謎の映画監督の物語 無の映画監督   作:dwwyakata@2024

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界隈が混乱すれば、その利権に食い込んで暴利を貪っていた連中が没落するのは世の常です。


2、消えゆく黒い影

大物人権屋の一人が、米国で逮捕された。

 

映画業界の利権に食い込み。

 

ポリコレを指嗾して映画文化を無茶苦茶にしていた一人である。

 

此奴は色々なスポンサーと結託し。

 

更にはポリコレ思想で洗脳した手先を多数騒がせて。

 

結果として、映画業界を滅茶苦茶にしてきた張本人の一人だ。

 

本人はあくまで慈善活動家として振る舞っていたが。

 

此奴が金を寄付していた孤児院は、いわゆるヒットラーユーゲントに等しい子供達を育てる場所で。

 

此奴の思想のままに動く兵隊を育成するための洗脳施設だった。

 

金さえ払えば、殺人犯でも平然と裁判に勝つことができ。

 

野放しになる。

 

それが当たり前になっている米国ですら。

 

ついに此奴の悪行は看過できないとなったのだろう。

 

そして此奴の資金源の一つである国が。

 

近年急激に経済悪化してきていることも、逮捕の一因となったようだった。

 

何より警察が逮捕に踏み切ったのは。

 

この外道が資金難に陥り。

 

まともな弁護士を雇えなくなった、というのも大きい。

 

まあ逆に言うと。

 

此奴が金を持っているうちは、手出しが出来なかった。

 

「弁護士は雇い主を勝たせるのが仕事」。そんな寝言をほざく連中が、米国という国を犯罪者天国に変えた。

 

元々犯罪組織の力が極めて強い国ではあったが。

 

それを更に滅茶苦茶にした。

 

アルカポネは冤罪で、裁判をやり直すべきだとかほざく畜生以下が未だに実在している国である。

 

あの直接的間接的に殺した人数は数百人どころでは無い鬼畜を、だ。

 

そんな国なのだから。

 

一つの文化を滅茶苦茶にし。

 

自分の手先を多数育て上げ。

 

やりたい放題に邪悪を尽くしていた輩が野放しにされていたのも。警察が手出しできなかったのも。

 

仕方が無かったのかも知れない。

 

ただし。いざ裁判に勝てるとなると、警察の動きは速く。

 

この外道は早速逮捕され。

 

そしておぞましい背後の実態がどんどん暴かれていった。

 

これにより。

 

ハリウッドは文字通り灰燼と帰した。

 

それはそうだろう。

 

スポンサーの大半が、こいつと関係を持っていたことが判明。

 

それどころか、大規模な枕営業の斡旋や。

 

更には、気に入らない監督を干すどころか、自殺にまで追い込む。

 

気にくわない俳優も、同じように処す。

 

マフィアやらギャングやらを動かして、気に入らない人間を五十人以上暗殺し。

 

挙げ句の果てに。

 

上院議員に対して、膨大な献金をしていて。

 

将来的には大統領になる事まで目論んでいたのである。

 

FBIも前から捜査はしていたらしかったのだが。

 

金がありすぎて、逮捕してもどうせ弁護団を大量に雇われて、有罪に出来ないのが確定だったらしい。

 

故に手が出せなかったのだが。

 

昨今の映画業界の大混乱で、どんな映画が売れるか全く分からなくなり。

 

更には此奴が推していたポリコレ作品が悉く大爆死したこともあって。

 

ついに御用となったようだった。

 

高宮はニュースを見て、ふーんと呟く。

 

まあこの手の奴は、今後どんどんあぶり出されていくだろうな、と思う。

 

主に邦画と、欧州の映画界隈を灰にした高宮だが。

 

ついにその影響が。米国の映画界隈にまで波及したと言える。

 

逮捕された奴は、にやついたまま警察に連行されていたが。

 

警察は周囲に武装したSWATを配置。

 

ぎゃいぎゃい喚いている脳みそが空っぽのポリコレ思想家どもを遠ざけていた。

 

本気度が伺える。

 

これは、ハリウッドの方でも相当な混乱が続くだろうな。

 

そう思ったが。

 

ハリウッドはハリウッドで。

 

脚本には特定の決まりがあるとか。そういう風なマニュアルを整備しておきながら。

 

それでいて、確実に稼げる訳でもなく。

 

特に日本作品を原作とした作品は、外れ率も高く。

 

ある有名な格闘漫画などは、実写化が記録的な駄目映画と化してしまったこともある。

 

無論成功例も複数あるが。

 

それはそれ。

 

いずれにしても、既得権益が上澄みを独占し。

 

やりたい放題していたという点では、邦画と同じ。

 

いや、既得権益層がやりたい放題をするようになると。

 

世界のどこでも。

 

どんな文化でも。

 

腐敗するのは、きっと同じなのだろう。

 

いずれにしても、今回逮捕された腐れ外道が動かしていた金は10兆円を超えるとか言う話で。

 

今回の捕り物で芋づるになる逮捕者は、数百人になるだろうという話だ。

 

その中には有名な映画監督も複数含まれている。

 

米国の映画関係の話題が、SNSのトレンド上位を独占している。

 

まあそれはそうだろう。

 

既に発見されている多数の遺体の中には。

 

ある時期から不意に姿を見せなくなった俳優などもいて。

 

この辺りは、邦画の闇が完全に暴かれて。

 

警察のメスが入った時と、同じ状況だった。

 

どこも同じなんだな。

 

呆れて、高宮は嘆息した。

 

昼休みの休憩終わり、である。

 

そのまま、撮影に移る。

 

副監督である北条は、高宮のやり方を黙々とみて。時々休憩時間に質問をしてくるけれども。

 

それ以外は、言われない限り一切動かなかった。

 

これは指示待ち人間とかそういうことではない。

 

高宮が、映画開始前に説明したのだ。

 

今回、北条は勉強のためにここに来ている。

 

副監督ではあるが、基本的に今までの映画撮影でもそうだったように。高宮は映画で副監督を使わない。

 

何故来ているのか。

 

それは簡単な理由で、未来の人材が必要だからだ。

 

今いる人間だけで満足していると、その業界は滅ぶ。

 

これはどんな文化でも同じだ。

 

既得権益層が固定化されると。

 

どんな文化でも腐敗し。

 

高尚にしたてあげられ。

 

そしてやがて誰も見向きもしなくなっていく。

 

だから、今後のために、どんどん若手の育成をする。

 

勿論、地力でどんどん映画業界で実績を上げている若手もいる。

 

だが、そういう若手が勝手に育ってくれることに期待するのは、はっきりいって極めて身勝手だ。

 

人間は育成されなければ、猿と同じ。

 

人間の本性なんて、猿以下なのだ。今回の事件を見ても分かるように。

 

だから、人間たるべく。

 

教育は必要となる。

 

高宮にできる事はあまり多くは無いが。

 

それでも、時代の育成に手をかせるなら、そうするだけ。

 

ただそれだけである。

 

そう説明したのだ。

 

そして北条にも、一切余計なことをせず。やり方だけを観察して覚え。その中から、自分で強みに出来そうなところだけを真似しろ。

 

そう説明しておいた。

 

だから北条は、ずっと座って様子を見ている。

 

この行儀の良さ。

 

石山を思い出すな。

 

石山も、取材の時は本当に静かにしていて。

 

メモを熱心に取っていたっけ。

 

取材の時も、きちんと時間を決めて。その時間に沿って丁寧な取材をしていた。

 

あれは相当に練り込んだ上でやっていた。

 

特権階級と自分を錯覚した新聞記者にできる事では無かった。

 

もう記者では無かったともいえる。

 

北条は、時代の映画監督ではあるが。

 

いずれ、石山と同じような。

 

枠組みを超えた存在になれるだろうか。

 

それについては。ちょっと分からなかった。

 

そのまま、高宮は撮影を続ける。

 

あまりNGは出さないが。それでも俳優達は真剣極まりなく演技をしている。

 

それはそうだろう。

 

もしも変な演技をして、NGが出無かった場合。

 

その恥が、一兆円の興行収益をたたき出す高宮映画で。

 

大スクリーンで、膨大な人が見るのである。

 

そう考えると。

 

とてもではないが、巫山戯た演技なんて出来ようがない。

 

気合いが入った演技を横目に、北条を見る。

 

役者を発憤させるやり方に感心しつつ、メモを取っているのだろうか。

 

ともかく、非常に高い熱量が感じられ。

 

このましいと、高宮は思った。

 

「はいカット。 休憩十七分。 次はシーン118」

 

わっと俳優達が散る。

 

スポーツドリンクを口にするもの。

 

脚本を見に行くもの。

 

ストレッチをするもの。

 

様々である。

 

発声練習をしに行く者や。

 

のど飴を口に放り込む者など。

 

様々に別れる。

 

それを誰も止めない。

 

演技だけすればそれでいい。休憩時間に何をして過ごそうが自由。

 

これについては、高宮が何度も何度も現場で言っている。

 

勘違いしている奴が、怒鳴ったりした場合。

 

即座に追い出す。

 

これも昔から方針は変わっていない。

 

高宮映画の現場はある意味ホワイトだが。

 

ブラックにしようとする奴がいた場合は、容赦なく追い出される。

 

そういう話も伝わっているのか。

 

大道具やら照明やらの監督も。

 

役者とは、出来るだけ静かに話すようにしているようだった。

 

一方で、スタジオの向こうの方では、怒鳴り声が聞こえている。

 

高宮はふらっと其方にいくと。

 

顔を真っ赤にして怒鳴っているどこぞの監督の肩を叩く。

 

俳優は泣いているのに、まだ怒鳴っているその監督は。手を払いのけて振り返ったが。それで、高宮の不審者全開の姿を見て、絶句したようだった。

 

そりゃあそうだろう。

 

映画関係者界隈では、高宮が不審者その者の姿をしていることは誰だって知っている。

 

そして、容赦もしないこともだ。

 

「こ、これは高宮監督……」

 

「怒鳴るならよそでやってくださいね。 もしも撮影中に貴方の声が入り込んだ場合、此方も法的措置を検討しますので」

 

「ひ……」

 

「それではいい映画を撮ってください」

 

その場を離れる。

 

腰を抜かしたらしいおっさんの監督が、その場でへたり込む。

 

俳優は何度も涙を拭っていたが。高宮がふらっと行くと、頭を下げていたようだった。

 

まあいい。

 

あれで静かになるだろう。

 

現場で怒鳴るような奴はいらない。

 

監督だから偉いとか勘違いしているのなら、なおいらない。

 

此処に偉い奴なんて誰もいない。

 

誰もが役割を分担しているだけの事だ。

 

それを理解していない奴がブラック労働環境を作る。

 

社長だって別に偉いわけでも何でも無い。

 

それが責任は部下に押しつけ、権利だけを主張するようになるから、ブラック企業になる。

 

高宮は、自分がいる場所を。

 

ブラック企業にするつもりはない。

 

高宮が席に戻ると、休憩時間は丁度終わった。

 

そのまま、撮影に入る。

 

まあまあ順調だな。

 

そう思いながら、高宮は。

 

映画の撮影を、淡々と続けた。

 

 

 

定時で撮影を切り上げる。

 

これについては、もはや高宮映画の現場における常識となっているのだろう。皆、不安そうにもせず、帰宅していく。

 

また、現場に残る事も禁止している。

 

スタジオの利用スケジュールというのは結構面倒くさく組まれている事が多いからだ。

 

スタジオで役者だの何だのがぺちゃくちゃしていたら。

 

他の時間帯で利用スケジュールを組んでいる人間が迷惑する。

 

だから、撮影が終わったら即座に帰るように。

 

そう指示している。

 

まあスタジオから帰れば、あとは自由だ。

 

カラオケでも何でも好きに行けば良い。

 

翌日に響かないなら、それは自由だ。

 

高宮も、SPに周囲を囲まれながら、車で自宅に戻る。

 

北条は一礼すると、電車で帰るべく、駅に向かったようだった。

 

車に乗ると、後は自宅に。

 

今日はテレビ会議をすることを告げていたし。

 

別に問題はないだろう。

 

そのまま自宅に着くと。

 

テレビ会議の時間まで、情報を見て過ごす。

 

ハリウッドでは、幾つかのスタジオが半分閉鎖状態だそうだ。

 

まあそれはそうだろう。

 

あれだけの大きなスキャンダルがあったのだ。

 

一部では、反ポリコレの大規模暴動まで起きているらしい。

 

ポリコレ関連のスポンサーをしていた企業に色々飛び火しているらしく。

 

向こうの人達は血の気が多いなあと、高宮は苦笑した。

 

もっとも。

 

彼方は、貧富の格差が尋常では無い。本邦だって酷いけれど、その比では無いレベルで酷い。

 

こう言う機会に、ただ暴れたいだけ。

 

そういう人も、たくさんいるだろう。

 

そこら辺は、高宮だって理解している。だから、そういう事に首を突っ込むつもりはなかった。

 

テレビ会議を始める。

 

幾つかの連絡事項をしたあと、井伊が切り出す。

 

「日本最大の暴力団が、映画から手を引くことを決めた様子」

 

「お……」

 

「米国の大スキャンダルが切っ掛け。 どうやらリスクが大きすぎると判断したみたい。 事実マル暴が既にかなりの暴力団員を逮捕している。 シノギとしては美味しくないと判断したとみていい」

 

「任侠組織だと勘違いしてるアホも今時いないだろうけれども。 犯罪組織ってのは結局ビジネスで動くんだねえ」

 

「それについては昔からそう。 伝説になってる任侠だって、実態はただの知的犯罪者」

 

ずばりという井伊。

 

まあ実際それはそうだ。

 

任侠のレジェンドである国定忠治だってそれは変わりない。

 

マスゴミが昔からマスゴミだったように。

 

任侠なんてものは、昔から実態のない張りぼてに過ぎなかったのだ。

 

「いずれにしても、これで多少は動きやすくなるかな。 海外の犯罪組織も、映画はリスクが高いと思ってるでしょうし」

 

「それはそう。 ハリウッドの件で、特に中華関連のマフィアが大きなダメージを受けて、幹部が何人か失踪した。 多分消されてる」

 

「詳しいね」

 

「コネを拡げて、FBIに知り合いもいる」

 

そうかそうか。

 

それにしても中華マフィアか。

 

何というか、近年の露骨な関係が見て取れて、苦笑いしてしまう。

 

いずれにしても、ポリコレだとか言う腐った代物。自由を歌いながら、自由をこれ以上もなく圧殺する腐った思想は。

 

これで一段落するだろう。

 

後の時代には、暗黒時代として知られるだろうな。

 

そう思うが。

 

敢えて此処では口にしない。

 

此処にいる同志達は。

 

皆そういう高宮の考えについては、理解しているからだ。

 

「ただ、映画業界はかなり今戦国時代として過熱しています」

 

石山がいう。

 

この間石山が記事を書いてくれた。

 

注目すべきインディーズ映画と監督について、だ。

 

インディーズ映画は、今全盛期にあるとみて良い。

 

石山がそれについて記事を書いたが。

 

はっきりいって、その辺のカストリ雑誌では比較にならない精度の代物で。映画ブログの筆者がこんなの書かれたらうちに誰も来なくなると嘆いていた程だった。

 

まあそれは、石山は映画を十回は見てから記事を書くようにしているようだし。

 

一回だけ適当に映画を流し見して、記事を書くような「クオリティペーパー」の記者とは違う。

 

あからさまなバトルヒロインを「守られる系の女の子」とか抜かして顰蹙を買ったその手のアホ記者が存在していたが。

 

まあ一回流し見しただけでは、そんな風な感想しかでないだろう。

 

記者なんてものが如何に腐りきっていて。ついでに見る目もないか。何より客観性という概念もないか。

 

それだけで一発で分かる程だ。

 

「今後、焼け野原になった権威はもう復権できないでしょうが、そのうち映画史上は再び爛熟に入ります。 イノベーションというのでしょうか。 いずれにしても、高宮監督がやったことの結果です。 その爛熟したときに、注意しないとまたあっと言う間に既得権益が出来て。 そして犯罪組織が其処に関わろうとするでしょうね」

 

「ふむ、それに備えておくべきだと」

 

「そうなります。 今、丁度伝説の火の鳥のように、映画業界は一度灰になって、其処から蘇ろうとしている状況です。 ですので、今後はどういう人材が育つかで、衰退するか発展するかが決まります。 自浄作用が出来るか出来ないか、もね」

 

今、状況を牽引しているのは高宮だ。

 

もしも高宮が腐敗を肯定するような映画を作れば。一気に業界は腐敗するだろう。

 

またスキャンダルが発生した場合。

 

一気に映画業界がそれに引きずられて、数十年は再起不能になるだろう。

 

そう、石山はいう。

 

その通りだと思う。

 

高宮も、それについては同じ分析をしている。

 

小野寺が挙手。

 

そのまま、話を聞く。

 

「それで高宮監督。 あなたはどうしたいんですか?」

 

「勿論、映画業界には健全に発展して貰いたいって思ってるよ」

 

「お金が動けば悪い人もたくさん動きます。 私もここしばらくで、随分それを見てきました」

 

「それについては分かってる」

 

高宮の個人資産に集ろうとしている奴はまだいる。

 

今の時点でガードがガチガチなので暴力団員は攻めあぐねているようだが。

 

井伊だけでこのまま守りきれるかどうか。

 

また、週刊誌とかは高宮に個人的な恨みも抱いている。

 

隙が無いから今まで一切合切飛ばし記事を書きようがなかった。その上、法的措置が容赦ない事も知っているから。迂闊に手を出せずにいる。

 

だがマスゴミどもが結託すれば。

 

何かとんでもない飛ばし記事を書いてくる可能性もある。

 

勿論、その時には備えているが。

 

対策に失敗した場合は、覚悟しなければならないだろう。

 

「いっそのこと、この資産手放すかな。 使い路がないし」

 

「止めた方が良いとおもう。 下手に金を手放しても、金は動くだけ。 場合によっては行き先の人を不幸にする」

 

「そういうものか……」

 

「そういうもの。 高宮監督は、現時点でも各地の孤児院に充分な寄付をしているし、それで充分」

 

そっか。

 

高宮は金をきちんと使えていると、井伊は太鼓判を押してくれているわけだ。

 

まあそれなら、それでいい。

 

最後に、日野に話を聞く。黒田は、こういう話には興味が無さそうだった。実際高宮は、黒田の要望には応えてどんどんリッチな環境を用意しているのだから。

 

「日野さんは今後どうしたい?」

 

「悪い人とは関わり合いにもなりたくないです。 ただ、色々な映画に出て、色々な役に挑戦してみたい」

 

「分かった、じゃあそれはこっちで便宜を図るよ」

 

「お願いします」

 

テレビ会議を終える。

 

日野は辛そうだったな。

 

それはそうだろう。

 

元々演劇マシーンなんて劇団時代には言われる程、俳優という仕事に命を賭けている人間だったのだ。

 

その事もあって、俳優時代には随分辛い思いもした様子である。

 

それは高宮も調べて知っているし。

 

今更掘り返すつもりもない。

 

もう少しで、映画業界は戦国時代から。盛り返すかそのまま終わるかが決まる。

 

権威が崩壊した後のこの世界は。

 

今後はどうなるか、高宮にだって分からないのだから。

 

いずれにしても、今映画業界は白い。

 

黒い影からの束縛は、やっと消えゆくある。

 

この後どう染まるかは。

 

まあ、今いる人次第だ。

 

高宮には、そういう意味では大きな責任がある。

 

今後、また真っ黒な。

 

闇の時代を到来させないためにも。

 

高宮には、責任のある行動が求められる。

 

政治家のように動く必要は、一切無いだろう。

 

だけれども。

 

それはそれとして。無為な行動を取るわけにはいかない。

 

それは、高宮も。

 

しっかり理解は出来ていた。

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