられている2機の()()()()()()レブラプター。恐らく偵察分隊が機獣撃滅戦(ズィー・スィープ)に駆り出されたゼロとカチ会ったのだろう。戦場ではよくある類の不運だった。

 IFFの反応は当然のように追い立てられるレブラプターを味方と表示している。追い立てるゼロの方は、時折ショックカノンで牽制はするがイオンブースターに点火して距離を詰める様子が無い。弱者を嬲っているというよりも、親が子に狩りの方法を教えようとしているように見えた。

 その証拠に、1機分の間隔を開けて追走するゼロの方は攻撃を仕掛ける様子を見せない。そればかりか、周囲を警戒する素振りすら見せていた。この分では、此方も発見されているだろう。

 

『では──』

 

 曹長が機体を傾けて離脱する針路を取ろうとした瞬間だった、オープンチャンネルを通して、場違いに過ぎる懐かしい声が響き渡った。

 

『あーっ!! 味方! 味方発見!』

『マジで⁉ヘルプ! ヘルプみー! おっかない猫ちゃんに追っかけられてまーす! 助けてーッ! 助けてーっ! へるぷーッ!』

 

『な、なんだこりゃ?』素っ頓狂な声を上げる曹長を他所に、フリッツは大きく溜息を吐いて眉間を抑えた。それまで抱えていた確信染みた疑念が、厄介事付の確信に変わったのだから無理もない。こうなってしまえば、連中が自分の正体を暴くのも時間の問題だった。

 

『って、フリッツじゃん! おーいおひさー! こんなところでなにしてるのー⁉』

『ロっちゃーん! フワフワ浮かんでないで助けて―っ! 助けてくれないと博士に言いつけちゃうもんねー!』

 

 幼子と電子音を足して二で割りレッゲルに漬けた様な能天気な声は相変わらずなようで何より。同時に、現実逃避を楽しむのもここらで限界らしかった。

 

「曹長、済まないが途中下車のサービスはあるかな?」

『ま、まあ構いませんが……よろしいので?』

「あのお気楽ラプトル共に遊ばれてる実地訓練中のひよっこと、舐め腐って威嚇射撃すらしない迂闊な教官に負ける程軟じゃないよ。まあ、これで負けたらその程度の男だったと届け先には伝えてくれ。ああ、何なら命令だ。針路このまま、距離3000で本機を切り離し、本空域を離脱。離脱した後は目的地へ迎え。復唱不要、状況開始」

『了解。カウントダウン開始、15、14……』

 

 方針が決まれば後は早い、歴戦の飛行ゾイド乗りは時速100㎞を優に超える速度で逃走劇を繰り広げている4機の予想針路へと機首を向ける。同時に、マグネッサーシステムが出力を上げ、なけなしの速度を振り絞る。どうやら、少しでも突入速度を稼いでくれるらしい。こういった時に機転の利く下士官は宝石よりも貴重だった。

 コンバットシステム、オンライン。それまで最低限の輝きしか放っていなかった各種コンソールの群れが、歓喜するように次々と灯が入る。背部のシート越しに、思わぬ形で転がり込んできた実戦にゾイドコアが脈動するのが解った。

 無意識の内に、フリッツは革手袋をはめ直した。シンカー野生体の外皮から作られたソレは、素手の同然の間隔でスロットルハンドルを握り込み僅かに音を鳴らす。

 

「快適なフライトに感謝する、曹長。チップを渡せなくて残念だ」

『サービス料金はクソ猫2匹のゾイドコアでお願いします! ──3、2、1、降下! 御武運を、中尉殿!』

 

 モルガ・イメイゴの6脚の足が、赤く双眸を滾らせる竜を空へと解き放った。

 均整の取れた二足歩行銃脚類のシルエットは濃紺の装甲に包まれ、隙間からは見慣れたガイロスパープルよりも幾分暗い紫のフレームが覗いている。角ばった頭部には広く用いられている連装レーザーガンではなく、長距離狙撃用の複合センサーユニットを搭載し、脚部のブースターは防塵用のフィルターに覆われ一回りほど大型化している。背部にはロングレンジパルスレーザーライフルの代わりに、ジェノブレイカーのウィングスラスターを簡素化した背部スラスターと、その両側面に取り付けられた上下連装のレールカノンとロングレンジビームライフルが2基4門。

 

「フリードリヒ・ハイゼンベルク、ストライク・ジェノザウラー、出るぞ!」

 

 EZ-26YEと形式番号が振られたジェノザウラーの改設計タイプ、その増加試作6号機が騎手の名乗りに答える様に怖気の走る咆哮を上げ、スラスターに灯を入れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

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