修行のため自給自足の決まりがあり、訪問者お断り。
……表向きはそんな理由を公表している小神殿。
荷物を背負い、使い馴れた裏口から出る。
いつもと違うのは同行者の数ぐらい。
修行の名目で神殿に昨日連れて来られた新人達。
どこか緊張した面持ちで周囲を見回している。
禁域を隠すために建てられたという神殿だが、
実際のところは毎日、人が禁域へ出入りしている。
頭上は木々で覆われており、朝も昼も薄暗い。
大地の裂け目に沿って移動するため迷う心配はないが、ひたすら面倒だ。
新人達に指示し、洞窟を隠している岩を
二人も居れば動かすには充分のはずだが、腰が引けていて矢鱈と時間がかかる。
正面から見た時の印象に反し、戸板のように平たい岩が手前に倒れ、誰か下敷きになった。
潰れたヤツ以外は洞窟から噴き出した黒い
上は最新の適性検査でココに来る新人を決めてると言うがこの
この程度で昏倒するような人材に、瘴気の籠る洞窟内で何の作業をさせるというのか。
入口に見張り二人、洞窟内へ二人。
新人が使い物にならない以上、やることはいつもと同じだ。
洞窟の最奥、岩場に穴をあけ、木材を突き刺して作ったような粗末な牢。
変わらずにソレは居た。
人の姿を模した忌々しい
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史上、最も強く日の神の加護を与えられた巫女様に災いを
産まれたばかりの赤子で、霊力を行使することの出来ない巫女様の
『化生が死んだら巫女様も死ぬ』ように呪いをかけてしまったそうだ。
その場に居て、巫女様が呪われるのを防げなかった者達を
その身を当時の巫女様に似せた姿に
赤子のような姿のまま『腹が減った』と要求を行ったという、問答無用の化け物だ。
幸か不幸か、赤子に化けた化生は巫女様の命を握っている以外に大した力を持たなかった。
巫女様から遠ざけることには成功したものの、呪いは解けず。
今は化生を
この禁域の牢へ閉じ込めているのだ。
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巫女様と繋がっているという主張か、今の化生は赤子でなく子供のような姿に変わっている。
もっとも、巫女様から遠ざけたのが功を奏し、その姿は華やかな巫女様とはかけ離れている。
牢から出るための策か、化生は昨日与えた食事に手を付けていなかった。
床に
Tips:【日の神の強い加護を持つ巫女】
赤子の頃から光や熱の霊術に強い適性を示し、宗教の象徴として育てられることになった。
現地では大昔の出来事が切っ掛けとなり、
双子の片方が死ぬともう片方も死ぬという現象が発生しやすくなっている。
……実際には、同時期に生まれた子供に対になる名前を付けたりしても同様の現象が発生する。
子供の死にやすさや食料事情などが重なり、双子が忌み子扱いされるようになったが
前述の理由により、双子であることは伏せられている。(本人も知らない。)
Tips:【エピソードタイトル】
主人公視点
協議(全1名)の結果、今回から付かなくなった。