Devil's Never Cry   作:NEØ

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世界総人口の8割が個性と呼ばれる異能を持つ特異体質となった。

個性は人の数だけその形を変える。

そんな千差万別の力を人が持つ今の時代に存在する都市伝説がある。

 

彼かあるいは彼女か実際にあった個性黎明期に実在したと言われている。

他者の個性を奪い与える力を持つ、そんな馬鹿げた力を持って悪行の限りを尽くしその時代に君臨していた魔王が存在すると…。

個性という異能が当たり前となった今の世の中は空想が現実となり、一都市伝説も現実味を帯びている。

 

さて、個性黎明期に存在していた魔王よりも遥か昔から存在しており、人類に仇なしていた存在がいる。

それが、悪魔だ。

伝説や神話、コミックや小説、そんなフィンクションでは無く、実在しているとしたらどうだろうか。

 

これはそんな悪魔によって運命を変えられた1人の少年の歩む英雄の行路だ。

 

 

 

 

 

 

 

▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶

 

 

吹く風がツンと肌に刺さりながら日本の冬の寒さを感じながら僕は目の前にそびえ立つ巨大な校門を見る。

 

「うぅ…寒い……それにしても大きいな……」

 

「邪魔だデク…」

 

「あ、かっちゃん。今日はお互い頑張ろうね」

 

「だーってろクソナード」

 

「相変わらずだなぁ…」

 

 

 

 

雄英高校、今を輝くトップヒーロー達を多く輩出した名門校。

その中にはNo.2ヒーロー『エンデヴァー』や、No.1にして平和の象徴『オールマイト』も居る。

ヒーローオタクにしてオールマイト信者としては憧れの場所だ。

 

そんな雄英高校の入試の説明を担当したプレゼントマイクの説明を受け実技試験の会場へ向かった。

ちなみに折寺中から雄英を受けたのは僕と幼なじみの爆豪勝己…通称かっちゃんだ。

 

 

 

 

 

 

校門でも感じていたけど…雄英はとりあえず何でもでかいなぁ。

何ブロックかに分かれているとは思えないほど大きく広々とした会場。

もはや1つの街なのでは?と思うほどの光景に乾いた笑いが零れる。

 

 

『ハイ!スタート!!』

 

「「「「「は……?」」」」」

 

プレゼントマイクの声が響き渡る。

あまりの唐突な開始の合図に会場に居た受験生達は目を点にしていた。

 

『どうしたぁ!?実践じゃカウントダウンなんざねぇんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げられてんぞ!!?』

 

確かに驚きはしたけど、やる事は変わらない。

この試験を突破して僕はヒーローとしてのスタートラインに立つんだ。

 

脚に力を集中しそれを解き放つ。

それだけで会場に居た誰よりも早く標的の元に辿り着く。

 

『標的発見!ブッ殺』

 

「見えてるよ」

 

ビルの間の路地裏から飛び出してきたロボットに拳を放ち一撃て粉砕する。

今回の試験は数ポイントに別れたロボットを仮想敵に見立てた実技試験だ。

如何に迅速に多くヴィランを倒すことが出来るか……

 

「……はは」

 

思わず笑みがこぼれる。

あの人達に出会う前の僕だったら足がすくんでまともに戦えなかっただろうな…

 

仮想敵の攻撃のよって折れたガードレールから1本鉄の棒を取るとそれを振るう。

 

「よし、即席だけど…充分かな」

 

そうして僕は次の標的を求めて駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着実に会場の仮想敵が討たれていくのを見て少し焦りを感じていた。

父と母の助けになるべく上京し、ヒーローの名門校の戸を叩いた。

 

「頑張らな…」

 

行く先々で仮想敵を鉄の棒1本で容易く粉砕する少年を見てレベルの高さを感じると同時に不安が募っていく。

自分の保有ポイントを確認して駆け出そうと1歩踏み出した時だった。

 

「いったぁ……」

 

背後から現れたビルを易々と超える巨大な体躯の仮想敵によって倒壊した建物の瓦礫の下敷きになってしまった。

そんな状況はお構い無しに巨大な仮想敵…0P敵はその拳を振り上げ…

 

(私、このまま死ぬんかな……)

 

「父ちゃん…母ちゃん…」

 

死を覚悟して目を瞑った時だった。

そっと自分の肩に何かが触れた。

 

「え……?」

 

「もう大丈夫、あとは僕に任せて」

 

声の主に視線を向けた時には既に彼は0P敵の振り上げた腕をつたって駆け上がっていた。

 

「何するつもりだ!?」

 

「無謀だろ!?」

 

傍から見ると暴挙にしか見えない彼の行動に逃げていた受験生達は足を止めて目をやる。

淡い翠色のオーラが彼の周りを形作っていく。

会場に居る全ての人が目を奪われていく。

 

 

「綺麗…」

 

「くらえ……スティンガァァァァァァ!!!!」

 

彼は翠色のオーラを纏いながら手に持った鉄パイプを突き出し飛び込む、鉄パイプとは思えない鋭い突きは0P敵の頭部を貫き大きな風穴を開けた。

 

 

「ええぇぇぇぇ!?」

「鉄パイプでどうやってあんな風穴開けんだ!?!?」

 

「すごぉ…」

 

「なんて力だ……」

 

その光景を見ていた受験生達は各々思い思いのリアクションをする中、私はただ静かに彼の後ろ姿を見つめていた。

 

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