どう考えてもこれ以上の探索は無理。
帰還ポータルを使う前に体積の配分を調整し、なんとか大人に見えるように調整した。
ポータルが作動し周囲の景色がブレてダンジョン港の一室に。
部屋に取り付けられた魔道具に反応がないことに密かに安堵する。
大丈夫、私はまだ人間なんだから。
歩行に向いていない重心に、下手すると自分より重くなってしまった荷物と武器。
ヨタヨタと歩き、入退場ゲートで係の人に探索者証を渡して帰還手続きが終わるのを待つ。
いつも通りとはいかず、体調不良を心配されてしまった。
「ちょっと疲れちゃいましてー。」
スライムの
魔物侵入のアラートが鳴っていないから大丈夫なはずだけど……。
「えっと、、、大変でしたね?」
途中で不自然に固まった係の人の視線を追うと時計があった。
今の時間は……朝の10時。
「あはははは。」
いいじゃん、この時間から疲れてたって。
「手続き完了です。お疲れさまでした。」
探索者証を受け取ったので建物の出口に向かう。
係の人、会話が続かなくて困ってた気がするけど私の【維持】はそっち方面は無力なのだ。
帰宅途中にある貸し倉庫に寄り、装備を預けるついでにサイズ調整しやすい服に着替えた。
倉庫に入るときと身長が違いすぎると普通にバレそうなので少しだけ縮める。
あとは人目がないときに身長を調整すれば走って帰れる。
:
:
子供っぽい振る舞いの練習として始めた習慣。
自室のドアを閉めて、誰も居ない室内に向かって帰宅のヒトコト。
「タダイマー。」
なんか違う?
「ただいまっ。」
こんなトコ?
本格的にやる必要もないのでサクッと終わりにしておく。
クロ―ゼットから身長体重計を引っ張り出していざ測定。
探索者向けのを買ったけど
アホなこと考えてる間に測定終了。
……そんな気はしてたけど1mの大台を割ってしまった。
実際に数値で見てみるとちょっとクるものがあるなぁ。
【維持】スキルは
たぶん平常心とかが
身長を数字で見ただけで"怖い"が頭にこびり付くのは想定外。
ひとまず他のコト考えないト……。
他のコト、他のコト……。
急に怖くなったのは自動で
あ、生命
測るたびに身長が減るせいで、無意識とかで生存本能が刺激されてる……ならそっちが優先されてもおかしくないかも。
恐怖心が少し薄まった気がする。
どうしよう。
探索者、続けられないや。
Tips:【ロストしたパーツ】
視点主ちゃんのパーツだったもの。
何故か腐らないし、回収できれば回復薬がなくてもくっつく。
今回のロストより前のモノは消化済のため回収不可。
スライム系統の魔物に与えてはいけない。