主を失った狼、透き通る世界に行き着く   作:けんどーさん

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ず、随分お待たせしてしまいました…

本編入る前に話さねばならないことが

本作品におけるSEKIRO:NODEFEATで描かれた諸々のゲームとの違いについての扱いについてですが……






……明かせぬ


竜垓、そして快復

AAAAAAAaa快復のお守りAAAAAAAaa

 

エマが作った竜咳快復のお守り。これを持って、鬼仏に竜胤の雫を備え祈れば

生の力を、それを奪った者たちに返せる。そして、竜咳に罹った者たちを快復させるのだ

 

御守りの中には、竜咳患者の血からエマが精製した血石が納められている

 

この血石は、治すべき者たちを定める道標だ

 

_______________

AAAAAAOKAAAAAA

 

 

 

しかし、治すべき者はもういない

 

いなかったのだ。今この瞬間までは

 

 


 

「…うぅ」

 

狼がうめき声をあげつつ、立ち上がる

 

「…ここは」

 

やけに見覚えのある景色だが、ここがどこだかわからない

 

「……」

 

ふと、胸騒ぎがすることに気づいた。その胸騒ぎが、やけに心当たりがあることにも

 

振り返ると、目に映るは鬼(・)仏(・)

 

そこでようやく合点がいった

 

「…ここか」

 

鬼仏の後ろにあるはかつて何度か訪れていた、赤帽子を被っていた少女の店だった

 

 

「……」

 

そのまま、店に入る

 

 

 

CLOSEDと書かれていた看板は、ドアを開けるときに虚しく外れ落ちた

 

 

 


 

 

店の奥へと進み続けるうちに、人の気配を感じる

 

壁に張り付き、部屋の中を覗き込むと同時に、聞き耳を立てる

 

「ゲホッ…ゲホッ…」

 

「お、おい!しっかりしろ、血が…」

 

「…やはり」

 

竜咳が起こってしまった

 

手遅れになるまえに、急がねば

 

 

急いで鬼仏へと戻り、快復のお守りと、竜胤の雫を供える

 

 

そして、手を合わせ、拝む

 

 

 

………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

「……なぜだ」

 

 

竜咳は治らなかった

 

 

「……」

 

ふと、お守りの中を覗く

 

「…これは」

 

お守りの中にあるはずの血石は無く、出てくるはサラサラと砂のようなものばかり

 

中身は既に砕けていたのだ

奪ったものを、返すべき人々が既に居なくなった故に

 

 

「………」

 

狼は今までにないほど動揺していた

 

これでは、竜咳を治せぬ

 

このままでは…

 

……ふと、思い返す

 

「…血を、集めていたな」

 

エマ殿から頼まれて竜咳患者から吐いた血を集めていたことがあった

 

 

「……」

 

それだけでどうにかなるとは思えない

 

エマ殿のような頼みの綱も……

 

そこでふと、、、一人、ある男を思い出した

 

「……久しぶりですね」

 

嫌でも聞き慣れた声が聞こえ、振り返る

 

「忠告はしっかり聞いていたようですが…まさか念入りに殺されるとは…」

 

 

「…お主」

 

「…竜咳を、治す…その方法を、知ってはおらぬか」

 

狼が問いかける

 

「私自身連絡が来た時は思わず驚きましたよ。ちょうど方(・)法(・)を見つけた時でしたから」

 

そうして黒服はクックック…と不気味に笑い、巻物を取り出す

 

「これに書かれていた方法で癒せるようです。しかし私一人ではどうもできないようでして…」

 

「何を、すれば良い」

 

 

「あなたにやってもらうことは至極単純です。患者から吐いた血をもらってください。病にかかった人全員分。そしてそれを私に。ここで後ほどまた集合しましょう。私も準備をします」

 

「…ああ」

 

それを聞いた狼は急いで先ほどの店の中へと入っていった

 

「さて、私も急がねばなりませんね」

 

 


 

「……」

 

「!?だ、誰だあんた!!」

 

いきなり入ってきた狼に対して看病をしていた客が銃を向ける

 

「ゲホッ…だ、旦那…?ケホッ…」

 

「……無理に喋るな。病に触る」

 

「あ、あんた知り合いなのか…?」

 

「……ああ」

 

「旦那、今はちょっと…店、じまい…ゲホッ…」

 

「店主さんよ、しっかりしろ!…なぁあんた。みりゃわかるだろ。今のこいつはとっとと病院に運

んでやんないと…」

 

「…血が、必要だ」

 

「…はぁ?」

 

「…血が、必要…?ウッ…カハッ」

 

その時、少女が咳とともに吐血する

 

 

「…もらうぞ」

 

「お、おい人の血はいろいろ厄介な病気が…ああっ」

 

狼はかつてやったように、血を布で掬う

 

「あ、あんた後でしっかり手を洗えよ…?」

 

「…今しばらく、待っておれ」

 

「ゼヒっ…だ、んな……」

 

「ちょ、あんた!知り合いなら看病してやって…」

 

狼はそのまま店を出ると、鬼仏へと手を合わせる

 

なぜか、そうするべきだと考えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい!もどって……いない!?」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「…ここは」

 

ひゅお、と聞こえる風の音、そして顔に当たるざらざらとした感触を受け、目を開ける

 

狼は、いつの間にかアビドスにいた

 

そして眼の前には大きな病院がある

 

「……」

 

狼はそのまま中へと入る

 

 

 

「………えっ?」

 

「…狼さん!?」

 

「……さすが忍び、情報の入手が早い」

 

入ってすぐ、シロコ、ノノミ、アヤネの3人がいた

 

「…もしかしてホシノ先輩が言ってた治せる人って…」

 

「…なんの話だ」

 

「ってことは、狼はホシノ先輩から何も聞いてないの?」

 

「…ああ」

 

 

「…黒見殿は」

 

「セリカは倒れた柴大将の代わりに店番してる」

 

どうやら、竜咳に陥ったのは柴大将だと気づく

 

「…狼さん、一体どうしてここに…?」

 

「…仏様が、俺をここに」

 

「…仏様…??」

 

 

「…柴大将のもとに‥いかなければ」

 

「狼さん。今の柴大将はすごい危険な状況らしくて…」

 

「今まで前例のない症状だから新しい病気だとてんやわんやしてる」

 

皆、元気がない

 

当たり前である。親しい人が前例の無い何らかの新しい病気にかかった可能性があると言われたのだ

 

故に、急がねばならぬ

 

「…どこにいるのか、わかるか」

 

「…大将のこと?なら、今はまだ312病室にいると思う。そこに入院するって話てたのを聞いた」

 

「…かたじけない」

 

狼はそのまま病院を出る

 

「…なぜでしょう、猛烈に嫌な予感がします」

 

「……ま、まぁ狼さんとはいえ流石に無理やり病人に会いに行くなんてこと……」

 

その時、シロコがぴくり、と固まる

 

「‥シロコ先輩?」

 

「…ん、なんでも無い。大将とホシノ先輩が心配で…」

 

シロコは、しっかりと聞いた気がした

 

ぱりんと、何かが割れるような音が

 

 

「……」

 

きっと、何か理由があるのだとうと思って、シロコは何も聞こえなかったことにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…げほっ」

 

大将が力無く咳をしていた時

 

ぱりん、となにかが割れる音が聞こえ、顔を起こす

 

「…お主、やはり……」

 

「…あんた…久しぶり、だな…げほっげほ…」

 

 

柴大将が困ったように微笑む

 

「…あんた、この病気…なにか、知ってるのかい?ゲホッ…」

 

「……ああ」

 

「…ウエフェッ…そうかぁ、ゲホッ…ガハッ」

 

大将が少なくない量の血を吐いた

 

「…なぁ、この病気…移るのかい?」

 

「…うつりは、しない」

 

「そうか…なあら…ぜーッ…あの子らは…大丈夫…なんだな?」

 

「…ああ」

 

「そいつは…良かった、ゲホ、うっ…」

 

「…血を、もらうぞ」

 

狼はまた布で血を掬う

 

そんなことをしてる狼にたいし困惑する大将だが、なぜするのかは聞かないことにした

 

「すまんな…もう…ガハッ、ラー…メン、作って…」

 

「…無理に喋るな」

 

狼はナースコールを押す

 

これで吐血に対処してくれるだろう

 

「…また、食べに行く」

 

「!!…そうかい。待ってるよ…ゲハッ」

 

遠くからどたどたと足音が近づいてくるのを聞こえ、狼は窓から飛び出る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひゅぱり、ひゅぱりと飛び、屋上へと到着した狼は懐から帰り仏を取り出す

 

 

おそらく、これでいい

 

狼は帰り仏に、拝んだ

 

 

 


 

「…えっ?」

 

目を開けたのは声が聞こえてからだった

 

「お、狼さん!?」

 

そこにいたのはヒフミだった

 

「いったいどこに行ってたんですか!病院から抜け出したって…」

 

「…すまぬ、それより…先生殿は」

 

 

「せ、先生ですか?先生は今たしか上の病室で…ってそれよりもって狼さん!?」

 

ヒフミの話を聞いた狼はすぐに走り出した

 

キヴォトスにいる生徒は狼や先生より体が丈夫である

 

そのことを身にしみて理解している狼はだからこそ急いだ

 

先生は己より貧弱なのだ。下手すればいつ死んでもおかしくないのだから

 

 

「お、狼さん!って…早い…あんなに早かった気はしませんが…」

 

 

ガララッ

 

「だ、誰だ!?看護婦の人じゃ…」

「…ここではないな…すまぬ」

 

ガララッ

「きゃあ!ど、どちら様で…?」

「…人違いだ。すまぬ」

 

ひたすら病室のドアを開けては、違う、違うとひたすら開け続ける

 

 

そうして最後の病室のドアを開け

 

ガララッ

 

「だ、誰ですか!」

 

”ゲホッ…おお、かみ?”

 

ようやく見つけた

 

「…どちら様かわかりませんが…患者様に御用があるのでしたら…」

 

その言葉を、横からのびた手が遮った

 

”……ここに、来たってことは…きっと…”

 

その時、ゲホゲホと先生が咳込んだ

 

次第に咳き込みがひどくなっていき、そして血がドロリと流れた

 

「…感謝する」

 

「ちょっと君血は触っては…あぁ…」

 

医者はなにやってんだお前という感じで怖がっていた。端からみたら病人の血を取ってる狂人である

 

”…頼んだ”

 

先生はそれだけいうとまたベットへと寝る

 

「き、君…血は病原菌が入ってる可能性が高いから…」

 

その医者の言葉を待たずに狼は部屋を出る

 

「…まったく、さっきから生徒を生徒をってうわ言のように言ってると思えばいきなり目を覚ましてそこにちょうどよく、なぜか血を取る人と言い何がどうなってるのかねえ」

 

「…確実に面倒事だろうし、巻き込まれないようにしてればいいか」

 

そうぼやきつつも処置を始めている医者であった

 

 

 

 


 

 

 

その後、帰り仏で鬼仏まで戻り、黒服を待っていた狼

 

「……」

 

血は全員分集めたはずだが、まだ黒服は来ない

 

「………」

 

何もできないという焦燥感ばかりが溜まる

 

今、この瞬間にも…

 

 

 

 

 

「…その様子ですとおまたせしてしまっていたようですね」

 

ようやく、黒服は現れた

 

「…遅いぞ」

 

「すみません、下準備がなかなか…では、血と、お守りを頂戴します」

 

 

「…聞いておらぬぞ」

 

「クックックッ…必要だと思っていませんでしたが予想が外れましてね…」

 

黒服は血となにかの薬品を、御守りに注ぐ

 

「…では、これを。本来であれば一度血石を作ればそれでいいんですが、それは効力を高めた結果一回使うごとに中身はなくなります。都度血を集めなおす必要があります」

 

「…ああ」

 

狼はそのまま鬼仏へ御守りと、竜胤の雫を備えた

 

 

 

 

 

 

D R A G O N R O T H E A L E D

竜

咳

快

復

竜

咳

快

復

 

 




ここまで読んでくれてありがとうございます!

Moon of Dawn様、菓子切様、有圭尊様、サマ様、評価9ありがとうございます!
syake様、雅やか英雄様、誤字報告ありがとうございます!

ほんっとに、ほんっとに遅れすぎてしまいました…申し訳ございません

投稿しようと思ったときに映画公開が近づいてて見てからでいいか…と思ってたらこんなに伸びてしまった…ほんとうに申し訳ない

それ以外にも遅れた原因がこの先どうする…ってなってたんですがとあるSEKIRO考察をみて整合性というか、ある程度理屈は通じそうになったのでなんとか先に進めそうになりました

今後ともこの小説をよろしくお願いします

追記
地味にこの小説書き始めて二年経ってる…二年前から読んでくれてる人もいるから精進せねば
では、また…
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