主を失った狼、透き通る世界に行き着く   作:けんどーさん

21 / 136
クックック…皆様、こんばんは…良い夜ですね?

…今回は皆様もお楽しみでしょうし、感謝は後書きに書かせるようにしましょう…

クックック…それでは、覗いてみましょうか。片腕の狼のお話を、血に酔う事無く、成し遂げた彼の物語の続きを…

ククッ、クックックッ…

ああ、言い忘れていました。戦いの場面は、どうやら長いため次へ持ち越しらしいです。
さて、今度こそ、物語を覗いてみましょう…


Vol.1 対策委員会編〜失ったもの、手放さなかったもの〜
回生


対策委員会のメンバーと、先生は走る。爆心地へ向かって。

 

「アヤネちゃん!柴関ラーメンを爆破した犯人、分かった?」「ええと…この爆発の波形から…これ、もしかして…」

 

“アロナ、狼と連絡はできる?”「ええと…今回は通信機を持たせましたが…反応がありません…恐らく、爆発に巻き込まれたかと…」

 

“…狼、無事でいてくれ…今度あの茶屋に行くって約束したじゃないか…”

先生は拳を握りしめる。

 

「…先生、きっと狼さんなら大丈夫だと思いますよ」「ん、狼がただの爆発で死ぬとは思えない。きっと大丈夫」*1

 

“…うん、そうだね、私が弱気になっちゃういけない。行こう!”「し、柴関ラーメンを爆破した犯人を、恐らく特定できました!」「!それで、一体どこのバカが爆破したの?」「し、信じたくないですが…げ、ゲヘナ学園の風紀委員会です!」「!!」「はあ!?なんで風紀委員会が!?」

 

“…一体どうして…いや、先を急ごう、アヤネ!あとどれぐらいで柴関ラーメンにつく?”「あと2kmです!」

 

ただ、ひたすら彼の無事を願いながら先生とアビドスのメンバーは走り続ける。

 

 

 

 

 

〜?????〜

 

「クックック…どうでしょう、提案を飲む気になりましたか?」「………」

黒服とホシノは、会話を続ける。ホシノは、柴関ラーメンが爆破されてるのだと微塵も考えもしなかった。

 

 

「……なんで…」「おや?如何しましたか?提案に何か不満でも?」「……なんで、私だけじゃなくて、彼の話が出るのさ」

 

「ああ、そのことでしたか。簡潔に言うと、私はあの刀と義手がほしいのです」

黒服が続ける。

 

「クックック…あの刀の纏う瘴気…いえ、それとも血ですか。あれはとても面白い…まるで「恐怖」を纏ってるような…それだけでなく、あの刀…何かの血が付着している…でも刀の腐食は一切見られず、刃こぼれがあれだけ酷くても、その切れ味は戦車を豆腐のように切り裂く…しかもあの義手についてはなぜ動いているのか……クク、ククククク…」

 

「……気持ち悪い…」「おや?何かおっしゃいましたか?」「…なんでもない」

 

「今おっしゃった案はホシノさんにとってもかなり有用な案だと思いますよ?刀一本と義手一つでアビドスの借金を半額、受け持つと言ってるんですから。それのどこにご不満でも?それだけでなく、あの男が持ってる刀を2本持ってくれば借金を7割負担に増やすとおっしゃってるんですよ?」

 

「………なんであの普通の刀も求めるのさ。」

 

「クックック…それはお答え出来ません…いえ、言えることがあればあの見た目は普通の刀、しかし尋常じゃない「耐久性」を持ってるんですよ」

 

「……そんなに頑丈なの?あの刀」「クックック…私が見つけたものは完全に錆びつき、壊れてましたが…やはり…この世界は面白い…」

 

 

「それに、ホシノさんから見てもメリットはあるでしょう?借金が7割減って、先ほど話したとおり、いつこちらを殺しにくるか分からないあの男を無力化出来るのですから…それともあなたは自己犠牲をお望みで?」「………あの話が、まだ本当かどうか…」

ホシノは考える。この胡散臭い男の話した事が真実であれば、自分だけでなく、全員死んでしまう…

 

「…まあ、構いません。今の提案をどっちも拒めば、残ってるのはアビドスの滅亡のみです」「…!お前…!」

 

「クックック…さて、ホシノさん…あなたはどちらを選びますか?クックック…」「……」

 

黒服は笑う。どちらに転んでも自分は得するだけであると。お前は提案を飲むしかないと。

 

ホシノは睨む。自分を貶めようとしている大人を。悪を。無意味と知りながら。

 

ホシノが選んだ結果は……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おや、これ以上はお見せする訳にはいきませんね。クックック…いつか分かる時が来ますよ?それまでお楽しみにしておきましょう」

 

 

 

 

 

 

 

〜柴関ラーメン〜

「ケホッケホッ…一体何が…」「あ、アル様!?ご無事ですか…?」「社長、やばい。逃げるよ」「ケホッ…なにがやばいの?カヨコちゃん?」

 

「あいつら、風紀委員会だ」「嘘!なんでここが…というかここアビドスの学区じゃないの!?」「分からない。とりあえず逃げるよ」

 

「……待ってください……あの男の人は…」「あの義手の人!」「まずい、店主と義手の人、ヘイローが無い。大怪我してるかも!」

 

「に、逃げる前に探さないと!場合によっては連れて逃げるわよ!」「は、はい!」「ちゃっちゃと探しちゃおう!」「やつら、まだこっちに来る気は無さそう。今のうちに見つけよう」

 

 

便利屋は柴関ラーメン跡地のどこかにいる狼と大将を探す。すると……

 

「ゴホッゴホッ…」「大将!だ、大丈夫!?瓦礫が…それに腕から血も…今助けるから!」「あ、ああ、すまねえな、お嬢ちゃん。でも、俺よりあの義手の兄ちゃんを…」

 

「…あ、アルちゃん…あ、あれ……」「ムツキ!?あの人、見つけ……え?」

アルが大将を瓦礫から引っ張り出したあと、ムツキが指差す。

 

 

「…!!?あれって…」「う、うそ…うそよ…」「あれ…………血、ですよね……」

 

少し離れた所、大きな血溜まりと血濡れた腕を、ムツキは見つけた。

 

「……あの血の量……このままじゃ…きっと…」「これじゃ…もう…」「いえ!まだよ!きっとまだ生きてる!あっちに行くわよ!」

アルが血溜まりに行こうとしたその時…

 

 

ドドドドーン…と音が聞こえた。

 

「…!!?社長!奴ら、また撃ってきた!」「遮蔽物は…ない、まずい!避けるわよ!」「あ、あの人達…民間人もいるのに…正気ですか!?」

 

 

 

ズガガガガガーン!「大将!!」「うおお!??」「キャア!」「痛いっ!!」

アルが大将に覆い被さる。ムツキ、ハルカに迫撃砲が直撃し、倒れる。

 

「アイタタタ……」「じょ、嬢ちゃん!?大丈夫か!?」「だ、大丈夫よ…大将は怪我はない?」「…分からない。なにが目的…?なんでここに迫撃を??」「な、なあ…あの血溜まり…もしかして…」「…多分……彼の…」「ど、どうしましょう…このままじゃもう一回迫撃が…」

 

その時、アルの目が何かを捉える。

 

「…これ…桜の花びら?でもどうして…」

 

そう呟くと同時にーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狼が、立ち上がってるのを見た。

その体に一切血はついてなく、血溜まりもまるで夢幻だったかのように、消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜????〜

 

 

 

 

…視界がどんどん暗くなる。身体中から鈍い痛みを感じる。

 

 

恐らく、爆発に巻き込まれたのだろう。大将は無事だろうか。咄嗟に傘を展開しようとしたが、いきなりの事で体が動かなかった。

…人を切らねば、こうも鈍るのか。

 

……それにしても、なんとも短い三度目の生だった。それでもまあ…存外に心地よい時間だった。

 

 

 

 

 

 

……後悔がないわけではない。九郎様が開いた茶屋に行けないのは惜しい。でもあの世へ行けばきっと、また九郎様に会える。

 

その時は、またおはぎを作ってくれるだろう。

 

 

狼はゆっくりと目を閉じようとし…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 狼よ、どうか、生きてくれ、お主自身の為に。この力を滅するために…

 

 

 

 

 

そんな声が聞こえ…狼は閉じかけた目を開け、生きたいと願う。

 

 

 

その願いを叶えるかのように、ブワッ!とピンク色の光が溢れ、桜の花びらが舞う。

 

意識がハッキリし、立ち上がる。それと同時に思案する。

 

 

(この力、間違いなく竜胤………それだけでない。先程の声……九郎様?)

 

 

………最悪の予想が当たった、不死断ちではなく人帰りを選んだ因果か、この体にはいまだ竜胤の呪いが残ってるらしい。

しかし、それならば九郎様が生きているはず……そんなことを考えていると、声をかけられる。

 

 

「…!!あなた、大丈夫…?」

アルがこっちを見ながら喋る。その目は今目の前にいる人は本当に人なのか。そんな畏怖の目を向けながら。

 

 

「……ああ、大丈夫だ…」「さ、さっき…あなたの腕と…血溜まりを見たの…あれは…なんなの?」「……明かせぬ…ただ…この通り、生きているぞ」

 

「!!そうよね、とりあえず隠れて!風紀委員会が迫撃を仕掛けてきてる!」「…「風紀委員会」とは?」「え!?えーとー、ゲヘナの治安維持組織、リーダーさえいなければなんとかなるけど…とりあえず隠れるのよ!」

 

 

 

 

“!!これは…酷い…”「柴関ラーメンが…跡形も無く…」「あ、あそこ!狼さんと…便利屋の人?」「…そう言えば便利屋ってゲヘナの指名手配だよね…もしかして便利屋が目的?」「…でも…もし便利屋が目的でも、アビドスにいる便利屋を風紀委員会が捕まえに来るのは変です。普通、侵略行為と捉えてもおかしくないです…」

 

「ん、だったらいきなり攻撃してきたからってこっちも攻撃してしまえばいい」「し、正気ですか!?相手はゲヘナの風紀委員会ですよ!?」

 

“だったら、このまま便利屋を引き渡そうか?”

 

「そ…それは…」「でも、あっちの行為は確実にアウトのはず」「…はい、風紀委員会が私たちの自治区で戦術行動をとったということは、政治的紛争が起こるということ…便利屋の方々が何かしたのは事実でしょうが、よくよく考えたらこんな暴挙を遂行してもいいわけではありません!」

 

「その通りだわ!よくもこんなことを!便利屋か風紀委員会かどっちが悪いか分からないけど…便利屋はこっちの獲物よ!」

 

 

 

 

〜風紀委員会〜

「なあ、チナツ…あの4人組は?」

イオリがチナツへ聞く。

 

 

「あれは…アビドスの連中ですね」「ああ……思い出した。確かそんな学校あったな」「……イオリ、あの方達はどうします?」「そんなの当然、公務を妨害するなら敵だ」「……事情を説明した方がいいのでは?」

 

「説明?必要か?それ」

イオリが頭ゲヘナを発動する。

 

「うちの厄介者を捕まえるための労力が惜しい。もし邪魔するなら、部外者とは言え、問答無用でまとめて叩きのめす」「……いいのでしょうか、これ」

 

 

 

 

 

 

 

「アビドス、臨戦態勢に突入しました」「はあ、面倒だ。たかが4人でこっちは一個中隊級の兵力なのに。だけど、売られた喧嘩を買わないなんて事は風紀委員会としてできない。総員、戦闘準備!」

 

「…ちょっと待ってください」「ん?」

チナツが異変に気づく。「アビドス側に民間人が映りました。確認中なので、しばらく待ってください。」

チナツが映像を確認する…そして

 

 

「え…!?あれは…シャーレの先生!?」「ん?シャーレ?なんだそれ」「ちょっ…ちょっと待ってください。シャーレの先生があっちにいるとしたら……この戦闘、行ってはいけません!」「どういうこと?」

 

「アビドス、こちらへ接近しています!」

タタタタタタタターンと銃声が鳴る。

 

 

「仕方ない!行くぞ!」「あ、ちょっ…」

チナツの注意虚しく、イオリは走り出した。

*1
ちなみにsekiro本編では爆竹でビビって死ぬ狼が見れる。狼というよりチワワである。




え〜と、こんばんは…けんどーです。

…前書きがいつのまにか…いつ書いたっけなあ…
しかもなぜか編集できなかったし…おかげで感謝が後書きになっちまった…

気を取り直して、morikado様!マグネット様!誤字報告ありがとうございます!

ショイショイ様!評価8ありがとうございます!
評価、感想ぜひお待ちしております!
評価と感想。
作者が新たな感想、評価を知った時、喜んで返信し、物語の前書きか後書きで
感謝を伝える。

増えれば増えるほど、きっと作者は書き続けるだろう。
隻腕の狼の、本来描かれることの無かった旅路を。




次回、風紀委員会との戦闘。お楽しみに。

生徒に御霊降ろしを伝授する?

  • 狂うから無し
  • キヴォトス人は神秘のおかげで大丈夫
  • 同じように形代のような代償を払う
  • 名も無き者の首無しが現れる
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。