皆様、お待たせ致しました。
今回はタイトルの通り、例の黒い奴が接近してきます。
果たして黒い奴は、生きて帰れるのでしょうか…。
それではどうぞ。
前回のあらすじ。
ユメとホシノからアビドス高校が抱える借金問題を聞かされた恭也。
美耶子から言われた言葉の真の意味を理解し、必ずアビドスを救う事を心に決めた。
恭也は、二人と絆を深めながらアビドス再建の道を歩み始めていく…。
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アビドス高等学校 倉庫……。
ユメ「今日は倉庫の整理をしようと思うよ!」
恭也「すごい広いですね…。」
恭也「校舎も広いからここも広く作られてるんだな…。」
ユメ「そうだね、制服の備品だったりもココにまとめて入ってるから教室2個分くらいの大きさはあるかも…?」
ユメ「何か売る事の出来そうな物も見つかるかもね…!」
恭也「宝探しみたいですね!」
ホシノ「そういえば、あの純金のやつは結構高値で売れましたね。」
恭也「キヴォトスって金の価値高いんですね…。」
ユメ「あんまりああいう金属のアクセサリーとか無いから、そういう意味でも価値が生まれたんじゃないかな?」
ホシノ「…あれってアクセサリーって言っていいんですか?」
恭也「…他になんて分類したらいいか分からないし、アクセサリーでいいんじゃないかな。」
ホシノ「…確かに。」
ユメ「…それじゃあやっていこうか!」
……………………………………………………………。
恭也「…そっか普通に弾薬とか置いてあるんだ…。」
ホシノ「そうですね。」
恭也「こういうのは軍隊とかの施設にあるイメージだから…。」
恭也「こうやってダンボールに詰め込まれてるのを見ると…何だか凄いなって思うね。」
ホシノ「恭也先輩のいた所では、銃と言うものはそういう物だったんですか?」
恭也「そうだね、俺みたいな一般人が持つようなイメージは無いね。」
ホシノ「…けど、恭也先輩は銃持ってますよね。」
恭也「まぁ、俺はいろんな理由があってだよ。」
恭也「銃を握らなくちゃいけない状況だったんだ。」
ホシノ「…そうだったんですか。」
ホシノ「………もし良ければ。」
ホシノ「いつか、恭也先輩に何があったかを…聞かせてください。」
恭也「あんまり信じて貰える気がしないけどね。」
ホシノ「私は信じますよ。」
恭也「…そっか、じゃあいつか話すね。」
ホシノ「約束ですよ。」
恭也「うん、約束。」
ユメ「ちょっと今こっち来れる〜?」
恭也「あ、はーい!」タッタッタッタッ…
ホシノ「……。」タッタッタッタッ…
…………………………。
ユメ「…これは自転車だよね?」
ホシノ「自転車にしては…タイヤが太い気がしますね。」
恭也「……。」
恭也「…これ、俺のマウンテンバイクだ。」
ホシノ「え…?」
ユメ「これ、恭也くんの物なの?」
恭也「何でここにあるかは分からないですけど…確かに俺のです。」
恭也「あの時にパンクして、仕方なく置いていったっきりただったんだよな…。」
恭也「多分…チェーンロックの鍵も…。」スッ…。
ホシノ「…鍵を持ってるって事は確実に恭也先輩の物ですね。」
ユメ「恭也くんが持ってきたならまだしも、ちょっと前からここにあったみたいだし…。」
恭也「確かにホコリ被ってますね。」
ユメ「前に倉庫の整理したのっていつだったっけ?」
ホコリ「3…4ヶ月前だったかと。」
ユメ「じゃあ恭也くんよりも先に、この自転車はここにあったのかな…。」
ホシノ「…不思議ですね。」
ユメ「うーん…恭也くんはこれ使う?」
恭也「そうですね、今は別に大丈夫ですかね…。」
恭也「ちょっと軽く掃除して、またここに置かせてもらっても良いですか?」
ユメ「うん!全然いいよ!」
恭也「じゃ、そういう事でお願いします。」
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その日の夜。
アビドス自治区 市街地。
恭也「…この辺りも砂まみれだ。」
恭也「場所によっては、建物の1階部分が侵食されてるな…。」
恭也「よし…やってみるか。」カツッ……。
鞘から焔薙を抜く。
恭也「…ふぅ…………。」ザッ…。
昨日やってみせたように、同じ構えを取る。
青い炎が焔薙に灯る。
恭也「……ふっ!!」
強烈な風圧で積もっていた大量の砂が一気に吹き飛ぶ。
恭也「おぉ…!」
恭也「やっぱりこれでいけるな。」
恭也「この調子で綺麗にしよう…!」
…………………。
恭也「…ふっ!」
………………………………………。
恭也「…はぁっ!!」
…………………………………………………。
恭也「……それっ!!」
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恭也「取り敢えずこの辺りは大体綺麗になったかな?」
恭也「積もった砂は取り敢えず砂漠まで吹き飛ばすとして…。」
恭也「いや、ただ吹き飛ばすだけじゃあれだな…。」
恭也「こんなにいっぱいあるから何かに使えないかな?」
恭也「…砂を使う、何か売れそうな物…。」
恭也「うーん。」
恭也「…。」スッ…。
考え込む為、無意識に目を閉じる。
恭也の視界に誰かの見ている景色が映る。
恭也「(…誰かがこっちに向かって来てる。)」*1
恭也「…誰ですか。」サッ…。
???「クックックッ…精が出ますね、須田恭也さん。」
恭也「…。」
恭也の前に、ひび割れた顔を持つ黒いスーツの男が現れた。
???「…おや、まずは名乗りからですね。」
黒服「私の事は黒服とでも呼んでください。」
恭也「…俺に何か用ですか。」
黒服「おや、私の姿を見ても驚かないんですね。」
恭也「もっとずっと凄い物を見てきた気がするから。」
黒服「そうですか…。」
恭也「…。」
黒服「おっと、つい考え事をしてしまいました。」
黒服「本日は貴方と取引をしたく、お伺いしました。」
恭也「取引ですか。」
黒服「貴方と貴方の通うアビドス高等学校においても、とてもメリットのある取引です。」
恭也「なぜ、俺がアビドス高校に居るって知ってるんだ。」
黒服「貴方があの"ビナー"を倒した時から見させていただいてますよ。」
恭也「へぇ……で、内容はなんですか。」
黒服「被験体になっていただけませんか。」
恭也「…はぁ。」
黒服「貴方は、神秘とは逸脱した何かを有しています。」
黒服「それは恐怖、はたまた死を司るような強大な何か。」
黒服「…いえ、厳密に言えば死と生が同じ体の中で渦巻いている様な。」
黒服「祝福……いや、呪いですかね。」
黒服「人の身に集約された、その神の如き力。」
黒服「それを私は知りたい。」
恭也「…知ってどうするんですか。」
黒服「私の求める"崇高"へ近づくヒントになるかも知れませんからね。」
黒服「最近は全く進捗がありませんでしたからね…貴方の様な人に出会えて嬉しい限りです。」
黒服「…もしくは既に貴方は"崇高"に辿り着いているのかも知れませんね…クックックッ…。」
恭也「その口ぶりからすると、俺以外にも言い寄ってる感じですよね。」
黒服「それにしても、貴方は冷静ですね。」
恭也「そうですか。」
黒服「ヘイローと呼ばれる物に宿る、神秘というものをご存知ですか?」
恭也「いや。」
黒服「神秘とはつまるところ、その人の強さに直結する物です。」
黒服「勿論、人によって優劣があります。」
黒服「"崇高"へと至るには、神秘の中の恐怖を引き出す必要があります。」
黒服「つまり___」
恭也「強い神秘を持った人は、より強い恐怖を引き出せる。」
黒服「その通りです。」
黒服「この考えを瞬時に理解できるとは、貴方は探求者としての素質があるかも知れません。」
恭也「別にそんなのなりたくないです。」
恭也「…それで、メリットの方は。」
黒服「そうですね…借金を5割ほど肩代わりさせていただきます。」
恭也「…何処まで知ってるんですか。」
黒服「元々私はアビドス高等学校に所属するある生徒に接触を試みていましたが。」
黒服「どうも好感を持たれずにいましてですね。」
恭也「そりゃそうでしょ、どう見たって怪しいし。」
黒服「…随分ハッキリとおっしゃいますね。」
恭也「つまり、アビドスの生徒を実験台に使おうとしてたって事でしょ。」
黒服「言葉を選ばずに言うならそうなりますね。」
黒服「貴方もご存知の方ですよ?」
恭也「…誰ですか。」
黒服「『暁のホルス』…小鳥遊ホシノさんです。」
恭也「…へぇ。」
黒服「彼女はこのキヴォトスで一番と言っていいほどの神秘を内包しています。」
黒服「彼女こそ、崇高に到達できる逸材だと思っています。」
黒服「…まぁ、説得出来ずに今日に至りますが。」
恭也「…。」
黒服「少し喋りすぎましたね。」
黒服「さて、この取引の可否を聞いても良いですか?」
恭也「いや、もっと黒服さんのお話を聞きたいです。」
黒服「…ほう。」
恭也「ね、宮田先生。」
黒服「…っ!?」
宮田「そうだな、もっと聞かせてくれよ。」グググググ…!!
黒服の背後からヘッドロックを掛ける宮田。
黒服「い、いつから後ろに…っ。」
宮田「お前が長い事、崇高やら何やらを話し始めてからだな。」グググググ…。
黒服「…くっ。」バッ…!
黒服が何かを取り出し、右手に持った。
何かの装置のボタンを押そうとしたその刹那、右手が元からそこに無かったかのように斬り落とされた。
黒服「な………。」
恭也「逃しませんよ。」ブワァァッ……!
焔薙がメラメラと真っ青な炎を纏っている。
恭也「右手は、義手でも何でも付けといてください。」
恭也「このキヴォトスならその位出来ますよね。」
恭也「…宮田先生、そいつ消していいですよ。」
黒服「…!」
宮田「待て須田、こういう奴は洗いざらい吐かせてから消すのが正しいヤり方だ。」グググググ…。
黒服「…!?」
恭也「…確かに、じゃあ手伝いますね。」
黒服「!!?」
……………………………………………………。
黒服「…。」*2
恭也「…つまり貴方は借金をだしに使って、ホシノさんを脅してたんですね。」
宮田「で、その借金をしている相手のカイザーとか言う奴とも1枚噛んでるってわけか。」
恭也「ふぅん…。」(^^)ニコニコ…。
宮田「ほぉ…。」(^^)ニコニコ…。
黒服「…その通りです。」
宮田「さて、どうする須田。」
恭也「まぁ出来ればそのカイザーっての潰したいですね。」
宮田「アビドスが自治区を手放す様に借金をさせていると言う事は、あそこには何かがまだあるんだろうな。」
恭也「アビドスの借金も、PMC?ってのを作る為の資金にされてるっぽいですし。」
宮田「…先手を打っておくか。」
恭也「あっ、いいですね。」
宮田「だが、もし逆恨みで襲撃された時に防衛できる程の戦力が今のアビドスにはないな。」
恭也「あ〜…何か良さそうなの探しておきます。」
宮田「借金を帳消しにしたとしても、資金がないのは変わらないが…そこはどうする。」
恭也「そのPMCの装備を奪って売り捌けばいいんじゃないんですか?」
宮田「…早速、キヴォトス人の思考回路になってきたな。」
恭也「けど、いい考えですよね?」
宮田「…まぁ、悪くないな。」
宮田「…おい、黒服。」
黒服「…。」ビクッ…。
宮田「お前には色々と働いてもらう事になった。」
恭也「…逃げないでくださいね。」ニコッ…。*3
黒服「ひえぇぇ…………。」ガタガタガタガタ…。
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アーカイブ No.008 "須田キョウヤの学生証"
須田恭也がアビドス生である事を証明する為の顔付きの名刺の様なもの。
新しい世界で新たな人生を歩み始めた確かな証拠。
如何でしたでしょうか。
今回は恭也くんの黒い一面が垣間見えましたね…。()
ドS担当の宮田とドSDKと化した恭也に詰められる黒服を書きたかっただけです…。
不憫な黒服を見るのは楽しいですね。()
みんなのマスコット"黒服"をよろしくな!
それではまた。