不朽の炎と青春を。   作:御厨パステル

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皆様、お待たせいたしました。

このシリーズはなるべくシリアス要素無しの展開にしてやろうと思います。

先日サカナクションさんの"怪獣"という曲を聞いたのですが、そしたら急にこの小説の事を思い出したんですよね。

無性に初代SIRENのムービー集を見たりしてました…。

何故でしょうね…

それではどうぞ。


#1 宮田、はじめてのおつかい。(前編)

 

 

 

アビドス総合病院 診察室……。

 

 

 

 

 

宮田「………」

 

 

 

 

 

宮田はイスに深くもたれ、壁掛けのテレビを見ていた。

 

 

 

 

テレビの画面には"クロノス報道部"とやらが様々な出来事を喋っている様子が映っている。

 

 

 

宮田「(…テレビの映像も進化してるな。)」

 

宮田「(音声もクリアに聞こえる。)」

 

宮田「(何より、壁に掛けてあるのが1番恐ろしいな。)」

 

宮田「(テレビはあんなに薄くなる物なのか。)」

 

 

 

 

 

 

この宮田という男、勤務時間内にも関わらずのんびりとテレビを見ている。

 

 

 

 

 

 

 

だが…それも仕方がない。

 

 

 

 

 

 

 

宮田「(…暇だな。)」

 

 

 

 

 

 

 

なぜ、宮田は暇なのか。

 

 

 

 

 

 

高校や学園に通っている生徒はその学校内に存在している医療機関的な部活が治療を行うらしく、病院に通院するケースは稀である。

 

そもそも"ヘイロー"を持つ者は銃で撃たれても痛がるだけと言う異常なまでの身体強度を持ち、大怪我を負う事もほぼない。

 

もちろんヘイローを持たない住人もいるのだがそんな住人達は異常なまでの危機管理意識があり、そういった争い事を避けて生活をしている。

 

 

 

 

 

 

つまり、宮田はキヴォトスに来て数日経つが未だに医者らしい事が出来ていない。

 

 

 

 

 

宮田「………」

 

 

 

 

コンコンコン…

 

 

 

 

宮田「どうぞ。」

 

 

 

 

ガチャッ…

 

 

 

 

 

オートマタ医師「宮田先生、今お時間よろしいですか?」

 

 

 

 

 

同僚のオートマタ医師が入室してきた。

 

 

 

 

 

宮田「はい、大丈夫です。」

 

オートマタ医師「実はやってもらいたい事がありまして…。」

 

オートマタ医師「医療品と医療器具の配達をしてもらいたいんです。」

 

宮田「どちらの病院までですか?」

 

オートマタ医師「あ、いや…病院ではなくて…ゲヘナ学園の"救急医学部"への配達なんです。」

 

宮田「……なるほど。」

 

宮田「(…つまり学校内の医療機関は病院と取引して医療器具などを購入していたんだな。)」

 

宮田「(出処は気になっていたが、意外とシンプルだったな。)」

 

宮田「この病院以外にもそういうのが充実している所は沢山ありますよね。」

 

宮田「どうしてうちなんですか?」

 

オートマタ医師「近いから…ですかね。」

 

宮田「(…合理的だ。)」

 

宮田「分かりました、すぐに出発しますか。」

 

オートマタ医師「ありがとうございます!」

 

オートマタ医師「車はもう表で待機させてますので行きましょう!」

 

 

 

 

 

……………………………………………。

 

 

 

 

 

宮田「…そういえば聞きたかったのですが。」

 

宮田「どうして私に声を掛けてくれたんですか。」

 

オートマタ医師「こう言ったらアレですけど、宮田先生ってお強そうじゃないですか。」

 

オートマタ医師「いつも拳銃を持ち歩いてらっしゃいますし。」

 

オートマタ医師「1番頼りになりそうだな…と。」

 

宮田「…そうですか。」

 

オートマタ医師「もしかして…やっぱりお嫌でしたか?」

 

宮田「いえ、そういう訳ではありません。」

 

宮田「しっかりとやらせていただきます。」

 

オートマタ医師「そんなに堅苦しくしなくても大丈夫ですよ。」

 

オートマタ医師「言うなれば"おつかい"ですから。」

 

オートマタ医師「…さて、着きましたよ。」ガチャッ…

 

 

 

 

 

 

オートマタ医師に連れられて、宮田は関係者用入り口から外に出た。

 

 

 

 

 

 

オートマタ医師「この車両で向かいます。」

 

宮田「…凄いですね。」

 

 

 

 

 

宮田の前には海外の現金輸送車の様な大きなトラックが停まっていた。

 

 

 

 

 

オートマタ医師「この車体は7.62mm弾くらいまでなら貫通しません。」

 

オートマタ医師「もちろん、フロントガラスやタイヤも耐弾性のある物なので安心してください。」

 

宮田「(…物騒だ。)」

 

オートマタ医師「ゲヘナ学園までは私が運転しますので、宮田先生は護衛といった感じでお願いします。」

 

オートマタ医師「助手席の方に緊急通報装置がありますのでそちらの説明もしますね。」

 

宮田「……」

 

 

 

 

 

宮田「(…"おつかい"と言っていいレベルか?)」

 

 

 

 

 

________________________

 

 

 

 

 

ブゥゥゥゥゥン……!

 

 

宮田「…随分と大量に発注したんですね。」

 

宮田「この積み荷だけでも相当な値段しますよ。」

 

オートマタ医師「それほどまでに頻繁に活動してるんでしょうね。」

 

オートマタ医師「なんせゲヘナ学園の自治区ですから…。」

 

宮田「行った事はあるんですか。」

 

オートマタ医師「えぇ何度か…アビドスとは別世界に感じましたね…。」

 

宮田「………」

 

 

 

 

 

 

ブロロロロロ…

 

 

 

 

 

 

宮田「……?」

 

オートマタ医師「何ですかね、この音。」チラッ…

 

 

 

 

 

 

サイドミラーを確認する。

 

 

 

 

 

 

オートマタ医師「…あっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

ブォンブォンブォン…!

 

 

 

 

ブォォォォォォン……!!!

 

 

 

 

 

ミラーの死角から数台のジープが飛び出してきた。

 

 

 

 

 

宮田「…後をつけられていた。」チラッ…

 

オートマタ医師「私達から見えない位置でずっと待機してたんだ!」

 

 

 

 

 

 

ブォォォォォォ…!!

 

 

 

 

 

 

 

1台のジープが助手席側に並ぶ。

 

 

 

 

 

 

オートマタ医師「…っ!」バッ…!

 

 

 

 

 

 

 

医師が運転しながらも横目で確認する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オートマタ医師「あのヘルメットは…モチモチヘルメット団か!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮田「…すみません、今なんと?」

 

オートマタ医師「アビドスの旧住居跡を占拠しているグループです!」

 

オートマタ医師「こんな他の自治区との境目付近まで追いかけてくるなんて…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィィィィン…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

横に付けているジープの後部座席の窓が開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘルメット団の1人が窓から身を乗り出してメガホンをこちらに向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

モチモチヘルメット団A「ウチらはモチモチヘルメット団だ!」

 

モチモチヘルメット団A「その積んである医療器具を大人しく寄越してくれるなら、それ以上の危害は加えねぇ…!」

 

モチモチヘルメット団A「だが…渡さねぇなら…!」

 

 

モチモチヘルメット団A「どうなるか分かるよな!?」チャキッ…!

 

 

 

 

 

 

 

空いてる手で小銃をチラつかせてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

オートマタ医師「くっ!宮田先生、緊急通報装置を…!」

 

 

 

 

 

 

宮田「いえ、必要ないです。」

 

 

 

 

 

 

オートマタ医師「…え!?」

 

宮田「…痛い目を見させてやりましょう。」カチッ……スッ…

 

 

 

 

 

 

そう言うと宮田はシートベルトを外し、自身の右腰のリボルバーに手をかける。

 

 

 

 

 

オートマタ医師「な、何をする気ですか…!?」

 

宮田「そのまま運転をお願いします。」

 

 

 

 

 

ガチャッ…!

 

 

 

 

 

 

グワッ………!!

 

 

 

 

 

 

宮田は助手席側のドアを勢い良く開けた。

 

 

 

 

 

 

バァン!バァン!

 

 

 

 

 

 

 

 

パキャッ……バスッッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

バシュゥゥゥ………!

 

 

 

 

 

 

 

 

宮田が放った弾丸の2発目がカタカタヘルメット団が乗るジープの運転席側の前輪に命中し、空気が抜けていく。

 

 

 

 

 

 

モチモチヘルメット団B「タ、タイヤが……!?」

 

 

 

 

 

 

 

ブロロロロロ…

 

 

 

 

 

 

 

ジープは車体へのダメージを考慮して減速せざるを得なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

モチモチヘルメット団A「チッ……!」カチャッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

ババババババババ……!

 

 

 

 

 

 

身を乗り出していた1人がこちらに小銃を撃ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

宮田「…」スッ…

 

 

 

 

 

バァン…!

 

 

 

 

 

カキィン!カキィン!カキィン!

 

 

 

 

 

 

宮田は助手席のドアを急いで閉め、弾丸を防ぐ。

 

 

 

 

 

 

宮田「…」チラッ…

 

 

 

 

 

 

 

宮田はサイドミラーを見ながら下がっていくジープの位置を確認する。

 

 

 

 

 

 

 

ブロロロロロ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジープは減速しながらも真後ろに着こうと右側に寄っていく。

 

 

 

 

 

 

 

ブロロロロロ……

 

 

 

 

 

 

 

 

宮田から見て、ジープの運転席側が車体に隠れた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

ガチャン……!

 

 

 

 

 

 

 

グォッッッ……!!!

 

 

 

 

 

 

再び助手席のドアを開けて、今度は地面と水平になるように上半身を突き出した。

 

 

 

 

 

 

 

バァァン…!

 

 

 

 

 

 

 

 

バスッッ…バシュゥゥゥ…!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

今度は左前輪に銃弾を当て、タイヤへのダメージは致命的になった。

 

 

 

 

 

 

 

モチモチヘルメット団A「く、くそぉっ!」

 

 

 

 

 

 

 

ガガガガガガ……

 

 

 

 

 

 

 

ジープは先程よりも勢い良く減速を始めた。

 

 

 

宮田「…あと何台いますか。」

 

オートマタ医師「あ、あと運転席側に2台とその後方に1台です…!」

 

宮田「こちら側からでは狙いにくいな。」

 

宮田「……補填分は俺の給料から出してください。」ガサガサ…

 

オートマタ医師「へ…!?」

 

 

 

 

 

宮田は後部に積んでいる医療器具を漁る。

 

 

 

 

宮田「……」チャキッ…

 

 

 

 

何本かのメスを取り出す宮田。

 

 

 

 

宮田「…」グッ…

 

 

 

 

宮田は開けっ放しのドアから体を乗り出した。

 

 

 

 

 

 

 

ブワッッ……!!

 

 

 

 

 

ストッ…!

 

 

 

 

 

 

 

そのまま車体のふちを掴み、蹴上がりのような動きで上体を持ち上げ上部に飛び乗った。

 

 

 

 

 

 

 

宮田「…」スッ…ググッ……

 

 

 

 

 

ブォン…!!

 

 

 

 

 

 

宮田は右手に持ったメスをオーバーハンドスローでジープに向かって投げつける。

 

 

 

 

 

 

 

シュゥゥゥ……!!

 

 

 

 

 

 

 

バリィィンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

運転手の眉間めがけて投げたメスはフロントガラスに突き刺さる。

 

 

 

 

 

 

 

モチモチヘルメット団C「ひ、ひぃぃぃ…!」

 

 

 

 

 

 

ブロロロロロ………

 

 

 

 

 

 

焦った運転手はスピードを緩め始めた。

 

 

 

 

 

宮田「…」スチャッ…

 

 

 

 

 

 

宮田は運転席側に張り付いている2台のジープに狙いを定める。

 

 

 

 

 

 

シュバババッ…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左手の指の間に挟んでいた3本のメスを手裏剣の如く飛ばす。

 

 

 

 

 

 

宮田「…」カチャッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

バァン…!バァン…!バァン…!

 

 

 

 

 

 

 

すかさず空いた右手でホルスターから取り出したリボルバーで追撃をする。

 

 

 

 

 

 

バリィィンッ!!

 

 

 

 

 

 

バスッッ…バシュゥゥゥ…!!!

 

 

 

 

 

 

超高速で飛んでくるメスと弾丸の波状攻撃がヘルメット団を襲う。

 

 

 

 

 

 

モチモチヘルメット団D「な、何だあいつは…ただの医者じゃねぇのか!?」

 

 

モチモチヘルメット団E「このままじゃこっちの被害が酷い事に…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モチモチヘルメット団F「て、撤退〜!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブロロロロロ………

 

 

 

 

 

 

 

モチモチヘルメット団のジープが引いていく。

 

 

 

 

 

 

宮田「…………」

 

オートマタ医師「げ…撃退できたんですか…?」ヒョコッ…

 

 

 

オートマタ医師が運転席の窓から顔を出す。

 

 

 

宮田「えぇ、ここから見るに残党は見えません。」

 

オートマタ医師「い、いや〜確かにお強そうだとは感じていましたが…ここまでとは…。」

 

宮田「医者らしくないですか。」

 

オートマタ医師「いえいえ!否定の意で言った訳では無いですよ!」

 

オートマタ医師「宮田先生に頼んで良かったです!ありがとうございます…!」

 

宮田「……」

 

オートマタ医師「もう少しでゲヘナの自治区に着きます…まぁ、もしかしたら此処よりももっと凄い事になるかもですが…。」

 

宮田「風紀委員会とやらがいるんじゃないんですか。」

 

オートマタ医師「機能はしてるんですが…どうしても他の自治区と比べてあまり治安が良いとは思いませんね…。」

 

宮田「治安回復が間に合ってないと。」

 

オートマタ医師「そうですね…。」

 

宮田「…………」

 

オートマタ医師「…と、とりあえず助手席に戻りませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

宮田「……そうですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 





如何でしたでしょうか。

やっぱり戦闘描写は難しいですね〜。

まだまだ精進が必要に感じます…。

このシリーズは宮田がハチャメチャする感じになるかなと思います。

やはり宮田が最強か…()


それではまた。

"先生"の性別はどちらが良いかお聞きしたいです。

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