主を失った狼、透き通る世界に行き着く   作:けんどーさん

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こんにちはけんどーです
長らくお待たせしました、アビドスエピローグです

いやあ長かったですねえ、ここまで約2ヶ月かかりましたからねえ
今回でアビドス編は終わりになります!

それではどうぞ!


手放したもの、握っていたもの、新たに手に入れたもの、そしてエピローグ

〜実験室〜

「……」

アビドス砂漠、その地下にある実験室にて、一人の少女が拘束されていた

 

少女はふと、懐に入れていたお守りを思い出す。結局返さずに行ってしまった、必ず返してくれと言われたにも関わらずだ

 

「…うへえ、もう一つ約束、破っちゃったなあ…」

少女は一人寂しく呟く

 

その声には、強い後悔があった

 

「…ほんと、わがまま言っちゃったなあ…そっちの約束破っておいて「お願い」するなんて…虫が良すぎたかな…」

 

「でも、狼なら…その時は、きっと…」

その時、少女の耳は何かを聞き取る

 

「先輩はすぐそこにいるはずです!」「ん、壊れない…もう一度…」「…俺に任せろ」「…あれ!?アヤネちゃん。どうしてここに!?」「シャーレからヘリを貸して貰いました!」”念のためって大事だね!備えててよかった!”

 

「ホシノ先輩はどこに!?」「こちらです、でもドアが…」「…」

その時、狼がドアへ向けて重い背撃を放つ

 

拝み連拳、破魔の型

 

拝み連拳に、背撃をさらに加えた流派技

 

出の速い連撃により、敵の攻撃の出鼻をくじき、畳みかける

 

その後、さらに重い背撃で敵を追撃する

 

かつて仙峯寺の者は、この背撃を打ち、

併せて煩悩を払ったものだが・・・

 

狼が背撃をドアに向けて放つと…

ドガアァァァン!

 

「(…一体、何が…体が動かせる…夢でも見てるのかな…)」

ホシノは今何が起こっているか理解できず、夢だと考える

 

「…みんなの声が聞こえたし、夢か…」

しかし、その考えはすぐ打ち砕かれる

 

「…声…こっちの方…夢でもいいから…せめて最後に…もう一度…」

そう言ってホシノの目に飛び込んできたのは…

 

「「「「ホシノ先輩!!」」」

 

こちらを見つめてくるアビドス対策委員会(見慣れた仲間)と…

 

「…ホシノ殿」”ホシノ” 先生(頼れる大人)(忍び)がいた

 

「…あ、あれ!?どうやって…だって…私……ああ」

ホシノが納得したような表情を見せる

 

「そっか…みんなが、先生が、狼が…大人が、ね……はは」「…ああ、それに…貸しも返さねばな…」「…貸し?」

狼が喋る

 

「…俺が最初に皆と会った日、問いに対して助け舟を出してくれた…そうだろう?」「…でも、それだけで…」

 

「それに…」

狼がホシノを見る

 

「…九郎様の御守りを、返して、貰わなくてはな…」「ん?ああ…これね、はい」

ホシノが狼へとお守りを返す。

 

「…ああ、これでいい…」

狼はお守りを懐へしまった

 

「狼、私たちもホシノ先輩と喋りたい」「…ああ、すまぬ…」

狼は先生のいる方へ行った

 

「……お、おかえりっ!先輩!」「ああっ!セリカちゃんに先を越されてしまいました!恥ずかしいから言わないって言ってたのに、ずるいです!」

セリカの言葉にノノミが喋る

 

「う、うるさいうるさいっ!順番なんてどうでもいいでしょ!」「…無事でよかった」「ホシノ先輩、おかえりなさい!」

セリカがそれに対してツンデレを発揮し、シロコとアヤネが喋る

 

「おかえりなさい、です!!」「おかえり、ホシノ先輩」

ノノミとシロコ、アヤネとセリカが期待に満ちた表情でホシノを見る

 

「…あはは…なんだかみんな…期待に満ちた表情だけど…求められてるのは、あのセリフ?」「ああもう!分かってるなら焦らさないでよっ!!」

 

「…ああ、帰ったのならばあの言葉しかないだろう…」”うん、そうだね”

 

「うへ〜……」

ホシノがにっこりと笑う

 

「全く、可愛い後輩達のお願いだし、仕方ないなあ…」

ホシノが喋る

 

「…ただいま!」「「「「おかえりなさい!ホシノ先輩!」」」」”おかえり、ホシノ!”「…ああ…おかえりなさい、だな…ホシノ殿…」

そこには、ホシノがかつて手放してしまったものがあった

 

ホシノが手放しても、周りは手放さず、握っていたのだ。ホシノのことを、離さないと

 

この日、キヴォトスの一角にて、平和な日常が戻ったという…

 

〜次の日〜

「こんにちは、先生、狼さん」”こんにちは、アヤネ”「…ああ、こんにちは、アヤネ殿…」

 

「ええと、まずはお礼を!先生のおかげで対策委員会はアビドスの正式な委員会として承認されました!ありがとうございます!」

 

「おかげさまで生徒会の役目も担うことになりました」”うん、それはよかった!”

 

「個人的にホシノ先輩に生徒会長になって欲しかったのですが…断固として拒否されました…」「…ホシノ殿は…めんどくさがりだからな…」

 

「あはは…新しい生徒会長はまだ決まってません」

アヤネが続ける

 

「柴関ラーメンは、屋台として復活しました。お客さんも多く、セリカちゃんもまたバイトとして働いているようです」

 

「大将も以前にも増して元気にお仕事されていますので…引退はまだまだ先の話になりそうです」「また、あのラーメンが食えるのか…!」

 

「あ、狼さん、これ…」「…これは…?」

アヤネが狼へ何かを渡す

 

「柴関ラーメンの特別チケットです!一枚で一杯無料になるそうですよ?」「…なんと!」

 

特別製、柴関ラーメン特別チケット

柴関ラーメンが一杯無料で食べれる特別なチケット

 

あと5枚残っている

これは大将が特に恩を感じている相手に渡しているチケットである

 

屋台の時から来てくれる常連、お店を手伝ってくれる子、そして復業するきっかけとなった人

様々な人がこのチケットを受け取っている

 

他人へ良い行いをすれば、それは必ず己へと帰る

情けは人の為ならず、とはよく言ったものよ

 

「よもや、あのラーメンがタダで食えるとは…!」「あと、柴大将から、「いつでも来てくれよな!」と伝言が…」「…そうか」

狼が()()()()()()()()()()()()()()

 

「先生と狼さんのお陰で、ホシノ先輩の件は解決しましたが、借金と土地の問題は残っています。それでも狼さんのおかげで借金は4億まで減りました!」「…あの絡繰り、約束を守ったようだな…」

 

「カイザーローンはブラックマーケットでの不法取引がバレて連邦生徒会の調査が入るそうですよ、ヒフミさんの報告で、トリニティが手を打ったのでしょうか…?」”う〜ん、真相はファウストのみ知る…”

 

「正直、連邦生徒会がしっかり調査するかはわかりませんが、少しは状況が変わるはずです」

 

「あ、カイザーPMC理事は生徒誘拐事件として指名手配されているそうです」「…生きていたか…殺したと思ったのだが…」”あいつらオートマタだし、修理されて指名手配、ってわけか…”

 

「…まあ、連邦生徒会が機能してないので、捕まるには長い期間を要するでしょうけど…」

 

「…カイザーコーポレーションは関係ないと主張するため理事を解雇したらしいです。大人って怖いですね…」「…トカゲの尻尾切りか…」”あいつらいつか絶対倒産させてやる”

 

「あ、利子と保険金も狼さんのおかげで以前よりはるかに少ない額での返済、保険金は取り消しとなりました!まあ、アビドスの土地はまだカイザーの物ですけど…取引自体は違法ではないので…」「…いずれまた、取り返せば良いことよ…」”こっちでもなんとかできないか調べてみる”

 

「ありがとうございます!カイザーが砂漠で何を企んでるかはわかりませんでした…あと「黒服」っていう大人のことも何一つ…」

 

“…黒服の方は私からやっとくよ、それに…”「…黒服の腕は、切り落とした。俺のように義手でも持たねば、悪事はできんだろう…」

 

「き、切り落とした!?ま、まあ危害を加えてこなければ問題ありませんけど…あ、便利屋がまた事務所を設けたようです。場所はわかりませんが…」

 

「…こんど、お礼参りへと行かねばな…」”狼?あんまり怪我させちゃダメだよ?”「…は?」

 

「あとは、シャーレにお任せさせていただきます!それでは…アビドス定例会議を始めます!」

アヤネが喋る

 

「ここしばらく、いろいろなことがありましたが、最終的に借金が消えたわけではありません」

 

「でも、毎月払う利子は狼のおかげでかなり減った」「そうだね〜、せっかく負担が減ったことだし、ちょっとゆっくりお昼寝でもしない?」

 

「うんうん!このところすごく忙しかったですし、のんびり過ごすのは大賛成です!」「何を言ってるの!」

セリカが喋る

 

「余裕ができたかもしれないけど、そんなことをしてる暇なんてないんだから!」「セリカちゃん…」

 

「…少しは休んだ方が良い気がするのだが…」「ああもう!対策委員会の会計担当として言わせてもらうけど、私たちは未だ危機の真っ只中にいるの!余裕なんて全然ないの!」「そ、そうか…」「う、うん…」

狼2匹はセリカの気迫に押されていた

 

「というわけで最新のトレンドを調査してきたわ!」「おおっと!?雲行きが早速怪しくなってきたぞ〜!」

ホシノがヤジを入れる

 

「な、何よ!ホシノ先輩!今回こそ大丈夫だから!」

ドン!とセリカが何かを置く

 

「…えっと…パソコンの部品?」「そう!これはグラフィックボードって言うんだけど、これでスキャンコインって言う仮想通貨を採掘するの!」

その言葉を聞いた瞬間狼以外の全員が生温かい目でセリカを見る

 

「な、なに!?なんでそんな生暖かい目で見るのよ!?」「…パソコン?」

狼は一人ポカンとしていた

 

「セリカの詐欺話はさておき、もっと良い方法がある。銀行をー」「どっちも却下〜」「…残念」

 

「…対策委員会は相変わらずこんな感じです」”うん、とても賑やかで、みんな笑顔だ”「…以前と変わらぬ。しかしそれで良いのだ…」

 

「…はい、対策委員会は、相変わらず、何も変わらない…いつもの感じに戻ってしまいましたが…でも、本当によかったです!」

 

「現状の報告は一旦こんなところです。それでは引き続きよろしくお願いしますね?先生、狼さん!」”もちろん!”「ああ、任せろ」

 

狼と先生は、力強く頷いた




ここまで読んでくれてありがとうございます!
いやーやっとアビドス編終わりました!幕間がかける…!
そういえばおかえりって言葉は語源は人の名前が由来らしいですよ、自分が調べた情報だとそうでした
ただいまは足を洗うたらいが語源とされてるらしいですね。

戦国時代におかえりただいまの概念があったかはわかりませんが、まあ狼も現代文化に触れてきたということで…

感想評価、ぜひお願いします!

次回、幕間が始まります!お楽しみに…
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