主を失った狼、透き通る世界に行き着く   作:けんどーさん

34 / 136
こんにちはけんどーです。
昨日の投稿出来なかった理由ですが、どシンプルに急用でスマホを触れなかったのが原因です。すみません。

以下に感謝を!
SCP-███-██様!評価9ありがとうございます!

そしてAC隊員様!評価10まことにありがとうございます!ま じ で ありがとうございます!

猫型探索者様!マグネット様!lightacenoah様!白灰利独様!誤字報告ありがとうございます!
読者の皆様、感想、評価、誤字報告まことにありがとうございます!

それでは本編どうぞ!


彼女らの苦難、迷い。そして…

〜???〜

「では、この書類にサインを。」「……。」

ホシノが書類にサインをする。

 

「…これでいい?」「はい、確かに。契約書にサインをいただいたことですし…これでホシノさんがお持ちの生徒としての全権利は、私の元へ移譲されました。」

黒服が喋る。

 

「これで正式に、アビドスの背負っている借金の大半を、こちらで負担しましょう。しかし…よかったのですか?」「…今更なにさ。」

黒服の言葉にホシノが返す。

 

「…私は、あの義手の男…確か「狼」の持っている装備を渡してくれればさらに借金を負担すると提案しました。しかしあなたは自己犠牲を選んだ…なぜ?なぜ?それが不思議でしょうがないのです。」「…そんなの簡単だよ。」

ホシノが答える。

 

「…あなたが言った「修羅」の話、あまりにも変だった、狼はこっちをいきなり殺しにかかってはこないし、普通に会話もできた。それに…。」

ホシノが言う。

 

「狼には恩があるし、何よりお前が考えるほど私は腐ってないから。」「…そうでしたか、わかりました。」

黒服が契約書をしまい、席を立つ。

 

「後ほど迎えの車が来ますので、くれぐれも抵抗しないように。」「…分かってるさ。」「左様でしたか、クックック…。」

黒服は暗闇へと消えて行った。

 

〜アビドス高校、体育館〜

 

「とりあえず、校内に侵入した敵は殲滅を確認しました!とりあえず市民の避難を開始させましょう!」

アヤネが端末を使い、位置を調べる。

 

「カイザーは市街地の3分の1をすでに破壊しました!市民の避難のため、とりあえず市街地の方へ向かってください!」「分かったわ!」「…承知した…。」”アヤネ、その場所への案内をお願いできる?”

 

先生が尋ねる。

「わかりました…座標を共有します!移動してください!」「はい⭐︎行きましょう!」

 

〜アビドス、市街地〜

「みなさん、こっちです!」「おい!アビドスの生徒達だ!」「た、助かった!」

 

「対策委員会を発見!攻撃を開始する!」

市民を追いかけていたオートマタがセリカへ向けて発砲しようとする。が…

 

「…させぬ。」狼が手裏剣をとりだし、シュバ!と投げつける。

 

「なに!!?手裏剣!?」」「狼ナイス!こんにゃろ!!」「プギャァ!」

手裏剣に怯んだオートマタをセリカが撃ち壊す。オートマタは悲鳴をあげて倒れた。

 

「な、なあ、アビドスの生徒さん、一体何が起こっているんだ??」「詳しくはこちらもわかりませんが、カイザーが攻撃を仕掛けて来ています!シェルターへ避難してください!」「そ、そうか。」「ありがとう、助かったよ。」

 

「多数のオートマタの接近を確認!」「!!ほら、早く行きなさい!」「わかった!嬢ちゃん、ありがとよ!」「ありがとうございます!」

アヤネの声を聞いたセリカが市民に避難を呼びかける。

 

「ええと…この反応…オートマタの中になにか…!?この反応、カイザーPMC理事です!」「理事がなんでこんなところに?」「…探す手間が省けたではないか…。」

 

狼がそう言うと同時に、ザッザッザ…と多数の足音とオートマタ、カイザーPMC理事が出てくる。

 

「…ふむ、学校まで出向こうと思っていたが、わざわざお出迎えとは、子供の癖して感心するじゃあないか。」「これはなんの真似ですか!?」

 

「ふむ…これ、とはなんのことだ?」「企業が街を攻撃していることです!いくらあなた達が土地の所有者としても、そんな権利はないはずです!」

 

「それに、学校はまだ私達アビドスのものです!進行は明確な不法行為、連邦生徒会に通報しますよ!」

アヤネが警告する。

 

「ホシノ先輩をスカウトするって話は…最初から嘘だってこと?いや、今はいい。ホシノ先輩はどこにやった?」「この悪党め…ホシノ先輩を返して!」

 

「……くくくっ、何を言っているのやら」「…なんだと?」

理事が不適に笑い、狼が疑問を浮かべる。

 

「連邦生徒会に通報だと?随分面白い冗談じゃないか、ほら。今すぐ通報してみればどうだ?」

 

「君たちはこの状況について、今まで何度も連邦生徒会に嘆願して来たのだろう?それで、一度でも動いてくれた事があったか?」

 

「そ、それは…。」「……」「…まさか……今までの一度も、助けられた事がなかったと…?」

 

「その通り、なかったはずだ。連邦生徒会は今、動けないからな。連邦生徒会だけではない…他の学校が今まで貴様らアビドスを助けたことはあったか…?ああそうだ、一度も、一度もない!そろそろ、と言うか貴様ら馬鹿な子供でも気づくだろう。」

カイザーPMC理事が言う。

 

「大人、子供の誰1人、君たちに救いの手を差し伸べる者はいない。誰一人だ。」「「「「……」」」」

アビドスのメンバーに沈黙が走る。

 

「アビドス最後の生徒会メンバー、小鳥遊ホシノが退学した。アビドスの生徒会はもう存在しないと同然!」

 

「貴様らはもう、何者でもない。公的な部活も、委員会も生徒会も自治区すらもないアビドスは、学園都市としての自立続行が不可能だと上も私も判断した。ならば仕方ない、この自治区の主人である我らがカイザーコーポレーションが学校を引き受けるとしよう、となったわけだ。」

 

「…そうだな、新しい学校の名前は「カイザー職業訓練学校」にでもしようか、悩みどころだな…。」「!!」「え……?何を言ってるの…!?」

セリカが困惑しながら喋る。

 

「生徒会がなくても、アビドスには対策委員会がある!!私たちがまだいるのに、そんな言い分通じるわけないでしょ!」「そ、それは…」「アヤネちゃん?」

アヤネが告げる。

 

「…対策委員会は、公式に許可を得ている委員会じゃない…。」「…えっ!?」「…なんと…。」

 

「対策委員会が出来た頃には…もうアビドスの生徒会はなかったから…。」

 

「そうだ。」

理事が残酷にも、現実を告げる。

 

「所詮非公認の委員会、正式な書類の承認も下りていない。つまり君たちの存在を示すものは「何もない。」だが、喜べ。アビドス高等学校がなくなれば、君たちはもう、あの借金地獄からは解放されるのだからな。もうこれ以上何もない無価値な学校を守らずに済むんだぞ?」

 

〜???〜

 

「…なんで、何をしてる!?」

ホシノが叫ぶ。

 

「どうして…どうしてアビドスを…市街地を攻撃するんだ!!」「どうしてと言われましても…何もおかしいことなどありませんよ、ホシノさん。」

黒服が答える。

 

「あの借金の大半はきちんと返済させていただきますとも。それが私たちの間に交わされた約束ですから。」

 

「それはそうとして……あなたが退学してしまい、残念ながらアビドス高等学校はこれ以上、公的な生徒会メンバーが残っていないようですね。それで学校は成り立たないでしょう。」「…!!」

黒服が続ける。

 

「私たちがなぜ、あんなくだらない企業の、詐欺紛いの行為を支援していたのだと思いますか?自治区の土地を奪ったところでブラックマーケットのような無法地帯が1つ増えるだけです。そんな場所は、このキヴォトスにいくらでもあります。文字通り、腐るほど。」

 

「しかし……もし、企業を主体とした新たな学園が誕生したら?アビドスに現れるその新しい存在は、果たしてこのキヴォトスにどのような影響をもたらすでしょうか?」「……っ!」

 

「…しかし、これは単なる余興に過ぎません。」

黒服が告げる。

 

「ホシノさん、私たちの目的は最初からあなたでした。その目的のためだけに、利害が一致したのでカイザーコーポレーションに協力していた。ただそれだけのことです。」「お前!!」

 

「おや、何やら勘違いされていたようですね…?誤解を招いたのなら謝罪しましょう。しかし私は最初から、カイザーの所属ではありません。「私どもの企業」がカイザーコーポレーションだとは、一言も言ってないはずです。」

 

「あなたのようなキヴォトス最高の神秘を手に入れたと言うのに、まさか、もったいない形で消耗させるなんて事は致しません。」

黒服が喋る。昂る高揚を抑えながら。

 

「あなたを実験体として研究し、分析し、理解する。この興味深い実験こそが、私たちが観測を渇望していたもの。つまりは、そういうことです。まああの義手と刀も解析したかったのですが、あなたを研究できるなら安いものです。」「っ……お前…!!」

 

 

 

 

 

〜実験室〜

 

「…………そっか……私はまた………また、大人に騙されたんだ…。」

 

「……ごめん、みんな…私のせいで…全部……」

ホシノが懺悔するかのように呟く。

 

「シロコちゃん、ノノミちゃん、セリカちゃん、アヤネちゃん……ユメ先輩……。」

 

「ごめん、また私は………」

 

「………先生……狼……」

 

〜アビドス、市街地〜

 

「……。」「そんな、そんなことになったら、今までの私たちの努力が…」

 

「…おやおや、まさか本気だったのか?」

カイザーPMC理事が喋る。

 

「まさか、本気で何百年もかけて、借金を全て返済するつもりだったと?」

 

「…これは驚いた、てっきり最後に諦める時、「でも頑張ったから」なんて、子供らしい自分を慰める言い訳のために、ほどほどに頑張っているのだと思っていたが。」「……っ!!」「……貴様…。」”……”

 

「一体、君たちは、どうしてあんなに努力していたんだ?何のために?馬鹿らしい。貴様らがやってきた行為に意味があったとでも?」

 

「…あんた、それ以上言ったら…」「撃t「…お主を斬るぞ…。」…狼?」「で、ですが…。」

 

「…今ここで戦って、何かが変わるんでしょうか?」「アヤネちゃん!?」「…アヤネ殿?」

 

「…今も、すごい数の兵力がこちらに向かってきています。たとえ、戦って勝ったとしても…その後はどうすれば…。」「…アヤネ殿、しかし…。」

 

「…学校がなくなったら、もう戦う意味がありません。どうにか取り戻せたとしても、私たちにはまだ大きな借金が残ったまま…」「アヤネちゃん…。」「アヤネ……」

 

「おや、保証金のことを忘れてもらっては困るな?まあ、どうせ無駄な忠告か。」「……。」

狼が不死斬りに手が伸びそうになるのを抑える。今はまだ使うべき時ではない。そんな気がした。

 

「…取引された土地だって戻って来ません。何より、ホシノ先輩もいない、生徒会もない。こんな状態で…私たちみたいな非公認の委員会なんかに、これ以上一体何が…」

 

「どうして、どうして私たちだけ、こんな…ホシノ先輩、私達、どうすれば……」

アヤネが泣きそうな声で言う。

 

「アヤネちゃん…。」「……。」[……で、でもっ…。」

その時

 

 

 

 

ドカアアァァァン!!

 

「!?」「な、なに!?」「…爆破の音…北の方か…誰が…。」

 

「なっ!?き、北の方で大きな爆発を確認。!?」「合流予定のブラボー小隊が巻き込まれて…」「何!?」

 

 

ドカアアァァァン!!

 

「ひ、東の方でも確認!合流予定だったマイク小隊も、大量の爆弾の爆破で……!!」

 

「何が起きている!?アビドスの連中は、ここにいるので、全員のはず…」

カイザーPMC理事が狼狽える。その時…

 

 

「…全く、おとなしく聞いていれば、何を泣き言ばっかり言ってるのかしら。」「!?」「…この声…お主!」

 

「目には目を、歯には歯を、無慈悲に、孤高に、我が道の如く魔境を行く……。」

何者かが影から出てくる。

 

「それが、あなたたち覆面水着団のモットーじゃなかったの?」

 

現れたのは便利屋68社長、陸八魔アルだった。

 

「あ、あなたは!?」”アル!?いつのまに!?”

 

「何をすればいいのか分からない、どうすればいいのかもわからない、やるべきこと、なすべきこと、すべて失敗に終わる……」「…お主?」

アルが続ける。

 

「…ここをくぐり抜けたところで、この先にも逆境と苦難しかない…。」

 

「だから何なのよっっっ!!!!」

 

「え、えっ…」「仲間が危機に瀕しているんでしょう!?それなのに、くだらないことばっかり考えて、このまま全部奪われて、それで納得できるわけ!?あなたたちは、そんな情けない集団だったの!?」「いやいや、アルちゃん、その辺で勘弁してあげなよ。メガネっ娘ちゃんは繊細なんだから、こういう時もあるって。」「……何故、お主らが、ここに…?」

 

「あはっ、それは今はいいでしょ?それにしても、私の可愛いメガネッ娘ちゃんを泣かした罪は重いよ?だからもうこれは…」

 

「ぶっ殺すしかないよねっ!!!」「!?」

狼はあまりの気迫に少しだけ驚いた。

 

「ふふっ…ふふふふふ……準備はできています。アル様、仕込んだ爆弾もまだまだたくさんありますので。」「…はあ、ただラーメンを食べに来ただけのはずなのに…」”ゑ!?そうなの!?”

カヨコが続ける。

 

「……埋めておいた爆弾で、敵の増援を遮断、その間に敵の指揮官を無力化させて、指揮体系を崩壊させる。これで相手集団を一気に瓦解させる……本来なら、風紀委員会相手に使うはずの戦術だったけど、ま、予行演習ってことにしておこうか。」「…なるほど、そんな戦い方も…。」

狼は日頃から爆弾を持ち歩くことに決めた。*1

 

「目を開けなさい、腑抜けて迷っている状態のあなたたちに、真のアウトローの戦い方を見せてあげるわ、ハルカ!」「はいっ!」

 

ハルカが何かを押す。そして…

 

ドカアアァァァン!!ドドドドドドドドォォン!!

 

 

ドカアアァァァン!!

 

「うわあっ!?」”うわっ、結構でかい爆発…”

 

「さあ!今こそ協業の時よ!合わせられるわよね、先生、義手のお兄さん!?」”えっ!?いきなり!?”「…そうか……俺は、狼だ。」

 

突然の狼の名乗りに、アルは一瞬ポカンとした顔を見せたが、すぐキリっとした顔に戻った。

「あら、狼って言うのね?ふふふっ、先生と狼さんなら問題ないでしょ?そこの腑抜けたちに、今こそハードボイルドの力を見せつけてやるわ!それに…。」

アルが続ける。

 

「迷えば、敗れる…あなたが教えてくれたことでしょう?今の爆発で、迷いも断ち切れたのなら、いいのだけれど。」「…!?お主…。」

 

「さあ、行きましょう!」「…ああもう、やってやろうじゃない!」「ん、準備は万全。行こう。」「ふふふっ、希望が見えて来た気がします!」「ぶ、支援物資の援護は任せてください!」「あははは、メガネっ娘ちゃんも気合い入ってきた?」「ま、食事前の運動ってことで。」「アル様のお役に立つため…ふふふっ…。」

 

「さあ、行きましょう!先生、狼さん?」

 

“…よし!やろう!みんな、行くよ!”「…参る!」

 

 

対策委員会と便利屋が銃を構え、先生がシッテムの箱を持ち、狼は楔丸を抜く。

 

アビドスの攻防戦が、今、始まる。

*1
現実でやったらもれなく豚箱行きなので、良い子も悪い子も絶対にやめようね!




ここまで読んでくれてありがとうございます!。

今回、5789文字、多い!

戦闘は次回持ち越しです、じゃないと多すぎるので…

面白かったら感想評価ぜひお願いします!
次回、お楽しみに…

危険攻撃の特殊タグ、いる?

  • かっこいいから欲しい
  • 読みづらいからいいかな
  • 作者に任せる!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。