外付け歯車なカミサマとその影響   作:にゅい

27 / 43
あらすじ:牢屋を水洗いした。


太陽ヲ■スモノ(3)

「――で、今日の分は置いて来ましたが、まだ食べ終わってなかったんで。」

 

「報告のため、食べ終えるのを待たずに戻ってきた。……間違いありませんね?」

 

「ウッス!」

「……ハイ。」

 

「……まぁ、宜しいでしょう。」

 

「事前通達のとおり、此方(こなた)は暫し不在となります。その間、抜けのないように。」

 

「ッス!」

「(コクリ)」

 

「他に報告は……ないようですね。此方(こなた)も準備があります。下がりなさい。」

 

「「ッス!」リマシタ。」

 

:

:

 

看破の巫女様への報告を済ませて部屋に戻る途中。

事前の指示どおり相槌に徹していた鍛錬馬鹿からや(・)り(・)過(・)ご(・)し(・)のタネを尋ねられた。

 

「お前、何したんだ?看破の巫女様の前で嘘吐くなんて……」

 

周りに人は居ないが普段より声量を抑えている。

聞かれちゃいけない話題だっていう認識はあるらしい。

 

「ホントのことしか言ってないだろ?」

 

巫女様が噂どおりに嘘を見破れるっていうなら、嘘をつかないだけだ。

準備で忙しくて突っ込んだことを聞いてこないだろうって予想も当たった。

 

「……メシ、やってねぇじゃん。」

 

「アレにメシをやったことがあるのも、食い終わってなかったのも、ホントのことだ。」

 

"嘘"の基準が判らないから『余計なことを考えないようにする』とかの小細工はしたが。

儀式のための温存で調べてなかった可能性もあるが、無事に終わった以上どちらでも良い。

 

馬鹿なりに俺がやったことを理解できたらしく絶句している。

普段からそのぐらい頭を使ってくれ。

 

 

「でもよぉ、死なせちゃいけねぇのにメシ抜きって何の意味があんだ?」

 

頭部が水に浸されても嘔吐(えず)く程度の反応だった化生の姿を思い浮かべる。

問いには答えず逆に尋ねた。

 

「お前から見て、ア(・)レ(・)の衰弱っぷりは演技だったか?」

 

「ハア!? 無い無い(ネェネェ)!」

 

 

「……放っときゃ保(も)って2、3日だろうよ。」

 

俺の見立てと一致している。

コイツは馬鹿だが、この手の感覚的な判断は俺よりずっと上だ。

 

「ア(・)レ(・)は今、飛切(とびっき)り衰弱していて、都(みやこ)はココから遠く、太陽の巫女様は呪い対策バッチリだ。」

 

念のため、当日は洞窟の入口も塞いだ上で結界も張っておくつもりだ。

 

「都で厄払の儀をしてる間にア(・)レ(・)を殺す。」

 

「この巫山戯(ふざけ)た仕事も終わる。その功績で凱旋(がいせん)だ。」

 

今まで苦楽を共にしてきた最高の相棒が、目を見開き口をハクハクさせる。

俺達が行うソレが偉業であると実感が湧き、気分が高揚する。

 

2日後、俺達は英雄になる。

 

 

 




Tips:【都(みやこ)の厄払の儀】
翌年以降、開催されなくなった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。