大海賊時代に記憶喪失TS野郎を放り込んだ   作:クラスターボイン

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リハビリついでに暇な時間で書いた駄文です。
なんなりとお読みください()




大海原で、記憶喪失TS野郎が一人

「……………………………………ここどこだよ……」

 

 カモメがクアーッという気の抜けるような鳴き声をあげる海の上で、俺こと……俺……俺……俺? でいいんだよな? は目を覚ました。

 周りを見渡せばどこまでも続く、広大な青い海が広がり、そんな場所のど真ん中で、俺は小舟に乗って揺られている。

 

「えぇ……何がどうしてこうなってんの……たしか寝る前の俺って……あれ? 俺なにやってたっけ……」

 

 目が覚めたら海の上という特異な状況で混乱していることを含めても、あまりに目覚める前の自分が何をしていたのかが分からない。

 うーん、なにぶん自己認識すら散漫としているようで、自分が誰で、どんな仕事に就いていて、どんなことをやっていたのか……そんな初歩的なことすら思い出せなくなっている。

 

 ならば仕方ない。

 こういう時こそ頭のいい人に聞いたあれを試すときだ。

 

「ごーぶだぶるいちえいち~(ダミ声)」

 

 説明しよう! 「5W1H(ごーだぶるいちえいち)」とは!

 状況を整理し、伝達するために必要な要素の頭文字を抜き取り、分かりやすく略したものだ!

 これを構成する六つの要素、「When(いつ)」、「Where(どこで)」、「Who(誰が)」、「What(何を)」、「Why(なぜ)」、「How(どのように)」をうまいこと使うことができれば正確な状況把握ができる……らしい!

 

「というわけで早速使っていくぞ!」

 

 まず「When(いつ)」から!

 ……分からない、俺たちは雰囲気でこの場所にいる……

 

 次は「Where(どこで)」!

 記憶吹っ飛んでるから駄目みたいですね……(諦め)

 

 「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」!!

 分かってたらこんな風に考えてないんだよなぁ……

 

「駄目じゃん、なんも分かってないじゃん……」

 

 はーっ! 使えねぇ! というか状況が状況だけに使えたらむしろやべぇわ俺の頭!!

 なんということでしょう、今の俺は「記憶喪失」に加えて「バカアホマヌケ」属性まで追加されてしまったアホアホマン……マン? のようである。

 というか、なんで男であるかどうかすら疑問に思ってるんだ俺……ん? そういやなんか胸元が重いような……?

 

「………………………………おーまいがー……」

 

 なんということでしょう(2回目)、視線を自分の胸元に持っていけば、そこにはたわわに実ったおパーイが有るではないでしょうか。

 上の属性に加えて(おそらく)「TS」属性まで追加されてしまうとは……このリハクの目をもってしても見抜けなんだ……(節穴定期)

 服装は改造された着物(もっと言えば男物の袴ってやつか?)みたいな感じで、それなりに大きいのに動きやすいと思う。

 

 しかし、大きいなこのマイボイン。

 スイカってレベルじゃねぇぞ。

 

 なに? 「記憶喪失とは言え、自分の体におπがあるというのに自分を男だと思ってるとはこれ如何に?」だって?

 

 そこのお前! ロマンが無いな!

 自分を元男だと定義することによって「TSした!?」というドキドキ感が味わえるんだぞ!

 「あー、一応五体満足だー」と思っているより、「い、いったいどうなっちまったんだよ俺ー!?」となった方が楽しいだろうが!

 まったく……最近の若者というのはロマンが分かっておらん……

 

 ま、結局のところは俺の好みの問題なんだけどね。

 やっぱでかいのは良いものよ。

 

「…………やめよう、なんか虚しくなってくる……俺の胸はボインボインだけど……」

 

 さすがに一人でいることは寂しくなってきた……なんだかんだ言って、俺は一人が苦手なようである。胸揉んどこ。

 

 そう言いながら自分の胸を揉み揉みしつつ、周りを再度見渡してみる。

 しかし、見渡す限りはどこまでも続きそうな海が広がるだけで、陸地らしきものは見えない。

 「THE・漂流中」と言えるこの状況に、思わず涙が出てきてしまった。

 

「はぁ……この小舟にも何かあるといい……ん? なんか手に当たったような……」

 

 そういって大の字に寝転がった時、ふと右腕になにかがぶつかった。

 その瞬間、俺の活性化されたニューロンが最高の答えを導き出す!

 もし船を漕ぐオールだったならこの状況を打破できるかもしれない! と思って勢いよく()()を手にとってみる――!

 

「なん、じゃ、これ……」

 

 

 

 それは オールと言うには あまりにも大きすぎた

 

 大きく ぶ厚く 重く そして 大雑把すぎた

 

 それは 正に 鉄塊だった

 

 というか『大剣』だった

 

 

 

「Fuck ○ou!!!」

 

 ジーザス! 少し期待しちまったじゃねぇか!

 なーにが大剣じゃコラァ! そこは素直にオール寄越さんかい!

 ってか大剣が船に置かれてるってなんじゃい!

 もう状況が分っかんねぇよ!! 島流しにでもされたんか俺!?

 

「あぁ……終わった……騒ぎすぎて腹減ってきたし、この大剣以外なんもねぇし……」

 

 そう言いながら置いておった大剣を見てみる。

 装飾は凝っているが、宝剣というには貴重品っぽい宝石は欠片も付いてない。

 どこぞの護衛騎士とかが持ってそうな武器っぽいので、記憶を失う前の俺はそういう役職だったかもしれないと考察してみるも、じゃあこの着物みたいな服装はどういうことなんだと疑問を浮かべるしかない。

 ……なんかあまりにもちぐはぐすぎて頭痛くなってきた……。

 

「はぁ……一肌恋しいなぁ……誰か美人なチャンネーに抱きつきてぇなぁ……!?」

 

 そんな風に溜め息を吐いてた時、ふと背筋にヒヤリとした感覚が走って、思わず大剣をオール代わりに使って小舟をその場から動かしたのである。

 

「グルァアアアアアア!!!」

「おわぁっ!?」

 

――瞬間、少し前まで居た場所を貫くようにして巨大な海蛇が飛び出してきたのである。

 

 大きさは測りきれない。ただただ「デカイ」。

 それでも10メートルは平然と有りそうなその海蛇の姿を呆然と見つめてしまう。

 

「なん、だ、こいつ……!?」

「グルルルル……」

 

 そんな俺を置き去りにするようにして、海面から飛び出した海蛇は弧を描くようにしてまた海に潜っていく。

 さっきと同じように水面下から奇襲を仕掛けて、俺を食おうとするのだろう。

 

 さながら「まな板の上の鯉」ならぬ「海の上の遭難者」ってところか。

 数秒後に訪れる光景を考えると、思わず足がすくんでしまった。

 このままなにもできずに食われるのを待つだけ……そんな絶望感が襲いかかり――

 

 

 

「――――――――ふはっ」

 

――だが、それ以上に「俺」を餌扱いしやがるこの魚野郎になんでか分からないが「()()」が浮かび上がったのである。

 

 

 

「上等ッ!! 食えるもんなら食ってみやがれよ魚野郎!!! 今日の飯はテメェだッ!!!!」

 

 そう盛大に啖呵を切りながら、海を悠々と泳ぐ魚野郎に向けて、オール代わりに使った大剣を構え……

 

 

「ぶった切るッ!!!! 『海割(カイワレ)』ッッッ!!!!!!」

 

 

――全力で大剣を振り回してしまったのである。

 

 

 

――その瞬間、魚野郎もろとも海と空が割れた。

 

 

 

「グギャッ――――!?」

「………………………………………………………………………………………………………………………はえ?」

 

 海が大きく割れたせいでできてしまった空白を埋めるように、海水が割れ目に殺到する。

 そのせいで波が荒れ狂い、魚野郎はおろか、俺の乗っていた小舟も巻き込まれてしまった。

 

 

「は、ちょ、がぼぼぼぼぼぼぼぼぼっっっ!?」

 

 

 こうして、俺は気を失ったのである。

 

 

 


 

 

 

「……というわけだ。分かったか少年少女。よく分からんテンションのまんま行動しないように」

「えー!? そんな間抜けな理由で溺れてたの!?」

「間抜け言うな()()少女! こっちだって必死だったんだよ!! なぁ()()()! お前は違うよな!?」

「お前馬鹿だなー」

「助けてくれシャンクス! このガキンチョども容赦ねぇ!!」

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