不朽の炎と青春を。   作:御厨パステル

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皆様、お待たせ致しました。

これで過去アビドス編のシナリオはお終いになります。

この後にエピローグに当たる部分や、ちょっとした日常回を書く感じになるかと思います。


それではどうぞ。



Episode 13 重なる面影。

 

前回のあらすじ。

 

無事、ノノミとシロコの入学式を終えて2人は正式にアビドス高校の生徒となった。

 

留年だと先輩としての示しがつかないと指摘され、週に何回か宮田が勉強を見る事になった……。

 

 

 

________________________

 

前回から数週間後。

 

 

アビドス高等学校 教室……。

 

 

 

宮田「____であって、ここを求める事ができる訳だ。」

 

恭也「ほぉ……。」

 

 

 

 

宮田はホワイトボードの前に立ち、恭也に授業をしている。

 

 

 

 

宮田「…反応が薄いが平気か。」

 

恭也「大丈夫ですよ、ちゃんと理解できましたから。」

 

宮田「そうか、じゃあ軽く小テストだ。」スッ…

 

宮田「公式は消さないでおいてやる。」

 

宮田「制限時間は10分だ。」

 

恭也「はーい。」

 

 

ホシノ「恭也くんはBDで受けないんだね〜。」

 

恭也「何か画面越しだと何か身が入らないんだよね。」

 

宮田「俺達からしたらこっちが主流だったからな。」

 

シロコ「ふ〜ん…。」

 

ホシノ「…そういえばブルーレイプレイヤーを見ても"?"って反応だったね〜。」

 

ユメ「…やっぱり外の世界と比べてキヴォトスって技術が進んでるのかな?」

 

宮田「そうだと思うぞ。」

 

宮田「持ち運べるパソコンがあると知った時は驚いたな。」

 

ノノミ「外の世界の世界のパソコンってどんな感じだったんですか?」

 

宮田「これよりも遥かに分厚い物だったな。」

 

宮田「フロッピーディスクでデータ保存をして…。」

 

ノノミ「…フロッピー…ディスク?」

 

宮田「………USBみたいな物だな。」

 

ノノミ「あぁ〜なるほど…。」

 

ホシノ「おじさん達が"ウォークマン"を初めて見た時と同じ反応だ〜。」

 

宮田「須田、お前"ウォークマン"持っていたのか。」

 

恭也「そうですね、カセットは1枚だけですけど。」

 

宮田「こっちなら逆にプレミアが付いて売れるんじゃないか?」

 

恭也「もし凄い金額になったとしても売らないですよ。」

 

シロコ「ん…恭也先輩、後で"ウォークマン"見せて。」

 

恭也「…流石に売らせないよ、シロコちゃん。」

 

シロコ「…バレてた。」

 

 

 

 

 

 

________________________

 

数日後………。

 

 

 

宮田「………」

 

ノノミ「…今日は恭也先輩お休みですか?」

 

ユメ「この時間になっても来ないなら…多分…。」

 

 

 

 

 

 

ピコッ…

 

 

 

 

 

各々のスマホに通知が入った。

 

 

 

 

 

ホシノ「"用事が出来た"…?」

 

ユメ「用事って何だろう?」

 

シロコ「…気になる。」

 

シロコ「今からなら追いつけるかな。」

 

ノノミ「個人の事情だから尾行は良くないと思いますよ…?」

 

宮田「……」

 

宮田「そうだな、十六夜の言う通りだ。」

 

シロコ「ん…。」

 

宮田「そんなフットワーク軽く動ける程に元気があるなら、俺の授業を受けてみるか。」

 

シロコ「…確かにそっちも気になる。」

 

ユメ「私も恭也くんのを見て気になってたからやりたい!」

 

宮田「そうか、2人はどうする。」

 

ノノミ「じゃあ…私も受けたいです!」

 

ホシノ「ひとりぼっちでBDは寂しいから受けようかな〜。」

 

宮田「分かった、じゃあ早速始めるぞ。」

 

「「「「は〜い。」」」」

 

宮田「…」チラッ

 

 

 

 

 

自身の画面に表示されているトークアプリの文章に目を向ける。

 

 

 

 

 

 

美耶子に呼ばれているので、今日はお休みします。

 

 

 

 

 

 

宮田「(俺は先代の美耶子様…お前は当代の美耶子様。)」

 

宮田「(…あの地獄で、俺達は同じ様な存在に導かれていたのかもな。)」

 

 

 

 

 

 

 

………………………………………………………。

 

 

 

 

 

恭也「……」

 

 

 

 

ザッザッザッザッ…

 

 

 

 

 

恭也はアビドス自治区から遠く離れた所へ導かれていた。

 

 

 

 

 

恭也「…今俺はどの辺りに居るんだ?大分歩いた気がするけど…。」

 

 

 

 

 

 

フワッ…

 

 

 

 

きょーや。

 

 

 

 

 

 

 

 

恭也の視界に美耶子が映る。

 

 

 

 

 

 

 

 

恭也「ちゃんと行くから大丈夫だよ、美耶子。」

 

 

 

 

 

 

…あっち。

 

 

 

 

 

美耶子が指を指す。

 

 

 

 

 

恭也「分かった、ありがとう…美耶子。」

 

 

 

 

 

 

 

……………………………。

 

 

 

 

 

 

 

恭也「…これは…トンネルかな。」

 

 

 

 

 

恭也の前には大きなトラックが入れるほどの大きなトンネルがあった。

 

 

 

恭也「……硝煙の匂いがする。」

 

恭也「何処かの軍事施設…?」

 

恭也「…この先?」

 

 

 

 

 

コクッ

 

 

 

 

 

恭也「じゃあ…行くか。」

 

 

 

 

 

 

ここから先は一人じゃ危ない。

 

 

 

 

恭也「…ん?」

 

 

 

 

 

 

パシッ………

 

 

 

 

 

 

恭也「…っ!?」

 

 

 

 

 

 

恭也の右手にはっきりとした誰かの手の感触が伝わる。

 

 

 

 

 

 

…行こっ。

 

 

 

 

 

 

恭也「みや…こ?」

 

 

 

 

 

美耶子が視界にはっきりと映っている。

 

 

 

 

 

 

恭也「…うん、行こう。」

 

 

 

 

 

 

………………………………………………。

 

 

 

 

 

パチッ………パチッ…パチッパチッ…

 

 

 

 

 

トンネル上部の淡い光を放つ蛍光灯が点滅している。

 

 

 

 

 

 

恭也「(…暗いな。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

恭也が入ったトンネルの中には蛍光灯以外に明かりと呼ばれるものはほぼ無いに等しかった。

 

 

 

 

恭也「……」フッ…

 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

恭也の右手には美耶子の手が握られている。

 

 

 

 

恭也「(こんなにはっきりと見えるのなんて久しぶりかも。)」

 

恭也「(それに…手の感触とかも。)」

 

恭也「(…どうしてだろう。)」

 

恭也「…ねぇ美耶子、これってどこに続いてるの?」

 

 

…きょーやに会いたがってる人がいる場所。

 

 

恭也「…俺に?」

 

 

うん。

 

 

恭也「そっか…。」

 

 

 

 

 

恭也「……あ。」

 

 

 

 

 

 

美耶子に手を引かれるままに歩いた先にはトンネルの出口があつた。

 

 

 

 

 

恭也「意外と早く着いた____あれ?」

 

 

 

 

 

気づいた頃には美耶子は居なくなっていた。

 

 

 

 

 

 

恭也「…もうすぐ、もうすぐだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故かそんな言葉を発している自分がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________

 

 

 

 

 

ザッ…ザッ…

 

 

 

 

恭也「…」

 

 

 

トンネルを抜けた先はアビドス自治区の放棄された市街地よりも凄惨な状態の住居群があった。

 

 

 

恭也「大規模な戦争でもあったのか…?」

 

恭也「もしくはアビドスと似たような自然災害があってこうなったか。」

 

恭也「…別にそういう目的で来た訳じゃないから今は良いか。」

 

恭也「…ん?」

 

 

 

 

数十m先にしゃがみ込んでいる人がいる。

 

 

 

 

恭也「…美耶子が言ってた人かな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッザッザッザッ…

 

 

 

 

 

 

 

???「………」

 

 

 

 

白いパーカーを着た女の子が膝抱えで道端に咲いている花を見ていた。

 

 

 

 

恭也「(…全く気づかれないな。)」

 

恭也「(ほぼ真横に居るんだけど…よほど集中して見てるんだろうな。)」

 

???「……」チラッ…

 

 

 

 

 

 

 

ふとこちらを見上げた少女と目が合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

薄紫の長い髪に赤い瞳。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まるで違う筈なのに、何故か重なってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

恭也「…美耶子……?」

 

 

 

 

 

???「………」

 

 

 

恭也「…あっ、ごめんね…人違いだった…。」

 

???「……」

 

恭也「……もしかして、喋れない感じ?」スッ…

 

 

 

 

恭也もしゃがみ込んで、目線を合わせる。

 

 

 

 

???「……」コクッ…

 

恭也「そっか…凄い真剣に見てたけど、花が好きなの?」

 

???「…」コクッ…

 

恭也「花か…俺はそんなに花には詳しくないんだけど。」

 

恭也「1つだけ忘れられない花があるんだ。」

 

???「…」

 

恭也「名前は分からないけど…真っ赤な花でね。」

 

恭也「それが辺り一面に咲いてる場所があったんだ。」

 

恭也「…その場所にいい思い出は無いんだけどさ。」

 

恭也「こっちに来る前は、その花はよく見かけてたんだ。」

 

恭也「何処に行っても1輪だけ咲いててね。」

 

恭也「それも、そこでやるべき事を終えてから必ず目に入るんだ。」

 

恭也「"忘れないで"って言ってるのかなって…。」

 

恭也「そんな事されちゃ…忘れようにも忘れられないよ。」

 

???「……」

 

 

 

 

???「似てる。」

 

 

 

 

恭也「…え?」

 

???「私とあなたが。」

 

恭也「…そっか。」

 

???「あなたは誰?」

 

恭也「須田恭也。」

 

アツコ「…私は、"秤アツコ"。」

 

恭也「…あんまり、聞いちゃいけないのかも知れないけど…どうして話してくれなかったの?」

 

アツコ「…あんまり人と交流しない様に言われてたから。」

 

恭也「そうなんだ…。」

 

アツコ「けど、あなたとは話してみたかった。」

 

恭也「あなたじゃなくて恭也でいいよ。」

 

アツコ「…きょーやはどこから来たの?」

 

恭也「アビドスから来たんだ。」

 

アツコ「…アビドスって凄い遠い場所だった気がする。」

 

恭也「あれ?そうだったんだ、遠いなとは思ってたんだけどそんなにか…。」

 

アツコ「あのカタコンベを通ってきたの?」スッ…

 

 

 

 

アツコが恭也が来たトンネルの方向を指差す。

 

 

 

 

恭也「うん、そうだね。」

 

アツコ「迷わなかったの?」

 

恭也「うん。」

 

アツコ「…あの中は私でも何処がどう繋がってるか分からないのに。」

 

恭也「みや…ある人に案内されてたからかな。」

 

恭也「そういえば、ここって何処なの?」

 

アツコ「ここは"アリウス"。」

 

恭也「…"アリウス"。」

 

アツコ「…それしか知らない。」

 

恭也「…見た所、そこかしこが廃墟だらけだけど…修復とかはしない感じかな。」

 

アツコ「直しても、時間が経てば物は壊れる。」

 

恭也「…まぁそうなんだけどさ。」

 

アツコ「だったら直しても意味なんて無いと思う。」

 

恭也「…ニヒリズムって言うんだっけ、そういうの。」

 

恭也「人それぞれだから何も言えないけど…俺は、このままじゃ嫌だな。」

 

アツコ「…どうして?」

 

恭也「あのトンネルからこっちに来た時から、ずっと嫌な気配を感じてたんだ。」

 

恭也「あの村とそっくりな…この雰囲気。」

 

恭也「ここは君にとっての大事な場所かも知れないけど、ここにいたらおかしくなっちゃうよ。」

 

恭也「それと…色々あってそんな考えになっちゃったのかも知れないけど。」

 

恭也「そんな思考で生きてたら、人生つまんないよ。」

 

恭也「もっとさ、色んな所に遊びに行って、美味しい物食べて、誰かと遊んで。」

 

恭也「思い出を作った方が楽しいと思うな。」

 

アツコ「……」

 

恭也「まぁ"百聞は一見に如かず"って言うし、どっかに行こうよ。」

 

アツコ「…今?」

 

恭也「うん、きっと気が変わるよ。」

 

アツコ「…駄目なの。」

 

恭也「…どうして?」

 

アツコ「私は…私はここに居なきゃいけないの。」

 

 

 

 

 

恭也「そんなの自分の意志じゃないじゃん。」

 

 

 

 

アツコ「!」

 

恭也「その口ぶりからして、誰かに強要されてるでしょ。」

 

恭也「そんなの駄目だよ。」

 

恭也「自分を大切にしてくれない人の所に居るなんて。」

 

恭也「ニヒリズムみたいな思考もそいつの入れ知恵だね?」

 

恭也「このままじゃ君はもっと駄目になっちゃうよ。」

 

 

 

 

 

 

恭也「だから…。」スッ…

 

 

 

 

 

 

恭也はアツコに手を差し伸べる。

 

 

 

 

 

 

恭也「逃げ出そうよ、一緒に。」

 

 

 

 

 

 

 

アツコ「!?」

 

恭也「…」

 

アツコ「…私一人じゃ…ない。」

 

恭也「…助けたい人が居るんだね。」

 

アツコ「……うん。」

 

恭也「…呼ばれた理由が分かった気がするよ、美耶子。」

 

恭也「…よし!それじゃあ____」

 

 

 

 

 

"姫____返事を__くれ!"

 

 

 

 

 

「「…!」」

 

 

恭也「…誰かを呼んでる。」

 

アツコ「…私だと思う。」

 

恭也「連れ戻しに来たって事か。」チャキッ…

 

アツコ「だ、駄目…!」

 

 

 

 

刀を鞘から抜こうとする恭也を止めるアツコ。

 

 

 

 

恭也「え?どうして…?」

 

アツコ「今はとにかく逃げて…!」

 

恭也「置いてけぼりなんて…。」

 

アツコ「それでも…あなたは…きょーやだけは!」

 

 

 

 

 

 

アツコ

「"逃げて……!"」

 

 

 

 

 

恭也「…!」

 

恭也「分かった…今は一旦引くべきなんだね。」

 

恭也「…けど。」スッ…

 

 

 

 

 

恭也は左手の小指を伸ばす。

 

 

 

 

 

アツコ「……」スッ…

 

 

 

 

ギュッ……

 

 

 

 

 

恭也「約束するよ、君と君の大切な人を助ける…絶対に。」

 

アツコ「…うん。」

 

恭也「……」フッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

タッタッタッタッ……!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アツコ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________

 

 

 

アリウス自治区 カタコンベ前………。

 

 

 

 

 

ザッ……ザッ……ザッ……

 

 

 

 

 

恭也「…………」クルッ…

 

 

 

 

半身だけ振り向き、カタコンベの入り口を見つめる。

 

 

 

 

 

恭也「………」

 

 

 

 

 

 

ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…

 

 

 

 

 

 

カタコンベに背を向け、歩み始める。

 

 

 

 

 

恭也「………」

 

 

 

 

 

ポタ……ポタ……ポタ…

 

 

 

 

 

 

サァァァァァ………ッ

 

 

 

 

 

 

線の細い雨が降り始める。

 

 

 

 

 

 

 

恭也「…………」

 

 

 

 

 

 

 

恭也は立ち止まり、雨音に乗せて言葉を紡ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

恭也「俺がここに来た理由はアビドスを救う事だけだと思っていたけど…。」

 

恭也「…そんな事は無かったね、美耶子。」

 

恭也「あの子は美耶子と似てる。」

 

恭也「…だから助けるって訳じゃないんだけどね。」

 

恭也「まだ美耶子の願いも叶えられてないけど…。」

 

恭也「あの子は必ず助けたい。」

 

恭也「あの子(美耶子)を蝕む全部を。」

 

 

 

 

 

 

 

 

恭也「消してやる。」

 

 

 

 

 

 





如何でしたでしょうか。

過去アビドス編の年代辺りだとまだアツコは中学生ですが、サオリとかとの交流は既にあったんですかね?

本編でアツコを呼んでいる人物はサオリと言う事にしていますが…。

ようやくこの小説を書くきっかけになったアツコとの交流が出来ました。

これでエデン条約編で恭也が介入するフラグを建築できましたね。()

そういえば、まだ"先生"の性別を決めて無いんですよね。

2択のアンケートにしておくので、良ければご投票ください。

それではまた。

"先生"の性別はどちらが良いかお聞きしたいです。

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