なき王女のためのパヴァーヌ   作:maplejam

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"どんな形でもいいんだ"

"みんなと一緒にできることを探していこう"

"RPGでもよくあるでしょう?みんなの話を聞きに行こう"

"それが全部、ケイの冒険譚になるから"


鳥モドキと普通の少女

 ブラックマーケットとは、各自治区の影響がない中立地帯である。治安は最低の一言で表せるほど悪く、ゲヘナ学園とトリニティ総合学園の悪いところを混ぜた場所だというと、だいたいの生徒は近寄らなくなる。

 

 つまり、挨拶代わりに銃弾が舞い、陰謀が張り巡らされ権力者の争いが絶えない。こんなところにくるのは不良生徒と呼ばれるアウトローか、そういうことが好きな大人、普通で手に入らない物を探すモノ好き、何かしら理由があってブラックマーケットを頼りざるをえない生徒などだ。

 

 何が言いたいかというと、平凡で何の取り得もない普通の生徒だと言い張る阿慈谷ヒフミのような生徒がきていい場所ではないということだ。

 

 「それでですね、アビドスの鉄道が復活した記念のペロロ様が販売されていると聞きまして発売日に買いに行こうとしたのですが……」

 

 「桐藤ナギサに見つかって止められた、と。平日の学校を抜け出す時点で問題だと思いますが」

 

 「で、ですけどペロロ様の限定グッズですよ!?しかも限定100個です!発売されると聞いて慌ててお小遣いを確認したほどです!」

 

 だからといって授業どころかテストを抜け出して買いにいくのは模範的な生徒ではない。そして、これだから阿慈谷ヒフミは補習授業部のままでいる。下江コハルのように勉強ができないわけでもなく、白洲アズサのように習っていない範囲というわけでもなく、浦和ハナコのようにわざと点数を落としているわけでもない。純粋なサボりである。なんなら補習授業部の中で一番やってはいけないことをしている。

 

 「ブラックマーケットを訪れた理由は、砂漠横断鉄道再開発開通記念限定車掌ペロロ人形1/10で合っているでしょうか」

 

 「はい!限定100個車掌ペロロ様です!」

 

 「十六夜ノノミには頼めばよかったのでは?阿慈谷ヒフミ、貴女はアビドス高等学校の生徒と仲が良いでしょう」

 

 「ノノミさん、ですか?たしかにアビドスの方たちは砂漠横断鉄道に近いので代わりに買ってほしいと頼むことはできましたが、さすがに平日にいきなり頼むのは……」

 

 「――十六夜ノノミはセイント・ネフティス社のご令嬢ですから、彼女に頼めば取り置きしてもらえたのではないでしょうか」

 

 「ネフティスと鉄道……も、もしかしてハイランダー鉄道学園への伝手がある、とかですか?」

 

 「ハイランダー鉄道学園はセイント・ネフティス社と提携している学園ですので、十六夜ノノミがもしハイランダー鉄道学園に進学していれば生徒会長になっていた可能性が高いでしょう」

 

 だんだんと阿慈谷ヒフミも理解しだしたようだ。実は買いに行かずに、抜け道があったことに。限定グッズを手に入れる方法を自ら逃していたことに。

 

 「で、ですが……絶対ではないですし……?そ、それにノノミさんにいきなり頼るのも?えっと、申し訳ないというか、はい」

 

 「わかりました。ではブラックマーケット内で砂漠横断鉄道再開発開通記念限定車掌ペロロ人形1/10を探しましょう」

 

 本日はシャーレ当番であった私が、先生の代わりに依頼を1つ受けることになった。それが阿慈谷ヒフミの『限定ペロロ様探し』依頼である。

 

 

 

 

 『先生、先生!』

 

 『新しいモモフレンズのグッズが発売されることが決まったみたいですね!』

 

 『なんでも大オアシス駅限定で販売されるそうで、私も発売日には行かせてもらいますね!』

 

 "あれ?でもヒフミ、その日は試験じゃなかったっけ?"

 

 『……そうでしたっけ?』

 

 "ヒフミ?"

 

 『うぅ、試験を別日にするのは……ダメ、ですよね……?』

 

 "ダメだよ。ナギサにもヒフミが抜けださないようにって伝えておくからね"

 

 『そ、そうですよね……売れ残っていることを祈って次の日に行きたいと思います……!』

 

 

 

 

『先生……やっぱりペロロ様は売り切れていました……。』

 

『それで、ですね』

 

『今度ブラックマーケットにペロロ様グッズを探しに行きたいのですが、一緒にお願いできませんか……?』

 

"ごめんね、その日は私も用事があって"

 

"代わりに、そういう探し物が得意な子を紹介するよ"

 

 

 

 

 ブラックマーケットには中古品や違法品などが溢れており、欲しいものを探そうと端から端まで回ろうとすると一日では済まない。そのために当たりをつけて回る必要があるのだが、そこは私が各店舗の情報を抜き取って全体検索をかければいい話である。

 

 「全体検索を実行。検索中。砂漠横断鉄道再開発開通記念限定車掌ペロロ人形1/10の在庫を確認。販売数100、売却数3、ブラックマーケット内在庫数2、販売店舗を検索。実行。200m先の中古ショップにて在庫を確認。もう1つは――購入されましたね」

 

 「す、すごいです!でもあと1つしか無いんですよね!?急がないと!行きましょうケイちゃん!」

 

 阿慈谷ヒフミは私の手を引っ張ると、勢いよく走りだした。

 

 「ここの2階に砂漠横断鉄道再開発開通記念限定車掌ペロロ人形1/10を確認しました。販売は、していないようですね。店主に確認する方がよいかと」

 

 「販売されていないはずの在庫を確認していたんですか……?とりあえず、確認してみましょう!

 

 早速と言わんばかりに阿慈谷ヒフミは店主へと話しかける。非売品を購入しようとしているのだから、交渉は長引くだろうと私は他の商品を眺めることにした。

 

 この店では人形やフィギュア、ホビー商品をメインに販売しているようだ。阿慈谷ヒフミが欲しがるようなモモフレンズのグッズも多く揃えており、値段も問題ない。ブラックマーケットにしてはかなり良識のある店だといえる。阿慈谷ヒフミが「モモフレンズを好きな人に悪い人はいません!」と言っていたのもほんとうなのかもしれない。

 

 「け、ケイちゃん……このペロロ様を買うには条件があるって……」

 

 「条件、ですか」

 

 「おう、実はこのペロロが欲しいって客がもうひとりいてな?片方にしか売れねえから決めてほしいんだよ。見ての通り1つしかないからな。つーか、アンタらはどうやってペロロがあるって知ったんだ?」

 

 「そ、そんなことより、お相手さんはどこに……?」

 

 「ああ、もうすぐ到着するって言ってたな」

 

 いったい誰がこんな奇妙な人形を――いや、なるほど。彼女たちならそれを手に入れる理由もあるだろう。

 

 

 ☆

 

 

 「それで、私たちの依頼品を奪おうっていうのはどこの誰かしら?」

 

 長い赤髪、自信に満ち溢れた風に見せた表情、特徴的な角、生粋のアウトローを自称している陸八魔アル、その人だ。

 

 「社長、どうやら知り合いみたいだよ」

 

 鬼方カヨコがこちらを見ながらそう言うと、きょとんと陸八魔アルの表情が崩れる。あはは、と阿慈谷ヒフミが手を振ると一気に引きつった顔になる。

 

 「あら、ヒフミ?」

 

 「はい、お久しぶりですアルさん」

 

 「便利屋68が砂漠横断鉄道再開発開通記念限定車掌ペロロ人形1/10の購入予定者でしょうか」

 

 「さばく……?と、とりあえずその鳥モドキを依頼人が求めているの」

 

 「とりも…!?ぺ、ペロロ様です!」

 

 「ああ、うん。そのペロロ様が欲しいんだよね。ムツキとハルカは別の場所で探してるんだけど、物があるなら回収しておきたい」

 

 便利屋68はゲヘナ学園の生徒であるが、学校へは通っておらず起業して会社を経営している。社長の陸八魔アルを中心に何でも屋をしており、今回は依頼として砂漠横断鉄道再開発開通記念限定車掌ペロロ人形1/10を頼まれたのだろう。

 くしくも阿慈谷ヒフミと同じモモフレンズの愛好家に頼まれたらしく譲れないとのことだった。

 

 「とりあえず、第三者に買われる前に購入してしまってはいかがでしょうか。私としてはどちらにせよ確保はしておきたいのですが」

 

 「そうだね、とりあえず買うだけ買っておこうか」

 

 陸八魔アルと阿慈谷ヒフミがぎこちないコミュニケーションをとっている中、鬼方カヨコと私で商品を購入した。

 

 「ぺ、ペロロ様は鳥モドキじゃありません!」

 

 

 

 

 「とりあえず、こんなのところにいる意味もないしムツキとハルカと合流しよっか」

 

 「そうね。まずはあの子たちがペロロ様?を見つけているか確認しないと」

 

 「なるほど、このペロロ様は昔発売されていたオアシス祭りペロロ様を元に作っているんですね」

 

 「私は先生へ報告します。どちらが購入することになろうと物自体は手に入ったので」

 

 「え!?この鳥モドキ、シャーレの依頼なの!?どどどどうすればいいの!?」

 

 「落ち着いて社長。私たちも依頼で買いにきたんだから、条件は一緒なんだよ」

 

 便利屋68は別行動のふたりに連絡をしてもらい、私は先生へと報告を行った。阿慈谷ヒフミは未だに砂漠横断鉄道再開発開通記念限定車掌ペロロ人形1/10を触っている。

 

 「あの子たち、ブラックマーケットの外にいるらしいわよ?もうやることは終わったから早くきて、ってムツキが」

 

 「何やってんだか……有る無しに関わらず連絡しろって言ったのに……」

 

 「こ、この触り心地!もしかして綿ではなく羽毛!?昔のアビドス生徒会はすごいと聞いてはいましたが、まさかそれを再現しているんですか!?」

 

 

 

 

 「アルちゃんおっそ~い。私たちもうペロロ人形買っちゃったよお?」

 

 「アル様ぁ!今回はミスらしいミスもなく依頼を達成できました!」

 

 伊草ハルカは砂漠横断鉄道再開発開通記念限定車掌ペロロ人形1/10を持ち上げながら笑顔で言った。陸八魔アルから話をいいてから薄々そうではないかと思っていたが、両方とも便利屋が手に入れることができたらしい。

 

 「げ、限定ペロロ様が2つも!?なんということでしょうか……車掌さんがアイコンタクトしているようなこの構図……まさに奇跡的相性!!」

 

 何を言っているのかよくわからないが阿慈谷ヒフミは感動しているらしい。私たちは顔を見合わせて見なかったことにし、話し合いを続けることにした。

 

 「便利屋68は2つとも必要なのでしょうか。私たちは阿慈谷ヒフミが欲しがっているだけなので1つで構わないのですが」

 

 「私たちも1つで十分ね。こんな鳥モドキの何がいいのやら」

 

 「まあこれで私たちも無駄に買うはずだった分がなくなったわけだし、いいんじゃないの」

 

 「……あ、も、もしかして買う必要がなかったんですか?ごめんなさいごめんなさい!」

 

 「否定します。私たちも必要としていました。2つあることで便利屋68と阿慈谷ヒフミの分である2つを確保できました。お手柄といっても良いでしょう」

 

 「そ、そうなんですか…?」

 

 「ええ、よくやったわハルカ!」

 

 「……へ……。……へへ……」

 

 あいかわらずペロロ様ペロロ様と騒いでいる阿慈谷ヒフミと、もじもじしている伊草ハルカは浅黄ムツキに任せ、鬼方カヨコと精算を済ませた。これで私としてもシャーレの依頼を達成、便利屋68としても依頼達成であると報告ができる。

 

 『先生、浅黄ムツキと伊草ハルカも購入できていたようです。双方が入手することができました。依頼達成を知らせます』

 

 これでよし。陸八魔アルにもモモトークの内容を見せ了承を得た。ブラックマーケットにきたというのに何もなく平和に終わるとは。

 

 「今日の依頼は何事もなく終わったわね!今日はいい日だわ!」

 

 ――こういうのをフラグというのだったか。思うだけはいいが、言葉にしてはいけないと才羽モモイも言っていた。やったか!?もう敵はいないようだな!これで終わりだ!等状況を言葉にすると、それら全ての因果が曲がり失敗に終わるのだと。

 

 「あ、あれ?なんだか外が騒がしくないですか?」

 

 エデン条約でのことがあったからか、阿慈谷ヒフミは爆発音や射撃音が耳に入りやすくなったそうだ。トラウマ、というほどではないようだが経過観察が必要であると先生が時々トリニティ総合学園に出向いた際にカウンセリングをしている。

 その阿慈谷ヒフミが銃声を感知したというのであれば、外では何かしら戦闘が起きているのだろう。私も各カメラから情報を引き出す。

 

 「これは、いえ、問題ないでしょう」

 

 「そうなの?けっこう音が近づいてる気がするけど」

 

 「追われているのは砂狼シロコですから。彼女であれば問題なく逃げきることができるでしょう」

 

 「え、ええ!?よくないですよ!?どうしてシロコさんが追われているんですか!?」

 

 阿慈谷ヒフミは勢いよく立ち上がり、そっと席に砂漠横断鉄道再開発開通記念限定車掌ペロロ人形1/10を置くとマイ・ネセシティを取り出し外の様子を見ようと入り口へと走っていく。

 

 「ふ~ん……まあシロコちゃんなら大丈夫だと思うけどぉ……くふふっ、なんだか面白そうだし私たちも行こうよ♪」

 

 「は、はいっ!敵ですね?敵を倒せばいいんですよね?」

 

 「よっしゃあ!行くよハルカちゃん!」

 

 「……敵は倒します!」

 

 「ちょっと!状況を確認してから――あぁ、もう。社長、私は状況を見てから介入するから、あの子たちの援護してあげて」

 

 「え!?えぇ、そうね!」

 

 慌ただしく動く便利屋68を後目に、私は依頼品の監視を務めることにした。追われているといってもヘルメット団に追われているだけな様子で、砂狼シロコに追いつけていない。2年生という括りであれば砂狼シロコは最強格の生徒だ。手助けは必要ないと思うのだが。

 

「ん、反撃する」

 

「よくわかりませんが、助太刀します!」

 

「おー!どっちも頑張れ~♪」

 

「え!?お、おお応援するんですか!?が、頑張ってくださぁい!」

 

 阿慈谷ヒフミと合流した砂狼シロコが反転しヘルメット団と応戦しだした。その後ろから応援する浅黄ムツキ、参戦すると思っていたら応援するだけの浅黄ムツキを見ておろおろしている伊草ハルカと陸八魔アル。いざという時は頼りになると浅黄ムツキは言うが、なかなかそれを見る機会がこない。

 

 「今日も、平和ですね」

 

 「……そう、だね」

 

 

 

 

 「これにて報告を終了します」

 

 "結局、シロコはどうして追われていたの?"

 

「砂狼シロコは暗黒銀行の下見だと言っていました。その際に裏道にいるヘルメット団と出会ったそうで『アビドスの癖で襲撃したら思ったより人数がいたから戦いやすい場所まで下がっていた』そうです」

 

 "……シロコには注意しておくね"

 

キヴォトスでは悪しき者は罰せよがまかり通っているので、砂狼シロコとヘルメット団に差はないと思うのだが。先生が生きてきた世界では銃を撃つだけで逮捕されるそうで、私には想像がつかない。

 

 「先生、砂狼シロコは怪しい人物に対して攻撃しただけです。先手必勝は戦いの常でしょう。何も問題はないと思いますが。強いていうのなら戦力を確認せずに戦闘を仕掛けたというところです。砂狼シロコほどの強さであれば情報がいかに大事かも理解しているはずですから」

 

 "ケイ、それは違うよ。どれだけ強くても、どれだけ相手が悪かったとしても、まずは話し合う気持ちをもってほしい"

 

 「先生は、先に撃たれろと言うのでしょうか」

 

 "そうではないけれど、誰それ関わらず敵だと思ってはいけない。それはいつか、周りのみんなも敵として見てしまうことになる"

 

 先生が言う言葉は、綺麗事が多い。だがそれは倫理であり、理想である。望ましいものであり、かくあれしと願うものだ。先生はアリスにも道徳を説いていた。私たちは他の生徒と違い常識がない。無知であり、無垢でもあると思ったのだろう。たしかにアリスはゲーム開発部によるクソゲー教育のせいで初期の人格は跡形もなくなってしまったが、私はゲームガールズアドバンスの中から眺めていただけで人格形成は初期の頃から変わっていない。私に倫理観を求めるのは如何なものかとも思う。

 

 「先生、私は元より世界を滅ぼすために存在したのです。たとえジョブチェンジをしたとしても、私に他の生徒と同じ倫理観を求められても困ります。私は先生やアリスと違い、誰かのために命をかけることなど、できませんでした。私はきっと、私が一番大事なのでしょう。アリスのためにと言ってはいますが、私にはアリスの想いがわかりません。私はアリスにはなれません。ゲーム開発部はとても暖かい場所です。私にはふさわしくない。私は――」

 

 "大丈夫だよ、ケイ"

 

 「――先生、私を抱擁したところで私は何も感じません。私にはそのような機能はついていません」

 

 "ケイ、泣かないで。ケイにもちゃんと機能が――感情があるよ。アリスの想いをくみ取れなくて悲しいって思う気持ちも、ゲーム開発部で孤独を感じてしまう寂しさも、みんなの反応が面白いって話してくれたことも、全部ケイの感情だよ"

 

 "こうしていれば、余計にわかるよ"

 

 先生の胸の中で私は震えていた。どうしても力が入らなくて、こんな大人は簡単に跳ねのけれるはずなのに。

 

 "全部自分が悪い、だなんて思わないで。ケイのおかげで、私はキヴォトスに戻ってこれたんだよ。ケイがいるからゲーム開発部は希望をもてたんだ"

 

 「ですが、私は――」

 

 "アリスにとって、それだけケイは大切な人だったんだよ"

 

 「私、は――」

 

 "ケイには笑っていてほしい。アリスがそう願ったように、私もそう思ってる"

 

 心音が聴こえる。弱くて、変な大人の。アリスが、私が、信じた先生の。

 

 守ると決めたのに。信じると決めたのに。私はまた裏切ろうとしている。

 

 "顔をあげて、ケイ。上を向くのは難しいかもしれない。未来に向かって歩くのはとても怖いことだから。後ろを向きたくなるかもしれない。私たちは過去に縛られているから。それでも、前を向いてほしい。みんなと一緒に歩んでほしいから"

 

 「また、綺麗事」

 

 "うん、綺麗事だ。けれど、ゲームにはご都合主義というものがあるでしょう?ケイとアリスの冒険譚はハッピーエンドであってほしいから"

 

"私はマスコットにしかなれないかもしれないけれど、これでもゲーム開発部の仲間だか らね。ケイとも一緒に冒険したいな"

 

 「……ほんとうに、変な大人ですね」

 

 

 

 

 「……先生?ケイちゃんを迎えにきました」

 

 "ごめんね、ミドリ。ほんとうはミレニアムまで連れていきたかったんだけど"

 

「ケイちゃん、部室でもそうなんですけど、誰かと触れ合っていないと不安になるみたいなんです。疎外感を感じちゃってるんですかね?私たちは、仲間なのに」

 

 "ケイがゲーム開発部の話をするとき、ミドリの話が一番多いよ。それだけミドリに気を許してるんじゃないかな"

 

 「そうだと嬉しいんですけど。それにしても……先生のワイシャツ、よれよれになっちゃいそうですね」

 

 "これだけ握られてると、外すのもどうかなと思ってね。最近は寝ていないってきいてたし"

 

 「そうですね。それじゃあ、ケイちゃんを受け取ります」

 

 "うん、よろしくね"







 各学校、というか各ストーリーには普通を自称する少女と同じで語り部として書きやすいキャラがいます。
 アビドスであればアヤネ、ミレニアムはミドリ、トリニティはヒフミ、SRTはミヤコ。
 逆に特徴があるキャラはトレースできるかが心配で仕方ない。ツルギとかハナコは無理な気がする……。
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