東国の令嬢に転生したので世界を平和にすることにした。 作:あゆなみ
この学校で何十回目かの入学式。
皇帝の学徒専用の席から会場を見つめる。
今日は私達の弟の入学式だ。
毎年、、、というかは皇帝の学徒になってから入学式のお手伝いはしていたが、やはり弟が入学してくるとなるといつもとワクワク感が違う。
まぁ私達は最短記録でスカラーになったので手伝い始めたのは初等部5年生からだが、、、
「私達の弟同じクラスになるかな?」
「、、、中等部2年にもなって落ち着くことも出来ないのか?商家の娘とはいえ、一応令嬢だろ?」
「うるさいなーいいじゃん別に!」
デミーくんはだんだん心を開いてくれたようで、最近では私にだけ色々話してくれるようになっていた。
まぁそれも普通の人より圧倒的に少ないが、最初と比べるとかなりの成長である。
「それにしても、ダミアンくん1人で座ってる、、、貴方の両親警戒心強すぎない?」
「、、、警戒心が強いと言うか興味無いんだろ」
デミーくんが少しだるそうに告げる。
「俺はあの家族はよく分からん。考えるだけ無駄だ。」
「もう!またそんなこと言って!考えて歩みよるのも大切だよ!」
デミーくんは人に興味がないというよりかは頭が良すぎるからなのか、家族がちょっと変だからなのか、人の行動などが理解出来なくて考えるだけ無駄だと思っている感じなのだと何となく思うようになってきた。
「、、、歩み寄りたくても家には弟以外ほとんどいないし、冷たい態度をとられても懐いてくる弟もよくわからん。特に父上とは昔は勉強を教えて貰っていたが、今では懇親会の時しか話さなくなった。」
「その話だと、、、まーだダミアンくんと上手く話せてないの?」
「、、、」
「黙り込まないで貰えます?」
「、、、すまない。」
おい!マジかよこの兄ちゃん!弟も寂しがってるだろうに。
「まぁいいや。こればかりはもう仕方ないし、今度2人で1年生の教室に遊びに行こ!」
そんな会話をしていると、私の弟の名前が呼ばれた。
『アルト・クラリス』
「お!1年3組だ!」
緊張しながら歩いている弟を微笑ましく眺める。
本当に可愛い私の弟。
前世で反抗期の妹にいじめられる日々を思い出すとことさら可愛く思えてしまう。
その後ダミアンくんの名前も呼ばれ、同じクラスだったことに喜んでいると、気になる名前が呼ばれた。
『アーニャ・フォージャー』
「フォージャーさんの娘さんだ。」
「、、、なんだ?知り合いか?」
私が突然そんなこと言うので疑問に思ったらしいデミーくんが質問してきた。
「うん、、、話したことある訳じゃないんだけど、私が管理してるバーリント総合病院の精神科に最近医者として働き始めたロイド・フォージャーさんって人がいて、、、」
「、、、お前病院管理してるのか?」
「病院というか人事みたいな仕事手伝ってる。皇帝の学徒になってからは親の仕事を少しずつ手伝えるようになってきたの。」
「、、、そうなのか。」
保護者席に座っているあのイケメンがロイドさんかーなんて思って見ていると、急に何となく目があった気がした。
結構離れてるのに、目が合うわけないか。
そうこうしてると担任が発表された。
『担任はヘンダーソン先生です。』
「ヘンダーソン先生初等部の担任してる!」
「、、、面接の時にスワン先生殴ったらしい。」
「へー!以外!でもスワン先生あんまり好きじゃなかったから別にいいや。なんか人の不幸祈ってそうで嫌だったんだよねー。」
「、、、まぁそんな感じはあったな。」
なんて会話をしているといつの間にか入学式は終わり、学校案内になっていた。
私達は別の場所で待機して後で弟達に会いに行くことにした。
この時はまさかダミアンくんがアーニャちゃんに殴られて来るとは思いもしなかった。