東国の令嬢に転生したので世界を平和にすることにした。 作:あゆなみ
ある日の図書室。
再来週に中間テストを控えている私はここで必死こいてデミーくんと勉強していた。
ちなみに必死こいてるのは勿論私だけである。
最初の方こそ前世の知識で何とか高得点が取れていたが、学年が上がるに連れてそれじゃあカバーしきれないくらい難しくなってきた。
特に国語や歴史、外国語、古語などは意味が分からない。
全教科ほぼ満点の実力を誇るデミーくんは教えるのもとても上手い。おかげで何とか2位をキープ出来ている。
ある程度理解出来てきたので帰ろうかと考えているとアルトがやって来た。
「お姉様方。少し分からないところがあったので教えて欲しいです。」
どうやらアルトは私を待つついでに一人で勉強していたようだ。
いい子すぎて涙が出てくる。
アルトは元々頭が良いのですぐに理解してしまい、帰る支度をする。
「そういえばデミーくんはダミアンくんに勉強教えたりしないの?めっちゃ喜ぶと思うよ?」
そう聞いてみるとなんだかビミョーそうな顔をした。
基本的にデズモンド家はあまり仲が良いとは言えない。
デミーくんもお母様とはたまに話すようだがそれ以外の家族とは...特にお父様の方とはあまり連絡を取りあっていないようだ。
寮生というのもあるのかもしれないが、それにしてもという感じである。
ダミアンくんは一生懸命家族と関わろうとしているみたいだし、せめて兄弟だけでも良好な関係になって欲しい。
「そうだ!じゃあ明日ダミアンくんも呼んで4人で勉強会しよ!」
思いきってそう提案してみる。
「アルトももっとクラスの子と仲良くして欲しいし、私が誘うのもあれだから…2人のどっちか誘っといてくれない?」
そういうと2人ともちょっと嫌そうな顔になった。
何とか頼み込んでアルトが誘ってくれることになり、その日はその場で別れて帰った。
翌日の放課後...自習室の個室っぽいところに4人で座る。
この学校広すぎてとにかくなんでもある。1つの町みたいだ。
ダミアンくんがそれはもう緊張してそうなので、とりあえず会話から始めることにした。
「ダミアンくん!そういえばこの前図工の作品で金賞とってたね!おめでとう!」
「あぁ...ありがとうございます。」
ダメだ。まだめっちゃ固まってる。まぁ無理もないかもだけど...
「あの作品。フォージャーさんと一緒に作ってましたよね。彼女にも感謝しなきゃですね!」
アルトが笑顔でとんでもない事実を言い出した。
「ええ!!そうなの!?」
前からなんかそんな感じはしてたがもうそんなに仲良くなっていたとは...
「はぁ!?ちげーよ!いや違くねぇけど、あいつが勝手に手伝ってきただけだし...」
なんて言いながら顔を赤く染めている。
すっかりダミアンくんが勇気を振り絞って誘ったのかと思ったが...どうやら違うようだ。
「まっまぁとりあえず勉強始めようか。2人は分からないとことかがあったらすぐ聞いてね!全力で教えるから!」
そう言うと3人はすぐに勉強しだした。やはり優秀な子は勉強モードに入るスピードが違う。
私ならもっとぐーたらしてからやっと重い腰を動かして準備するというのに...
ダミアンくんは先程の会話で少し気持ちがほぐれたのかちゃんと集中出来ているようだった。
あとの2人はまぁそんな心配してなかったのでいいとして、私も負けじと勉強し始める。
ダミアンくんは国語が苦手なようでその辺の質問が多かったのでデミーくんに教えさせた。
最初こそ緊張しながら聞いていたダミアンくんだが少しづつどこか嬉しそうな顔になっていく。
デミーくんがどう感じてるのかは分からないが、これで少しは話せるようになれたらいいな〜と願う。
それからあっという間に時は流れ今日は中間テストの結果発表だ。
この学校では順位や点数などが貼り出されているのでそれを見に行って確認するシステムになっている。
勉強苦手な子に対して人権なさすぎんか?とも思うがまぁ実力主義なとこもあるし時代的にも仕方ないのかもしれない。
私は何とか2位をキープ出来ていた。1位は言うまでもないがデミーくんだった。
勉強も教えたことだし一応初等部の成績も見に行こうと思い、無理やりデミーくんを引き連れて見にいく。
どうやらアルトは国語で、ダミアンくんは歴史で1位をとれていたらしい。
2人とも星を獲得していて一人で大喜びした。
アルトはどうやらデミーくんがダミアンくんに教えているのを聞いて国語の問題が解けるようになったらしくデミーくんにお礼をしに行っていた。
両親から引き継いだのであろう頭の良さを目にしながら二人が皇帝の学徒になれる日も遠くないのかな、なんて思う。
そういやもうすぐ懇親会もあるし、皇帝の学徒としての仕事とか頑張ろ!と誓うのだった。