東国の令嬢に転生したので世界を平和にすることにした。 作:あゆなみ
「へー。それでアーニャちゃんに殴られちゃったんだ。」
「、、、そうだよ」
イーデンの敷地内にある保健室の中。
私はアーニャちゃんに殴られたらしいダミアンくんの頬の手当てをしていた。
少しぶっきらぼうになっているダミアンくんを可愛いなーと思いながら手当てする。
皇帝の学徒の特権で私は保健室の鍵を所持しており、休み時間にそこで休憩したり、その時やってきた生徒の怪我の手当てや看病をしている。
ベットのシーツ交換などもしているため、養護教諭さんには感謝されている。
そして養護教諭さんの休みが増えた気がする。
私とデミーくんは保健室で待つことにし、2人で椅子に座って話していると、なんとダミアンくんが殴られたといって運ばれてきたのであった。
「、、、お前は何をしてるんだ。」
「兄上すみません。」
兄弟の会話とは思えないような内容に少し呆れる。
「ダミアンくんが謝ることないよ。このお兄ちゃんいつもあたりきついよねーごめんね〜」
「あっいえそんなことは、、、」
「もう可愛いなーダミアンくんは。あっそろそろ写真撮影じゃない?みんなと合流する?」
ダミアンくんは少し考えたあとこう告げた。
「いえ。顔に傷負っているし、両親も別に来てないんで。大丈夫です。」
「そう?ならいいけど、、、」
本当に彼らの両親は何をしているのだろうか。
政治家なんてやはり気に食わない。
まぁ政治家の息子達の前でそんなこと死んでもくちに出来ないけど。
「よし!手当て完了!どうする?お兄ちゃんに寮でも案内してもらう?」
「、、、なんで俺が」
「だって男子寮だし。私入れないし。そもそも寮生じゃないし。」
「、、、まぁそうだな。仕方ない。」
そうしてデズモンド兄弟と別れた後、私も自分の家族と会い、一緒に家に帰った。
翌日、、、
食堂にて、ダミアンくんに謝ろうとしているアーニャちゃんを見つけた。
アーニャちゃんはさっきまで友達と一緒にご飯を食べていたのだが、その友達は何故かさっき急に放送で呼びだされてその場を去っていった。
(やっぱあの子悪い子じゃなさそうなのよねー。殴った理由もダミアンくんが友達の足踏んじゃったかららしいし)
ちなみにヘンダーソン先生情報である。
アーニャちゃんが涙を流しながらダミアンくんに謝る。
(可愛い〜!よく頑張ったね!)
なんて思いながら見ているとダミアンくんの顔がみるみる赤くなっていることに気づいた。
これはもしや、、、いやもしかしなくとも、、、今のでアーニャちゃんに惚れた?
そうこうしてるうちにダミアンくんは顔を真っ赤にしたままなんか色々言い散らかして去っていった。
ダミアンくんのお友達が慌てて追いかけて行く。
アーニャちゃんは謝罪を受け入れて貰えずショックを受けているようだ。
しょんぼりしてる子を放っておく訳にもいかず、声をかけることにした。
「大丈夫?アーニャちゃん。勇気出して謝ったのに、あんなに色々文句言われて去っていかれちゃ嫌だったよね。」
「うん。アーニャ嫌だった。」
悲しそうにアーニャちゃんが告げる。
「というかおねいさん。なんでアーニャの名前知ってる?今日初めて話した。」
「あ〜それはね、、、ちょっと人づてから聞いてて」
(まさか病院の勤務者リストから貴方の家族情報見ましたなんて言えない、、、)
「おねいさん。病院のえらいひと?」
突然そう聞かれて驚く。
「え!そんなことないよ!ちょっと家の仕事手伝ってるだけだよ!」
そんなことを話していると、皇帝の学徒専用の食堂からデミーくんが出てきた。
ご飯食べ終わったらしい。
「、、、お前なに子供にちょっかいかけてんだ。」
「ちょっかいじゃないよー!悲しそうにしてたから声かけただけ!」
「、、、長男?」
アーニャちゃんが突然そう尋ねる。
「長男?まぁ確かにデミーくんは長男だけど、、、」
アーニャちゃんはデミーくんを少し見つめた後、何故か不思議そうな顔をしていた。
しばらくしてアーニャちゃんのお友達がやってきたのでアーニャちゃんをそこにかえさせる。
「アーニャちゃん可愛かったね!妹に欲しいなー!」
なんてデミーくんと話していると、アルトと会った。
「お姉様。こんにちは。」
アルトは普通にクールなイケメン男子だ。
普段は大人しくてあまり言葉をはっしたりしないが、何かあった時にちょっと拗ねちゃったり、たまに見せるニコッとした微笑みがたまらなく可愛いうちの自慢の弟である。
「アルト!学校には慣れた?」
「はい。だいぶ。」
「そう?じゃあ良かった!何かあったらすぐにお姉様に頼ってね!」
「わかりました。ありがとうございます。」
こんな感じで誰にでも敬語なのがうちの弟の特徴である。
「お姉様。1つ言っておきたいことが。」
「?どうしたの?」
「お姉様の兄弟はこの先も僕だけなので、ご安心ください。それではまた。」
そうぶっきらぼうに告げるとアルトはその場を後にした。
(可愛い〜!)
そう心の中で叫ぶ私を見て、デミーくんが少し羨ましそうな顔をしていることに、私は気づけなかった。