主を失った狼、透き通る世界に行き着く   作:けんどーさん

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ハプニング、疑惑、情報、確信

~先生起床の数分前。別館教室~

 

 

「…先生と狼さん、遅いですね」「‥やっぱり、様子を見に行ったほうが…」

 

「なら、私が…」「まってくださいアズサちゃん!こういう時は4人でお話しながら待つのがいいんです!」

 

「は、ハナコちゃん、流石に「あ、ちなみにヒフミちゃん髪の毛が少しはねてますよ」あ、ほんとですか?ありがとうござ…で、ではなくて!」

 

ハナコの言葉に流されるところだったヒフミであった

 

「今日は補修授業部の大事な合宿初日なんですが…先生と狼さんはいったい何をしてるんでしょうか‥?」

 

「…そういえば狼って私たちと同じくテスト受けてたけど、私たちと一緒にまた勉強するのかな?」

 

 

「…だとすれば狼さんにはまた別の模擬試験の準備をしないとですね‥」「模擬試験ですか?」

 

「あ、その…ほんとは先生が来てから説明しようと思ったんですけど…闇雲に勉強しても効率は良くないと思うんです。だから何ができて何ができないのかの把握をしようと思ってて…昨晩集めたトリニティの試験問題とその模範解答を用意したんです。でも、狼さんは狼さんでまた別の勉強をしていたので、う~ん…」

 

「ヒフミちゃん、そこは先生に任せても問題ないのではないですか?あっちはあっちで準備していた気もしますし…」「まぁ、それはそれ、で考えておきましょう。しかし、先生はいつ来るのでしょうか…?」

 

 

 

 

 

その頃、ドタドタと足音をならしながら先生が大急ぎで向かっていた

 

”あっかん遅刻遅刻ぅ!!”「……」

 

先生を軽く走って追いかけている狼は、ちょっとした危機感を覚えていた

 

「…(あれだけ日が高く登っていながら、目が覚めたのはつい先程…)」

 

先生と共に過ごすうちに狼は己がどれだけ衰えているのか。ふと恐ろしくなった

 

 

葦名では常に何者かと戦っていた。雑兵、強者、動物。果てには化物とも戦った

 

 

だが、今はどうだ?最後に刀を振るったのは?刀や銃に汚れがつかなくなったのはいつからだろうか

 

油を落とすたびにほとんど汚れてないと気づいたのはいつだっただろうか

 

 

剣聖すら斬り伏せた時とくらべて、どれほど腑抜けたのだろうか

 

 

そんなことを考えているうちに、教室の眼の前まで来ていた

 

”到着!”

 

先生がドアをガラガラと開けながら叫び、そして

 

”おくれてごめんなさい!!”

 

ズサァ、と音を立てながらきれいなスライディング土下座をキメていた

 

「「「「…」」」」「……すまぬ」

 

とりあえず遅れたことを一緒に謝る狼であった

 

 

 

「先生、おはようございます。ちなみに、遅れた訳は……?」”ただの寝坊です本当に申し訳ない”

 

「ああ〜そうゆう……」*1

 

「とりあえず先生、かくかくしかじか*2で……」”おっけー、試験監督は任せて”

 

 

「それで、狼さんのテストは…?」”狼は狼でまた別のテストを受けさせる予定だから大丈夫。今は4人のテストをやっちゃおうか。狼、一応試験監督の補佐をお願い”「…?ああ」

 

 

しけんかんとくとやらがなにか分からないがその手伝いをすることになった狼であった

 

 

"狼、試験開始の合図を”「…始め」

 

 

合図とともに、4人がペンを持ち紙に書き始める

 

”(ぶっちゃけこの子たちがカンニングとかしないと思うから時間に注意してればいいかな‥?)”

 

「………」

 

 

狼はそれぞれどうやって解いているかを、じっと見つめていた

 

 

ヒフミはところどころ悩む様子を見せていたがスラスラ書けていたように見えた

 

アズサは滞り無く書き間違いがないかの見直しもしていた

 

コハルは…顔から見て取れるほど悩んでいた。急に目が猫の目のように釣り上がったかと思ったら顔を赤くしたりもしていた。問題を解く手が止まることが多かった

 

ハナコは………もはや最後の問題だけ手を動かしていた。なぜ????

 

 

昨日の夜中にも出かけていたのを見た狼からすれば、ハナコは特に怪しい人物だった

 

裏切り者

 

 

狼からすれば必ず見つけだし、仕留めるべき敵であり、脅威であった

 

 

間接的にも先生に被害が及ぶのであればなおさらである

 

 

”そこまで!回答やめ!”

 

ペンを置いて回答用紙を先生にわたす

 

”ほいじゃ採点するね”「お願いします!」

 

 

始めは先生の顔が明るくなった

 

次に、すこし険しい目をするようになった

 

その次は顔から笑顔が消えた

 

最後は呆然と呆けていた

 

 

「……先生殿?」”…こりゃまずいね”

 

第一次補修授業部模試結果

 

ヒフミ、68点(合格)

 

アズサ、33点(不合格)

 

コハル、15点(不合格)

 

ハナコ、4点(不合格)

 

 

「…私は、33点か…かなり解けたと思ったんだが…」「‥え?じゅ、15点…?そんなぁ」

 

 

「あらまぁ、しかし倍の点数にはなりましたね♡」「………」

 

 

理解ができない

 

あれは明らかわざとだろう。丁寧に回答した問題も一番最後のページのものだ

 

 

「ここからあと一週間で60点超え…いえ、やるしかないです!コハルちゃんとアズサちゃんは一年用試験だから‥私とハナコちゃんでお手伝いしましょう!ハナコちゃんは一年のテストは高得点でしたよね?」「えっと…はい、そうですね…」

 

「実はその、一年生のハナコちゃんの答案を見つけてしまいまして…ハナコちゃんは後ほど、先生と私の3人で今の状態になった原因を探っていきましょう!まだ途中ですが他にも試験を作る予定ですので、また試験を受けてどれだけできるようになったかも確認しましょう!」

 

「頑張りましょう!きっと、このまま努力を続ければ、みんなで合格できるはずです!」

 

”…ふふっ”「……」

 

「あ、ちなみに頑張ったみんなのためのご褒美も用意しました!えっと‥」

 

「…ご褒美?」「…なんだろうか、なにかの勲章とか?」「いえ、おそらくそういった類のものでは…」

 

 

ヒフミがガサゴソとバックを漁る

 

出てきたものは…

 

「…鳥モドキ?」「狼さん!?違います!モモフレンズのペロロ様です!あ、いい成績を出せた方にはこのグッズをなんと!プレゼントしちゃいます!」

 

「「‥モモフレンズ?」」「っ!?」”このアイス食べてるやつって…うお懐かし”

 

 

「あ、あれ?みなさん知らないんですか?」「はじめてですね…いえ、どこかでちらっと見た気も…」

 

「ええっ!?」「なにこれ…サイ?それともカバ?」”あー…なんかハリネズミになりそう”

 

 

「ち、違います!ペロロ様は鳥です!」「……鳥の割には、飛べそうには見えぬ」

 

「お、狼さんまで!!?」”…体が犬で、頭が鳥になってる???”「あ、それは限定品の…」

 

 

「……」「…白州殿?」

 

じっとモモフレンズのグッズを見つめるアズサ

 

「…か、」「…?」

 

 

「かわいい…!!!」「「「”!?!?!?”」」」「!?っ白州殿???」

 

 

「か、可愛すぎる‥!なんだこれは、この丸くてふわっふわな生物は…!この目、表情が読めない…何を考えてるんだろう!」「さすがアズサちゃん!その可愛さに気づいてくれるなんて!そうです!そういうところが可愛いんです!」

 

「…あらあら」”啓蒙高いなぁ、私には分からないや…”

 

「………」「え、ええ…??」

 

 

”いい友達になりそうだね”「……」

 

笑顔を浮かべる先生とは違い、ただ困惑の表情を浮かべる狼であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、勉強を再開し、すでに日が暮れた後…

 

 

事件は起きた

 

 

 

「コハル、いろいろききたいんだが‥」「…どうしたの?」「…???」”狼、ここはね…”

 

事は最後にそれぞれが勉強の追い込みをしていた時

 

「ええっと…この問題は、参考書に載ってたはず…バックバック…あった。んしょ」

 

 

コハルがバックの中から取り出したのは

 

 

 

 

「この参考書に載ってるのか?」「うん。きっt‥‥あれ?」

 

赤色で彩られ二人の男女が向き合う表紙には

 

R18(ェ駄死)のマークがしっかり入っていた

 

 

「うわあああああああああああああ!?なんでええええ!?」

 

「…あれは…?」”あ~れは~~~そうだねえ…参考書といえばあってるけど教科違いっていうか…?”

 

「コハルちゃん、それエッチな本ですよね?ばっちり。R18マーク入ってますね???」「違う!見間違い!違うったら違うの!!!」

 

「「…??」」”…とりあえずなんとかしないと”

 

 

その後、コハル本人のものではないと判明。正義実現委員会として押収したものを間違えて持っていたと判明

 

押収であるためなるべく早く返したほうがいいと判断し、先生とコハルの二人で行くことになった

 

 

 

結局勉強をしようとしてもコハルがいないなか進めるのはどうなのかという結論にいたり、勉強は終わらせることとなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~真夜中、先生と狼の部屋~

 

 

”…というわけでね、コハルは正義実現委員会からの監視員みたいな感じって言ってたな”「…そうか」

 

コンコンコン、とノックがなる

 

 

「…先生、狼さん」”やあヒフミ、どうした?”「・・・ヒフミ殿か」

 

 

「その、ハナコちゃんのことなんですが…」「…」”…”*3

 

「…模範解答を集めている最中に、なぜか束となって保管されてて…珍しいからかわかりませんが、1年から3年のすべての試験の解答用紙がまとまってました。そのすべてを回答した方がいるようで・・」

 

 

「………」”…もしかして”

 

「…はい、ハナコちゃんでした」「…ほう」

 

 

「見つけた一年の成績と同じく、盗み見という形になってしまいましたが…ハナコちゃんは1年の時点で3年生のテストでももっとも難しいものを含めてすべての試験で合格しています。完膚なきまでに秀才といえるレベルです」

 

 

「……それが、なぜ…」「…わかりません。急にレベルが高くなって成績が落ちたかと思えば、そういうわけでも無さそうですし…」”去年ですでにそのレベルってことは…”

 

「…うつけ者のふりか」「…うつけ……えっと、はい。今はわざと試験を落ちてるとしか思えません」

 

「…どうして……」「……」

 

 

コハルは、先生殿が言う限りでは間者ではある

 

しかし、その元は正義実現委員会。つまり間接的には仲間とも言えるはず

 

ヒフミ殿はそもそも除いて考え、残るは二人

 

 

そして、今聞いた話を元にして考えれば

 

 

「……」

 

スッ、と狼が立ち上がる

 

”狼、どこに?”「……風に、当たりたくてな」「風…散歩ってことですか?」

 

 

「…ああ」”…そうか、まぁたまにはいいよね。気をつけて”

 

そのまま退出し、ドアを閉める

 

 

そして、座り込み

 

 

 
 

 

 

 

 

 

御霊を、降ろす

 

 

 

 

そのまま、ハナコが寝ているはずの部屋へと向かい、ドアを開ける

 

 

「…すぅ…すぅ…」

 

夜目で見えたのは、コハルが寝ている様子のみ

 

「……」

 

アズサとヒフミ、ハナコのベットが空いていた

 

 

間違いない。これで確信した

 

 

被害が及ぶまえに、捕らえ、聞き出さねば

 

 

間者は、浦和ハナコだ

 

 

 

楔丸を抜刀し、夜の暗闇へと狼は紛れた

 

 

残ったのは、一人の静かな寝息だけだった

*1
何となく原因に心当たりがある顔

*2
模擬試験の説明

*3
おもむろに酒を取り出そうとして先生に止められる図




ここまで読んでくれてありがとうございます!

そういえば


SEKIRO、映画化決定しましたね


めっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃ嬉しいです

生きててよかった…ありがとう……それしか言う言葉が見つからない…

最近、自分の小説を見直してるんですが、なんか書き方が少し下手になってる気がする

鍛え直さねば

トモヤムクン9様、評価9ありがとうございます!

荒魂マサカド様、誤字報告ありがとうございます!

では、読者殿、また

文字数どんぐらい欲しい?

  • 今の3000くらい
  • 5000は欲しいね
  • 10000書いて♡
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