Balance of the Gods 作:フリー123456789
2xxx年の世界では、度重なる戦争により科学技術が大きく進歩した。
その代表がAI技術とVR技術である。
AI技術の革新により、高度な軍事作戦を毎秒考案し、また高度な能力を持った無人パイロットとしての役割も担った。
同様に戦闘訓練を実施する際に、仮想敵国内で行いたいという政府の意向によりVR技術が研究され、精神を仮想空間へと飛ばすVRヘッドギアの開発に成功。このことにより、仮想敵国で実際に軍事訓練を行うことができるようになる。
これらの科学技術の進歩は、戦争を早期に終結させるには至らず、逆に戦争の長期化により国民の疲弊に繋がり、終戦後も各地で暴動や革命などが多発した。
それは日本も例外ではない。
戦争の煽りにより日本でも暴動は発生した。
対抗策も無く、他国のように革命が発生すると思われたが、当時の政府が「国民仮想空間疎開」を提案。
これは、日本がAI技術とVR技術が最先端の国であることを踏まえ、これらの技術を最大限に活かしたヘッドギアを政府が無償提供することにより、国民の怒りを抑えることが目的であった。
理想の空間を無料で提供してくれた政府に対し、国民の怒りは終息。
日本はこの成功例を世界に向けて提唱し、各国は採用。
最初は相手にされなかったが、成功した国がじわじわと出てくると一変して世界各国は日本を称賛するようになった。
このような歴史を持つVRヘッドギアを日本の企業はゲームへと組み込むことを決定。
その名も ”Balance of the Gods”
通称BoG。
地球規模の世界の広大さ。
膨大なスキル。
高度に発展したAI技術によりPCと変わらないNPC。
情報共有を敢えて掲示板にすることにより、不便さを楽しめる。
以上の要素が組み込まれたことにより、ベータ版時点でサーバーがダウンするということが起きた。そのため、正式リリース後は、抽選となった。
桜木彼方もまた、正式リリース1か月後にログインすることとなった。
彼方は大学での入学式の際、対人恐怖症を発症してしまい、上手く友人を作ることが出来なかった。
「友人ができずに卒業してしまう! ましてや彼女なんか無理だ!」
どうにかして人間と会話だけでも出来るように訓練しようと思いながらSNSを見ていた彼方であったが、そこに1つの記事が目に入る。
「ん? ”Balance of the Gods”? ああ、人気のあまりベータ版の時点でサーバーがダウン、そんで正式リリースも抽選になったやつ。
ボクもやりたくて応募したけど外れちゃったなぁ。ゲーム好きだから冒険しながら対人恐怖症を克服したかったなぁ」
そうして彼方は記事を飛ばそうとしたが、誤って触れてしまったことにより記事を開いてしまった。
どうせ出来ないから辛いだけだと思った彼方であったが、誘惑に負けてしまい最後まで読む。
「はぁ。辛くなるだけだってわかってるのに。それにしても広大なフィールド、莫大なスキル。これだけでゲーマーならやりたくなるのに、ボクたちと変わらないぐらいのNPCでしょ? やりたいよぉ。」
彼方はやはり辛くなっただけだと思い記事を閉じようとするが、その際に第二陣参加抽選会というリンクが出てきた。
ゴクッ
唾を飲み込む彼方。
「よし。願ったって仕方ない。もう一度応募するぞ!」
応募することにした彼方であった。
数日後。
「よっしゃー!!!」
BoGの第二陣参入抽選会に受かっていた彼方は心の底から喜ぶ。
「これでボクもBoGができる! まてまて。
あくまでも対人恐怖症を克服するためのツール。ゲームが目的じゃない。」
そう自分に言い聞かせる彼方だが、目的を置いて楽しむことになるだろう。
だが、彼方がこのように喜ぶのも無理はない。
第一陣の段階で1万人、続く第二陣は5万人の枠であるため実に狭き門である。
受かった者たちは、日常生活を置いて仮想空間に精を出すようになる事例がほとんどである。そのため、この結果が彼方にとって良かったのかは分からない。
抽選が受かったことを確認した彼方は、講義終了後急いでマンションへ帰った。
彼方は地方の大学へ通っているため一人暮らしをしている。
この時代では珍しく家族愛が深いため、毎日朝起きた時に両親に電話をしている。
ヘッドギアを装着し専用のベッドで仰向けになる彼方。
「よし! 準備完了! いざBoGの世界へ!」
ヘッドギアが音を立てて起動する。
どうもフリーです。
別作品、アナザー・ワールドの改正版です。
こっちをメインにします。
AWに関しては、「連載を適当に始めるとこうなるぞ」という自分への戒めの為に残しておきます。