感想誠に有り難うございます。420人ぐらいがこの小説をチラ見かがっつり読んでくれてるらしいので頑張りたいです。
「……ここは……どこだ」
砂漠を歩き続けているうちに夜が明けて、日が登り始める。それと同時にとても蒸し暑くなってきた。
まるで平田屋敷の燃えている隠し仏殿にいる気分だ。
額の汗を拭いつつ歩き続ける。
途中、狼は瓢箪をグイと飲む、酷く苦く臭い味が喉を通る。水はないが瓢箪の薬も液体だ、飲まないよりはマシだろう。 実際、狼はかなり危険な状況だった。水はなし、食べ物は僅かばかりのお米のみ。
ふと、狼は懐を探る。しかし御子様からもらったおはぎは源の宮の大桜の下で食べてしまった。
あのおはぎは、とても美味かった。いつかまた食べたいものだ、叶わぬ願いだが。
この世界はなんとも奇妙なものだ、源の宮はどこか美しいながら所々悍ましい雰囲気を感じたが、この世界は狼の見たことないものばかりだった。
とても頑丈な車輪のついた鉄の箱、おまけに硝子もついている。砂で汚れてはいるが、かなり綺麗な硝子だった。
これを葦名で買うとすると、一体どれほどの銭袋を開けなければならぬのか。
奇妙なものは鉄の箱だけではない、すこし視線を変えるととても長い鉄でできたであろう棒の上に黒い紐が繋がっている。あれはなんだろうか、まぼろしお蝶の様にあの紐の上を渡るのだろうか。その割には紐はたるんでいるし、棒は倒れそうな物もある。
一番目を引いたのは、砂に埋もれているが、とても巨大な建物だった。
「……ここまで大きい建物とは……ここはどれほど……栄えていたのか……」
よく見ると目に付く建物はほとんど砂に埋もれているが割れていない硝子もある。
きっとここは葦名より栄えていたのだろう、砂に埋もれているのは謎だが。
ふと、狼は思いつく、こんな大きな建物だ、水や食料の一つはあるのではないかと。
狼は近くにある赤い屋根の建物に(どうやって……赤くしたのだろうか……)そう考えながら入って行った。
結果だけ言うと無駄足だった。狼が中に入った時、狼は驚愕した。
畳の敷かれた囲炉裏でもあるかと思いきや、入ってすぐに壁に囲まれたのだ。
忘れてはならないのが、狼は戦国時代の忍びである。現代のドアなど開け方すら知らぬだろう、
狼は(壁の色が……所々どころ違う……つまり抜け道か?)そう考えた。
色が違う壁を押してみる、壁が少し揺れるのを感じた。
なるほど、これは押し戸か。しかしいくら押しても開かず、ふと戸を見ると一の字のような鉄の小さい棒があるではないか。これを上から押してみるとガチャ、と言う音が鳴り押してみると戸が開いた。
ようやく開いたと思ったら狼はまた驚いた。今度こそ囲炉裏があるかと思いきやあるのは足がとても長い机、
そして少し足が短い机があった。小さい机は床几の類だろうか。
気を取り直し食べ物を探す。しかし壺が一つも見当たらない、彷徨っているうち、また変な鉄の箱を見つけた。
しかしこの形、どこかで見たことがあるような、
「なるほど、仏壇か……」
そう考え引き戸の扉を開ける、罰当たりだが今この状況、きっと仏様も許してくれるだろうと考え中を見ると
中には腐った何かと虫が湧いていた。おまけに酷い悪臭だ。
狼はそっと扉をとじ、見なかったことにし、まだら紫の曲がり瓢箪を取り出しぐいと飲んだ。
ここまで怖気が溜まったのは久方ぶりだ。 葦名の底、霧が濃い森の木の上を移動している時、鶏に邪魔され、
森の深くに落ちたことがある。その時落ちた目の前に首無しがいたのだ。あの時は心底驚いた。
あれはきっと何か食べ物でも入れていたのだろう、腐っていたが。
結局収穫は無し、無駄骨であった。せいぜい収穫があったとすればこの世界は恐らく日の本ではないだろう。
狼は我が主の行方を案じ、また砂漠を歩くことにした。狼はグイと瓢箪を飲む。
味は、今まで通り、この先の道を示しているかのように、苦かった。
空は、憎たらしいほど、清々しい晴天だった。
さて、隻腕の狼が目覚めた夜、また一つの物語が動いていた。
ガタンゴトン、ガタンゴトン、電車が動く。
そして大きな金切り音を上げながら速度を落とし、停車した。
二足歩行の犬や猫、ウサギが降りていく中、一人だけ人間の男がいた。
そして夜空を見上げたあと、
“時間、かかっちゃったなあ、”
美しい、透き通るような夜空を見つめながら、一人の男は呟いた
ここまで読んでくださりありがとうございます。
さて、ついに物語が動きだす、、、、、と言いたいですが、お二人にはまだまだ遭難してもらいます。
今回、1707文字なのですが、書くのがとても大変で、毎日投稿してる人って何者、、、?ってなってます。
もし誤字やここはこうしたほうがいいよ、などがあったらぜひ教えてください、
執筆は初めてで慣れてないとこもあるので、よろしくお願いします。
次回、狼と賊、お楽しみに!
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