今回ちょっと短めです。調子が悪い…
Acedia-49様!morikado様!sarufa様!評価9ありがとうございます!
ダルダルタルタル様!マグネット様!六ツ矢サイダー様!誤字報告ありがとうございます!
それでは本編どうぞ!
〜アビドス対策委員室〜
狼とアビドスのメンバー、先生とヒフミは全員で書類を確認していた。
「なっ、何よこれ!?一体どういうことなの!?」「…!!」
「現金輸送車の集金記録ではアビドスで788万を集金したと記録されてる。うちに来たあのトラックで間違いない」
シロコが喋る。
「……でも、その後すぐにカタカタヘルメット団に対して「任務補助金500万円提供」って記録がある……」
「ということは…」「私たちのお金を受け取った後に、ヘルメット団のアジトに直行して任務補助金を渡してたってことだよね!?」「…ああ…恐らくそれで合ってるだろう…」
「任務だなんて……?カタカタヘルメット団に……?ヘルメット団の背後にいるのは、まさか……カイザーローン?」
「「「……」」」
重い沈黙が走る。
「ど、どういうことでしょう!?理解できません!学校が破産したら、貸し付けたお金も回収できないでしょうに……どうしてそのようなことを…?」
「ふーむ…」「…これは…」
「この件、銀行単独の仕業じゃなさそうだね。カイザーコーポレーション本社の息がかかってるとしか思えない…」
「…はい、そう見るのが妥当ですね」
「……これは…先生殿」”……そうだね。狼”
「二人とも、何か分かったの?」
シロコが尋ねる。
「…これは予想でしかない。しかし…」”恐らく、カイザーが欲しがってるのは、アビドスそのものじゃないかな?”
「そ、それって!」「…!!」
ノノミとアヤネが反応する。
「……恐らくだが…「かいざー」とやらはこの学校を望んでおり、それを奪おうとしているか…」”もしくは別の何かを欲しがってるか、だね。今はそれぐらいしか思いつかないや”
「ん、とりあえずカイザーが変なことしようとしてるのは分かった」「…ああ、ムカつく…自分たちが汗水流して稼いだお金が、まさか自分の首を絞めることになってたなんて…」
「……ヒフミ殿…」「は、はい?なんでしょうか。狼さん」
狼がふと、ヒフミに尋ねる。
「…時間は…問題ないか…」「あ」
それを聞いたヒフミは急いで時間を確認する。
「え…えっと…門限まで…あ、はい。まだ時間はありますが、そろそろ出発しないと!」「うへ〜、なら、見送ってあげないとね〜」
〜アビドス、校門前〜
「皆さん、色々とありがとうございました」
「変なことに巻き込んでごめんなさい、ヒフミさん」「あ、あはは…」
ノノミの言葉に、ヒフミは笑って返した。もっとも、苦笑いだが。
「今度遊びに行くから、その時はよろしくー」
「はいっ、もちろんです」
「まだ詳しい事は明らかになっていませんが…これはカイザーコーポレーションが、犯罪者や反社会勢力と何かしら関連があると言う事実上の証拠になり得ます。戻ったら、この事実をティーパーティーに報告します!」
「それと、アビドスさんの現在の状況についても…」「…」
ホシノが口を開ける。
「まー、ティーパーティーはもう知ってると思うけどねー」
「は、はいっ!?」
ヒフミが驚きの声を上げる。
「あれほどの規模を持つ学園の首脳部なら、それぐらいはもうとっくに把握してると思うんだよー。みんな、遊んでばかりじゃいないだろうしさ」
「そ、そんな…知っているのに、皆さんのことを…」
「うん、ヒフミちゃんは純粋で良い子だねー。でも世の中、そんなに甘くないからさ」
「……」
「ヒフミちゃんの気持ちはありがたいけど、そっちに知らせたところで、これといった打開策が出るわけじゃないし、かえって私たちがパニくることになりそうな気がするんだよねー」
「そ、そうですか……?」「……なるほど…つまりそういうことか…」「うへ、狼には何か分かったかな?」
狼が声を上げる。
「…今、この「あびどす」は滅亡の危機に瀕している…そこで…ヒフミ殿のいるような…力ある学園が攻めてくれば…」
「うへ。そういうことじゃないけど…まぁ大体そんな感じかな。トリニティとかゲヘナみたいな力のある学校からのアクションをコントロールできる力がないんだよ。言ってる意味わかるよね?」
「……サポートすると言う名目で悪さをされても、それを阻止できない…ましてや好機とみられて、戦争を始められたら勝てるはずもない…そうですね。その可能性もなくはないです。あうう……政治って難しいです」
「……上に立つ者は…いつか必ず腐るものだが…今の「とりにてぃ」が…そうでないことを祈ろう…」
「ホシノ先輩…そう悲観的に考えすぎなのではないでしょうか?本当に助けてくれるかもしれませんし。…少なくとも先生は来てくれました!」”うん、困ってる生徒がいたら助けるのが先生の役目だ”
「うへ〜私は他人の行為を素直に受け取れない、汚れたおじさんになっちゃってねー」
ホシノが喋る。
「「万が一」をスルーしたから、アビドスはこの有様になっちゃったんだよ」
「「……」」
場を、重い沈黙が支配する…
「では…………えっと……本当に、1日でいろんな出来事がありましたね」
「ん、私はすごく楽しかった」「……楽しかったのはシロコ先輩だけじゃないの?」
「あ、あはは……私も楽しかったです」
ヒフミが笑う。
「いやぁー、ファウストちゃん、お世話になったね」
「そ、その呼び方はやめてください!」「よっ!覆面水着団のリーダーさん!」
「…みなさん…ヒフミさんが困ってるじゃないですか…」
「と、とにかく……これからも大変だと思いますが…頑張ってくださいね。応援してます」
「それでは……皆さん、またお会いしましょう」
ヒフミはアビドス高校を後に、帰って行った。
“狼、後でちょっとお話があるんだ。いいかな?”「……?ああ。構わない…」
「それではみなさん、お疲れ様でした。今日は解散しましょう」「賛成〜」
〜アビドスのホテル、その一室にて〜
“狼、今日の夕方、聞きたいことがあるって言ったけど、いいかな”「……ああ、構わないぞ…。して、聞きたいこととは…?」
先生と狼は、またホテルに泊まっていた。そこで先生は、疑問に思っていたことを口にする。
“…狼ってさ…もしかして…葦名の国の住人?”「……明かせぬ」
……先生が思いっきりずっこけた。
“そ、それは…肯定ってことで…いいよね?”「…言えぬ!」”いやそれほとんど「はいそうです」って言ってるもんじゃん!”
先生の見事なツッコミが入る。
“…狼、これはとても大事なことなんだ。この先の話を決めることにもなる。だから、どうか質問に答えて欲しい”
「………」
狼の眉間のシワが濃くなる。
“じゃあもう一回聞くよ。狼は葦名の住人?”「……いや、違う…」
狼が答える。本来なら答えぬ質問だが、狼はこの先生という一人の人間にだいぶ心を許していた。己でも気付かぬほどに。
“そう、じゃあ狼、狼って…少なくとも最近の生まれではないよね……多分…戦国時代に生きていた…そんな気がする”
「……ああ…その戦国時代はわからぬが…戦で世が乱れていた…」”うん、多分合ってる。狼、お願いだ。君は何者か、何をしていたか、教えて欲しいんだ。もちろん、喋りたくないことは喋んなくてもいい。だから、お願いだ”
「……承知した……話してやろう……が…」”……うん、何かな?狼”
「……酒だ」”…………え?”
葦名の酒。
葦名の酒が入った徳利
酒とは、振る舞うものである
源から流れ出ずる清らかな水で作られた酒は、
葦名の民に広く愛されている
“え!?狼?なんでお酒持ってるの!??”「……以前、供養衆から…買った」*1
“……ここじゃお酒は厳しく制限されてるからなあ…”「…そうなのか…酒、飯は戦で特に重要視されていたが…まさか禁止される時代が来るとは…」”いや生徒は飲めないだけで実際は一応買えるからね?”「……そうか…」
“てかなんでいきなりお酒出したの?”「……?誰かと話すときに、振る舞うものではないのか…?」*2
“……まあ、いいや。久しぶりに一杯頂くよ”「…ああ、そうしてくれ」
先生が杯を飲む。
“…!?美味しい!今まで飲んだ日本酒でも一二を争うレベルで美味しい…”「…ああ…源の水をふんだんに使った酒だ…」
“…狼、聞かせてもらおうか。狼の人生の話を…”「…分かった…」
狼は全てを話した。葦名の国取り戦、その戦で義父に拾われ忍びの技を叩き込まれたこと、そこで己の主、竜胤の呪いを受けた我が主に会ったこと。そしてその主を奪われ、奪い返したとこを刺され、死んだこと。
そして主の竜胤の力で死人帰りを果たしたこと。その3年後、主と葦名を脱そうとして、片腕を落とされたこと。
忍び義手を手に入れたこと、主を取り返すため、沢山の人を殺して、主の願い、不死の力を断つことを叶えるため、各地を駆け巡ったこと。
そしてそのまま主の願いを果たすと、主が死んでしまう、というのを知ったことを、それを阻止するため、過去に行き、己の義父を斬ったこと。源の宮で神なる龍に挑み、拝涙したこと。
そして滅び行く葦名の国で、かつての恩人だった鬼を斬ったこと、葦名の国を守ろうとした者を斬って、葦名を一代で築き上げた者すら斬ったこと。そして…
己が主を人に返すため、自刃したこと。その後目が覚めたら、この世界にいたこと。
「……こんなところだ…その後が、今に至る…というわけだ…」”………”
狼と先生は杯片手に話していた。
“…狼は、それで死ぬのに後悔はなかったの?”「……ああ、後悔はない。御子様が人として生き、子を成し、人として死んだのであれば…本望だ」”……狼は凄いね、私も見習わないと…”
先生が杯を飲む。そして、喋りだす。
“…狼、葦名は500年前に滅んだ。でもこんな話を聞いたんだ”「…なんだ」
“葦名の城、その抜け道から脱した子供がいたらしい”「…!!…それは…!」
“そしてその子供は、とある村に行き着いて、そこで茶屋を開いたらしいんだ”「…その店の…名は…?」
先生が続ける。
“その茶屋の名前は「九郎茶屋」創立480年の老舗だよ”「…そうか…九郎様は…人として生きて、死んだのだな…」
狼は涙を流す。その様子を、先生はただ、見つめていた。
“今は百鬼夜行連合学園にお店があるらしいから、事が済んだら行ってみよう”「…!先生殿…かたじけない…」
“いいんだ、狼には色々話してもらったんだ。これぐらいはやってあげないと”
…誠、他人に気遣いができる人である。狼は、己は成し遂げたのだと。その事を理解して、安堵していた。
ふと、先生が尋ねる。
“…そう言えば狼のその竜胤?だけど、今も残ってるのかな?”「…わからぬが、試すわけにもあるまい…それで死んでしまえば…元も子もない…」
狼は杯の酒を飲み、酒を足そうと徳利を傾ける。が、もう徳利は空っぽだった。
先生と狼は外を見る。空は、夜の闇を照らすかのように輝く円盤と、それを覆い隠すかのような大きい雲が浮かんでいた。
ここまで読んでくれてありがとうございます!
今回は4497文字,ちょっと短い…のか?
今回は狼の暴露会でした。
面白かったら感想、評価ぜひお願いします!
次回、お楽しみに。
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